プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京都城北エリア(板橋・練馬・荒川・台東・北)を中心に活動する中小企業診断士(経営コンサルタント、研修・セミナー講師)。2007年8月中小企業診断士登録。主な実績はこちら

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

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2013年10月11日

会議に出席するだけで解る企業文化の7つの特徴(その4~7)


 (前回の続き)

(4)会議で1回も発言しない人がいる⇒悪い情報が上層部に上がらない
 (3)のケースでも会議で1回も発言しない人が出てくるが、仮に入念に準備した配布資料を配ったとしても、会議で全く発言しない人が出てくることがある。それが1人であれば、その人の消極性が原因かもしれない。しかし、何人もの人が一言も言葉を発しないとすれば問題である。

 私もそのような会議に何度も直面したが、会議終了後に、会議で発言しなかった人が他の参加者と交わした会話に耳をそばだててみると、「会議ではああいう話になったが、私はそれは違うのではないかと思っている」、「会議での決定事項をそのまま実行に移せば、必ずこのような事態が発生する」と、決まって否定的な意見を口にしていた。彼らは、自分の意見を持っていないから発言しないのではない。会議の流れに水を差すのが嫌で、あるいは自分より立場が上の人に物申すのが嫌で発言を控えてしまう。

 しかし、会議とは、様々な意見を検討して、最適な解を導くプロセスである。一部の意見に偏ることなく、多角的な視点を提供してくれる意見こそ、真に尊重すべき意見だ。それが黙殺されるということは、普段の業務でも、都合の悪い情報は遮断されていると考えられる。そのような組織では、もはや手遅れになった頃になって初めて、組織全体を揺るがす大問題が発覚する。

(5)会議が時間通りに終わらない⇒作業時間の見積が甘く、仕事が予定通りに進まない
 時には議論が白熱して、予定時間を過ぎてしまうこともあるだろう。だが、会議が予定通りに終了しないことがあまりにも多い場合は、会議の設計自体に問題がある。私の前職の会社では、だいたい夜18時~20時に経営会議が行われていた。会議室はガラス張りになっていたので、会議に参加していない私でも、中の様子を知ることができた。ところが、21時になっても22時になっても会議が長々と続いていることがほとんどであった。

 何回も会議を重ねれば、会議のアジェンダ、配布資料のボリューム、参加人数などから、会議に必要な時間の見当がつくものである。会議は、秒単位で作業の標準作業が定められている工場と違って、たいていは30分単位で時間を設定する。よって、作業時間の設定としては簡単な部類に入る。それができないということは、日常業務の作業時間の見積も相当甘いと推測される。特に、本社や間接部門など、標準作業時間という概念があまり浸透していないホワイトカラー系の業務で、仕事が予定通りに進まない、あるいはいい加減な予定が横行していると考えられる。

(6)会議の議事録作成が重視される⇒「やる」と言った仕事を忘れる社員が多い
 議事録を作成する目的は、会議での決定事項を全員で共有することにあるのだろう。コンサルタントとしてのキャリアを始めたばかりの頃は、先輩から議事録の書き方をこと細かく指導されたし、クライアントに対して議事録の書き方をアドバイスしたこともある。ところが、何年か経つと、議事録を作成する意義そのものに疑問を感じるようになった。

 そもそも、参加者が会議での決定事項を自分でノートに書いていれば、議事録など必要ない。メモを取らない人がいるから、議事録作成という作業が発生するわけだ。メモを取らない人が議事録だけを読んでも会議の内容を思い出せるようにと、丁寧な議事録が要求される。会議に出席した人たちが何重にもチェックを行い、議事録の正式版が参加者に配布されるのは、会議終了から1週間後などということも珍しくない。メモを取っていなかった人は、議事録を読んで、「ああそうだ、私はこれをやらなければならなかった」と、自分がなすべきアクションを再認識する。

 会議での重要事項をその人がメモしていれば、議事録を作成する手間も、議事録が配布されるまでの1週間のリードタイムも不要になる。メモを取らないから、こういうムダが生じてしまう。しかも、会議の内容をメモしない人に限って、普段から重要なことをノートにメモする習慣がない。重要なことをノートに書かないから、日頃の仕事でもヌケモレが生じる。上司から指示された仕事の中身をノートに残さず、翌日にはすっかりそのことを忘れてしまって、ある日上司から「あの件はどうなっているのか?」と聞かれて冷や汗を流すのである。

(7)会議終了後にアクションプランが明らかにされない⇒組織全体の改善活動や改革プログラムが骨抜きにされる
 意思決定の内容は、アクションプランに落とし込まなければ意味がない。往々にしてあるのは、アクションプランが曖昧なケースだ。明確なアクションプランとは、誰が、何を、なぜ、いつまでに、どうやって行うのかが決まっており(例:「Xさんが、休眠顧客の開拓のために、休眠顧客に対するコンタクトを今週末までに電話で20件行い、5件のアポ取りを目指す」)、進捗状況(例:「電話でコンタクトを取った休眠顧客数」、「そのうちアポが取れた件数」)を確実に把握できるものである。つまり、責任者が言い逃れできないほどに具体化されていなければならない。

 曖昧なアクションプランでよしとしてしまうと、アクションプランの進捗管理ができなくなる。すると、いつの間にか進捗のモニタリングが行われなくなり、アクションプランは立ち消えになってしまう。社内には、「やれと言われた仕事であっても、誰からも責められるわけでもないから、やらなくていい」という雰囲気が生まれる。

 こうなると非常に危険だ。なぜならば、仮に経営陣が大きな改善活動や改革プログラムを立ち上げても、現場レベルまでアクションプランがブレイクダウンされなくなるからだ。その上、現場がアクションプランを実施しなくても、何となく許されてしまう。すると、せっかくの改善活動や改革プログラムが骨抜きにされる。さらに、そういう骨抜きが繰り返されると、次に新しい改善活動や改革プログラムが立ち上がっても、「どうせ今回もまた失敗するに違いない」と、現場は冷ややかな目線を向けるようになる。社内は事なかれ主義で包まれることになるわけだ。

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