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プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京23区、神奈川県川崎市・横浜市を中心に活動する中小企業診断士・コンサルタント。

 専門領域は、(1)経営ビジョン・事業戦略の策定、(2)ビジョンや戦略とリンクした人材育成計画の立案・人事評価制度の構築、(3)人材育成計画に沿った教育研修プログラムの企画・開発。

 モットーは「日々改善、日々成長」、「実事求是」、「組織のためではなく知識のために働く」、「奇策は定石より先に立たず」、「一貫性(Consistency)」、「(無知の知ならぬ)無知の恥」

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

 ブログタイトルに、oasisの往年の名曲『Whatever』を入れてみた。

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 谷藤友彦と株式会社サイトビジット代表取締役・鬼頭政人氏の対談動画(1)(2)(3)
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2016年11月23日

『首都の難問─どう解決するか(『世界』2016年11月号)』―日本は不平等だが自由な社会、他

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 (前回の続き)

 (4)
 國分:これもアーレントが言っていたことですが、平等と自由は矛盾する、という考え方があります。日本でも根強いですね。自由にやらせると不平等になる。かといって平等を志向すると、みんなの自由を制限することになる、と。でもアーレントは、古代ギリシャの考え方はまったく違っていた、と言うんですね。1人1人の能力は不平等である。だから、法律で平等にする。みんな平等になるから、みんな自由に社会のなかで行為できるようになる。平等こそ自由の条件であるというのが、古代ギリシャにあった考え方なんだ、と。
(國分功一郎、ブレイディみかこ「経済にデモクラシーを」)
 自由と平等は両立するというのがハンナ・アーレントの考え方のようだが、日本社会では、少なくとも平等に関しては、どう頑張っても成立しないというのが私の考えである。その根拠は簡単である。前回の記事でも書いたように、日本社会は天皇を頂点とする社会であるからだ。天皇にはなりたくてもなれない。この時点で、日本人には平等が保障されない。

 完全な平等は幻想である。例えば、赤ん坊は生まれた環境を選択できない。また、仮に全く同じ家庭環境に生まれたとして、今年生まれるのと、20年後に生まれるのとでは、その子の将来の選択肢は異なっているであろう。学校では、4月2日生まれ~翌年の4月1日生まれまでが同じ学年として扱われる。4月2日生まれの子どもと翌年の4月1日生まれの子どもの間には丸1年の差がある。この差は、特に小学校低学年で大きく影響する。早生まれの子どもは体力面で不利であるから、低学年の段階でスポーツの道に進むことを断念する傾向があると言われる。こうした不平等を矯正して機会の平等なるものを実現しようとすると、今度は逆差別が発生する。

 天皇は、多様な考え方を認めること、日本の資源を有効活用してその価値を高め、国民の生活を豊かにすることという2つの方針を日本社会に対して示していると私は考えている。そして、その方針を具体化するために、巨大な階層社会が構築される。具体的には、天皇⇒立法府⇒行政府⇒市場/社会⇒企業/NPO⇒学校⇒家庭⇒個人という階層構造である。日本人の能力は不平等である。この点はアーレントも認めている。不平等であるから、適材適所がある。その適材適所を、この巨大なピラミッド社会の中で実現することが正義である。

 適材適所は、一義的には社会からの要請によって決まる。それぞれの日本人は、日本社会の中で果たすべき役割を与えられる。まずはその役割を果たすことが義務である。だから、私は、生まれながらにして基本的人権が与えられているという天賦人権説にはどうも納得ができない。ただし、本人が努力して能力を伸ばせば、適材適所を変更できる。4月1日生まれであるという理由だけで、プロスポーツ選手になる道が閉ざされるわけではない。4月1日生まれでも、努力すればプロスポーツ選手になれる。この事実が重要である。また、前回の記事でも書いたように、役割は同じでも、垂直方向に「下剋上」、「下問」したり、水平方向に「コラボレーション」したりして、階層社会を動き回ることができる。これが日本人にとっての権利であり自由である。

 不平等であるがゆえに、多様な人材が生まれ、適材適所を検討することができる。また、社会の中でポジションを与えられるからこそ、自由を発揮できる。これが日本社会の大きな特徴である。社会側が不平等を是正すべきなのは、①本人がどんなに努力しても最低限の生活すら困難な場合と、②本人に能力があり、努力すれば階層社会の中を移動してもっと社会に貢献できるはずなのに、それが社会の構造的な要因で阻害されている場合の2つのみである。それ以外の理由で、社会が不平等を是正するために介入する理由はないと考える。

 《2017年4月12日追記》
 出光佐三『人間尊重七十年』(春秋社、2016年)より引用。人間というものは、能力、資質、性格などの面で本来的に不平等である。しかし、不平等であるからこそ、社会を構成する質の異なる様々な仕事に適材を配置することができる。それこそが公平である。
 しかしながら私は平等と公平とを同一視するほど野暮でもありません。いな不平等こそ公平なりと思うのであります。才能のすぐれた人、手腕のある人、能率のあがる人、熱心な人、他人のために尽くす人、賢い人、偉い人、いろいろあります。またこれらの正反対の人もあります。不平等に取り扱われるのが公平である。不平等即公平、平等即不公平と思うのであります。
人間尊重七十年人間尊重七十年
出光 佐三

