プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京都城北エリア(板橋・練馬・荒川・台東・北)を中心に活動する中小企業診断士(経営コンサルタント、研修・セミナー講師)。2007年8月中小企業診断士登録。主な実績はこちら

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

◆旧ブログ◆
マネジメント・フロンティア
~終わりなき旅~


◆別館◆
こぼれ落ちたピース
シャイン経営研究所HP
シャイン経営研究所
 (私の個人事務所)

※2019年にWordpressに移行しました。
>>>シャイン経営研究所(中小企業診断士・谷藤友彦)

Next:
next 【中小企業診断士】企業経営理論 解答・解説(2/2)【平成29年度1次試験】
Prev:
prev エリン・メイヤー『異文化理解力―相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養』―アジア人の部下を日本方式で叱ってはならない
2017年08月08日

【中小企業診断士】企業経営理論 解答・解説(1/2)【平成29年度1次試験】


事業戦略

 中小企業診断士1次試験(企業経営理論)問題
 中小企業診断士1次試験(企業経営理論)解答
 (※)(一社)中小企業診断協会HPより。

 【問1:オ】
 ア:「事業ドメイン」とは、それぞれの事業が戦うフィールドを指し、「企業ドメイン」とは、複数の事業を束ねて全社的にどのフィールドで戦うのかを示す。「企業の基本的性格を決めてアイデンティティを確立する」のは事業ドメインではなく、企業ドメインである。
 イ:「現在の活動領域や製品分野との関連性を示し、将来の企業のあるべき姿や方向性を明示」するのは事業ドメインではなく、企業ドメインである。
 ウ:「個別事業の競争力」を決めるのは企業ドメインではなく、事業ドメインである。
 エ:「全社戦略の策定と企業アイデンティティ確立のための指針として、外部の多様な利害関係者との間のさまざまな相互作用を規定する」のは事業ドメインではなく、企業ドメインである。
 オ:正しい。範囲の経済とは、共通の生産能力や顧客に基づいて製品の種類を増やすことによって収益を増大させることを言う。

 【問2:イ】
 ア:「金のなる木」は市場成長率が低く(=キャッシュアウトが小さく)、相対的市場シェアが大きい(=キャッシュインが大きい)ため「Cash Cow」であり、撤退するべきではない。
 イ:「問題児」は市場成長率が高いにもかかわらず相対的市場シェアが小さい領域であり、「金のなる木」から資金を回せば競争優位を実現できる可能性がある。一方、「負け犬」は市場成長率も相対的シェアも低い領域であり、撤退が最善策である。
 ウ:資金の流入は相対的市場シェア、資金の流出は市場の成長率で決まる。
 エ:PPMは事業間のマーケティングや技術に関するシナジーを考慮せず、あくまでも財務面のシナジーのみを追求している。
 オ:PPMは事業の選択と集中が目的であり、範囲の経済の実現が目的ではない。

 【問3:オ】
 ア:業界内で希少な経営資源が企業の競争優位の源泉となる。
 イ:他の企業がその経営資源を別の経営資源で代替するコストが大きい場合、持続的な競争優位を確立することができる。
 ウ:業界内で希少な経営資源が企業の競争優位の源泉となる。
 エ:業界内で希少な経営資源が企業の競争優位の源泉となる。また、資源を活かす組織の方針や体制が整わなければ、競争優位性を発揮できない。
 オ:希少で(Rarity)価値があり(Value)模倣が難しい(Imitability)経営資源は競争優位の源泉となる。なお、VRIOのOはOrganization(組織)であり、企業の経営資源を有効に活用できる組織体制になっているかどうかを指す。

