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【ベンチャー失敗の教訓(第11回)】シナジーを発揮しない・できない3社
水曜どうでしょう「試験に出る石川県・富山県」宿泊先旅館まとめ
『持続可能性 新たな優位を求めて(DHBR2013年4月号)』―コットンと環境問題

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プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京23区、神奈川県川崎市・横浜市を中心に活動する中小企業診断士・コンサルタント。

 専門領域は、(1)経営ビジョン・事業戦略の策定、(2)ビジョンや戦略とリンクした人材育成計画の立案・人事評価制度の構築、(3)人材育成計画に沿った教育研修プログラムの企画・開発。

 モットーは「日々改善、日々成長」、「実事求是」、「組織のためではなく知識のために働く」、「奇策は定石より先に立たず」、「一貫性(Consistency)」、「(無知の知ならぬ)無知の恥」

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

 ブログタイトルに、oasisの往年の名曲『Whatever』を入れてみた。

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 谷藤友彦と株式会社サイトビジット代表取締役・鬼頭政人氏の対談動画(1)(2)(3)
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2013年03月31日

【ベンチャー失敗の教訓(第11回)】シナジーを発揮しない・できない3社

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 前職の会社が3社に分かれて3つの事業を行っていたのは、3社がシナジーを発揮し、クライアントとの太いパイプを構築するためであった。具体的には、まずはZ社が戦略コンサルティングという最上流工程を担当する。そこから見えてきた組織・業務・人材面の課題を、X社の組織開発・人事コンサルティングで解決する。コンサルティングの結果、教育研修のソリューションが必要となればX社の研修サービスを、要となる人材が不足していることが判明すればY社の人材紹介サービスを提供する、という流れであった。ITベンダーはしばしば社内にコンサルティング部隊を持ち、コンサルティングからシステム構築までを一貫して行うビジネスモデルを採用しているが、3社が目指したビジネスモデルはその人事版と言えるだろう。

 だが、実際にこのようなシナジーが発揮された案件は、私の5年半の在籍中1件もない。人事制度構築コンサルティングから研修サービスの提供に限定しても、おそらく私ぐらいしかやったことがない(営業人材の評価・教育制度構築のコンサルティングを行い、教育制度に従って営業研修を3年ほど継続受注した)。その原因は、3社とも事業が未成熟で、シナジーを発揮するどころではなかったことにあると考える。Z社のコンサルティングとX社の研修サービスは、以前の記事「【ベンチャー失敗の教訓(第4回)】何にでも手を出して、結局何もモノにできない社長」で述べたようにかなり迷走しており、大部分のサービスが中途半端に終わっていた。

 また、X社にはそもそもコンサルティング部隊が決定的に不足していた。X社とZ社は、お互いのサービスの未熟さ、そして収益性の悪さをめぐって頻繁に対立していた。だが、論争になると口が立つのはたいていコンサルタントの方であるから、Z社のコンサルタントがX社の講師陣をやり込めてしまうことが多かった。こうして両社の社員が反目し合ううちに、X社の社員の中にコンサルタントを毛嫌いする傾向が生まれ、X社はコンサルタントの新規採用を止めてしまったのである。

 Y社の人材紹介事業は、自社をプラットフォームとして、求職者と求人企業という2種類の顧客ネットワークを構築する事業である。この手のビジネスは、ネットワークの拡大に伴って飛躍的にビジネスが拡大する。つまり、求職者が増えれば、「あの会社に登録している人が多いから」という理由で新たに求職者が増えるとともに、求職者のプールに魅力を感じる求人企業も増加する。同様にして、求人企業が増えれば、「あの会社を使っている企業が多いから」という理由で新たに求人企業が増えるとともに、求人企業の多さに魅力を感じる求職者も増加する。

