プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京都城北エリア(板橋・練馬・荒川・台東・北)を中心に活動する中小企業診断士(経営コンサルタント、研修・セミナー講師)。2007年8月中小企業診断士登録。主な実績はこちら

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

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2014年01月08日

目玉は「新ものづくり補助金」―平成25年度補正予算のポイント


《2014年2月17日追記》
 「新ものづくり補助金(中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業)」の募集が本日より開始された。詳細は各都道府県の中小企業団体中央会HPを参照されたい。また、申請のポイントをこちらの記事にまとめておいた。 >>「新ものづくり補助金(中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業)」募集開始

《2014年3月23日追記》
 申請書の書き方に関する記事をアップしたので、こちらもご参照いただきたい。

 「新ものづくり補助金(平成25年度補正)」申請書の書き方(例)
 「新ものづくり補助金(平成25年度補正)」申請書の書き方(賃上げに関して)

《2014年4月14日追記》
 私が所属する認定支援機関「NPOビジネスサポート」で説明会を開催することにしたので、参加をご検討いただきたい。 >>
【東京】新ものづくり補助金・創業補助金説明会【緊急開催】

 昨年の12月12日、平成25年度の補正予算が閣議決定された。内訳は、「①競争力強化等(中小企業・エネルギー・イノベーションなど)」が5,511億円、「②復興の加速(復興庁計上)」が1,237億円となっている。①のうち、「中小企業対策」には3,403億円があてられた。昨年初頭に閣議決定された緊急経済対策(1月15日)に基づく平成24年度補正予算では、中小企業対策費に5,434億円が計上されたのに比べると、やや規模が縮小した。だが、それでも一般会計で計上されている中小企業対策費(平成25年度は政府全体で1,811億円、うち経済産業省分が1,071億円)に比べれば、大規模な補正予算である。

 平成25年度補正予算の目玉は、何と言っても「新ものづくり補助金」(予算1,400億円)であろう。これは、平成24年度補正予算で実施された「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金」(通称「ものづくり補助金」、予算1,007億円)の内容を踏襲し、規模を拡充したものである。もともと、自民党が昨年5月に発表した「中小企業・小規模事業者成長プラン」の中には、「スーパーものづくり補助金」という項目が入っていた。そのため、中小企業診断士の間でも、「来年以降もものづくり補助金が継続されるのではないか?」という噂が広まっていた。

 そして8月、日刊工業新聞が「企業庁、中小支援に2000億円超-「ものづくり補助金」上限倍増2000万円」という記事を発表。ところが、これに対して中小企業庁は、「そのような補助金が検討された事実はない」と火消しに走る騒ぎがあった。まだ煮詰まっていないのに、中企庁の誰かが焦ってリークしてしまったのだろう。あるいは、ものづくり補助金を続けるべきか、情報を小出しにして世間の反応を見てみようという、中企庁のマーケティング活動ではないか?といぶかしる診断士の人もいた。

 その後、平成25年度補正予算の編成が始まると、経産省が新ものづくり補助金として2,000億円を要求。これに対し、財務省が難色を示しており、最終的には600億円程度になるのではないか?という報道もあった(「景気の腰折れ回避-経産部会13年度補正、「ものづくり補助金」拡充」)。ただ、結局は両者の間をとるような形で妥結し、1,400億円に落ち着いた。いや、600億円と2,000億円のちょうど真ん中は1,300億円であるから、そこから100億円の上積みを獲得した経産省の粘り勝ちといったところだろうか?

 新ものづくり補助金の概要は以下の通りである。上限額はものづくり補助金と変わらず1,000万円であるが、医療、環境、エネルギーなど特定分野への投資に関しては、上限額が1,500万円まで引き上げられる。また、新ものづくり補助金では、製造業に加えてサービス業も対象になる。まるで私が以前の記事「平成26年度経済産業省概算要求 中小企業関連政策についての雑感」で、「サービス業向けの補助金も考えられないものか?」と書いたことが伝わったかのようだ(私のブログなんて経産省・中企庁の関係者は絶対読んでいないだろうけど・・・)。

 ものづくり補助金の第1次募集の期間が3月15日~3月25日(第1次締切分)および3月26日~4月15日(第2次締切分)であったことから、新ものづくり補助金の募集期間もおそらく同じ時期になると思われる。申込期間が短い上、申込書類の作成には結構な時間を要するため、応募を検討している中小企業は今から作戦を練っておくとよいと思う。

《2014年1月23日追記》
 新ものづくり補助金の公募要領や応募様式などは、現時点で一切明らかになっていない。ただ、補助金の仕組み自体はそれほど大きく変わらないはずなので、平成24年度補正予算ものづくり補助金の公募要領などを研究して準備を進めるのがよいだろう(大阪府中小企業団体中央会のHPなどを参照)。