 【問4:エ】
 ア:デューデリジェンスは統合段階で実施するのではなく、統合の前に実施する。
 イ:異業種のM&Aでも業績不振の立て直しはできる。一方、異業種のM&Aの場合は、自社の事業と関連性の薄い経営資源を取り込んでしまうリスクがある。
 ウ:相手企業を裏切ることでその企業の評判に悪影響が起こる可能性があることは、戦略的提携における裏切りのインセンティブを抑制する。
 エ:戦略的提携はM&Aに比べて統合の深度が低いため競争優位性の確立が難しいが、低コストで新規分野に参入できるというメリットがある。
 オ:同業種のM&Aの場合は、範囲の経済ではなく規模の経済が期待できる。また、統合後も生産体制や販売チャネルの調整など一定のコストがかかる。

 【問5:ア】
 ア:同一業界で複数のカンパニーを設立すると、カニバリゼーション(共食い)が発生する。
 イ:ブランドマネジャーの説明になっている。
 ウ:「不確実性の高い新事業を切り離して法人格を持つ別会社として制度的に独立させ、本業や既存事業におよぼすリスクを軽減する」やり方は、イノベーションを立ち上げる時に採用される方法である。
 エ:純粋持ち株会社では、傘下の企業の経営戦略を標準化して集中的に管理するようなことはせず、傘下の企業の自主性が尊重される。
 オ:純粋持ち株会社では、雇用形態や労働条件を傘下の企業ごとに個別に設定する。

 【問6:エ】
 ア:MBOは「経営陣による買収」である。役員を刷新して経営を引き継がせることではない。
 イ:「役員ではない企画部長と営業課長に株式を売却」することではない。
 ウ:「役員ではない従業員に経営を引き継がせる」ではない。
 エ:正しい。
 オ:「役員ではない企画部長と営業課長」が株式を取得することではない。

 【問7:ア】
 ア:製品市場における規模の経済を実現していても、代替品の脅威は競争優位性を脅かす。
 イ:経路依存性は、「あらゆる状況において、人や組織がとる決断は、(過去の状況と現在の状況は全く無関係であったとしても)過去のにその人や組織が選択した決断によって制約を受ける」という理論である。別の言い方をすれば、「経路依存性のある経営資源」とは、その企業に固有の歴史によって蓄積された特別な経営資源であり、競合他社による模倣は難しい。
 ウ:明確な差別化がされていれば、独自のポジショニングを確立することが可能であり、競合他社との競争を回避できる。
 エ:通常、差別化された製品は特定の顧客セグメントを対象としているのに対し、標準化された製品は幅広い顧客セグメントを対象とするため、矛盾をきたす。
 オ:スイッチング・コストとは、ある企業の製品から別の企業の製品に乗り換える際に発生する費用のことである。スイッチング・コストが高い場合、顧客は製品の乗り換えに後ろ向きになる。

 【問8:エ】
 ア:規模の経済では、同一の製品を大量に生産する。
 イ:規模の経済とは生産体制の拡大のことで、マーケティング組織の規模の維持ではない。
 ウ:VA/VEの説明になっている。
 エ:正しい。
 オ:経験曲線の説明になっている。

 【問9:イ】
 イ:投資事業有限責任組合では、組合の業務を執行する者は無限責任組合員である。
 ア、ウ、エ、オの記述は正しい。

 【問10:ウ】
 ア:基礎研究を応用研究につなぐ際の課題は「魔の川」である。応用研究を事業化する際の課題が「死の谷」、事業化した製品が収益を上げるまでの課題が「ダーウィンの海」である。
 イ:「技術や市場が新規の製品」の場合、「現場で培った経験や知識」は革新的な製品を生み出す上で足かせとなることがある。
 ウ:正しい。製品開発の早い段階で顧客を巻き込むことで、問題が小さいうちにその問題を発見することができ、手戻りが発生したとしても、全体で見れば開発リードタイムを短縮できる。
 エ:ステージゲート管理では、移行可否の判断基準の設定や移行可否の権限が各段階に与えられる。各ステージゲートでGOサインが出なければ、次のフェーズに移ることができない。
 オ:コンカレントエンジニアリングの説明であるが、コンカレントエンジニアリングによって開発リードタイムを短縮することが可能である。

