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谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京23区、神奈川県川崎市・横浜市を中心に活動する中小企業診断士・コンサルタント。

 専門領域は、(1)経営ビジョン・事業戦略の策定、(2)ビジョンや戦略とリンクした人材育成計画の立案・人事評価制度の構築、(3)人材育成計画に沿った教育研修プログラムの企画・開発。

 モットーは「日々改善、日々成長」、「実事求是」、「組織のためではなく知識のために働く」、「奇策は定石より先に立たず」、「一貫性(Consistency)」、「(無知の知ならぬ)無知の恥」

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

 ブログタイトルに、oasisの往年の名曲『Whatever』を入れてみた。

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2017年05月12日

【東京商工会議所】メコン5か国の会社法および投資法徹底比較―近年の改正状況を踏まえて(セミナーメモ書き)

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アンコールワット
 
 東京商工会議所のセミナーに参加してきた。講師は大江橋法律事務所の弁護士。
 
 【Ⅰ.メコン各国の会社法】
 (1)会社法施行・改正状況
タイ  非公開会社については、1925年施行の民商法という非常に古い法律しかない。公開会社については、公開会社法(1992年施行)が適用される。いずれも、過去に大きな改正は行われていない。社外取締役に関する規定は上場企業にのみ適用される。株主代表訴訟については、制度自体は存在するものの、実際には行われていない。多重代表訴訟に関しては、法律そのものが存在しない。
ベトナム  2005年に統一企業法が施行された。2014年に改正され、2015年7月より改正企業法が施行されている。
ミャンマー  1914年にインド法を継受した会社法が施行され、100年近くほとんど改正されていなかった。2017年3月、改正会社法が次の議会に提出されることが判明した(倒産、清算、買収などについては、今後改正予定)。
カンボジア  2005年に会社法が施行され、その後大きな改正はない。2016年より、オンラインによる商業登記制度がスタートしている。
ラオス  2014年に会社法が施行されている。

 (2)外国企業とされる要件
 ラオスを除いて各国とも、「出資比率」ベースで判断される。「議決権」ベースではない。よって、出資比率上は内資企業でありながら、外国企業が経営権を握るために、種類株式を使用することがある。具体的には、例えばタイにおいて出資比率は50%未満だが、議決権を日本:タイ=2:1などとすることで、議決権ベースでは外国企業がマジョリティとなり得る。
タイ  50%以上の出資比率。なお、土地法上では49%超と規定されており、両法律の間に齟齬がある点に注意が必要である。
ベトナム  51%以上の出資比率。
ミャンマー  従来は1株でも外資が保有していると外国企業と見なされた。改正法により、35%以上となる予定。
カンボジア  51%以上の出資比率。
ラオス  一般的な定義規定がない(合弁会社の場合、外国企業の最低出資比率は資本金の10%以上と定められている)。

 (3)株主の最低数
タイ  非公開会社は3名以上、公開会社は15名以上。設立時の発起人には自然人しかなれないことに注意が必要である。
ベトナム  1名有限責任会社は1名、複数社員有限責任会社は2名以上50名以下、株式会社は3名以上。
ミャンマー  2名以上が必要であったが、改正法により単独株主が認められる予定
カンボジア  非公開会社は1名以上、公開会社は2名以上。
ラオス  有限責任会社は1名以上30名以下、公開会社は9名以上。

 (4)株主総会の決議要件など
タイ  普通決議は出席株主の議決権の過半数、特別決議は4分の3以上。デフォルトとして、「1人1議決権」だが、通常は定款で修正する。
ベトナム  株式会社の普通決議は、出席株主の議決権の51%以上、特別決議は65%以上(定款に定める必要がある)(ちなみに、旧会社法では、普通決議でも65%以上であった)。
ミャンマー  普通決議は出席株主の議決権の過半数、特別決議は4分の3以上。改正法により、「特殊決議」が廃止される予定。
カンボジア  普通決議は出席株主の議決権の過半数、特別決議は3分の2以上。
ラオス  普通決議は出席株主の議決権の過半数、特別決議は3分の2以上(定足数が80%以上)。

