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谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京23区、神奈川県川崎市・横浜市を中心に活動する中小企業診断士・コンサルタント。

 専門領域は、(1)経営ビジョン・事業戦略の策定、(2)ビジョンや戦略とリンクした人材育成計画の立案・人事評価制度の構築、(3)人材育成計画に沿った教育研修プログラムの企画・開発。

 モットーは「日々改善、日々成長」、「実事求是」、「組織のためではなく知識のために働く」、「奇策は定石より先に立たず」、「一貫性(Consistency)」、「(無知の知ならぬ)無知の恥」

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

 ブログタイトルに、oasisの往年の名曲『Whatever』を入れてみた。

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マネジメント・フロンティア
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(城北支部執行委員、青年部長、および国際部員を務めています)

NPOビジネスサポート特定非営利活動法人NPOビジネスサポート
(監事を務めています)

企業内診断士フォーラム(KSF)企業内診断士フォーラム
(独立診断士の立場から、企業内診断士の活動を応援しています)

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(一緒にお仕事をさせていただいている「コンサルビューション株式会社」は、世界最大の信用調査会社Experianの正規代理店です)

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(以下の資格の講師をしています。
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 ―中小企業診断士(企業経営理論、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策)
 谷藤友彦と株式会社サイトビジット代表取締役・鬼頭政人氏の対談動画(1)(2)(3)
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2016年07月12日

『組織の本音(DHBR2016年7月号)』―イノベーションにおける二項対立、他

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○リーダーが必要な情報を得るために 言いにくいことを言える職場(ジェームズ・R・ディタート、イーサン・R・バリス)
 部下の考え方を本当に知りたければ、尋ねることだ。そうしないと、自分にたちにとって状況が悪くなった時にしか、彼らはあなたを頼りにしなくなる。
 組織の腐敗は、現場が悪い情報を上の階層に報告しなくなることから始まるケースが多い。だから、マネジャーは、何とかして部下から悪い情報を吸い上げようとする。実名よりも匿名の方が報告しやすいだろうと考えて、いわゆる「目安箱」のようなものを設ける企業もある。しかし、本論文の著者は、目安箱は3つの理由で逆効果になると警告する。

 まず、「我が社は通常のコミュニケーションチャネルが機能しておらず、目安箱のような新たなチャネルを設けないと情報が疎通しない」というネガティブなメッセージを社員に送ってしまうという問題がある。次に、目安箱に投稿した意見の犯人を捜す、つまり魔女狩りが始まるという点が挙げられる。最後に、匿名で悪い情報を報告しても、その問題を解決する際に、結局は当事者を集めなければならないということだ。例えば、上司が部下に対してパワハラをしているとあなたが報告したとしよう。その報告を受け取った人事部は、上司を呼びつけるだけでなく、部下からも事情聴取をするだろう。あなたは善意のつもりで報告したかもしれないが、その部下にとっては、人事部まで巻き込んで余計に厄介な問題になったと映るかもしれない。

 論文の著者は、風通しのよい組織を作るための方法として、以下の3点を提案している。①引用文にあるように、マネジャーが自ら積極的に部下に質問する、②マネジャー自身も自分の上司に意見を申し立て、「上の者に意見を述べてもよいのだ」というメッセージを部下に発信する、③部下から意見をもらった後は、改善策にまで落とし込んで実行する。もし実行に至らなかった場合は、どのような検討を行った結果そうなったのかをフィードバックする。この3点である。

 個人的には、①は非常に重要だと思う。中国・唐の第2代皇帝である太宗の政治をまとめた『貞観政要』は、太宗が魏徴や房玄齢といった臣下に対して積極的に意見を求める様子が描写されている。しかも、太宗は「自分はこういうふうに思うのだが、あなたはどう思うか?」という形で、必ず具体的な問題提起を行う。そして、決して自分の意見を押しつけず、部下の反論や諫言を受け入れる。マネジャーに求められるのはこういう姿勢であろう。

 私の前職のことは本ブログで散々書いたので、読者の皆様ももう辟易しているかもしれないが、1点だけ前職の企業の社長について書かせていただきたい。社長はコミュニケーションに難があり、社員との間には壁があった。その点を認識していた社長も一応は工夫しようとしたようで、ある時期から社員にぽつぽつと話しかけるようになった。だが、いつも決まって言われるのは「どうですか?」というその一言だけであった。「『最近』どうですか?」ですらなく、単に「どうですか?」と聞かれても答えようがない。かえって、社長と話すのが億劫になってしまった。