 ところで、安倍首相は先月18日、新ものづくり補助金について「賃上げをした企業に優先的に出していく」と述べ、茂木敏充経済産業相に指示する考えを示した(ものづくり補助金「賃上げ企業を優先」 首相、指示へ)。賃上げした事実をどうやって企業側に証明させるのか、興味深いところだ。社員の何割が賃上げをしていればよいのか?賃上げの幅は何%以上でなければならないのか?首相がさらっと口頭で指示した内容だが、詰めていくと結構難しい問題である。
1.試作品・新商品の開発や生産プロセスの改善、新しいサービスや販売方法の導入を含めた事業革新に取り組む費用に対する支援
 ・対象:中小企業・小規模事業者
 ・補助上限:1,000万円(特定分野(※)への投資は1,500万円)
   ※特定分野:医療・環境・エネルギー分野など
   ※設備投資を伴わない開発を行う小規模事業者向け特別枠:(上限700万円)
 ・対象分野:ものづくりに加え、商業・サービス分野を追加
 ・補助率:3分の2

2.金融機関から借入を行い老朽化に対処した大規模設備投資(※)に対する支援
 ・金融機関のモニタリング実績に応じ、借入額の1%相当を上限に設備投資費を補助
   ※大規模投資:総資産の15%を超える設備投資
《2014年1月22日追記》
 1月21日に中企庁のHPでもう少し詳しい情報が公開された(「平成25年度補正予算 事業毎PRチラシ」を参照)。
1.ものづくり・商業・サービス補助金
【補助上限:通常1,000万円(700万円(※1)、1,500万円(※2))、補助率:3分の2】

(※1)小規模事業者のみが利用でき、設備投資を伴わない費用を補助する特別枠。例:地元産品を活用したオリジナルスイーツの開発、理容店が女性顧客をターゲットにしたエステサービスを導入、など。
(※2)医療・環境・エネルギーなど特定分野への投資に関しては、上限額を1,500万円に引き上げ。

 ものづくり
 <要件>
 「中小ものづくり高度化法」に基づく特定ものづくり基盤技術を活用していること(例:情報処理、立体加工など)
 <事例:多言語対応の産業用インクジェットプリンタの開発>
 情報処理技術を活用して、多言語化に必要な処理能力を持つハードウェアを有するシステムを搭載する産業用インクジェットプリンタを開発し、さらに部品数の見直しによるコスト競争力向上により海外市場獲得を目指す。

 商業・サービス
 <要件>
 3~5年計画で「付加価値額」年率3%および「営業利益」年率1%の向上を達成する事業であること(付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費)
 例えば、「付加価値額」7,000万円(※3)⇒翌年度210万円の向上
     「営業利益」700万円(※3)⇒翌年度7万円の向上
をともに達成する事業であること。

(※3)中小企業の平均値。

 <事例①:理容店における女性顧客をターゲットとしたシェービング・エステの提供>
 他店では提供していないレディース・シェービング・エステに業務拡大。心安らぐ空間作りによって、リラクゼーションという付加価値を提供し、顧客単価の引上げを目指す。

 <事例②:電子カルテや新たな洗浄技術の導入およびその効果の検証のための設備導入>
 顧客情報を電子カルテ化し、顧客の生活環境に合った衣料品のメンテナンスサービスを提供するとともに、水洗いとドライの長所を併せ持つ洗浄方法の開発により、新規需要を開拓する。

2.老朽化設備の新陳代謝
【補助上限:借入金の1%相当額】
 新陳代謝型
 金融機関から借入を行い耐用年数を超過した設備を入れ替える大規模投資(総資産の15%を超える設備投資)を行う場合に、借入額の1%相当額を上限に補助する(例:事業者が1億円の借入を行う場合、100万円を上限に補助する)。

3.取引先の事業所の閉鎖・縮小の影響を受けている事業者の設備投資など
【補助上限:1,000万円、補助率:3分の2】
 取引先の事業所の閉鎖・縮小により10%以上売上減少が見込まれる中小企業・小規模事業者が、新たな事業展開をするために必要な設備投資などを補助する。
 なお、平成25年度補正予算における「中小企業対策」の概要は以下の通り。

(1)中小企業・小規模事業者の事業革新等への支援(2,013億円)
(1-1)中小企業・小規模事業者によるものづくり等の支援(新ものづくり補助金等)(1,582億円)

 ○ものづくり・商業・サービス革新事業(新ものづくり補助金)(1,400億円)
 製造業・商業・サービス業等の試作品開発、新ビジネスモデル開発、生産プロセスの改善、生産性向上を含め中小企業・小規模事業者の事業革新を支援。さらに、設備投資を伴わない開発を行う小規模事業者向けに特別枠を設定。また、金融機関から借入を行い老朽化に対処した大規模設備投資を行う場合、金融機関のモニタリング実績に応じ、借入額の1%相当を上限に設備投資費を補助。