 【問11:ア】
 ア:アーキテクチャの構成要素を改善する場合には、他の構成要素にも影響を及ぶすので、システムの複雑性に対処するための専門横断的に共有される知識が必要となる。
 イ:アーキテクチャの構成要素の組み合わせやつながり方を変える場合には、専門領域に固有な知識だけでなく、専門横断的に共有される知識が必要となる。
 ウ:ユーザーの価値の変化に適応した製品コンセプトを生み出す場合には、知識ドリブンではなく、アイデアドリブンの開発が重要となる。
 エ:モジュラー・イノベーションでは、その構成要素をめぐって培われた学習や経験などの暗黙知的な知識ではなく、技術的・専門的な形式知が重要である。
 オ:製品コンセプトを変えるようなラディカルなイノベーションでは、既存の知識が役に立たないことから、専門的な技術知識を持たないユーザーからの製品価値評価を用いるべきである。

 【問12:エ】
 ア:カフェテリア・プランは自然災害や大事故などの突発的な不測の事態とは無関係である。
 イ:クライシス・マネジメントは、クライシス=自然災害や大事故などが発生した後に危機への対応を図るマネジメントのことである。
 ウ:「事業インパクト分析」とは、事業の中断が事業に与える影響を明らかにすることにより「事業継続のために必要なものは何か」を特定する分析手法のことであり、コンティンジェンシー・プランではなく、事業継続計画(BCP)で用いられる。
 エ:正しい。
 オ:事業継続計画において、「災害時のロジスティクスの確保を重視した企業間ネットワークの構築」は一部にすぎない。BCPの目的は、災害時に必要最低限の稼働を確保することにある。

 【問13:ウ】
 ア:規模の経済が作用し、現地市場への適応の必要性が低い製品を提供する企業では、本社主導の下、グローバルで標準的な製品を生産・販売する。
 イ:グローバルな統合の必要性は低く、現地市場への適応の必要性は高い製品を提供する企業では、現地子会社に対する分権化、権限移譲が行われる。
 ウ:正しい。
 エ:各国の認可と文化的理解の必要性が高い製品の場合は個別対応が必要であるため、全社方針の下、集中的に生産拠点と販売拠点を整備することはできない。
 オ:製品開発の固定費が大きく、現地の習慣や文化への配慮の必要性が低い製品を取り扱う企業では、本社主導の下、グローバルで標準的な製品を生産・販売する。

 【問14:エ】
 ア:機能部門化とは、マーケティング、設計、生産、購買、営業、アフターサービスなどのように、機能特化した組織を作ることである。
 イ:情報ネットワーク技術の発展が発達しても、指揮命令系統は依然として組織デザインの要素としては重要である。むしろ、コミュニケーションが複雑化しているからこそ、指揮命令系統をはっきりさせなければならない。
 ウ:仕事を細かく分割された作業ルーティンとしてではなく、トータルなプロセスとして任せるように割り当てることは、「職務拡大」である。
 エ:正しい。業務に関する細かいマニュアルが整備されると、社員の自由裁量の余地が少なくなるのがその例である。
 オ:集権化と分権化の説明が逆である。集権化すると迅速な組織的な行動が可能となり、分権化すると環境変化への対応力を高めることができる。

 【問15:イ】
 ア:「フィードフォワード」とはフィードバックの逆。サプライヤーから原材料や設備を入手する際に、様々な性能やスペックを事前にテストしても、最終的なアウトプットの性能をあらかじめ保証できるとは限らない。
 イ:「オープンループ・システム」とは、制御理論において、現在の状態と制御システムのモデルのみを使って入力に対して計算を行う制御を指す。フィードバックを使わずに、入力が所定の目標値に達したかを判断することを特徴とする。つまり、オープンループ・システムは制御しているプロセスの出力を観測しない。したがって、管理者は組織構造のプログラム化された側面を評価しなければならない。
 ウ:イで述べたように、「オープンループ・システム」では活動プロセスの成果を評価しない。
 エ、オ:「フィードバック・システム」は、下流にある活動の制御にも有効である。

