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谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京23区、神奈川県川崎市・横浜市を中心に活動する中小企業診断士・コンサルタント。

 専門領域は、(1)経営ビジョン・事業戦略の策定、(2)ビジョンや戦略とリンクした人材育成計画の立案・人事評価制度の構築、(3)人材育成計画に沿った教育研修プログラムの企画・開発。

 モットーは「日々改善、日々成長」、「実事求是」、「組織のためではなく知識のために働く」、「奇策は定石より先に立たず」、「一貫性(Consistency)」、「(無知の知ならぬ)無知の恥」

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

 ブログタイトルに、oasisの往年の名曲『Whatever』を入れてみた。

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2014年02月27日

トロンペナールス&ターナーによる「文化の基礎次元」の補足


 (一社)東京都中小企業診断士協会・国際部が主催する交流会に参加してきた。テーマは「外国人のワークライフ・スタイルと価値観の理解」。基調講演では、フォンス・トロンペナールスとチャールズ・ハムデン・ターナーが開発した文化比較のモデルに基づいて、日本人と外国人の価値観の違いが紹介されたが、講師の体験談が非常に興味深かったのでまとめておく。講師は、日本在住を希望する外国人に対し、不動産を斡旋する事業に従事した経験を持つ。当然のことながら顧客は外国人であり、部下にも外国人が多い職場であった。

 なお、トロンペナールス&ターナーのモデルについては、過去ブログの記事「(メモ書き)人間の根源的な価値観に関する整理(2)―『異文化トレーニング』」を参照のこと。

(1)普遍主義―個別主義
 普遍主義は基準を守ることによって問題は解決すべきと考え、個別主義は規則の一律的な適用より状況や人間関係を考慮すべきという考え方である。日本人はどちらかというと個別主義的だが、講師は日本人よりももっと個人主義的な人の応対に苦労した経験を持つ。

 まずは中国人。3週間の商談を経て、ようやく契約までたどり着いた。双方が契約書へのサインを終えると、中国人の顧客は「家のカギを渡してほしい」と言い出した。まだ契約開始日よりも前である。日本のルールに従えば、もちろんカギなど渡せるわけがない。しかし、中国人はカギを渡せと言って聞かない。根負けした講師は、大家とも交渉をして、「今この場で契約金を払ってくれれば」という条件つきでカギを渡すことにした。

 ところが、中国人は「契約金を払うことはできない。まずはカギを渡してほしい」と驚きの要求をしてきた。中国人の言い分は、「あなた(=講師)と出会ってまだ3週間だから、あなたのことを全面的に信用することはできない」というものであった。結局のところ、中国人にとって契約書は紙切れ同然であり、それよりも今自分の目の前にいる人との関係の方が重要なのである(中国人にとって講師は出会ってからまだ3週間の信用するに足らない人間であるならば、逆もまたしかりなのだが、その辺は中国人は気にしないようである)。

 次にトルクメニスタン人の夫婦。夫がトルクメニスタンから講師の会社に電話をしてきて、日本で家を探したいという。しかし、妻は日本語も英語も話せないらしい。そんな人が商談に同席しても、いろいろと厄介なだけだと判断した担当者は、まずは夫が1人で来日することを提案した。ところが、夫はその提案をかたくなに拒否する。全く話がかみ合わずに困り果てた担当者は、講師に電話応対を代わった。講師が理由を聞くと、「妻1人を国に残して私1人だけ日本に行けば、私の家と妻の家の両方にとって、未来永劫消えない恥となるだろう」という回答が返ってきた。

(2)個人主義―共同体主義
 日本人は共同体主義であり、アメリカ人は個人主義である。こんなケースを想定してみよう。あなたはあるメーカーの工場責任者である。今日は仕入先の都合で、部品の納品が2時間遅れることになってしまった。作業を遅らせたくないあなたは、部下に今日だけ2時間の残業をお願いしたいと考えている。さて、どのようにして部下を説得するだろうか?