 ○地域におけるオープンイノベーション基盤の構築(30億円)
 自治体の公設試験場、大学等に対する施設・設備の整備を支援。地方産業競争力協議会で特定した戦略分野に配分。

 ○研究開発型新事業創出支援プラットフォーム(102億円)
 グローバルかつオープンな技術融合と開発補助による技術シーズ事業化支援。

 ○リースによる先端設備投資支援(50億円)
 リース手法の活用により、高額な初期費用を要し初期稼働が見通し難い先端設備等の導入を推進。

(1-2)商店街・中心市街地活性化対策(225億円)

 ○商店街活性化に向けたソフト・ハード両面の支援(180億円)
  □商店街まちづくり事業
  地域の安心・安全に係る施設等の整備(子育て、高齢者向け等)。
  □地域商店街活性化事業
  消費喚起イベントや商店街の体質強化に資する人材育成研修等。

 ○中心市街地活性化(45億円)
 商店街に効果がある高度な商業機能の整備等を実施。

(1-3)小規模事業者支援(145億円)

 ○小規模事業者に焦点を当てたパッケージ型支援
  □商工会議所・商工会と一体となって行う、小規模事業者の地道な販路開拓を支援。
  □財務分析等の基盤整備。
  □ものづくりの技術・技能の継承や企業間出向等による人材育成。
  □海外展開支援(新興国等におけるワンストップ相談窓口の拡充や海外からの撤退時の法的支援の強化、現地商談会の開催等)。
  □「経営者保証に関するガイドライン」の周知、経営者保証によらない融資を受けるための相談窓口設置及び専門家派遣等。

(1-4)創業・ベンチャー支援等(61億円)

 ○「小さな創業」に対するきめ細かな支援(44億円)
 創業費用の一部を補助。産業競争力強化法における創業支援事業者(地域金融機関等)の取組を支援。

 ○ベンチャー創出のための目利き・支援人材の育成(7億円)
 ベンチャーキャピタル人材等による、徹底したきめ細やかな支援を実施。

 ○健康・医療戦略分野(創薬・医療機器・海外展開等)に係る投資促進(10億円)
 産業革新機構、中小企業基盤整備機構の財務基盤を強化し投資を加速。

(2)消費税転嫁円滑化総合対策(35億円)

 ○消費税率引き上げに向けた総合的な対策
 弱い立場の取引先(納入業者・下請・運送等)に消費税率引き上げ分を負担させることのないよう相談窓口の設置(全国の商工会・商工会議所等)や巡回指導等を行う。

(3)中小企業・小規模事業者の資金繰り・事業再生支援(1,356億円)

 ○経営支援と一体となった資金繰り支援(1,352億円 ※うち、財務省計上821億円)
  □原燃油高の影響や消費税率引上げに万全を期すため、セーフティネット保証の平時の運用への移行を図るとともに、日本政策金融公庫及び商工組合中央金庫における経営支援を強化することで、より手厚い資金繰り支援を実現。
  □日本政策金融公庫等において設備新陳代謝、所得増加及び創業等、前向きの事業展開に向けた取組の支援や経営者保証ガイドラインに対応した融資を促進。
  □経営改善サポート保証(産業競争力強化法)等による借換保証を推進。
  □国家戦略特区において商工業とともに行う農業を信用保証制度の対象化。

 ○事業再生支援の強化(4億円)
  □中小企業再生支援全国本部の機能拡充(産業競争力強化法にて措置)、経営改善計画策定の支援。

(4)その他(209億円)

 ○石油製品の安定供給の確保(ガソリンスタンドの支援)(160億円)
 消防法対応に伴う地下タンク改修支援、過疎地等の灯油配送合理化等。

 ○中堅・中小・小規模事業者の新興国進出支援(専門家派遣)(15億円)
 新興国でのビジネス経験が豊富な企業OB等のシニア人材の派遣。

 ○ASEANにおける日本企業の事業環境整備及び市場獲得支援(10億円)
 日ASEAN 経済産業協力委員会(AMEICC)を活用した制度整備等の協力。

 ○コンテンツ海賊版対策(3億円)
 アニメ・マンガの権利者情報のデータベース構築等を通じた海賊版対策の基盤整備。

 ○ロボット介護機器の普及促進(21億円)
 ロボット介護機器の普及を促進するため量産化に向けた実証を支援。

 なお、補正予算の執行に当たっては、中小企業・小規模事業者の補助金等申請書類の削減・簡素化を行う。

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