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DHBR2017年11月号『「出る杭」を伸ばす組織』―社員の能力・価値観を出発点とする戦略立案アプローチの必要性
DHBR2017年10月号『グローバル戦略の再構築』―日本の中小製造業がこれから海外進出する際の5つのポイント
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谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京23区、神奈川県川崎市・横浜市を中心に活動する中小企業診断士・コンサルタント。

 専門領域は、(1)経営ビジョン・事業戦略の策定、(2)ビジョンや戦略とリンクした人材育成計画の立案・人事評価制度の構築、(3)人材育成計画に沿った教育研修プログラムの企画・開発。

 モットーは「日々改善、日々成長」、「実事求是」、「組織のためではなく知識のために働く」、「奇策は定石より先に立たず」、「一貫性(Consistency)」、「(無知の知ならぬ)無知の恥」

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

 ブログタイトルに、oasisの往年の名曲『Whatever』を入れてみた。

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2017年11月14日

DHBR2017年11月号『「出る杭」を伸ばす組織』―社員の能力・価値観を出発点とする戦略立案アプローチの必要性


ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 11 月号 [雑誌] (「出る杭」を伸ばす組織)ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 11 月号 [雑誌] (「出る杭」を伸ばす組織)

ダイヤモンド社 2017-10-10

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 事業戦略から人事戦略へと落とし込む一般的なアプローチは次の通りである。

 ①自社の外部環境を分析し、自社にとって魅力的な事業機会を抽出する。
 ②その事業における市場・顧客と競合他社を分析し、自社のポジショニングを決定する。
 ③中長期的な戦略目標(売上高、利益額、利益率、市場シェアなど)を設定する。
 ④③を達成するためのCSF(Critical Success Factor:重要成功要因)を特定する。
 ⑤CSFを織り込んだビジネスモデル、ビジネスプロセスを設計する。
 ⑥⑤のビジネスプロセスを実現するために必要な社員の数と能力を明らかにする。
 ⑦⑥の人材要件と現状の社員の実力とのギャップを分析し、ギャップを埋めるための施策(教育、配置転換、採用など)を立案する。

 ①~⑤については、以前の記事「【戦略的思考】SWOT分析のやり方についての私見」をご参照いただきたい。⑥⑦がいわゆる人事戦略に相当するものである。①~⑦は、企業の外部環境を検討の出発点としているから、「外部環境アプローチ」と呼ぶことができる。ただし、このアプローチの問題点は、企業側の都合に社員を合わせているという点にある。企業と社員の方向性がぴったり重なっていれば問題ないのだが、多くの場合はそうではない。そして、両者のベクトルが異なる時、悲劇が起こる。本号では、特に、優秀で将来を有望視されたリーダーが凡庸な社員に成り下がってしまうケースが報告されている。
 企業が優秀な人材の獲得合戦を繰り広げている時代に、人によっては、有能さを認められることが呪縛になると認識するのは難しい。ところが、それは現実なのだ。リーダー志願者は、他者の期待に応えようと一生懸命に仕事に励む。すると、彼らをもともと際立たせていた資質―他者より優れ、仕事に熱心に取り組んでいると感じさせた能力―は埋もれる傾向にある。みんなと同じように振る舞うようになり、エネルギーと野心が削がれていく。職場で単に仕事をするふりを始めたり、(中略)逃げ出すきっかけを探し始めたりするかもしれない。
(ジェニファー・ペトリグリエリ、ジャンピエロ・ペトリグリエリ「『理想化』と『同一化』の葛藤を乗り越えられるか 逸材を襲う組織人の呪縛」)
 本号の特集テーマは「『出る杭』を伸ばす組織」である。言い換えれば、どうすれば社員の尖った能力を企業の戦略に活かすことができるか、ということである。冒頭の「外部環境アプローチ」に対して、社員を出発点とする戦略立案は「内部環境アプローチ」と呼ぶことができるだろう。

