プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京都城北エリア(板橋・練馬・荒川・台東・北)を中心に活動する中小企業診断士(経営コンサルタント、研修・セミナー講師)。2007年8月中小企業診断士登録。主な実績はこちら

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

◆旧ブログ◆
マネジメント・フロンティア
~終わりなき旅~


◆別館◆
こぼれ落ちたピース
シャイン経営研究所HP
シャイン経営研究所
 (私の個人事務所)

※2019年にWordpressに移行しました。
>>>シャイン経営研究所(中小企業診断士・谷藤友彦)

Next:
next 『焦点を定めて生きる(致知2014年5月号)』―「孤に徹し、衆と和す」の前半と後半のどちらを重視するか?
Prev:
prev 「城北プロコン塾第2期(2014年7月~2015年3月)」事前説明会を開催します
2014年05月12日

『焦点を定めて生きる(致知2014年5月号)』―掃除とあいさつは経営の基本


致知2014年5月号焦点を定めて生きる 致知2014年5月号

致知出版社 2014-05


致知出版社HPで詳しく見る by G-Tools

 以前、鍵山先生の本を読ませていただいた時に、「綺麗なところを綺麗にするのが掃除」と書いてありまして、大変感心しました。(中略)だから、うちは寮や部屋の掃除、グラウンド整備は当然毎日しているんですけど、月曜日は特に入念に、より綺麗にしようという形でやっているんです。(中略)現役の時はそんなに部屋が綺麗だったわけじゃなくて、よく怒られていたんです。でも、徐々に練習だけやって他はいい加減にやっているのではなく、むしろそっちを大事にしたほうが勝負事に強くなるんじゃないか、と感じるようになりました。
(鍵山秀三郎・荒井直樹「凡事徹底という力」)
 創業以来、掃除活動を続けていることで有名なイエローハット創業者・鍵山秀三郎氏と、鍵山氏の教えに感銘を受けて掃除を徹底し、平成25年夏の甲子園で初出場ながらチームを初優勝に導いた前橋育英高等学校硬式野球部監督・荒井直樹氏の対談記事より引用。日本の製造現場では「5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)」が推奨されるが、5Sと利益は直結するのかと疑問を投げかけられることも少なくない。5Sと利益の関係について調査した研究がないかどうか調べてみたが、残念ながら発見できなかった(見つけられた方は教えていただけるとありがたい)。

 だが、それでも私は、5Sや掃除のような活動は、経営にとって非常に重要だと思う。5Sの本質は、「人の目につかないところでも手を抜かない」ことにある。製品やサービスは、顧客の目につくところだけをきれいに保っていればよいわけではない。顧客が期待する機能や性能の大部分は、顧客が直接見ることのないサブコンポーネントの作用によって達成される。それぞれの社員が、見えないところでも手を抜かずにきっちりと仕事を果たすことが、高品質へとつながっていく。

 逆に、見えないからと言って手を抜けば、品質は失われ、ブランドは大きく傷つくであろう。ちょっとした手抜きであっても、たった1人の手抜きであってもいけない。誰かがちょっとでも手を抜けば、手抜きは他の社員にも伝染し、大きくなり、やがて取り返しがつかないことになる。これは、「壊れ窓理論」が教えるところである。

 5Sの「しつけ」とも関連するが、対談記事ではあいさつに言及した部分もある。
 私が生徒を指導できるのは高校生活の僅か3年です。ここから先の人生のほうが長いわけなので、ここだけでしか通用する人間にはなってほしくない。生涯役に立つことを3年間のうちに学ばせたいと思っています。特に高校野球だと、挨拶の仕方でも「チワッス!」とか言うじゃないですか。ああいうのはたぶん社会に出たら怒られると思うんですね。だから、普通に朝会ったら「おはようございます」と。TPOに応じて「こんにちは」「こんばんは」「お疲れ様です」って、自然に相手の目を見て、きちんと挨拶をすることが大事だと言っています。
 昨年末、中国人の経済学者の講演を聞きに行った時に、「あいさつができない企業は弱い」という発言があったのだが、その学者らしからぬ(?)言葉に、会場からは期待外れ感のこもった失笑が起きた。しかし、あいさつはコミュニケーションの基本である。そして、経営学の父であるC・バーナードは、組織の成立要件の1つとしてコミュニケーションを挙げている。あいさつは、「私はあなたに関心を持っている」ということを示すサインだ。相手に対する関心がなければ、顧客のニーズをくみ取ったり、部下のモチベーションを上げたりすることがどうしてできようか?

 最近、中小企業の現場を拝見する機会が増えたのだが、社内がきれいに保たれているか、社員があいさつをしてくれるかという2点は注意して見るようになった。工場が雑然としている企業は、仕掛品を見ると溶接部分にばらつきがあったり、細かい傷があったりするのが素人目にも解る。また、工場だけでなく、管理部門が入っている事務所や社長室もチェックするようにしている。ある社長室に入ったら、数十年前の書類から最近の書類まで、無数の書類が散らばっていてびっくりしたことがある。そのくせ、中村天風のCDを聞くなど自己啓発には熱心なのである。その社長には、やる順番が違うのではないか?と思わず言いたくなった。

 あいさつに関しては、管理部門の社員はあいさつをしてくれるところが多いものの(中には、管理部門でさえこちらのあいさつに反応してくれない場合もあるが)、工場の社員まで進んであいさつをしてくれるところはなかなかない。数ミクロンの世界で勝負をしている現場の人は、あいさつをしている余裕などないのかもしれない。だが、やはり工場の社員があいさつをしてくれる企業には、「発注したらこちらのお願いを十分に聞いてくれそうだ」という印象を持つし、逆に工場の社員があいさつをしてくれない企業には、「工場の力が強すぎて、あるいは工場の社員が自分の世界に入り込んでいて、営業の要望など聞き入れてくれないのだろう」と勘ぐってしまう。

《2014年5月13日追記》
 『致知』2014年6月号に「日本そうじ協会」の理事長である今村暁氏の記事が載っていた。
 掃除というのは無駄なようでいて会社に利益をもたらします。不良品が出なくなり確実に生産性が高まる、というのも一つです。一般家庭でも無駄遣いがなくなり、家計を助けてくれる。それを思うと企業でも家庭でも積極的に取り組むべきだと思いますね。(中略)

 実際に掃除を指導する上で僕らが言うのは、50センチ四方でいいから徹底的に30分をかけて掃除をしてください、ということです。僅か50センチ四方ですから本当は30秒とか1分でできるわけですが、それを30分かけてやることで「この汚れは落ちないな」とか「こんなところに傷があったのか」といったことに気づくようになるんです。50センチ四方を日本一レベル、世界一レベルでやっていけば、誰だってお金をかけずに世界一になれる。(中略)

 掃除というのは組織の規範を示す何よりの基準なんですね。掃除は組織の長の信念を表しているのです。僕が知る限りきれいだけど駄目な会社はあっても、汚くてよい会社はありません。
致知2014年6月号長の一念 致知2014年6月号

致知出版社 2014-06


致知出版社HPで詳しく見る by G-Tools


  • ライブドアブログ
©2012-2017 free to write WHATEVER I like