プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京都城北エリア(板橋・練馬・荒川・台東・北)を中心に活動する中小企業診断士(経営コンサルタント、研修・セミナー講師)。2007年8月中小企業診断士登録。主な実績はこちら

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

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2013年01月13日

【《新シリーズ》ベンチャー失敗の教訓(第0回)】はじめに


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 私の前職の会社はベンチャー企業でありながら、早い段階でグループ企業化していた。具体的には以下の3社である。
X社(A社長)・・・企業向け集合研修・診断サービス、組織・人材開発コンサルティング
Y社(B社長)・・・人材紹介、ヘッドハンティング事業
Z社(C社長)・・・戦略コンサルティング
(※連載では、企業名および社長の名前について、上記の仮称を用いることとする)
 私はその中でX社に所属していた。最も社員数が多い時には、3社合計で50名を超えていた。私が入社して2年ほどたった頃のことである。しかし、それから約3年半後に会社を退職した時には、Y社が姿を消し、2社でわずか10人あまりという寂しい組織体制になっていた。3年半の間にリストラされた社員が約3割、自発的に辞めた人が約5割。自発的に辞めた社員の中には、自発的に辞めたというよりも、黙って”逃亡した”(ある日突然出社しなくなって音信不通になった)人が2人含まれている。こういう逃走劇は東南アジアの工場で起きるものだと思っていたが、日本でいい大人が引き起こしたのにはさすがに驚かされた。

 しかも、3社の経営陣は、コンサルファームでそれなりの地位まで上り詰めた人たちによって構成されており、かつ有名企業出身の顧問もたくさんついていた。にもかかわらず、どうしてこんなことになってしまったのか?この連載は、在籍5年半の経験(大部分が失敗体験)から、私なりに教訓を導き出してみようとするものである。基本的に毎週日曜日にアップし、おおよそ50本の連載になる予定である。1年ほどおつき合いください。

 本題に入る前に、注意点を3点ほど述べておきたい。まず第一に、「なぜこんなことをわざわざ書くのか?」、「失敗を明かすことは、コンサルタント・中小企業診断士としての私の今後にとって不利なのではないか?」と思われるかもしれない。確かに、コンサルタントが経営に失敗したとなれば、信用問題に関わる。だが、私の信用が失われることより、私が提示する教訓によって、似たような失敗で経営難に陥る中小企業・ベンチャー企業が少しでも減ることの方が、社会的意義は大きいだろう。生意気かもしれないが、そういう大義名分でこの連載を書くことに決めた。

 なお、副次的な目的として、この連載は私が過去と決別するためでもある。以前の記事「自分を苦しめていた怒りからの脱却、そして思想的転換」で、最近は不適切な怒りに苦しめられていたと書いたが、その怒りの大部分を占めていたのが、前職の企業に対するものである。怒りを貯め込んだままでは、私はいつまでたっても前に進むことができない。怒りを冷静な文章に転換し放出することで、つらい過去にサヨナラを告げたいのである。この連載には、そういう個人的な意味合いもある。私的な目的に読者の皆様をつき合わせることをどうかお許しください。

 第二に、連載記事を読んでいくにつれ、読者の皆様は「これはただの愚痴ではないのか?」、「お前はコンサルタント・中小企業診断士として、会社に対して何をしたのか?」と批判される方が出てくるだろう。正直に告白しよう。一人のコンサルタント・中小企業診断士として、昔の私はあまりにも実力不足であった。「自社をコンサルティングできない者に、他社のコンサルティングなどできるか?」と思われる方もいらっしゃるに違いない。そういう厳しい声は甘んじて受ける。

 ただ、過去の失敗という事実を今さら消すことはできない。事実を詐称することは、事実を重んじるコンサルタントとして一番やってはいけないことである(ところが、経営陣の中には「我が社の経営は成功している」と吹聴し、大学や行政に取り入って仕事を受注している者がいる)。ならば、今の私にできることは、過去の事実と虚心坦懐に向き合い、そこから有益な学びを抽出することではないか?それが、コンサルタントとしての最後の良心だと考えている。

 最後に、前職の企業群が冒頭で述べたような事業を展開していたことから、例えば生産管理、購買管理、物流管理などに関する教訓は含まれないことを断っておく。中小企業には製造業の占める割合が大企業よりも高い現実を踏まえると、この点は本連載の魅力をやや減少させる要因になってしまうかもしれない。それでも中小企業やベンチャー企業の経営者・管理職の方々にとって、それなりに有益な内容になると信じている。

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