 私はしばしば本ブログで、下の階層の者が上の階層の者に対して、「もっとこうすればあなた(=上司)は高い成果を上げられるのではないか、企業全体がよくなるのではないか、顧客のためになるのではないか」と提案する「下剋上」(山本七平からの借用)の重要性を説いてきた。内部環境アプローチとは、言い換えれば、この下剋上が活性化された状態である。ただ、以前の記事「『一橋ビジネスレビュー』2017年AUT.65巻2号『健康・医療戦略のパラダイムシフト』―抜本的改革ではなく「できるところから」着手するBCGの病院改革に共感した、他」でも告白したように、私は外部環境アプローチに関してはいくつかのフレームワークを持っているものの、内部環境アプローチについてはこれといった方法論をまだ持ち合わせていない。人材育成が専門だと公言している者としては、誠に恥ずかしい限りである。

 そこで、大まかだが、内部環境アプローチの手順について考えてみた。

 ①社員の職歴、人生を振り返って、大切にしている価値観や習得した能力を棚卸しする。
 ②社員の価値観や能力を下地として、社員がやりたいと思っていることを構想する。
 ③社員のやりたいことを集約して、企業としての方向性を打ち出す。
 ④社員の価値観を総合して、社員が従うべき共有価値観を構築する。
 ⑤それぞれの社員の価値観や能力をどのように組み合わせれば③の方向性を実現できるのかを検討し、ビジネスプロセスを設計する。

 ①②はキャリアデザインのことである。①②は本来、社員の能力を知り尽くしているはずの人事部が行うのがふさわしい。だが、人事部は従来型の外部環境アプローチに慣れ親しんでいるため、いきなり①②を行うのは難しいかもしれない。また、社員としても、仕事の話が中心だった人事部との面談で、パーソナルな面を打ち明けるのはためらわれるかもしれない。そこで、キャリアコンサルタントという第三者の力を借りることとなる。2016年4月に「改正職業能力開発促進法」が施行され、企業は社員に対し、「キャリアコンサルティングの機会の確保その他の援助を行うこと」(第10条の3第1項)が義務化された。キャリアコンサルティングとは、「労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと」(第2条第5項)と定義されている。

 平たく言えば、企業が社員のキャリア形成を支援することが法的に要請されており、キャリアコンサルタントに大きな期待が寄せられているということである。一般的に、キャリアコンサルティングと言うと、社員が上司や人事部には直接言いづらい仕事上、あるいは私生活上の悩みを相談したり、職場で起きている問題点を指摘したりする場だと考えられている。もちろんこれはこれで重要な側面であり、キャリアコンサルタントは被面談者の話を受けて、個人情報保護の観点から個人が特定できないように情報を編集し、組織全体の課題と対応策をまとめて人事部や経営陣に報告する組織開発的な役割が求められている。加えて私は、戦略立案の内部環境アプローチという観点からは、自社の社員のキャリア性向を踏まえて、企業としてどういう方向に向かうとよいのかを積極的に提案する戦略コンサルタントのような役割が上乗せされると考える。

 キャリアコンサルティングを通じて社員個々の能力や価値観を活かすと言っても、個人がてんでバラバラに動くようでは組織としての体をなさない。そこで、④にある共有価値観を定める必要がある。これはその企業で働く社員として、最低限守らなければならないルール集のようなものである。どのくらいの数のルールを設ければよいのかは難しい問題であるが、社員に大幅な権限移譲をしているリッツカールトン(例えば、社員は上司の決裁を仰がずに、2,000ドルまでを顧客のために自由に使うことができる)では、300もの決まりが定められているそうだ(フランチェスカ・ジーノ「同調圧力が生産性を低下させる 『建設的な不調和』で企業も社員も活性化する」)。意外とルールの数は多いのだという印象を受けた。