 (5)取締役の最低人数・居住要件など
タイ  非公開会社は1名以上、公開会社は5名以上。非公開会社では国籍・居住要件がないのが建前となっている。実際には、土地・建物に対する投資を含む案件の場合、日本人取締役が多いと土地局による手続きが遅くなると言われている。
ベトナム  株式会社では3名以上11名以下。法定代表者のうち1名はベトナムに居住する必要がある。
ミャンマー  最低2名以上必要と解釈されてきたが、改正法により1名以上と明記される予定。また、最低1名はミャンマーに居住する必要があると規定される見込み。
カンボジア  非公開会社は1名以上、公開会社は3名以上。国籍・居住要件なし。
ラオス  非公開会社は1名以上、公開会社は9名以上。国籍・居住要件なし。

 (6)取締役会の開催方法・頻度など
タイ  2016年9月の通達により、電話・テレビ会議の要件が明確化された(国外開催は不可であり、参加者は全員タイにいなければならない)。また、書面決議も禁止された。開催頻度については定めがない。
ベトナム  オンライン会議、郵便・電子メールなどによる投票が可能である。また、取締役会は最低3か月に1回開催する。
ミャンマー  書面決議、電話・テレビ会議は、定款に定めることで有効となる。
カンボジア  書面決議、電話・テレビ会議は有効と解釈されている(定款の定めが必要)。また、取締役会は最低3か月に1回開催する。
ラオス  電話・テレビ会議は有効と解釈されている(定款の定めが必要)。

 (7)署名権限者
 基本的に代表取締役という概念がない。唯一、ベトナムの「法定代表者」がそれに相当。
タイ  会社のために署名権限を有する取締役を登記する必要がある。複数人を指名して共同署名を求めることも可能である。
ベトナム  法定代表者を複数設置することができる。ただし、そのうち最低1名はベトナムに居住していなければならない。
ミャンマー  実務上、Managing Directorに対外的な署名権限があると解釈されてきた。Managing Directorが日本の代表取締役に相当し、取締役会が委任状を提出するという運用を行ってきた。改正法により、取締役2名の署名による契約締結が可能となる予定。ただし、実務上は引き続き取締役会が署名人に委任状を提出することになる見込みである。
カンボジア  定款などで署名権限者を定めることが可能である。
ラオス  署名権限者(General Director)を定めることが可能である。

 (8)監査役の要件
 日本のように取締役の業務監査まで行う監査役は存在せず、会計監査のみを担当する。
タイ  会計監査人の選任が義務づけられている。
ベトナム  監査役会の設置が原則だが、独立取締役が20%以上の場合に、内部会計監査委員会の設置による代替が認められている。ベトナムの監査役は例外的に業務監査も行う。
ミャンマー  会計監査人の選任が義務づけられている。
カンボジア  原則として、監査役の設置が義務づけられているが、非公開会社では総会決議を経て設置しないことも可能である(ただし、総会決議を経ずに設置していない会社も多い)。
ラオス  一定額以下の総資産の有限会社は、監査役の設置は任意だが、それ以外の会社は設置義務がある。

 (9)株式譲渡手続き(主に譲渡制限)
 M&Aの選択肢が乏しく、株式譲渡が一般的である。
タイ  非公開会社でも、定款に定めがない限り、譲渡制限はない(通常は、定款で譲渡制限をかける)。公開会社では、強制的公開買い付けの対象となる場合がある。
ベトナム  非公開会社でも、定款に定めがない限り、譲渡制限はない。
 外資比率が51%以上になる場合は、計画投資局に事前登録(M&A登録手続)を行う。また、発起人の株式は3年間譲渡制限がかかる。
ミャンマー  ミャンマーから外国人に対する株式譲渡は現状認められていないが、改正法により解禁される予定。非公開会社については、譲渡制限がある。
カンボジア  私的有限責任会社では譲渡制限があり、株式を譲渡する場合は、株主総会の普通決議による承認が必要。
ラオス  譲渡制限なし。

