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プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京23区、神奈川県川崎市・横浜市を中心に活動する中小企業診断士・コンサルタント。

 専門領域は、(1)経営ビジョン・事業戦略の策定、(2)ビジョンや戦略とリンクした人材育成計画の立案・人事評価制度の構築、(3)人材育成計画に沿った教育研修プログラムの企画・開発。

 モットーは「日々改善、日々成長」、「実事求是」、「組織のためではなく知識のために働く」、「奇策は定石より先に立たず」、「一貫性(Consistency)」、「(無知の知ならぬ)無知の恥」

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

 ブログタイトルに、oasisの往年の名曲『Whatever』を入れてみた。

◆旧ブログ◆
マネジメント・フロンティア
~終わりなき旅~


◆別館◆
こぼれ落ちたピース
所属組織など
◆個人事務所「シャイン経営研究所」◆ シャイン経営研究所ロゴ


(一社)東京都中小診断士協会一般社団法人東京都中小企業診断士協会
(城北支部執行委員、青年部長を務めています)

企業内診断士フォーラム(KSF)企業内診断士フォーラム
(独立診断士の立場から、企業内診断士の活動を応援しています)

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最新記事

2013年05月26日

【ベンチャー失敗の教訓(第19回)】真綿で首を絞めるように繰り返されるリストラ


 >>シリーズ【ベンチャー失敗の教訓】記事一覧へ

 私が在籍していた5年半の間に、3社では3回のリストラが行われた。自主退職やY社のグループ離脱(以前の記事「【ベンチャー失敗の教訓(第4回)】何にでも手を出して、結局何もモノにできない社長」を参照)も重なり、3社合計で最大で50人ほどいた社員は、私の退職時にはわずか10人あまりになっていた(そして最近、X社で4回目のリストラが実行され、X社の社員数がとうとう4人になったという話を耳にした)。1回目のリストラは2008年の夏であった。慢性的な赤字体質が改善されず、累積損失も億単位に上っていたことから、経理担当者がリストラを主張し、3社の経営陣がしぶしぶそれに応じるという形で行われた。

 ただ、この時はリストラというよりも、組織改編と人員再配置がメインであり、リストラの対象社員は全体の1割にも満たなかった。後に経理担当者が話していたことだが、このリストラによって削減された固定費は微々たるものであった。もっと削減すべき固定費がたくさんあるのに、経営陣はそこには手をつけなかった。業績改善が見込めない社員や、毎月500万円近くも支払っていた家賃(以前の記事「【ベンチャー失敗の教訓(第5回)】とにかく形から入ろうとする社長」を参照)、社内設備のリース代や業務委託費など、メスを入れるべきところはいくらでもあった。

 それを放置したツケは早くも翌年(2009年)に回ってきた。まず夏に、3社の管理部門の社員4人が、高すぎる人件費を理由にリストラされた。A社長は前年にリストラを行った後、X社の全社員の前で「もうこれ以上のリストラはしない」と宣言していたにもかかわらず、その約束はあっさり反故にされた。そして、3回目のリストラは2009年の年末に行われた。前回の記事「【ベンチャー失敗の教訓(第18回)】積み上げ式ではなく願望だけで行われる売上」で私がA社長にリストラを促した話を紹介したが、これが3回目のリストラである。この時はX社の社員15人のうち、半数近くにあたる6人をリストラし、1人が自主退職した。

 この時、社員の削減は最大限に行ったつもりだが、人件費以外の固定費で手つかずの領域が残ってしまった。営業代行を依頼していた人や外部講師に対する業務委託費が毎月数十万ずつかかっていたが、実質的にはほとんど機能していなかったので、契約を打ち切るべきであった。だが、業務委託先の人がA社長と懇意な間柄であったことが理由で、業務委託費を少し下げただけで、契約は継続されることになってしまった。