 共有価値観に関しては、海外の軍隊の考え方が参考になる。軍隊は、戦闘現場で状況に応じて柔軟な対応が求められる。そこで、「絶対にやってはいけないこと」だけを定めて、それ以外のことは現場の自由にやらせるという考え方を取っている。これを「ネガティブリスト方式」と呼ぶ。逆に、日本の自衛隊の場合は、法律で「やってよいこと」を列挙しており、「ポジティブリスト方式」と呼ばれる(この方式は制約が多く、現場では葛藤が生じていると聞く)。共有価値観、すなわち、「我が社の社員は○○しなければならない」というルールは、裏返しに読めば、「我が社の社員は○○してはならない」というルールになる。そして、そのルールに抵触しない限りは自由に振る舞うことを社員に許可することが重要である。日本の場合、共有価値観に従っていさえすればよいと考えて、ルールの枠内に収まろうとする傾向がある。この傾向を打破しなければならない。

 ⑤は、「仕事に人を割り当てる」のではなく、「人に仕事を割り当てる」、「人に合わせて仕事をデザインする」という意味であり、従来の発想からの転換が要求される。ピーター・ドラッカーは常々、「仕事に人を割り当てる」ことの重要性を強調していたが、実は大昔にIBMが深刻な業績不振に陥った際、時の社長であったトーマス・ワトソン・Jrが、社内で手持無沙汰にしている社員のために仕事を創り出した(つまり、社員を解雇しなかった)という逸話を好んで使っていた。「人に仕事を割り当てる」ことは、やり方次第で十分に可能なのである。

 ①~⑤は大まかな段階を示したにすぎない。私の喫緊の課題は、①~⑤に資するフレームワークやツールを作成することである。さらに言えば、上記の「内部環境アプローチ」は、自分で書いておきながらこんなことを言うのもおかしな話だが、1つ重大な欠陥を抱えている。それは、既存の社員の能力や価値観にしか注目していないということである。非社員、つまり労働市場にいる潜在的な労働力(女性やシニアなど)、さらには、まだ労働市場に出てきていない潜在的な労働力(障害者など)に着目して戦略を練るにはどうすればよいか、という難題が待ち受けている。彼ら・彼女らの能力や価値観を事前に把握し、戦略に反映させることは可能なのだろうか?

 だが、これができなければ、本当の意味での「ダイバーシティ・マネジメント」は実現しないと思う。本号では、「ニューロ・ダイバースな人材」(自閉症、統合運動障害、失読症、ADHD、社会不安障害など)を活用した経営についての論文があった(ロバート・D・オースティン、ゲイリー・P・ピサノ「自閉症、ADHD・・・人材を活かす7つの施策 ニューロダイバーシティ:『脳の多様性』が競争力を生む」)。SAPやヒューレット・パッカード・エンタープライズなどは、ニューロ・ダイバースな人材の採用に積極的であるそうだ。よく知られているように、例えば自閉症の人は、コミュニケーションに多少難があるものの、アーティスティックな仕事で高いパフォーマンスを上げることができる。彼ら・彼女らの能力を活用できれば、企業の戦略に豊かな幅が生まれるに違いない。

 最後になるが、「外部環境アプローチ」と「内部環境アプローチ」は、戦略立案プロセスの両極である。実務面で本当に有益な戦略論を構築するならば、両者のアプローチを統合しなければならない。つまり、「中庸」を取らなければならない。これが私にとって最大の難問である。


2017年10月24日

DHBR2017年10月号『グローバル戦略の再構築』―日本の中小製造業がこれから海外進出する際の5つのポイント


ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 10 月号 [雑誌] (グローバル戦略の再構築)ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 10 月号 [雑誌] (グローバル戦略の再構築)

