お問い合わせ
お問い合わせ
プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京都豊島区を拠点に、東京23区で活動する中小企業診断士(コンサルタント・トレーナー)。コンサルティングなどの仕事の実際の中身は守秘義務の関係で書くのが難しいため、書評が中心となっている点は何卒ご容赦あれ。

 専門領域は、(1)経営ビジョン・事業戦略の策定、(2)ビジョンや戦略とリンクした人材育成計画の立案・人事評価制度の構築、(3)人材育成計画に沿った教育研修プログラムの企画・開発。

 モットーは「日々改善、日々成長」、「実事求是」、「組織のためではなく知識のために働く」、「奇策は定石より先に立たず」、「一貫性(Consistency)」、「(無知の知ならぬ)無知の恥」

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

 ブログタイトルに、oasisの往年の名曲『Whatever』を入れてみた。

◆旧ブログ◆
マネジメント・フロンティア
~終わりなき旅~


◆別館◆
こぼれ落ちたピース
所属組織など
◆個人事務所「シャイン経営研究所」◆ シャイン経営研究所ロゴ


(一社)東京都中小診断士協会一般社団法人東京都中小企業診断士協会
(城北支部執行委員、青年部長を務めています)

企業内診断士フォーラム(KSF)企業内診断士フォーラム
(独立診断士の立場から、企業内診断士の活動を応援しています)

アクセスカウンター(PV)
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:


 持病の悪化により、今年の3月に続いて再び入院することとなりました。皆様にはご心配をおかけして申し訳ございません。復帰は8月末~9月上旬の予定です。それまでは過去の記事をお楽しみいただければと思います。
2014年08月26日

私の仕事を支える10の価値観(これだけは譲れないというルール)(2/3)


 (前回の続き)

(4)自分の価値を簡単に安売りしない。
 以前の記事「【ベンチャー失敗の教訓(第33回)】営業担当者任せにしすぎたプライシング」、「中小企業診断士が断ち切るべき5つの因習(+2個追記)」で書いた通りである。前職の企業では、定価50万円の研修を10~20万円で販売するということが横行していた。実に6~8割引である。ブランドショップの在庫処分セールではないのだから、そんなことをすれば大赤字になることは誰の目にも明らかである。また、中小企業診断士の世界も、おかしな単価がまかり通っている世界だ。年金診断士(=主たる収入源が年金で、診断士活動は収入の足しになる程度でよいと考えている診断士)が設定する低価格には、私もほとほと手を焼いている。

 そういう例は枚挙に暇がないのだが、1つだけ私が苦言(?)を呈したい中小企業診断士の制度を挙げる。中小企業診断士は、資格取得後5年ごとに更新が必要である。その更新要件の中に、「5年間で30日以上、中小企業の診断をすること」というものがある(年平均たった6日で診断能力が維持できるのか?という別の問題はあるが・・・)。この要件を満たすことが難しい診断士向けに、中小企業診断協会は「実務従事」というコンサルティングの機会を提供している。

 だが、驚くべきことに、実務従事に参加すると、診断士が顧客からお金をいただくのではなく、診断士が協会にお金を払わなければならない(顧客側は無料)。資格を持っているのに、わざわざお金を払ってコンサルティングを提供しなければいけないとはおかしな話である。事情を知っている顧客はきっと、「診断士の資格なんて所詮その程度のものだ」と思うに違いない。

 余談だが、診断士側がお金を払っているせいか、いつの間にか診断士の方が協会の顧客になってしまうケースがあるという。実務従事に参加すると、先輩の診断士が指導員として指導にあたる。指導員はコンサルティングの品質を維持するため、時に参加者を厳しく指導することがある。すると、その指導が厳しすぎると言って協会にクレームを入れる診断士がいるというのだ。そこまで行かなくても、「お金を払って更新要件さえ満たせればよい」と考える人の中には、割り振られた作業を全くしなかったり、途中から仕事に来なかったりする人も結構いるらしい。

 《2016年2月22日追記》
 (4)のような格好いいことを書いておきながら、実際には私の事業はまだまだ不安定で、いただける仕事は選り好みせずに可能な限り引き受けさせていただくことにしている。その中には割に合わないかもしれないと思う仕事もあるのだが、修行の一環としてとらえている。ただし、私が絶対に引き受けない仕事が1つだけある。それが「成功報酬型」の仕事である。

 成功報酬型は、コンサルティングが成功すれば、増加した利益の一部をコンサルタントに支払う反面、失敗した場合はコンサルティングにかかった費用を全てコンサルタントに転嫁する。コンサルティングが失敗する時というのは、確かにコンサルタント側にも責任はある。だが、全責任がコンサルタントにあると言えるだろうか?それに、仮に失敗の全責任をコンサルタントに被せるのだとすると、成功した時には増加した利益の全部をコンサルタントが総取りできなければ筋が通らない。成功報酬型を突き詰めると、コンサルティングが成功しても失敗しても、企業は利益を増やすことができない。この点で、成功報酬型は破綻していると思う。