 (10)株式譲渡以外のM&A手法
タイ  事業譲渡(全部譲渡をして、残った会社は清算する。残存会社は時価ではなく簿価で評価されるため、税制上優遇される)。非公開会社の場合、第三者に直接割り当てる新株発行は不可である。
ベトナム  事業譲渡または新株発行(既存株主に新株引受権あり)。
ミャンマー  事業譲渡または新株発行(外国人に対する割り当ては認められていなかったが、法改正により解禁される予定)。
カンボジア  事業譲渡または新株発行(既存株主に新株引受権なし)。
ラオス  事業譲渡または新株発行(既存株主に新株引受権あり)。

 【2.メコン各国の投資法】
 (1)外資規制
タイ  外国人事業法に基づき、次の3種類43業種については、外国企業の参入が規制されている。①外国企業による参入禁止業種(新聞、放送、土地取引など)、②国家安全保障または文化・伝統・環境などに影響を及ぼす業種、③産業競争力が不十分な業種(小規模な小売業・卸売業、その他サービス業)
 ②③は規制されているものの、事業許可を取得すれば進出できる。ただし、アンチノミニー規制が厳しく、ノミニーを使って内資企業に見せかけようとすると罰せられる。
ベトナム  新投資法に基づき、次の事業については、外国企業の参入が規制されている。①投資禁止事業(麻薬物質などに関する事業、人身売買など)、②条件付投資事業(銀行、保険、物流事業、不動産事業など合計267業種)
 公開会社に対する100%外資出資が可能になったが、ロジスティクス分野や通信分野といった一部の業種については、まだ外資100%による会社設立が認められていない。
ミャンマー  従来は、外国投資法およびミャンマー投資委員会(MIC)の公表する通知などによって、外資参入が禁止される事業、合弁強制事業や外資出資比率などが規定され、非常に複雑だった。新投資法により外資規制が明確化される予定。2017年2月に公表されたドラフトでは、136業種が規制の対象となっている。
カンボジア  外資規制が非常に緩く、多くの業種で外資100%による進出が可能である。
ラオス  外資規制として、①禁止事業、②規制事業、③外国企業に対する資本金・出資比率の条件がある事業(卸売・小売、運輸など)、④外資参入禁止事業が存在する。

 (2)投資奨励措置
タイ  業種を6つ(A1からA4、B1からB2)に分け、その重要度に応じて法人税免除などの恩典が与えられる。また、投資対象の活動内容(研究開発や教育など)に応じても、恩典が与えられる。さらに、工業団地公社法に基づく恩典制度も存在する。
ベトナム  新投資法により、投資優遇対象を拡大。また、投資奨励分野、投資奨励地域を明記した。
ミャンマー  2017年4月に改正投資法が施行され、外国投資法と内国民投資法が統合された。投資許可(MIC許可)と投資優遇措置(MIC承認)が区別される。これにより、MIC許可がなくても、長期の土地賃貸借(外資は原則として1年のリースだが、それを50~70年に延長することができる)といった優遇措置を受けられるようになる。また、国土をその発展段階から3段階のゾーンに分け、3年、5年、7年の税制優遇措置を与えるゾーン制が導入される。さらに、経済特区法が別途存在する。
カンボジア  業種および(一定の場合に)最低投資金額に応じて、適格投資プロジェクトとして認可を受け、投資優遇措置を受けることができる。
ラオス  業種、ゾーン別の投資奨励措置がある。投資奨励法の改正作業が進行中であり、その詳細は未定だが、近代技術や教育などの活動内容に応じた投資優遇措置が導入される予定である。


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