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○過剰に求めると弊害が出る 共感するにも限度がある(アダム・ウェイツ)
○【イノベーション】個人の熟考から始める4つのステップ 画期的なアイデアを創出する批判の技術(ロベルト・ベルガンティ)
 身内に優先的に共感することは、自己防衛と見なされ、反感を買うことになりかねない。(中略)またそれによって、少々意外かもしれないが、内輪の者による外部者への攻撃を誘発することもある。(中略)組織についても同じ原理が当てはまる。自社の従業員や同僚に対する同情は、他者への攻撃的反応を引き起こすことがある。
(アダム・ウェイツ「過剰に求めると弊害が出る 共感するにも限度がある」)
 《図①》
神・人間の完全性・不完全性

 《図②(※何度も言い訳しているが、この図は未完成である(汗))》
製品・サービスの4分類(修正)

 例の図をここでも使用。以前の記事「崎谷博征『医療ビジネスの闇―”病気産生”による経済支配の実態』―製薬業界を支配する「国家―企業複合体」」で、アメリカは図①の右上の象限(すなわち全体主義)から出発したが、いくつかの修正を施すことによって右下の象限に移行することができたと書いた。その修正とは、ⅰ)将来という時間軸を導入することで、それぞれの個人が好きな時点をゴールとしてビジョンを描くという自由意思を獲得した、ⅱ)二項対立的な発想を取り入れることで、他者の存在を許容するようになった、ⅲ)神―個人という直接的な関係の間に、家族や連邦制といった中間的な存在を挿入し、権力を多重・分散化した、という3点である。

 特にⅰ)とⅱ)によって、アメリカはイノベーションに強くなった。つまり、図②における左上の象限で、グローバル市場を獲得した。アメリカのイノベーションは、特定のリーダーがカリスマ性を発揮して多くの顧客を魅了する。だが、元々非必需品であるイノベーションを世界中に半ば強引に展開するため、そのマーケティングや販売手法には反感を持つ人も現れる。イノベーションをめぐっては、味方と敵が明確に分かれる。イノベーションに味方する人々は、身内のトップであるカリスマリーダーに強く共感するあまり、引用文にある通り、外部の敵を激しく攻撃する。

 ここに、イノベーションをめぐる二項対立の構図ができ上がる(以前の記事の中では、アメリカのイノベーションは最終的に大手2社の激突に収斂するのではないかと書いたのだが、そのような極端な状況を想定しなくとも、イノベーションに味方する人々と敵対する人々の対立という形でとらえれば十分であるように思えてきた)。逆説的だが、二項対立が激しければ激しいほど、世界の市場規模が拡大し、結果的に双方の収益が増加する。なぜならば、イノベーションに味方する人々は、敵からの攻撃によってより一層イノベーションへの共感を強め、より多くのお金を支払うようになるからだ。これは、左上の象限が非必需品であるからこそ起きる現象である。

 二項対立においては、敵を完全に打ちのめそうとはしない。西欧には弁証法の伝統があり、フランスでは小学校のうちからテーゼ、アンチテーゼ、ジンテーゼを学習するそうだが、実際にはジンテーゼに至ることを望んでいないように思える。テーゼとアンチテーゼが対立しているからこそ、お互いに自分の存在意義を確認することができる。仮にジンテーゼに至ったならば、それが今度はテーゼとなり、それに対する別のアンチテーゼが登場するのを待つに違いない。

 対立がなくなる時というのは、人々がイノベーションに飽きた時である。これもまた、左上の象限が非必需品であるがゆえに起きることだ。対立がなくなると、世界の市場は急速に縮小する。しかし、その頃にはイノベーターは莫大な富を手に入れ、企業は多くの内部留保を蓄積している。イノベーターは早々にリタイアして優雅な余生を送り、企業は自社株買いや配当で株主に報いて戦略的に撤退する。これがアメリカにおけるイノベーションである。

 (このように、二項対立が激しいイノベーションは、世界中で爆発的にヒットするものの、たいていは短命に終わる。逆に、二項対立が激しくないイノベーションは、世界中で対立を喚起するほど人々の注意を引いていない中途半端なものももちろん無数にあるが、中には本当に世界中の人に広く支持されつつあるものもあり、それらは将来的に図②の左下や右下の象限に移行する。日本が狙うべきは、得意領域である右下の象限に下りてくるイノベーションであろう)
 マイケル・P・ファレルは著書Collaborative Circles: Friendship Dynamics and Creative Work(協調的な仲間:友情のダイナミクスとクリエイティブな仕事)で、アートや社会の分野に―特に、「優れたアート」の定義に疑問が投げかけられた場合に―2人組によるブレークスルーが多数存在することを示した。ファレルは、2人組の仕事では「効果のある親密さ」が生まれて、共感を示しつつ建設的に批判し合うことができると説いた。
(ロベルト・ベルガンティ「【イノベーション】個人の熟考から始める4つのステップ 画期的なアイデアを創出する批判の技術」)
 イノベーションをめぐっては、市場において激しい二項対立が生じるが、興味深いことに、イノベーションを起こす組織やチームの内部でも二項対立が効果的に作用することをこの論文は示唆している。論文の著者は、スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアック、セルゲイ・ブリンとラリー・ペイジ、ビル・ゲイツとポール・アレンといった組合せを例示している。