 固定費を削減したつもりなのに、実際には固定費の削減になっていなかった領域もある。3社は2009年いっぱいで毎月約500万円もかかっていたオフィスを離れ、各社がそれぞれ別々のオフィスに移転することになった。X社が移転したオフィスの家賃は月約100万円であった。確かに、月約500万円のオフィスに入っていたころは、X社には300万円近い家賃が配賦されていたため、引越しによって200万円ほどコストが下がったことになる。しかし、社員数が8人に減ったわけだから、1人あたりの家賃は依然として10万円を超えていることになる。

 X社の人数からすれば、月20~30万円ぐらいの家賃が適正基準だ。こういう安い物件は、交通の便がやや悪く、都心から少し外れたところにしかない。だが、X社の規模や財政状況を考えれば、そのぐらいの物件が妥当である。引越し先を探していた経理担当者もそういう物件をあたっていたものの、A社長はどの物件を見せても首を縦に振らなかった。その理由は、「都心に住んでいる自分が通うには遠い」という、他の社員にとってはどうでもいいA社長の個人的な事情であった。このブルジョア的な発言によって、結局は都心の月約100万円のオフィスに移転することになってしまったのである(A社長は、昨年末頃に「どこか安いオフィスはないか?」と探していたという話をX社の営業担当者から聞いて、「この人は本当に学習能力のない人だ」と感じた)。

 度重なるリストラを見てきて、リストラは一発で決めなければならないとつくづく思い知らされた。野心的な経営改革プログラムの場合は、試行錯誤を繰り返しながら、改革案を次から次へと打ち出すことも許されるだろう。だが、痛みを伴うリストラだけは、絶対に一発で結果を残さなければならない。小規模のリストラが繰り返されると、社員が「次は自分の番ではないか?」と疑心暗鬼になり、モチベーションが低下してしまうのは容易に想像できる。

 リストラを一発で決めるためには、第一に人件費以外の不要なコストを徹底的に削ることが大切である。そして第二に、「削る計画」と合わせて、「売上を増やす計画」を立案しなければならない。リストラされた社員がどんなに業績に貢献していない社員であっても、その社員の業務は残った社員の肩に重くのしかかることになる。そこで、残った社員が過剰業務でパンクしないよう、不要な業務を全て捨て去らなければならない。こうした業務の精査を行った上で、残った社員をどの業務に集中させ、どのように売上を伸ばし、どうやって安定的に利益が出せる体質に変えていくのか、そのプランを練る必要がある。3社のリストラは、表面的なコスト削減ばかりにフォーカスが当たってしまい、こうした視点が全く欠けていた。

 ある不動産会社の役員からうかがった話だが、その会社はかつて成長戦略の一環として別の不動産会社を買収した。ところが、ふたを開けてみたら買収先企業が粉飾決算をしており、債務超過に陥っていた。その影響で、あやうくその役員の会社まで傾くところであった。そこで役員は当初の成長戦略を諦め、思い切って社員数を10分の1まで減らして、全社員を東京に集中させた。そして、東京以外の地域に営業することを禁止し、また、1顧客あたりの商談回数に上限を設けて、受注見込みが高い東京の顧客に全資源を投入した。その結果、業績が好転したという。リストラとは、こうやって行うべきものなのだろう。
(※注)
 X社(A社長)・・・企業向け集合研修・診断サービス、組織・人材開発コンサルティング
 Y社(B社長)・・・人材紹介、ヘッドハンティング事業
 Z社(C社長)・・・戦略コンサルティング
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2013年05月24日

【無料セミナー】ものづくり企業のための板橋区簡易型BCPセミナーのご案内


 私が所属する東京都中小企業診断士協会・城北支部内の「板橋区中小企業診断士会」のメンバーが講師を務める無料セミナーのご案内です。板橋区内の中小製造業の方に限られますが、万障お繰り合わせの上、是非ともご参加ください。