 日本人ならば、「残業代はちゃんと払うから、今日だけ会社のために残業をしてくれないか?」と説得するのが普通だろう。だが、この質問をアメリカ人にすると、「それ(=仕入先の都合で2時間残業しなければならないこと)は私の責任ですか?」と逆質問されてしまう。しまいには、「私の昇給や評価に影響するのではないですか?」とまで聞いてくる。徹底した個人主義である。ただ、同じ個人主義でも、フランスの場合は少し違う。「私だって残業をしたくないのだから、部下に残業をせよとはとても言えない」というのが彼らの言い分である。

(3)感情中立的―感情表出的
 日本人は感情中立的で、あまり感情を表に出さないことがよしとされる。これに対して、感情がすぐ表に出るのがラテン系やヨーロッパの大陸系の国である。東日本大震災で被災地の様子が世界に報道された時、悲しみをぐっとこらえて避難所で生活する日本人の姿に、欧米人はびっくりしたそうだ。講師の知り合いのアメリカ人は、「日本人は泣き叫んだりしないのが信じられない」と言ったという。イタリア人に至っては、「あの映像はマスコミによるねつ造ではないのか?あれはいいところだけを切り取っているのであって、本当は裏で皆泣いたり騒いだりしているのではないのか?」とマスコミ陰謀説を抱いていた。

(4)関与特定的―関与拡散的
 仕事とプライベートは完全に分離していると考えるのが関与特定型、仕事で関わりができるとプライベートな関係も必然的に生まれてくると考えるのが関与拡散型である。「上司が休日に家のペンキ塗りをするという。あなたは手伝いに行きますか?」という質問を世界中ですると、ヨーロッパの国は「行かない」という回答の割合が圧倒的に高くなる。つまり、関与特定型である。対照的に、「行く」という回答の割合が高いのが中国であり、関与拡散型である。

 日本はアメリカと同様、中位にランクインする。ただ、日本にはペンキ塗りの習慣がないため、回答に困ったのではないか?というのが講師の推測であり、仮に「上司の引っ越しを手伝いに行きますか?」という質問だったら、「行く」という回答がもっと多かっただろうと分析していた。

(5)達成型地位―属性型地位
 地位は何かを行って獲得するものなのか、あるいはその人の年齢や社会的階級、性別、学歴などに付随するものとして捉えられているか、という問題である。日本人は年功序列制に見られるように属性型地位を重視し、アメリカ人は結果主義に見られるように達成型地位を重視する。

 あるアメリカ系の金融機関では、達成型地位が徹底されている。廊下で社員同士がすれ違う時は、営業成績の悪い方がよい方に道を譲ることがルールとなっている。仮に、営業成績にほとんど差がない2人がすれ違った場合には、2人の顔がくっつくほどに接近するまで、お互いに道を譲らない。ギリギリまで駆け引きをして、「これは自分の負けだ」と認めた方が仕方なく道を譲る。

 講師は不動産業の他に、広告代理店でも働いていた経験がある。ある顧客企業が、優れた海外向け製品に贈られる賞を受賞し、海外のメディア関係者を招いて記者会見を行うことになった。会見の30分前になって、社長が読む予定だった原稿に目を通した講師は唖然とした。「高い壇からお話しさせていただくことをお許しください」という文言から始まって、「我が社の製品はいろいろな関係者のおかげで完成させることができた」と関係各位に対するお礼の言葉で埋め尽くされ、終始謙遜の態度に徹した原稿になっていた。

 講師は、「これでは海外メディアの関係者は、なぜ自分たちが呼ばれたのか解りませんよ。もっと製品のPRをしてください」と助言し、急遽原稿を書き直した。日本企業は、周りの人たちのおかげで受賞できたと考えていた。しかし、達成型地位の考え方に立つと、賞は自力で獲得したものであり、自分がどれだけ優れているかを積極的にアピールしなければ損だ、ということになる。

 ((6)順次的時間観―同期的時間観(7)内的コントロール志向―外的コントロール志向については、講演の中で言及がなかったため省略)


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