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谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京都城北エリア(板橋・練馬・荒川・台東・北)を中心に活動する中小企業診断士(経営コンサルタント、研修・セミナー講師)。2007年8月中小企業診断士登録。主な実績はこちら

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2014年01月10日

平成26年度経済産業省予算案 中小企業関連政策のポイント


 以前の記事「平成26年度経済産業省概算要求 中小企業関連政策のポイント」で経産省の概算要求の内容について触れたが、12月24日に平成26年度当初予算案が閣議決定された(詳細は、「平成26年度経済産業省予算の概要|経済産業省」を参照)。以下、雑感。

 ・概算要求では、今後の中小企業・小規模事業者政策の柱として、「小規模事業者に焦点を当てる」という項目が被災地復興を除いてトップに掲げられていたが、予算案では3番目に後退しており、予算も削られている。一応、12月12日に閣議決定された補正予算では、「小規模事業者に焦点を当てたパッケージ型支援事業」として144.6億円という大規模な予算がつけられたものの、あくまでも補正予算であり、本予算に入れるのは時期尚早というのが財務省の判断であろう。

 私は、これは賢明な判断だと思う。経産省・中企庁はしきりに小規模事業者の支援をうたっているが(現在の中企庁副長官が旗振り役らしい)、何を目的に、どのような支援を行うつもりなのか、いまいち判然としない。また、次の通常国会で成立を目指す「小規模企業基本法」(仮称)の中身もまだ見えてこない。以前の記事「平成26年度経済産業省概算要求 中小企業関連政策についての雑感」でも書いたように、下手をすると、単なる”生活保護の企業版”になってしまうのではないか?と危惧している。

 ・概算要求では、今後の中小企業・小規模事業者政策の柱として「新たに1万社の海外展開の実現を目指す」という項目があり、「中小企業・小規模事業者海外展開戦略支援事業」が予定されていた。ところが予算案では、この項目は「黒字企業の倍増」という別の柱に統合されてしまった。概算要求の段階でも、この項目は他と比べて事業メニューが少なく、取ってつけた感があったのだが、経産省・中企庁にとって、中小企業の海外進出の優先順位は低いのかもしれない。

 ・創業支援も、小規模事業者支援と並んで最近の経産省・中企庁が力を入れている分野であり、予算案にも「開業率10%の実現」という項目がある。ただ、中身をよく読むと、実は予算の大半が商店街・市街地活性化であり、果たして開業率アップという目的に適うものなのか、やや疑問である。また、事業承継に関する事業がこの項目の中に入っているが、事業承継をしても統計上は開業率が上がるわけではなく、矛盾を感じる。

 とはいえ、事業承継そのものは非常に重要である。最近、ある自治体で中小製造業の実態調査を行ったのだが、代表者の年齢が70歳以上という企業が何と半数近くを占めており、そのうちの多くが、後継者不足を理由に自分の代で廃業することを考えている、という調査結果が出た。中小企業の中には、模倣困難で価値の高い技術を持つ企業が数多く存在する。そのような企業が次々と事業承継に失敗すれば、日本の産業はじわじわと蝕まれていくことになるだろう。経産省・中企庁は、事業承継の支援にもっと本腰を入れてもよいのではないだろうか?

 ・雑感というか、「(3)小規模事業者に焦点を当てた施策展開」の「中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業」(ミラサポ事業)に関し、中小企業診断士にとって1つ朗報を。経産省は、12月25日付の日経朝刊30ページに、ミラサポをPRする一面広告を出した。その中で、茂木経産大臣が「中小企業診断士」という言葉を使っている。また、中企庁が中小企業に向けて各種専門家を紹介する欄には、筆頭に「中小企業診断士」が登場している。以前の記事「認定支援機関制度で岐路に立たされる中小企業診断士」で診断士制度に逆風が吹いていることを述べたが、ここに来てちょっとは風向きが変わったようである。

(※)金額は、平成26年度予算(平成25年度金額)<平成26年度予算概算要求>。なお、復興関連予算は特殊な内容であるため、ここでは省略した。
(1)黒字企業の倍増
○ものづくり中小企業・小規模事業者等連携事業創造促進事業
 126.0億円(新規)<126億円>

 中小ものづくり高度化法に規定する特定ものづくり基盤技術を全面的に見直し、新たに、環境・エネルギーや医療分野などの成長分野にも対応した技術を活用した研究・開発から製品の販路開拓まで一貫して支援し、数多くのグローバルニッチトップ企業の創出を図る。