 私の二項対立の考え方は、国際政治における大国間の対立を説明する際にも使っている。以前の記事「マイケル・ピルズベリー『China 2049』―アメリカはわざと敵を作る天才かもしれない」では、大国同士が二項対立を演じると同時に、一国の内部でも二項対立が起きていると書いた。引用文の2人組の視点は、大国内部の二項対立に通じる部分があるように思える。

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○過剰に求めると弊害が出る 共感するにも限度がある(アダム・ウェイツ)
 この発見は、フォードが「エンパシー・ベリー」を使用することは、意図はよくても、見当違いであるかもしれない理由を教えてくれる。「エンパシー・ベリー」を体験した後、エンジニアたちは実際の妊婦が運転の際に直面する困難を過大評価したり誤認したりする可能性がある。

 人々に話しかけること―どのように感じるか、何が必要か、どう考えるかと尋ねること―は単純なことと思われるかもしれないが、そのほうが間違いが少なく、従業員や組織にとっての負担も軽くなる。
 フォードが開発した「エンパシー・ベリー」というジャケットを装着すると、背痛や膀胱の圧迫感など、妊娠時の症状を体験することができる。また、胎児がお腹を蹴る動きも感じられるという。そういえば、以前TVのバラエティー番組で、「陣痛の痛みを体験できるジャケット」が紹介されていたのを観たことがある(リアクション芸人の出川哲朗さんが実験台にされていた)。

 アメリカからは、CRM、One to Oneマーケティング、ペルソナマーケティング、エスノグラフィー・マーケティングなど、顧客1人1人のニーズを深く理解するための手法が次々と日本に入ってくる。だが、個人的には、これらの取り組みは、日本企業が昔からやっていたことであるように思える。アメリカがこうした手法を開発するのは、彼らが基本的に世界をマス市場ととらえてデータ重視の経営をしており、それを最近になって反省してるからである。

 アメリカ企業は、顧客に合わせて製品・サービスをカスタマイズするためにデータを収集しているのではない。個々の顧客の現状を把握して、どうすればグローバル・スタンダードである自社の製品・サービスを彼らに受け入れさせることができるかという戦術を練るためである。別の言い方をすれば、アメリカ企業が顧客に対して提示するTo-Be(あるべき姿)は一定である。一方、顧客のAs-Is(現状)はバラバラである。To-BeとAs-Isのギャップは顧客ごとに異なるため、そのギャップを埋めるためのマーケティングや販売手法をカスタマイズする。

 一方、日本企業の場合は、データの活用が苦手で、昔から個々の顧客に寄り添って個別のニーズをくみ取り、それを製品・サービスに反映する傾向が強かった。世界一要求水準が厳しいとも言われる日本人顧客1人1人の声に十分に耳を傾け、顧客の様々なニーズに応える多様な製品・サービスを市場に投入してきた。先ほどのTo-BeとAs-Isの話を使えば、日本の場合はAs-Isだけでなく、To-Beも顧客ごとに異なると考える。これは日本国内の市場に限った話ではなく、海外に進出する際も同様である。そのため、日本企業の海外進出はどうしても時間がかかる。

 アメリカ企業は、現場を直接見なくとも、データによって現場を把握し、万人受けする標準を策定することができる。これは、かつての植民地経営の経験が活かされている。アメリカ本土にいながら、遠く離れた植民地を制御するためにどうすればよいかを考え抜いた結果である。

 しかし、日本にはそのような経験がなく、現場に行かないと物事は解らないという価値観が根づいている。最近、多くの大企業が経営不振に陥っているのは、アメリカのデータ重視経営を無理やり取り入れて、グローバル・スタンダードの確立を狙おうとしているからではないかと考える。顧客に接しないまま、本社がデータだけを頼りに製品・サービスを開発するものだから、どの企業も顧客ニーズから遊離してしまい、しかもどの企業の製品・サービスも似たり寄ったりという状況に陥る。日本企業は、本来の強みを捨てるべきではない。

 日本企業は顧客に対する”共感”を重視する。顧客のことを最もよく理解するためには、自らが顧客になり切ればよいと考えるのが普通である。ただし、本論文で興味深かったのは、顧客に共感するために顧客になり切ることは、かえって顧客への理解を阻害する可能性があるということだ。グループ・インタビューなどは、顧客のニーズを把握するには不十分だとしばしば批判される。しかし、実はインタビューという古典的な手法の方が、顧客のニーズを見誤るリスクが少ないこともあるという。これは私も肝に銘じておきたいと感じた。

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