(5)直観で人を評価しない。その人の価値観と能力をじっくり見極める。
 これも、旧ブログの記事「会社を退職しました」、「「やりたいこと」と「得意なこと」のどちらを優先すればいいんだろう―『リーダーへの旅路』」や、本ブログの記事「【ベンチャー失敗の教訓(第36回)】「この人とは馬が合いそうだ」という直観的な理由で採用⇒そして失敗」、「【ベンチャー失敗の教訓(第37回)】最初に「バスに乗る人」を決めなかったがゆえの歪み」で書いたことの繰り返しである。

 人を採用する、あるいは外部のパートナーと協業関係を結ぶ時には、やりたいこと、熱意、モチベーションといったものをあてにしてはいけない。これらは非常に不安定な要素である。人は簡単にやりたいことを見失い、熱意が冷め、モチベーションを低下させる。そして、そういう人ほど一緒に仕事をしにくい人はいない。そうではなく、能力という比較的安定した要素に目を向ける必要がある。能力さえあれば、その人を適切に活用することで一定の成果を出すことができる。

 もっと言えば、その能力の土台にある価値観を見定めることも大切だ。価値観とは、まさにこの記事で書いているような内容である。価値観が相容れない人と一緒に仕事をしても、重要な意思決定の局面で必ず深刻な問題を引き起こす。簡単な例で言えば、前述の「(4)自分の価値を簡単に安売りしない」と反する価値観、すなわち安売りを是とするような価値観の人とは、たとえどんなにコンサルティング能力が優れていても私は一緒に働けない。価値観は能力以上に固定的な要素である。よって、一度間違った価値観の人を採用してしまうと、修復が非常に困難である。

 『論語』の「為政篇」に、「其の似す所を視、其の由る所を観、其の安んずる所を察れば、人焉んぞかくさんや」という言葉がある。「その人は何をしているのかを視、その人の動機(何のためにそれをしているのか?)を観、その人の心のよりどころ(満足・安心すること)を察れば、その人の値打ちが解るものだ」という意味である。私はこの言葉を忘れずにいたい。

(6)信賞必罰に頼らない。相手の成長を見守ることで相手を動かす。
 私は大学生時代に塾講師のアルバイトをしており、高校3年生の受験生を教えていた。アルバイトを始めたばかりの頃、先輩の先生から個別指導の生徒2人を引き継ぐことになった。塾内の話によれば、その2人は相当な問題児で、成績も芳しくなく(偏差値は30台だった)、宿題をやってこない、前回教えたことをすぐに忘れるといったことは日常茶飯事であった。家庭学習の習慣もついていないので、塾内にある自習室に通うように強制的にスケジュールを組んだりもしたが、全く自習室に来なかったという。引継ぎのために、前任の先生がその2人を教える授業を見学させてもらった時、最後の授業だというのにその先生は2人を怒鳴り散らしていた。

 だが、私の目には、先生の怒声が2人にとって全く効果がないように映った。2人は、「また先生がいつものように怒っている」、「今だけ我慢して聞き流せばいいや」と思っているようであった。いわば、叱られることに慣れっこだったのである。そこで私は逆の戦法をとることにして、何があっても絶対にこの2人を叱らないと決意した。前評判通り、宿題は忘れるし、同じことを何度も教えなければならないので腹が立つこともあった。それでも私は絶対に叱らなかった。むしろ、授業にちゃんと来てくれたことに感謝するようにしていた。

 毎回80分の授業は、前回出した宿題をその場で解かせるだけで終わることがほとんどだった。極端なことを言えば、私がしたことは、彼らが宿題をするところを見守ったぐらいである。それでも、受験が近づいてきたら、彼らなりに自発的に勉強するようになった。自習室にも時々来るようになった。最終的に、1人は論文試験で美術大学に合格し、もう1人は産近甲龍レベルの大学に合格した。この時は非常に嬉しかった記憶がある。

 この価値観には、「相手に期待しすぎない」という側面もある。過剰な期待をするから裏切られるし、裏切られるから怒りたくなる。怒って事態が好転するなら、私だっていくらでも怒る。だが、たいていは怒ったところで何も変わらないものである。それならば、最初から相手に期待などしない方がいい。ただし、それは見捨てることとは違う。むしろ相手に寄り添い、相手を見守り続けることである。人は、「自分のことを見てくれている人がいる」と思うと、意外とやる気を出すものだ。

 (続く)


カテゴリ: 人生 コメント( 0 )
おススメの書籍


コメントする

名前
URL
 
  絵文字
 
 
  • ライブドアブログ
©2012-2017 free to write WHATEVER I like