 【問16:エ】
 ア:マズローの欲求5段階説では、下位の欲求が満たされないと上位の欲求に移行しない。
 イ:マグレガーのX理論とY理論は、端的に言えばX理論が性悪説、Y理論が性善説に立脚しており、Y理論に基づいて動機づけを行うべきだというものである。状況に応じてモチベーションを刺激する組み合わせを変化させる必要性があることを説いた理論ではない。
 ウ:マクレランドは、人間には「達成欲求」、「親和欲求」、「権力欲求」の3つの欲求があることを発見した。達成欲求が強い人は必ずしも親和欲求が高いとは限らない。
 エ:ハーズバーグの言う「衛生要因」とは不満足をもたらす要因、「動機づけ要因」とは満足をもたらす要因である。ハーズバーグは、「衛生要因」を改善しても不満足は減るが満足度は上がらないことを発見した。満足度を上げるには「動機づけ要因」の改善が効果的である。
 オ:ブルームの期待理論によれば、モチベーションは期待できる成果とその成果が実現できる可能性の積によって表される。

 【問17:イ】
 イ:「自分の専門分野や職業に対して強い心理的愛着を持っている」人は、必ずしも組織に対して愛着(ロイヤルティ)を抱いているとは限らない。自分の能力や経験がより活かせる職場が見つかると容易に転職する傾向が見られる。

 【問18:イ】
 イ:職業的自己概念は、私生活の満足やパーソナリティと密接に関連している。キャリアはパーソナリティ(性格、価値観)を軸として、職業生活だけでなく私生活をもスコープとしながら、トータルでデザインする必要がある。

 【問19:イ】
 ア:官僚制組織を思い浮かべると解りやすい。
 イ:クラン文化の場合、経営理念を組織内部に浸透させ、従業員に共有された強い価値観を作り出すことが重要であるが、リーダーは社員の自発的活動の促進者、メンター的温かい支援者、チームワークの開発者に徹する。
 ウ:「マーケット文化」は結果主義の組織文化である。リーダーは厳しい要求で社員を鼓舞し、生産的で競争を好む傾向がある。
 エ:「アドホクラシー」とはアドホック(ad hoc)=特にこのための、この問題に限るといった意味を持つラテン語の名詞形である。日常的なものに対して、臨時的・専門的なものに用いる。1つ1つのプロジェクトがいわば企業のようなものであり、企業家的なリーダーシップが要求される。

 【問20:イ】
 ア:「社会化(Socialization)」とは、ある人の暗黙知を別の人と共有することを指す。新入社員の研修活動を通じて組織文化に適応させることではない。
 イ:表出化(Externalization)とは、暗黙知を形式知に転換することである。
 ウ:内面化(Internalization)とは、共有された形式知を組織のそれぞれのメンバーが自分の暗黙知に落とし込むことである。
 エ:連結化(Combination)とは、形式知を別の形式知と結合して知識を創造することである。

 【問21:エ】
 ア:利害関係者とのコンフリクトが生じる場合、我々の組織は何者なのかという組織アイデンティティを明確にしなければ、交渉の席で自己の主張をはっきりと表現することができない。
 イ:組織アイデンティティとは、トップマネジメントが経営理念や組織文化に反映していく自社のイメージを意味すると同時に、自社が周囲からどう見られているかというイメージも意味する。
 ウ:組織アイデンティティは、外部環境からの影響を受けて変化することがある。具体的には、顧客ニーズの変化に対応すると、我が社にできることは何かというイメージも変わる。
 エ:正しい。組織アイデンティティには、自己認識と他者からの認識という両側面がある。
 オ:複数の組織アイデンティティを持つと、外部環境の複雑性に適応できる可能性が高まる(過剰適応ではない)。

 (続く)

  • ライブドアブログ
©2012-2017 free to write WHATEVER I like