ダイヤモンド社 2017-09-08

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 本号にはホンダの八郷隆弘代表取締役兼CEOのインタビュー記事が掲載されていた(八郷隆弘「需要地生産の理念と収益性を両立させるホンダの要諦 ローカルで愛され、グローバルで儲ける」)。ホンダは、創業者である本田宗一郎の「需要のあるところで生産する」というモットーに従って、世界6極体制(日本、中国、アジア・オセアニア、ヨーロッパ、北米、南米)を構築してきた。つまり、中国の自動車は中国で、ヨーロッパの自動車はヨーロッパで生産するという体制である。ところが、昨今は世界経済が不安定になり、各地域の需要変動が大きくなりつつあるため、例えばアジア・オセアニアで生産した自動車を南米に持っていくなど、生産能力をグローバル規模で調整し、融通し合うことを検討しているという。ただ、これは海外進出の歴史が長い大企業だからこそ直面している課題であり、また解決可能な課題であると言えよう。

 私は一応中小企業診断士なので、これから海外に進出することを検討している中小企業、特に中小製造業に向けて、今回の記事を書いてみたいと思う。製造業に注目しているのには理由がある。本号にも書かれている通り、製造業はサービス業と違い、規模の経済によって生産性を大きく向上させることができる。しばしば言われるように、昨今の深刻な経済格差を解消するには、生産性向上がカギを握っている。また、製造業には雇用の乗数効果がある。製造業の雇用を1創造すると、サービス業の雇用が1.6創造されるという。「自動車組立工場を作ると隣にウォルマートが来る。だが、ウォルマートができても自動車組立工場は来ない」という言葉もある(アイリーン・ユアン・サン「産業革命の次なる舞台 ”世界の工場”は中国からアフリカへ」より)。

 私は決してサービス業を軽視しているつもりはない。しかし、製造業は様々な機能、職能、技術の複雑な集合体であり、その経営には高度な知識とノウハウが必要とされる。よって、製造業に強い国こそが世界で高い競争力を持つと思っている。アメリカやドイツが第4次産業革命、インダストリー4.0を掲げているのは至極真っ当なことだと思う。製造業が凋落したからと言って、金融業にシフトしたイギリスがますます落ち目になってしまったのとは対照的である。最近の日本では、スマートフォンのゲームアプリで何百億円もの売上高を上げたとか、Youtuberが1億円を稼いだといったことばかりが話題になるが、私が見たい未来はそういう未来ではない。

 今回の記事では、これから海外進出する中小製造業が注意すべきポイントを5つ挙げる。1つ目は、海外市場で売れる「最終製品」を開発することである。日本の中小製造業は、最終製品を組み立てる大企業の下請として、各種部品を製造しているところが多い。しかし、大企業の工場は今や海外に移転してしまった。さらに、大企業はコスト削減のために現地のサプライヤーと新たな関係を構築している。日本に残された中小製造業が、後からその関係に割って入ることは難しい。そこで、今まで部品製造で培ってきた技術を活用して、海外市場向けの最終製品を作る。これは、アンゾフの成長ベクトルで言うところの「多角化戦略(新しい製品を新しい顧客に提供する)」に該当し、最もリスクが高いが、中小製造業が生き残るにはこれしかない。

 日本企業は、顧客に直接会い、顧客の声に耳を傾け、ニーズを丁寧に拾い上げて製品に反映させる能力に長けていると思う。アメリカ企業が大量のデータを駆使して統計的に顧客のニーズを分析したがるのとは対照的である。本号でも、海外、特に新興国では「プッシュ型戦略(企業が売りたい製品を顧客に売る戦略)」ではなく「プル型戦略(顧客を企業側に引きつける戦略)」が有効とされている。具体的には、①顧客が直接表明する怒り、いらだち、不安、苦痛を理解する、②顧客が代替品で何とかやりくりしている問題に着目する、③顧客が法律を歪曲して対応している問題に注目する、といった手法が挙げられている(クレイトン・クリステンセン他「潜在的なニーズをいかにつかむか 市場創造型イノベーション:アフリカを開拓する新手法」より)。