 しかし、裏を返せば、求人企業や求職者が少ない状態では、ネットワークが全く魅力を持たず、ビジネスとして成立しないという難しさがある。名もないベンチャー企業の場合、まずは求人企業と求職者の双方に対して、自社が信頼できる企業であることを証明する必要がある。普通の企業が普通に顧客を開拓するのでも大変なのに、Y社は2種類の顧客を同時に開拓しなければならないという”ハンデ”を背負っていた。そのハンデを克服する決定的な施策も仕組みなく、Y社の事業はなかなか軌道に乗らなかった。

 さらに、X社とY社の間でシナジーが発揮できないビジネスモデル上の致命的な欠陥があった。それは、X社のキャリア開発研修に原因がある。キャリア開発研修の導入を検討している企業の人事担当者は、「この研修を受けると、キャリア意識が高まった自社の社員が転職してしまうのではないか?」と心配することが多い。もちろん、X社としては「御社の中でどうやってキャリアをアップさせるかを考えてもらう研修です」と答えるわけだが、X社の関連会社にY社があることで、「キャリア意識が高まった社員をY社の転職サービスで転職させようとしているのではないか?」という疑いをかけられることも非常に多かった。だから、X社の提案書のグループ企業紹介ページやX社のHPには、関連会社としてY社の名前を載せない、という事態になってしまった。

 シナジーは1+1以上の成果を目指すものだと言われる。だが、個人的には、シナジーは足し算ではなく掛け算で考えるべきだと思う。したがって、未熟な事業、つまり1.0未満の事業が1つでもあれば、かえって足を引っ張られる結果になる。全てが未熟な事業ならば、どんなに集まっても1.0すら超えられない。3社はまさにそういう事態に陥っていたように思える。

 戦国の武将・武田信玄の家には、「三四十二、三四七つ」という秘伝がある。これは、「3と4は掛け合わせれば12になるが、足せば7にしかならない」という意味である。信玄は、シナジーを足し算ではなく掛け算で考えていたわけだ。信玄の下には、馬場美濃守、内藤昌豊、山県昌景といった歴戦の勇将に加え、軍師として名高い山本勘助と、傑出した才能を持つ人材が多く集まっていた。信玄は合議制によって、こうした1.0を超える優れた人材からアイデアを募って掛け算のシナジーを実現し、当時最強と呼ばれた武田軍を指揮していた(惜しむらくは、信玄が徳川家康を討つ途中、病死してしまったことだ)。信玄の秘伝に学ぶところは大きいと思う。
(※注)
 X社(A社長)・・・企業向け集合研修・診断サービス、組織・人材開発コンサルティング
 Y社(B社長)・・・人材紹介、ヘッドハンティング事業
 Z社(C社長)・・・戦略コンサルティング
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2013年03月29日

水曜どうでしょう「試験に出る石川県・富山県」宿泊先旅館まとめ

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試験に出るどうでしょう 石川県・富山県/四国八十八ヵ所Ⅱ試験に出るどうでしょう 石川県・富山県/
四国八十八ヵ所Ⅱ


水曜どうでしょうDVD第19弾
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水曜どうでしょうDVD第19弾「試験に出るどうでしょう 石川県・富山県/四国八十八箇所Ⅱ」ループタイ 水曜どうでしょうDVD第19弾『試験に出るどうでしょう 石川県・富山県/四国八十八箇所Ⅱ』をゲット。これが予約特典の「般若のループタイ」。残念ながら、紐を締めることはできません。

 藤村Dは「こんなものいらねぇだろ?」みたいなことをHPで書いていたが、こういうどうでもいいものへのこだわりがどうでしょう藩士を喜ばせるわけですよ。

水曜どうでしょうDVD第19弾「試験に出るどうでしょう 石川県・富山県/四国八十八箇所Ⅱ」受験必勝ノート 前回の『試験に出るどうでしょう』と同様、今回も受験必勝ノートがおまけで入っています。今回は大泉校長と生徒役・安田さんのノートをミックスした形に。爆笑の語呂の数々と、安田さんのお粗末な(?)千枚田(棚田)のスケッチも。