 下記URLからセミナー案内および申込用紙をダウンロードできます。
 http://bit.ly/ZfqFM2

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 緊急事態に あなたの会社を守ります ! !
 ものづくり企業のための板橋区簡易型BCPセミナーのご案内


板橋区BCP無料セミナー

 経営者の皆様、板橋BCPセミナーにぜひご参加ください!!
 ※板橋区簡易型BCP(Business Continuity Program)とは・・・
 災害時に事業を早期復旧する手法です。

 ■簡易型BCPなら
  (1)時間がかかりません
   既存のデータを活用するので事前準備が必要ありません。
  (2)労力はいりません
   中小企業診断士による個別サポートを受けられます。

 ■セミナー内容
  ●今BCP(事業継続計画)がなぜ必要か
  ●災害への事前対策と事例の紹介
  ●板橋区簡易型BCPの概念と策定支援について

 ■主催:板橋区

 ■企画・運営・講師:板橋区中小企業診断士会

 ■第1回
  ●日時:6月10日【月】18:30~20:30
  ●会場:ハイライフプラザ いたばしAホール
     (住所:板橋区板橋1-55-16)
  ●地図:http://goo.gl/maps/Zd3Sh(※Googleマップ)

 ■第2回
  ●日時:7月11日【木】18:30~20:30
  ●会場:板橋区立グリーンホール 601会議室
     (住所:板橋区栄町36-1)
  ●地図:http://goo.gl/maps/lD2cZ(※Googleマップ)

 ※第1回、第2回は同じ内容ですので、
 ご都合のよろしい日程をお選びください。

 ■参加費:無料

 ■定員:各セミナー40名(先着順)

 ■対象:板橋区内で製造業を営む中小企業の方

 ■申込:下記URLより申込用紙をダウンロードし、
     「板橋区 産業経済部 産業振興課 活性化戦略グループ 宛」に
     FAX(03-3579-9756)または
     eメール(sg-senryaku[at mark]city.itabashi.tokyo.jp)
     にてお申し込みください。
     http://bit.ly/ZfqFM2
2013年05月22日

【ドラッカー書評(再)】『乱気流時代の経営』―(無謀な予測だが)2020年までに開花しそうな7つの技術(後半)


「新訳」乱気流時代の経営 (ドラッカー選書)「新訳」乱気流時代の経営 (ドラッカー選書)
P・F. ドラッカー Peter F. Drucker 上田 惇生

ダイヤモンド社 1996-06

Amazonで詳しく見る by G-Tools

 (前回の続き)

(3)再生医療
 【概要】再生医療とは、事故や病気によって失われた身体の細胞、組織、器官の再生や機能の回復を目的とした医療を指す。再生医療の発展を担うのが、ES細胞(胚性幹細胞)とiPS細胞(人工多能性幹細胞)である。ES細胞とiPS細胞には、以下のような違いがある。ES細胞とは、着床寸前の段階の胚から、胎児の体のすべての元になる細胞を取り出し、多能性を保たせたまま培養して増やしたものである。これに対してiPS細胞とは、既にできあがった体の分化した細胞を取り出し、そこに数個の遺伝子を人工的に組み込むことでES細胞と同じような多能性を再び獲得させたものである(※9)。

 ES細胞の歴史は1981年に遡る。同年、2つの研究グループによって、初めてマウスのES細胞が樹立された。1つはケンブリッジ大学のマーティン・エヴァンスとマシュー・カウフマンらによるものであり、もう1つはカリフォルニア大学のゲイル・R・マーチンによるものである。それから17年後の1998年、ウィスコンシン大学マディソン校のジェームズ・トムソンらにより、初めてヒトのES細胞が樹立された(※10)。iPS細胞の歴史については、昨年ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥氏(京都大学iPS細胞研究所所長・教授)がカリフォルニア大学サンフランシスコ校グラッドストーン研究所に着任してiPS細胞の研究を始めたのが1993年である(※11)。