春秋社 2016-03-08

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 (5)
 省エネ技術、再エネ技術に強みを持つ日本企業にはむしろ大きなビジネスチャンスでもある。IRENAによれば、再エネ関連技術の特許保有数は日本が世界1位である。世界知的所有権機関(WIPO)によれば、太陽光、風力など再エネ関連技術の特許保有件数世界上位20社のうち、パナソニックなど日本企業が実に12社もランクインする。
(高村ゆかり「パリ協定の早期発効は何を意味するか」)
 この文章を読んで、『技術で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか』という書籍のことがすぐさま頭をよぎった。原子力発電にとって、再生エネルギーは代替品である。そして、下図で示した通り、代替品開発戦略は、どの企業にも不可欠な戦略である(詳細は以前の記事「『気候変動─人類最大の脅威にどう立ち向かうか(『世界』2015年12月号)』」、「戦略を立案する7つの視点(アンゾフの成長ベクトルを拡張して)(1)(2)」を参照)。代替品が顕在化しつつあるのに、頑なにその事実から目を逸らし、原発にこだわるのは、経営者としての責務を放棄しているに等しい。

戦略を立案する7つの視点

 パナソニックなど、再エネ関連技術の特許を保有する企業には、日本で原子力ムラと戦うことなどに労力を割くのではなく、まずは再生エネルギーの導入に積極的な他の先進国で新製品をどんどんと販売してほしいと思う。さらに、ここからが重要なのだが、先進国ほどの性能・スペックを必要としない新興国・途上国市場を積極的に攻めてほしい。

 先進国では大がかりな太陽光発電システムが必要だが、新興国・途上国では、1世帯~数世帯が数日間使用する電力を発電できる程度で足りるかもしれない。つまり、機能を大幅に絞り、性能を大幅に落として、低コストで製品を製造することが要求される。企業にとっては製品単価が落ちることを意味するものの、新興国・途上国は人口が先進国の比ではない。だから、大きなビジネスになるチャンスがある。そして、新興国・途上国市場で培われた、「必要最低限のスペックを低コストで実現する技術」を、今度は先進国市場に流入させる。すると、先進国向けの製品コストが大幅に下がる余地が生まれる。これこそ、リバース・イノベーションである。

 リバース・イノベーションまで成功すれば、「日本は技術で勝っているのに、事業では負ける」などとはもう言われない。さらに、世界で再生エネルギーが主流であるという事実をどうにも動かしがたいものにすれば、日本の原子力ムラも態度を変えるかもしれない。企業から行政に対する「下剋上」は時間がかかりそうだが、やる価値はあるに違いないし、是非やるべきだと思う。

 (6)
 自治体としてできることは、たとえば公契約条例です。アメリカでも、生活賃金(リビング・ウェイジ)条例という取り組みがありますが、日本においても、たとえば東京都が発注する大量の公共事業について、それを請け負う労働者の最低賃金を時給1500円にすることを定めることも考えられます。時給1500円なら、月150時間の労働で、ようやく22万5000円になります。当然、男女平等賃金であるべきです。
(増田寛也、宇都宮健児「東京のグランドデザインを考える」)
 ここからは私の独り言。公契約条例は是非中小企業診断士の仕事にも適用してもらいたいものである。診断士は地方自治体から経営相談業務や各種調査・研究などの仕事を受注することがあるが、中にはとんでもない金額で契約が交わされているケースがある。

 私が知っている話では、ある区内の中小企業の経営実態調査を行うという案件があった。区内には何千社と中小企業があるわけだが、区がアンケート用紙を郵送して、回答があったものを診断士が分析し、報告書をまとめるという案件ではない。診断士が1社1社実際に訪問し、10ページぐらいのアンケート用紙に基づいて、経営者に対し1問ずつ質問しては回答を記録するというものである。しかも、やり取りの中で相談ごとが出てきた場合には、その場で支援業務を行うという。そして、アンケート結果を指定のフォーマットに入力する。調査対象企業が数千社あるため、1人の診断士に何十社も担当させ、数十人体制で調査を実施したそうだ。

 これらの一連の業務を行うと、1社あたり最低でも1時間以上かかるはずだ。にもかかわらず、診断士に支払われた報酬は1社あたり1,000円程度であったという。時給換算すれば、東京都の最低賃金を下回るに違いない。さらに困るのは、こんなアルバイト以下の仕事を受注しておきながら、「私が他の診断士のために仕事を作ってやったのだ」としたり顔をする高齢の診断士がはびこっているという事実である。全く恩着せがましい話である。

 そういう仕事を発注する行政側にも問題があるだろう。少なくとも、公契約条例に従って、最低限の発注金額を決めるべきではないかと思う。ちなみに、この自治体では「グリーン調達」の方針をHPで掲げていた。グリーン調達とは、元々は環境負荷の低い製品・サービスを優先的に調達することを意味する。だが最近では、労働環境に配慮しているかどうかもチェックポイントに入っている。グリーン調達の観点からしても、この自治体には公契約条例の導入を強く勧めたい。これはちょうど、(4)で書いた不平等を是正すべきケースの①(本人がどんなに努力しても最低限の生活すら困難な場合)に該当する。

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