水曜どうでしょうDVD第19弾「試験に出るどうでしょう 石川県・富山県/四国八十八箇所Ⅱ」安田さんのグチ 安田さんが蜃気楼のページにどうでしょうゼミナールの文句を書いているところ。

 「ビワ湖とオホーツクに関してはしんきろうの原因となるものを教えてくれなかった。でも、どうでしょうゼミナールの人達はやっぱりイジめた。鈴井先生は、四の字で、無理やり「理解した」と言わせた。TVのまえのみんな、どうでしょうゼミナールには、入らない方がいい。生徒より」(笑)

 せっかくなので、このロケでどうでしょう班が泊まった宿を調べてみた。と言っても、2日目の富山県・魚津のビジネスホテルはさすがに解らなかったので、1日目と3日目の2つだけだが・・・。

http://tadaya.net/ 【1日目:石川県・和倉温泉】多田屋
 大泉校長の「立ち会い」が生まれた旅館。

 藤「校長、意外とお強いんですね。格好からは想像がつかないですけれど」
 大「おう、俺はわんぱく相撲では大関まで行ったもんだ」(笑)

 「わんぱく相撲」で「大関」という、そこそこ強そうと思わせる言葉を組み合わせるあたりに大泉さんのセンスを感じる。

http://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/78108/78108.html 【3日目:石川県・片山津温泉】せきや
 魚津で勉強した蜃気楼のことを全く覚えていない安田さんに対し、ミスターがドロップキックをお見舞いした旅館。

 大「おいおい鈴井君、あまり手荒なことをするなよ。明日試験だっつーのにドロップキックをかまして・・・」
 藤「先生、答えも言わずに・・・。それは覚えられないよ」
 大「鈴井君、今のは教えになっていないよ。今のはただの体罰だよ」(笑)

 残念ながら、2008年に廃業してしまったようだ(「「せきや」が営業停止 片山津温泉 債権者が破産申し立て」[北陸新聞、2008年12月16日]を参照)。

 さて、どうでしょうのHPで藤村Dが宣言している通り、今年は3年ぶりの新作のロケが行われるようだ。果たして今回はどこに行くのか?個人的には、2005年の「激闘!西表島」以来、久しぶりに安田さんに出演してもらいたいと思う。ただ、大泉さんも安田さんも売れっ子で長期のスケジュールは切れないだろうから、今回もおそらく国内だと予測する。

 国内で安田さんを含めてできる企画と言えば、やはり「試験」か「釣り」シリーズなのだが、「釣り」は「激闘!西表島」である意味笑いが頂点に達してしまったので、そうなると「試験」が有力か?では、国内のどこで「試験」をやるのか?という話になるが、実は百戦錬磨のどうでしょう班でもほとんど訪れたことのない県が1つだけある。それは千葉県。海外企画で成田空港を利用したことはあっても、それ以外の場所にはサイコロでも、対決列島でも、絵はがきの旅でも、カブでも訪れたことがない。よって、次回作は「試験に出るどうでしょう 千葉県」と”ヤマ”を張ってみた。

 「試験」シリーズは「四国八十八箇所」と切っても切り離せない関係にある。しかし、忙しい大泉さんを追加で何日も拘束して四国を回るのはもう難しそうだから、今回は「安田さんが満点を取れなかったら、藤村・嬉野両ディレクターだけで四国を回る」という特別ルールで試験を行う。四国を回りたくないD陣は命がけで安田さんに教えるものの、鈴井先生と大泉校長はそれを妨害するという構図で、いつものケンカに発展。最終的には安田さんが満点を取れず、D陣は4度目の四国お遍路の旅に出る。ただ、タレントが誰もいない番組を地上波で流すのはいささか憚られる。よって、お遍路の様子はアクトビラやHTBオンデマンドなどで限定公開される。

 どうでしょう、この読み??

