プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京都城北エリア(板橋・練馬・荒川・台東・北)を中心に活動する中小企業診断士(経営コンサルタント、研修・セミナー講師)。2007年8月中小企業診断士登録。主な実績はこちら

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2014年03月19日

『塾&予備校 徹底比較(『週刊ダイヤモンド』2014年3月1日号)』―詰め込み教育こそ考える力の源泉


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 今年から『週刊ダイヤモンド』の定期購読も始めた。興味深い号は本ブログでも時々取り上げるつもりだ。今回は初めての記事ということで、あまりまとまっていない点はご容赦いただきたい。

 (1)個別指導塾のTOMASを展開する「リソー教育」は、東証一部上場企業なのに人事部がないという事実に驚いた。同社およびそのグループ会社の人事は、創業者の伊佐実次会長を頂点とする幹部によって行われているらしい。同社は不正会計も行っており、第三者委員会による調査の結果、2007年度からの6年半の間に約83億円の売上を過大計上していたことが判明した。具体的には、退会した生徒に対して返還義務のある授業料を返還せず、「ご祝儀」と称して売上計上していたという。不正会計の背景には、売上至上主義の人事制度があるようだ。

 先日飯田橋に行ったら、TOMAS飯田橋校が入っているビルに「消費生活総合センター」が入っているのを見かけた。「TOMASから退塾したのに授業料を返還してもらえない」という苦情が、きっと同センターにも寄せられていたのだろうなと思いながら、私はそのビルを眺めていた。

 (2)学生時代に塾講師をしたことがある自分がこんなことを言うのもおこがましいが、塾や予備校に対する私の本来的な拒絶感・アレルギーのせいか、塾・予備校がどんなに「我が校では考える力を育てます」と主張したところで、「はい、そうですか」とせせら笑うしかない。そういう塾・予備校に限って、カリキュラムががちがちに固まっていて、入試問題の入念な分析から導かれたオリジナルテキストが用意されていたりする。

 考える力が、「何を学ぶか?」という学習の対象、「どうやって学ぶか?」という学習の手段を主体的に設定し、選択する力であるとすれば、学校という制度があり、学習指導要領が整っている時点で、考える力の半分ぐらいは奪われている。そこにさらに塾・予備校が乗っかると、考える力の4分の3ぐらいは、事実上無効化されているといってよい。

 ただ、本当に考える力を育てるためであれば、これは致し方ないことである。最初にある程度の知識を大量に詰め込まなければ、解らない知識の詳細を知ろうとか、新しい知識を追求しようといった欲求は生まれてこない。結局のところ、考えるとは知っている知識同士をいろいろと組み合わせてインスピレーションを得ることである。だから、考える力の根底には、分厚い知識の層が備わっていなければならない(もちろん、知識が豊富だからといって、必ずしも考える力が強くなるとは限らないことは私も認める)。塾・予備校は「考える力を育てます」などという自己欺瞞を演じるのではなく、知識偏重を堂々と謳ってよいと思う。

 そういう意味では、数学オリンピックで正答率が0%の問題を最後まで解かせる「さんすうLAB.」や、オーウェル、デカルト、ラッセルなどの哲学書の英文を丸暗記させる「平岡塾」のように、受験の枠を超えてぶっ飛んだ(?)知識を教え込む塾の方に、私なんかは強く共感する。

 数学オリンピックの問題は、難関校の入試問題でも出題され、中には正答率0%の問題もあるという。ただし、そういう問題は、浜学園などトップクラスの進学校でも”捨て問題”に分類され、手をつけないように指導される。しかし、さんすうLAB.ではそういう問題でもきっちりと教える。また、平岡塾には「お帰り問題」という名物があり、英語の重要構文がぎっしり載ったB4版のプリントを暗唱できた者から帰宅できる決まりとなっている。このおかえり問題の中に、オーウェルなどの文章が含まれる。平岡塾の狙いは、「折り目正しい英語」を身につけさせることにある。

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