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2015年09月11日
経済産業省の中小企業関係予算概算要求(平成28年度)について(平成27年度予算との比較)
平成28年度の概算要求の情報が公開されたので、中小企業関係の施策について比較表を作ってみた。比較表Excelのダウンロードはこちら。以下雑感。
《参考:経済産業省HP》
平成27年度 中小企業関係予算の概要
平成28年度 中小企業関係概算要求等の概要
・平成27年度予算の資料は比較的詳細だが、平成28年度概算要求の資料はポイントをまとめたものであるため、両者の情報粒度が異なっている点はご容赦いただきたい。平成27年度に実施された施策で、平成28年度は概算要求されていないものが数多くあるかのように見えてしまうが、本当は裏で概算要求されている可能性がある。
かねてから私は不思議に思っていたのだが、なぜか官公庁は予算の内訳を全て公開しようとしない。平成28年度概算要求の資料で「平成27年度より継続」となっているのに、平成27年度予算の資料には掲載されていない施策もある。予算の透明性を保つよう、世間からこれだけうるさく言われている割には、まだまだ緩い部分が残っていると感じた。底意地が悪い私などは、公にしたくない施策があるのではないかと勘ぐってしまう。
・平成28年度概算要求を見ると、小規模企業向けの施策が拡充された点以外は目新しさがなく、”いつもの当たり障りのない”施策に逆戻りしたようだ。「平成28年度 経済産業政策の重点のポイント」を見ると、経済産業省は、(1)ITによる産業構造・経済社会の革新、(2)イノベーションの担い手の強靱化、(3)未来への投資促進に向けた官民協働、(4)内なる国際化/2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、という4つの方向性を掲げている。しかし、中小企業庁の施策は、これらとのリンクが十分でない。特に、(1)と(4)に関連する施策がない。
・平成28年度概算要求からは、平成27年度予算にあった「円安是正」というテーマが消えた。もう1つ、ひっそりと姿を消した(と思われる)のが「創業支援」である。平成27年度は、創業希望者に対する補助金と、創業スクールなど創業支援事業を行う事業者に対する補助金の2本立てで予算が組まれていたが、平成28年度概算要求では前者が消えた。2013年6月に閣議決定された日本再興戦略では、現在5%台の開業率をアメリカ・イギリス並みの10%台に引き上げる目標が設定された。この目標は一体どうするのだろうか?