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2013年03月27日

『持続可能性 新たな優位を求めて(DHBR2013年4月号)』―コットンと環境問題

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Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2013年 04月号 [雑誌]Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2013年 04月号 [雑誌]

ダイヤモンド社 2013-03-09

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 本号で勉強になったのは、「コットンは環境負荷が高い」ということ。コットンは天然繊維だから、化学繊維に比べて環境に優しいと思っていたが、実はそうではないようだ。
 エスケル(※香港に拠点を置くプレミアム・コットンのシャツメーカー)はコットンのほとんどを、主に地下水源に頼る中国北西部の新疆地区から買いつけていた。同地域で伝統的に行ってきた灌漑方法は、定期的に畑に水を張る湛水である。それは、害虫や病気の温床となる非効率的なもので、大量の農薬を使う必要があった。
(ハウ・L・リー「パートナーとの連携による 持続可能なサプライチェーンの構築」)
 (※ボストンにオープンしたアウトドア衣料メーカー・パタゴニアの新店舗で)スタッフの体調不良を引き起こした原因も調べてもらったところ、根本的な問題は、地下に在庫しているコットン製品から放出されたホルムアルデヒドだった。(中略)その後、主に使用している4種類の繊維について環境への影響を調査したところ、最も有害なのはコットンだと判明する。栽培時に化学薬品を大量に使っているからだ。
(イヴォン・シュイナード、ヴィンセント・スタンリー「40年かけて学んだ パタゴニア流企業の責任とは」)
 そこで、ざっくりとだがコットンが環境に与える影響を調べてみた。

 ・世界の耕作面積の約2.5%に綿が栽培されているが、1990年代には農薬使用がピークに達し、殺虫剤などは世界の使用量の20数%が綿の栽培に使われた。その後、使用量は減らされてきたが、それでも2008年の段階で、殺虫剤は15.7%も使われており、殺虫剤をはじめ落葉剤・除草剤などの農薬全体としては、6.8%を占めている(※1)。Tシャツ1枚分の綿花約200グラムに対して、約150グラムの農薬と化学肥料が使われるという(※2)。

 ・コットンは、コットンボール(綿花の部分)を大きくするために大量の栄養分と水を必要とする。ウズベキスタンでは、アラル海や周辺の河川から水を引くための灌漑施設を作ってきた。しかし、コットンの栽培によって、かつて世界第4位の大きさ(17,158km2。四国の面積とほぼ同じ)を誇ったアラル海は干上り、農薬で汚染された広大な塩湖と化した(※3)。

 ・慣行栽培の綿は、収穫が機械化されているため、収穫の前になると葉を薬品で枯れさせる(ヴェトナム戦争で甚大な健康被害をもたらした枯葉剤が使われる)。その時期の綿畑は2~3日間、立ち入り禁止となる。人の健康への悪影響が懸念されなくなったら、大型機械で綿花が刈られる。排水の環境への影響を軽減するため、排水は1所のみに集約され、排水を飲んで野鳥が死なないよう、レンジャーまで配置されている(※2)。

 ・全世界で毎年2万人が農薬事故で死亡し、その疾病患者数は、毎年300万人とされている。コットン農家は、農薬使用量、回数、種類(防虫、除草、殺虫、枯葉剤)が多く、農薬使用時による事故の確率もその分高いのが現状である(※3)。

 ・遺伝子組み換えの種や農薬にかかる費用を、栽培を始める前に農民の借金でまかなわなければならない(※1)。コットンの一大産地であるインドでは、農薬を買うために借金苦に陥り、 それが原因となって自殺したとみられる農民は6年間で10万人にもおよんでいる(※4)。

