プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京都城北エリア(板橋・練馬・荒川・台東・北)を中心に活動する中小企業診断士(経営コンサルタント、研修・セミナー講師)。2007年8月中小企業診断士登録。主な実績はこちら

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2014年01月29日

【原文・現代語訳】島井宗室十七条の遺訓(第四~七条)


島井宗室 (人物叢書 新装版)島井宗室 (人物叢書 新装版)
田中 健夫

吉川弘文館 1986-07

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 一(四)、四十までハ、いささかの事も、ゑよう(栄耀)なる事無用候。惣而我ぶんざい(分際)より過たる心もち・身持、一段悪事候。併(しかしながら)商事・れうそく(料足)まうけ候事ハ、人にもおとらぬやうにかせぎ候ずる専用候。それさへ以、唐・南蛮にて人のまうけたるをうら山敷おもひ、過分に艮(銀)子共やり、第一船をしたて、唐・南蛮にやり候事、中々生中のきらい事たるべく候。

 五百め・一貫めづつも、宗怡などの中ニ候て遣候事ハ、宗怡次第候。それも弐貫めならバ、二所―三所にも遣候へ。一所にハ無用候。其外之事、何事も我ぶんざいの半分ほどの身もち、其内にも然るべき候。たとい、世ハ余めり入たるハ悪候間、少ハさし出候へと、人の助言候共、中々さし出まじく候。

 五十に及び候までハ、いかにもひっそく(逼塞)候て、物ずき・けつこうずき・茶のゆ・きれいずき・くわれい(華麗)なる事、刀・わきざし(脇差)・いしやう(衣装)等、少もけつこう(結構)にて、目に立候ハ、中々無用候。第一、武具更に以て入らざる事候。たとい人より下げられたるいしやう・刀成共、売候て艮子になし候て、もち候べく候。四十まで、木綿き物、しぜんあら糸・ふし糸の織物などの、少もさし出候ハで、人のめにたたぬきる物ハ、くるしからず候。

 家もしゆり(修理)ゆだん(油断)なく、かべがき(壁垣)もなわ(縄)のくちめ(朽ち目)計(ばかり)ゆいなをし候へ。家屋敷作候事、曾以無用候。五十二及び候てハ、其方れうけん(料見)次第候。何たる事二付我ちからの出来候てハ、如何様にも分別たるべく候。それとても多分之人皆死する時に、びんぼう(貧乏)する物候。我ちから才覚にて仕出し候ても、死期に成候までもちとどけたる人は十人―廿人に一人もなき事候。況親よりとり候人、やがてミなになし、のちにびんぼうにきわり(極)〔ま脱〕死するものにて候。其分別第一候事。
 40歳までは、どんなことであっても、ぜいたくをしてはならない。自分の限界をわきまえない心構えや財産はよくない。しかし、事業に関しては、他人に劣らぬよう稼ぐことに専念しなければならない。明や南蛮との貿易で他人が儲けたことをうらやましく思い、過剰に銀を投資して一級品の船を仕立て、中国や南蛮に遣わすことは、あまり好ましいことではない。

 500文、1貫ずつ投資する場合、宗怡などに与えるならば、その可否は宗怡しだいである。だが、2貫目以降は、2~3か所に分散投資せよ。一か所に集中投資してはならない。何事につけても、分限の半分ほどの気持ちで臨むことを忘れてはならない。たとえ、「あなたは財産を余分に持っているから、少し差し出してくれないか?」と他人に言われても、財産を与えてはならない。

 50歳になるまでは、質素な暮らしを心がけよ。茶の湯などの華麗な遊びをしたり、非常に目立つ刀や脇差、衣装を身に着けたりしてはならない。まして、武具に至ってはなおさらである。たとえ人からいただいた衣装や刀であっても、売ってお金にせよ。40歳までは、木綿の着物、あら糸やふし糸の織物などを着て、目立たぬ恰好をせよ。

 家も入念に修理を行い、壁垣も縄の朽ちたところを修理せよ。家を新しく作ることはもってのほかである。50歳になったら、あなたの判断に任せる。何事につけても、分別をわきまえることが大事である。それでも人は死ぬ時に貧乏に苦しむものである。分別をわきまえた人であっても、死ぬ時まで十分な財産を維持できるのは10人に1人もいない。ましてや、親から財産を相続した人は、その財産を台無しにし、非常に貧乏になって死ぬものだ。
 一(五)、四十までハ、人をふるまい、むさと人のふるまいに参りまじく候。一年に一度―二度親兄弟親類ハ申請、親類中へも参るべき候。それもしげしげと参候ずること無用候。第一夜ばなし計事、とかく慰事に、兄弟衆よび候共参まじき事。
 40歳までは、人にご馳走したり、人からごちそうになってはならない。1年に1度や2度なら、親や兄弟はもちろんのこと、親戚を訪ねてもよい。ただし、足しげく訪ねてはならない。夜通しの会などに兄弟から呼ばれたとしても、参加してはならない。
 一(六)、人の持たる道具ほしがり候まじく候。人より給候共、親類衆之外之衆のを、少ももらい取まじく候。我持たる物も出し候まじく候。よき物ハたしなミ置、人にも見せ候まじく候事。
 他人が持っている道具をほしがってはならない。他人からもらう場合でも、親族以外のものは少しでももらってはいけない。自分が持っているものを誰かにあげてもいけない。よいものは大事に保管し、他人に見せてはならない。
 一(七)、生中、知音候ずる人、あきないずき、所帯なげきの人、さし出ぬ人、りちぎ慥(たしか)なる人、さし出ず心持よくうつくしき人にハ、ふかく入魂もくるしからず候。又生中知音仕まじき人、いさかいがちの人、物とが(咎)め候人、心底あしくにくちなる人、中言をゆふ人、くわれいなる人、大上戸、うそつき、官家ずきの人、ざつとう(雑踏)、しやミせん・小うたずき、口がましき人、大かたかやうの人々、同座にも居まじき事。付、平法人。
 生きている間は、友人関係を大切にする人、商売好きの人、家族を大切にする人、あまり目立たぬようにしている人、律儀な人、心構えが美しい人と親交を温めよ。人間関係を大事にしない人、争い好きの人、批判がちな人、心根が悪い人、他人の悪口を言う人、派手な振る舞いをする人、大酒のみ、嘘つき、役人にすり寄る人、雑踏、三味線や小唄好きな人、口うるさい人、だいたいこのような人とは一緒にいてはならない。<付記>平法人もしかりである。

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