 【市場規模】今後、幅広い疾患において再生医療が行われれば、現行の製品開発パイプライン上にある開発品目の市場だけではなく、iPS 細胞などの多能性幹細胞活用を含めた将来的な市場や、糖尿病を始めとする慢性疾患を中心とした医療費の削減など、再生医療の経済効果が期待される。2030年には約1兆円、将来的な市場として2050年には2.5兆円となり、我が国における今後の大きな経済効果がもたらされる(※12)。

 【実用化上の問題】様々な問題がありここでは逐一列挙することができないが、大きく分けて制度上の問題、コスト上の問題、倫理上の問題がある。詳細は(※12)を参照。

(4)カーボンナノチューブ
 【概要】カーボンナノチューブとは、ダイヤモンド、非晶質、グラファイト、フラーレンに次いで、1991年に物理学者・飯島澄男氏によって発見された炭素材料。原子5~10個分の太さのチューブ状の炭素原子集合体で、構造によって金属にも半導体にもなるという特性を持つ(※13)。鋼鉄の数十倍の強さを持ち、いくら曲げても折れないほどしなやかで、薬品や高熱にも耐え、銀よりも電気を、ダイヤモンドよりも熱をよく伝える(※14)。

 【用途】トランジスタ、LSI配線、半導体トレイ(帯電防止シート)、蓄電デバイス、リチウムイオン二次電池、燃料電池、水素吸蔵、太陽電池、キャパシタ、透明導電膜、導電ペースト、機械的強度向上を目的とした用途、衣類、カテーテルなど(※15)。

 【市場規模】IDTechEx Ltd.が発行した報告書"Carbon Nanotubes (CNT) for Electronics & Electrics 2013-2023: Forecasts, Applications, Technologies"によると、電子および電気用途向けのカーボンナノチューブ市場が2023年までに世界で28億米ドル以上の規模に拡大すると予測されている(※16)。

 【実用化上の問題】製造コストの問題以外に、健康被害が懸念されている。

 ⅰ)日本トキシコロジー学会が発行する『ジャーナル・オブ・トキシコロジカル・サイエンス』(2008年2月号)において、がん抑制遺伝子欠損マウスによる実験で発癌性がある可能性が報告されており、健康影響に関する研究、予防的曝露防止対策などに関する検討を推進すること、さらに安全対策が早急に図られるよう国に対して提案要求がなされた(※17)。

 ⅱ)カーボン・ナノチューブ技術を用いた製品は、アスベストに似た健康被害を及ぼす可能性があることが2008年5月21日、イギリス科学専門誌「Nature Nanotechnology」に掲載された論文により明らかとなった。この研究発表を行ったのはエディンバラ大学のケネス・ノナルドソン教授を中心とする研究グループである。研究グループによると、ナノチューブ一般、特に、カーボン・ナノチューブ技術を用いた素材はアスベストに似た健康被害を及ぼし、肺癌などを誘発する危険性が高いと論じている(※17)。

(5)準結晶
 【概要】準結晶とは、結晶ともアモルファス(非晶質)とも異なる、第三の固体物質とも言うべき状態である。1984年、ダニエル・シェヒトマンによって、液体状態から急冷したAl-Mn合金から発見された。初期に発見された準結晶は熱力学的に不安定であり、熱を加えると、より安定な結晶相が析出してしまっていたが、東北大学金属材料研究所(当時)の蔡安邦らによって、Al-Cu-Fe(1987年)やAl-Ni-Co(1989年)といった安定な準結晶が次々と発見された。2011年、準結晶の研究に大きな貢献をしたダニエル・シェヒトマンにノーベル化学賞が授与された。

 準結晶に特有の物性として、金属としては異常に高い電気抵抗が挙げられる。例えば、アルミニウム、銅、鉄はいずれも良導体であるが、これらからなる準結晶Al-Cu-Feでは電気抵抗が10万倍にも達する。また、温度が低くなると抵抗が上昇する、欠陥が存在する場合の方がむしろ抵抗が低い(いずれも通常の金属の性質とは逆)などの特殊な性質を示す(※18)。