 ・子供たちが学校にも行けずに労働者として農業に駆り出されており、人権問題となっている。インドでは結婚にあたって、女性が持参金を用意する習慣がある。この持参金確保のため、南部の貧しいアンドラブラディシュ州などでは、少女達が学校通いを諦め、綿花栽培に関わる児童労働についている。インド全体で約40万人の児童が綿花栽培に従事、その54%が14歳未満、7~8割が女子だ。児童労働は主に、ハイブリッド種の種苗生産のための、雌花採取で行われている。木の丈が低いため、大人がなかなか従事したがらない労働だ。子どもたちは、朝の家事を終えた後、9~10時ごろまで、30℃を超える酷暑の炎天下、日没まで働きづめだ。児童には労働だけでなく、家事の負担も多い。6~9月の収穫期には、ほとんど休みのない子もいる(※2)。

 ・ウズベキスタンでは、中央政府の強制政策により、児童の綿花栽培が行われている。毎年9月になると全国の学校は2カ月以上も休校となり、生徒たちは中央および地方当局の命令で綿摘みを強要される。子どもたちは時に何日も休みなく1日8時間以上の労働を強いられ、収穫前に使用された化学薬品、殺虫剤、枯れ葉剤の残留物で一杯の粉塵を吸い込む。綿摘みを拒否すれば、退学処分となってしまう。学校職員に殴打された事例もある。ロンドンに本部を置く人権団体「環境正義財団」(EJF)によれば、綿花栽培地域フェルガナではおよそ20万の子どもが働いているという(※5)。

 ・綿花の染色前の脱脂、そして染色も化学染料が多用され、工場労働者の健康被害などが懸念されている。染色の後は、脱色防止のための色止め工程、柔軟材仕上げ、縮み防止の薬品処理と、服や製品の価値を高めるべく薬品処理の連続である(※2)。

 従来のコットンに代わって注目されているのが、「オーガニック・コットン」である。オーガニック・コットンとは、3年間農薬や化学肥料を使わないで栽培された農地で、農薬や化学肥料を使わずに生産された綿花のことである。栽培に使われる農薬・肥料については厳格な基準が設けられており、認証機関が実地検査を行っている。そして、紡績、織布、ニット、染色加工、縫製など全ての製造工程を通じて、化学薬品による環境負荷を最小限に減らして製造されたものを、オーガニック・コットン製品と呼ぶ(※6)。

 しかし、ウェブ上では製造工程で極力化学薬品を使っていないことを謳っているオーガニック・コットン製品のページが散見されたが、本号を読む限りまだまだ課題も多そうだ。エスケルやパタゴニアも、製造段階で苦労している様子がうかがえた。
 さらに事態を複雑にしていたのは、オーガニック・コットンの繊維が普通の綿よりも弱く、物理的性質が違っていることだった。余分な処理を必要とし、生地生産の際に出るスクラップ(くず)率も高い。そのうえ、通常の綿に使用されるものよりも環境的に有害でかつ高価な薬品や染料が必要になる。こうしたもろもろの事情によりコストがかさみ、オーガニック・コットンの環境へのプラス効果が帳消しになっていた。
(ハウ・L・リー「パートナーとの連携による 持続可能なサプライチェーンの構築」)
 オーガニック・コットンに切り替えた最初のシーズンは、農家に資金援助をする必要もあった。カリフォルニアの銀行は化学薬品を使わない農家にお金を貸してくれなかったからだ。化学薬品漬けのコットンをきれいに取り除いてから我々の綿繰りをしてくれる工場も探さなければならなかった。紡績や織り、編みなどの工場についても、同じようにしてくれるところを探さなければならなかった。
(イヴォン・シュイナード、ヴィンセント・スタンリー「40年かけて学んだ パタゴニア流企業の責任とは」)

(※1)「なぜ、オーガニック・コットン?|日本オーガニックコットン協会|JOCA」より。
(※2)「児童労働や環境問題を抱えるコットンを問う|JanJanニュース」より。
(※3)「オーガニックコットンとヘンプ|麻の総合利用研究センター」より。
(※4)「オーガニック・コットンって何?【オーガニックを着よう!】」より。
(※5)「ウズベキスタン|不買運動の呼びかけ、子どもの強制労働による綿花栽培|IPS Japan
(※6)「オーガニックコットンとは@JOCA」より。


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