○中小企業・小規模事業者連携促進支援事業
 10.8億円(新規)<23億円>

 新事業活動促進法や農商工連携促進法に基づき、中小企業・小規模事業者等が連携して行う新商品開発や販路開拓等を支援する。

○中小企業・小規模事業者海外展開戦略支援事業
 22.8億円(新規)+ 関連25補正8.0億円<31億円>

 ジェトロ及び中小機構が連携し、海外市場等に関する情報提供を行うとともに、国内外の展示会出展や海外展開の実現可能性(F/S)調査などの支援を行う。加えて、新たに海外での常設展示場を設置するなど、中小企業・小規模事業者の海外展開を戦略的に支援する。

(2)開業率10%の実現
○地域創業促進支援事業
 7.5億円(新規)<20億円>

 年間5000社以上の創業を目指し、全国300箇所で、創業希望者の基礎知識の習得からビジネスプラン作成までを支援。

○中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業((3)を参照)

○地域商業自立促進事業
 39.0億円(新規)+ 関連25補正180.0億円<60億円>

 インキュベーション施設の整備、空き店舗への店舗誘致や店舗の集約化による商店街のコンパクト化等を支援し、商店街の新陳代謝を進める。加えて、地域の消費活動のベースとなる機能を強化するため、コミュニティスペースの整備等を支援。

○中心市街地活性化事業等
 12.0億円(新規)+ 関連25補正45.0億円

 中心市街地活性化のための新たな計画認定制度の創設などの制度整備を進め、周辺地域の経済活力を向上させる波及効果がある特に優れた民間プロジェクトを支援する。加えてタウンマネージャ-の育成等を通じて、多様なまちづくりを支援する。

○中小企業・小規模事業者経営力強化融資・保証事業
 9.5億円(新規)<14.9億円>

 認定支援機関の支援を前提とした、日本政策金融公庫による創業・経営多角化事業に対する低利融資(基準金利-0.4%)等を整備することで、経営力強化を図る。また、国民生活事業において、追加の金利負担なく無担保・無保証で貸し付けを受けられる限度額を1,500万円から2,000万円に拡充する。さらに、 女性・若者・シニアによる創業に対する金利を引き下げ(基準金利-0.65%)。

○事業引継ぎ支援センターの全国展開
 44.4億円の内数(43.4億円の内数)<48億円の内数>

 課題の解決に向けた適切な助言、情報提供及びマッチング支援等をワンストップで行う「事業引継ぎ支援センター」を全国展開するとともに、親族内承継に対する支援を強化。

(3)小規模事業者に焦点を当てた施策展開
○中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業
 41.2億円(新規)<77.2億円>

 地域の支援体制を強化するため、様々な経営課題を解決するための具体的なアドバイス、支援機関等の連携促進等を行う「よろず支援拠点」を各都道府県に整備するとともに、個別具体的な経営課題に対応するために専門家派遣を実施。また、支援ポータルサイト「ミラサポ」を通じた経営相談等の体制を構築。

○小規模事業者経営改善資金融資事業(マル経)
 40.0億円(36.0億円)<40億円>

 商工会等の経営指導を受けている小規模事業者を対象とする日本政策金融公庫による経営改善資金融資(無担保・無保証・低利、貸付規模2,500億円)につき、事業計画の策定等を要件として、貸付上限額を1,500万円から2,000万円に拡充する。

○小規模事業者等JAPANブランド育成・地域産業資源活用支援事業
 14.6億円(新規)<29億円>

 農林水産品や伝統工芸品などの地域の資源を活用し、①小規模事業者等が連携して行う世界に通用するブランド確立のための海外販路開拓等の取組や、②小規模事業者等が地域資源活用促進法に基づき行う商品開発等の取組(小規模事業者等が4社以上で行う取組を重点的に支援)を支援する。

(4)消費税率引上げに伴う監視・取締り体制
○消費税率引上げに伴う取引状況監視・検査の徹底
 46.0億円(19.8億円)+ 関連25補正34.6億円<46.6億円>

 取引上の立場の弱い中小企業・小規模事業者は、取引相手から転嫁拒否等の違反行為を受けている旨を自ら申し出にくいという実態があることから、悉皆的な書面調査を実施し、474人体制で積極的な情報収集・取締りを実施する。

(5)資金繰り・事業再生支援
○きめ細かな資金繰り支援
 236.8億円(229.5億円)+ 関連25補正1,352.0億円 ※ うち、財務省計上 821億円<233億円>

 日本政策金融公庫への利子補給等や信用保証協会の財務基盤強化を行い、中小企業・小規模事業者に対する資金供給の円滑化を図る。

○中小企業・小規模事業者の事業再生を支援
 44.4億円の内数(43.4億円の内数)+ 関連25補正3.5億円<48億円の内数>

 事業の収益性はあるが、財務上の問題を抱えている中小企業・小規模事業者の経営改善・事業再生を支援するため、中小企業再生支援協議会の常駐専門家による窓口相談・再生計画策定支援、モニタリング等を行う。

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