プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京都城北エリア(板橋・練馬・荒川・台東・北)を中心に活動する中小企業診断士(経営コンサルタント、研修・セミナー講師)。2007年8月中小企業診断士登録。主な実績はこちら

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2014年01月30日

【原文・現代語訳】島井宗室十七条の遺訓(第八~十条)


島井宗室 (人物叢書 新装版)島井宗室 (人物叢書 新装版)
田中 健夫

吉川弘文館 1986-07

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 一(八)、生中、むさと用もなき所へ出入、よそあるき無用候、但殿様(=黒田家のこと)へしぜんしぜん何ぞ御肴之類珍しからず候共、あわび・鯛、左様之類成共、新をもとめさし出申すべき候。井上周防殿・小川内蔵殿へハ、是又しぜん参るべき候。其ほかは年始・歳末各なミたるべく候。

 とかく内計ニ居候て、朝夕かまの下の火をも我とたき、おきをもけし、たき物・薪等もむさとたかせ候ハぬやうに、家の内・うら等、ちりあくた成共取あつめ、なれのきれ、ちりのミじかきハ、すさにきらせ、ちりもながきはなわになわせ、き(木)のきれ竹のおれ、五分までハあつめ置、あら(洗)はせ、薪・かがり(篝)・焼物にも仕べき候。紙のきれハ五分・三分も取あつめ、すきかへし(漉返)に仕べき候。我々仕たるやうに分別、いささかの物も、つゐ(費)へにならぬやうに仕べき事。
 生きている間は、用もないところへ出歩いてはならない。ただし、黒田家に対しては、さほど珍しくない酒の肴であっても、あわびや鯛の類であっても、新しいものを探して差し出すようにせよ。井上周防殿・小川内蔵殿のもとにも参るようにせよ。それ以外は年末年始のみでよい。

 とにかく家の中にいて、朝夕窯の下の火を自ら焚いては消すようにせよ。たき物や薪などをムダにしないよう、家の中や裏でごみを拾い、短いものはすさ(壁土に混ぜて、ひび割れを防ぐつなぎとする材料)にし、長いものは縄にせよ。木や竹の端は、5分までの長さなら集めて洗い、薪、かがり、たき物にせよ。紙の切れ端は5分、いや3分であっても集めて、漉き直すようにせよ。我々がしたようにものを分別し、どんなものでもムダにしてはならない。
 一(九)、常住、薪・たき物、二分―三分のざつこいわし(雑魚鰯)、あるひは町かい、浜の物、材木等かい候共、我と出候てかい、いかにもねぎ(値切)りかい候て、其代たかさやすさを能おぼへ、其後にハ、誰にかハせても、其代のやすさたかさを居ながら知る事候。さ候へバ、下人にもぬかれ候まじく候。寿貞(=神屋寿貞のこと)ハ生中薪・焼物われと聖福寺門之前にて買われ候。

 人の所帯ハ、薪・すミ(炭)・油と申候へ共、第一薪が専用候。たきやうにて過分ちがい候。一日にめし(飯)・しる(汁)にいかほどと、われとたきおぼえ、いかほど成共、其分下女に渡候てたかせ候へ。但壱月にいかほどのつもりさん(算)用候ずる事。但たきぎ・たき物も、なま(生)しきとく(朽)ちたるが悪候。ひ(干)たる薪をかい候へ。薪より柴・はぎこぎ(端木小木)の類が然るべき候。柴などよりかや(茅)焼物が徳にて候。

 酒を作、ミそ(味噌)をにさせ候者、米一石に薪いかほどにてよきと、われとたきおぼえ、薪何把に、け(消)し炭いかほどとけしおぼえ候て、其後其さん用にたかせ、すみをもけさせ請取候べく候。いづれの道にも、我としんらう(心労)ハずバ、所帯は成まじく候事。
 薪、たき物、2分~3分の雑魚鰯、あるいは町のもの、浜のもの、材木など買う時には、自ら足を運び、値切り交渉をして、商品の高い・安いを覚えるようにせよ。その後は、誰に買いに行かせても、自分の家にいながらにして商品の高い・安いが解るぐらい、買いに行かせた下人に値段をよく教えよ。そうすれば、下人に出し抜かれることはないだろう。寿貞は生前、薪やたき物を私と一緒に聖福寺門の前でお買いになった。

 家庭では薪、炭、油が大事と言うが、その中では薪が最も重要である。焚き方によって消費量が大分違う。1日分の飯や汁を作るのにどのくらいの薪が必要なのかを自分で焚いて覚え、その量を下女に渡して焚かせるようにせよ。1か月に薪をどのくらい消費する見込みなのかは自分で計算すること。薪やたき物も、生の木や朽ちた木ではよくない。よく乾燥した薪を買わなければならない。なお、薪よりも柴の類の方がよい。また、柴より茅の方が得である。

 米一石を炊くのにどのくらいの薪が必要なのかを自分で実際に火を焚いて確かめ、薪の火を消すのにどのくらいの消し炭が必要なのかを自分で実際に火を消して覚えよ。そして、その見積に従って下人に火を焚かせ、消し炭を使わせよ。いすれにしても、自分自身で骨を折って確かめなければ、家計は持たないだろう。
 一(十)、酒を作り、しち(質)を取候共、米は我ともはかり、人に計らせ候とも、少も目もはなさず候て然るべき候。かたかけにて何たる事もさせ候まじく候。下人・下女にいたるまで、皆みなぬす(盗)人と心得べく候。酒作候者、かし(淅)米置候所を作、じやう(錠)をさし、こわいい(強飯)もぬすむ物にして、さまし候時、ゆだん仕まじく候。しちを取候共、させらぬ刀・わきざし・武具以下、家やしき(屋敷)人の子共、させらぬ茶のゆ道具、田地など申すに及ばず候。

 惣別人共あまためしつかい候事無用候。第一、女子多く置候事無用候。女房衆あるかれ候共、下女二人・おとこ壱人之外、曾以無用候。其方子共出来候者、いしやうなどうつくしき物きせ候まじく候。是又よそにあるき候共、おち(御乳)ニ下女壱人相そへあるかせ候へ。さしかさ(差傘)・まほり(守)刀等もたせ候事、中々無無用候(原文ママ)。ちいさきあミかさ(編笠)こしらへ、きせあるかせ候べく候事。
 酒を造る時、米の量は自分で測り、他人に測らせるとしても、決して目を離してはいけない。何事も中途半端に人に任せてはならない。下人・下女は皆、盗人になる可能性があると心得ておくべきである。酒を造る時は、洗い米を置く所を作り、錠をかけておかなければならない。強飯(蒸した米)も盗みの対象になるから、熱を冷ます時は油断してはならない。質に関しても、貴重な刀、脇差、武具、家屋敷の子ども、大切な茶の湯道具、田地などは質に入れてはならない。

 必要以上にたくさんの召使を抱えてはならない。まず、女子を多く置いてはいけない。女房衆が外出される時でも、下女2人、下男1人以外は不要である。あなたに子どもができても、華美な衣装は着せてはならない。また、子どもが外出する時は、乳母と下女を1人ずつ付き添わせるようにせよ。差傘や守刀などを持たせる必要はない。小さい編笠を作って、着せて歩かせればよい。

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