 【用途】医療用メスとして既に多用されている。その他の用途としては、400℃の耐高温自動車用ディーゼルエンジン部品、ハードディスク駆動装置の軸受け、ドリルなど(※19)。また、準結晶を利用することで極めて性能の高いレンズを作ることが可能になる(※20)。フライパンのコーティングに応用されたこともあるが、重量が重く、高価になるため、あまり普及しなかった(※21)。

 【実用化上の問題】カーボンナノチューブほど応用例がまだ見つかっていないことが課題だろうか?(市場規模のデータも発見することができなかった)

(6)燃料電池自動車
 【概要】燃料電池自動車は、搭載した燃料電池から水素または改質水素を燃料とし、空気中の酸素を反応させて発電して電動機を駆動する自動車である。電気自動車と同様、走行時に排ガスを一切出さない(※22)。環境対応車としては電気自動車が先行しており、日産など大手メーカーが多大な投資を行ってきたものの、消費者の反応は鈍く、普及は進んでいない。業界では、電気自動車に代わって、燃料電池自動車の開発に注目が集まっている(※23)。

 燃料電池そのものの歴史は古く、原理が発見されたのは今から200年あまりも昔である。その後、長らく研究が途絶えていたが、1960年代にアメリカの宇宙船に搭載されて話題となって以来、世界各国で開発が進められるようになった。日本でも、低いエネルギー自給率や化石燃料の枯渇など、様々な将来への不安が高まりを見せてきた1980年代から、国が本格的な開発支援に取り組んでいる(※24)。

 【市場規模】富士経済によると、燃料電池車の世界市場規模は、2010年が56億円、185台だが、2025年に105万8000台にまで成長し、市場規模は2兆1000億円になると予想されている(※25)。ちなみに、富士経済は今年に入ってから、電気自動車については、2030年の世界市場規模が307万台にとどまるとの見通しをが立てている。昨年の調査では1,300万台を超えるとしていたが、昨年予測に比べ77.7%減と大幅に下方修正した(※26)。

 【実用化上の問題】
 ⅰ)燃料電池は、水や天然ガス、バイオマスなどから水素を生成し、貯蔵のために圧縮や液化する必要があり、利用者に運んで燃料電池で電気に変換する過程において損失が生じる。実際に使用するまでに、約25%が減少する。”風力から車輪”の効率を比較した場合、風力発電の電力を水素に変換して燃料電池自動車で使用するより、電気自動車に充電する場合の方が3倍効率がよい(※22)。

 ⅱ)水素の製造工程で発電効率が33%から48%の火力発電による電気を使用する場合、結果的に二酸化炭素を排出する(※22)。

 ⅲ)水素ステーションのインフラ整備は規制緩和と併せて進める必要がある。既にガソリンスタンドがあるため、水素ステーションは場所に困らないと言われているが、現在の法制下では、住宅地のステーションでは水素の貯蔵量が極端に限られる、地下に貯蔵庫を造ることができないといった制限がある(※27)。

 ⅳ)燃料電池自動車はナンバーを取得できるが、現在の法制度では、トラックに燃料電池自動車を乗せると“危険物”扱いになる。燃料電池自動車を積載したトラックは、“燃料以外に可燃性の気体を積載したクルマ”ということになり、一部のトンネルなどを通ることができない(※27)。

(7)6次産業
 【概要】最後に取り上げる6次産業は、技術的なイノベーションというよりも、社会的なイノベーションである。6次産業とは、農業や水産業などの第一次産業が食品加工・流通販売にも業務展開している経営形態を表す。第一次産業者は、農畜産物、水産物の生産だけでなく、食品加工(第二次産業)、流通、販売(第三次産業)にも主体的かつ総合的に関わることによって、加工賃や流通マージンなど今まで第二次・第三次産業の事業者が得ていた付加価値を取得する。これによって、農水産業を活性化させようというものである(※28)。「6次産業」という言葉は、農業経済学者の今村奈良臣氏(東京大学名誉教授)が1994年に提唱した(※29)。

