プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京都城北エリア(板橋・練馬・荒川・台東・北)を中心に活動する中小企業診断士(経営コンサルタント、研修・セミナー講師)。2007年8月中小企業診断士登録。主な実績はこちら

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

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2014年08月04日

「創業支援事業」(平成25年度補正予算)と「地域創業促進支援事業」(平成26年度本予算)の違いについて


 中小企業の数は、1999年の484万社から2012年は385万社へと、100万社近く減少している。また、日本の開業率は4.6%と低く、アメリカの9.3%、イギリスの10.2%の半分程度にとどまっている。特に地域における開業率が低迷しており、大都市圏以外の29府県が平均を下回る。

 中小企業庁は、こうした事態に強い危機感を覚えており、地域の開業率を引き上げて雇用を生み出し、産業の新陳代謝を進めていく方針を打ち出した。2013年6月に閣議決定された「日本再興戦略‐JAPAN is BACK‐」には「開業率・廃業率が米国・英国レベル(10%台)になることを目指す」と明記され、平成25年度補正予算や平成26年度本予算にもその方針が反映されている。

 創業支援の取り組みとしては、「創業支援事業」(平成25年度補正予算)と「地域創業促進支援事業(創業スクール)」(平成26年度本予算)の2つがある。私自身、両者の区別がつかずに混乱していたので(汗)、自分の中で情報を整理しておく意味でも、ここでその違いを述べておきたい。

創業支援事業(平成25年度補正予算)
■事業概要:
 (1)経済産業大臣および総務大臣が、「創業支援指針(創業支援事業計画で策定すべき内容など)」を策定。
 (2)市区町村と「創業支援事業者(民間事業者、認定支援機関、経済団体、金融機関、士業、県センター、NPOなど)」が連携して行う創業支援事業について市区町村が計画を作成。
 (3)国が市区町村の提出した「創業支援事業計画」を認定。
 (4)創業支援事業者は、創業者(創業希望者および創業5年未満の者)を対象に「創業支援事業(ワンストップ相談窓口、マッチング支援、ビジネススキル研修、専門家によるハンズオン支援など)」を実施。創業支援事業のうち、市区町村または創業支援事業者が創業を行おうとする者に行う継続的な支援で、経営、財務、人材育成、販路開拓の知識が身につく事業を「特定創業支援事業」と呼ぶ。
 (5)特定創業支援事業を受けた創業者には、市区町村が証明書を発行する。

 要するに、市区町村が策定する「創業支援事業計画」(それぞれの市区町村が地域の特性を踏まえて具体的にどのような産業での創業を支援するのか?何年後までにどのくらいの数の創業を実現させるのか?)に従って、市区町村と連携している民間の教育研修会社がトレーニングを行ったり、認定支援機関・士業が相談サービスを提供したりする、というものである。

■特定創業支援事業を受けた創業者への支援:
 (1)株式会社を設立する際の登録免許税の軽減。
   (資本金の0.7%⇒0.35%、最低税額15万円⇒7.5万円)
 (2)創業融資を受ける際の公的な保証として利用できる、無担保、第三者保証人なしの創業関連保証の枠の拡大。
   (1,000万円⇒1,500万円)
 (3)創業関連保証の特例の拡大。
   (創業2か月前から対象⇒事業開始6か月前から対象)

■メリット:
 (1)「地域創業促進支援事業(創業スクール)」はいずれのコースも有料だが、「創業支援事業」の場合は市区町村によっては無料のところもある。
 (2)市区町村が独自に「創業支援事業計画」を策定するため、地域の特性に合ったトレーニングやサポートが得られる。
 (3)株式会社設立時の登録免許税の軽減、創業関連保証の枠の拡大など、金銭的なメリットがある。

■デメリット:
 (1)補正予算で実施されているため、来年度以降も継続実施される保証がない。
 (2)原則として、創業支援事業を実施する市区町村内で起業することが条件となる。
 (3)創業支援事業者には国から補助金が出るが、予算が5億円、補助上限が1,000万円となっていることから、創業支援事業者は全国で50程度になると思われる。よって、市区町村によっては、創業支援事業の恩恵を全く受けられない可能性がある。

地域創業促進支援事業(創業スクール)(平成26年度本予算)
■事業概要:
 各地域の商工会・商工会議所などの支援機関や、産業競争力強化法に基づき認定を受けた創業支援事業者が、創業に必要な基本的知識からビジネスプランの作成支援までを実施する「創業スクール」を開催する。

 株式会社パソナが全国事務局となり、全国約300か所に創業スクールを設置する。パソナからは事務局推奨の標準カリキュラムが提示され、実施主体はそれに基づいてカリキュラムを構築する。その際、実施主体は、2014年12月31日までに、全国ビジネスプランコンテスト開催に向けた優良ビジネスプランの選定、提出が可能な研修カリキュラムを設定することとされている。

カリキュラム
 (1)ベーシックコース
 ◇概要:創業時に必要となる「経営に関する知識・ノウハウ」および「起業・事業運営に伴う各種手続き」、「資金調達」などの実務ポイントを一体的かつ体系的に学習する。また、ビジネスプランについて、研修の各段階において作成支援を実施し、受講後の速やかな創業につなげる。
 ◇受講料:10,800円
 ◇標準カリキュラム:9回程度/23.5時間程度+独自カリキュラム:3回程度/12時間程度

 (2)第二創業・再チャレンジコース
 ◇概要:第二創業を予定している者や創業に再度チャレンジする者を対象とし、自社の経営資源や強み、また過去の失敗要因などを分析する。また、第二創業・再チャレンジ時の課題となりうる、マーケティングや資金調達などの具体的手法について学ぶことで、円滑な第二創業・再チャレンジにつなげる。
 ◇受講料:5,400円
 ◇標準カリキュラム:6回程度/18時間程度 +独自カリキュラム:2回程度/6時間程度

 (3)女性起業家コース
 ◇概要:ベーシックコースの学習内容に加えて、女性ならではの視点を活かした製品・サービス開発やライフイベントとの両立、女性起業家の体験談など、女性特有の学習ポイントをカリキュラムに盛り込む。女性起業家同士のネットワーク構築も本カリキュラムの目的の一つとし、ディスカッションやグループワーク形式の内容を取り入れる。
 ◇受講料:10,800円
 ◇標準カリキュラム:9回程度/24.5時間程度+独自カリキュラム:3回程度/12時間程度

■メリット:
 (1)全国約300か所で実施されるため、コースを受講できるチャンスが多い。
 (2)標準カリキュラムが決まっているため、どこで受講しても内容のばらつきは少ない。
 (3)コースを受講する市区町村と、創業をする市区町村は必ずしも一致していなくてもよい。

■デメリット:
 (1)「地域創業促進支援事業」のような事後フォローが実施されるのかどうか不透明で、コースを受講しただけで終わる可能性がある(事後フォローについては、現在検討中のようである)。
 (2)「地域創業促進支援事業」のような金銭的なメリットはないと思われる。

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