 【市場規模】経済産業省は2012年、6次産業の市場規模を現行(1兆円)から5年間で3兆円に拡大するという目標を発表した(※30)。

 【産業発展上の問題】
 ⅰ)農水産業者側の課題としては、経営意識を高め、経営の仕組みを整備することが挙げられる。農水産業者を対象としたアンケートからは、生産品目共通の課題として、「ビジョンの明確化・共有化」、「マーケット・インの実践」、「組織管理の実行」という3つが抽出された(※31)。

 ⅱ)行政側の課題としては、以下のものが挙げられる(※30)。
 a.6次産業化事業者への成長資本の提供やハンズオン支援(経営支援)を一体的に実施するため、国および民間の出資により「農林漁業成長産業化ファンド」を創設する。

 b.輸出戦略を立て直す。第一に、安全神話から脱却し、新たな信頼を獲得するための安全・品質管理体制を構築する。GAP、HACCPなどのグローバルスタンダードに対応する。第二に、「ジャパンブランド」の確立に向けた国家戦略的マーケティングを行う。例えば、日本食文化の世界無形遺産登録を目指す。

 c.再生可能エネルギーとの兼ね合いにおいて、食料供給や国土保全を確保しながら再生可能エネルギー電気の発電を促進するための国の基本方針・市町村の基本構想を策定する。また、地域の耕作放棄地の適切な利用など、土地の合理的な利用に関する措置を講ずる。

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(※9)「ES細胞とiPS細胞の違いを教えてください。―Yahoo!知恵袋
(※10)「研究者になりたい助手の日記 : ES細胞研究の歴史 その1
(※11)「山中伸弥―Wikipedia
(※12)「再生医療の実用化・産業化に関する報告書 最終取りまとめ
(※13)「カーボンナノチューブ とは―コトバンク
(※14)「驚異の新素材カーボンナノチューブ
(※15)「カーボンナノチューブの開発・用途・安全対策の状況について
(※16)「電子および電気用途向けのカーボンナノチューブ市場が2023年までに28億米ドル以上の規模に拡大|株式会社グローバルインフォメーションのニュースリリース
(※17)「カーボンナノチューブ―Wikipedia
(※18)「準結晶―Wikipedia
(※19)「ノーベル賞に関して―taiganosaisinkagakugijutsu
(※20)「Topic 10 3成分ブロック共重合体からなる準結晶の実現―SPring-8 Web Site
(※21)「インタビュー 蔡 安邦 氏(東北大学多元物質科学研究所 教授)「第3の固体『準結晶』の謎解きをした男 ―第2回 不思議な準結晶の魅力」 科学技術 全て伝えます サイエンスポータル / SciencePortal
(※22)「燃料電池自動車―Wikipedia
(※23)「 焦点:電気自動車に失速の兆し、燃料電池車で提携相次ぐ|ビジネスニュース|Reuters
(※24)「燃料電池とは:燃料電池の歴史―ecoねん
(※25)「燃料電池車、2025年に105.8万台・2.1兆円市場…富士経済予測 | レスポンス
(※26)「「2030年のEV市場は307万台」富士経済、昨年予測から8割下方修正―SankeiBiz(サンケイビズ)
(※27)「日産に聞いた“燃料電池車”の実力と課題―ITmedia LifeStyle
(※28)「第六次産業―Wikipedia
(※29)「6次産業化による農業・農村の活性化手引き書!―普及の力は人・地域を変える―
(※30)「6次産業化の推進について
(※31)「6次産業化を推進するに当たっての課題の抽出と解決方法(調査報告書)

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