 中小製造業が、日本で製造していた部品と同じ部品を海外で安く製造するのではなく、全く異なる最終製品を海外で製造するのにはメリットがある。ある中小企業は、取引先の親会社からの要請に基づいて、コストダウンのために国内工場の一部を海外に移転させた。海外では何とかコスト削減に成功したが、その後親会社はとんでもないことを要求してきた。「海外でこれだけ安く作れるのだから、御社が国内で我々の日本本社に納めている部品についても、同じ価格で納品してほしい」。親会社が海外でその中小企業の海外子会社から購入している部品と、親会社が日本でその中小企業の日本工場から購入している部品は同じなのだから、親会社の要望は解らなくもない。ただ、中小企業にとっては、とても対応できる問題ではない。もしも国内と海外で別々の製品を製造していれば、こういうリスクは回避することができる。

 本号にはアフリカに関する論文がいくつか所収されていた。アフリカのリスクは、①賄賂・汚職が蔓延している、②インフラが未整備である、③能力を持った人材が欠如している、④(BOP理論で増加が予想されていた)中間層が育っていない、といったことが挙げられる。ただし、これらは程度の差はあれ、アジアの新興国にも該当することである。特に①~③の問題に対処するために、できるだけ自前主義をとるという方策がある。これが2つ目のポイントである。

 前掲のクレイトン・クリステンセン他論文では、ナイジェリアで「インドミー」というインスタント麺の製造・販売を行うドゥフィル・プリマ・フーズ(インドネシアのトララム・グループ傘下の企業)の事例が紹介されている。新興国では、原材料の横流しや、仕入先への賄賂などが頻発する。同社はこうした不正を防ぐために、外部のパートナーに頼らず、自社で原材料から製造することにした。また、ナイジェリアはインフラが未整備で工場の稼働に支障をきたしていたため、同社は電力・水道事業にも着手した。さらに、製品を納品するために、自前のトラックを活用したサプライチェーンを構築し、流通倉庫や小売店も設けた。加えて、ナイジェリアの学校を好成績で卒業した人材を採用し、自前の研修を通じて電気工学、機械工学、ファイナンスなどを教えている。

 ただ、日本で部品製造に特化し、業界のバリューチェーンの一部を占めるにすぎなかった中小製造業が、海外でいきなりバリューチェーンの全部を構築するのはハードルが高い。どうしても現地企業をパートナーとして活用せざるを得ない。そこで、川上や川下のプレイヤーに対して、強いパワーを発揮することが重要となる。原材料メーカーには、高いレベルの品質マネジメントシステムを導入してもらう。そして、定期的に工場の内部監査を行い、5Sが徹底されているかといった基本事項から始まり、高品質と低コストを両立させる製造ラインが整備されているかを直接目で見て確認する。販売店・代理店に対しては、厳しい与信管理を行い、きめ細かく業績管理をする。そして、必要に応じて契約内容やインセンティブを見直す。さらに、川上・川下の両プレイヤーに対して共通することだが、現地パートナーの人材育成に積極的に力を貸すことである。

 日本で新規事業を立ち上げる際には、顧客の生の声を吸い上げると同時に、各種機関が公表している統計データや、市場調査会社から得られる情報に基づいて、緻密な事業戦略を構想することが可能である。ところが、海外の場合は、信頼できる客観的なデータが入手できないことが多い。したがって、厳密なフィージビリティ・スタディは困難である。だから、最後は経営者の直観に頼る部分が大きくなる。ただ、1つだけ明確に決めておくべきことがある。それは「撤退基準」である。撤退基準をはっきりさせておくことが3つ目のポイントである。例えば、「進出後○○年後の累積赤字が△△円になったら撤退する」といった具合である。海外進出で失敗する企業を見ていると、撤退基準を設定しておらず、ずるずると赤字を垂れ流しているのに、「いつか事態は好転するだろう」と楽観視して、結局膨大な負債を抱えてしまう、というケースが少なくない。

 日本の新規事業がそうであるように、海外の新規事業も最初の数年間はほぼ間違いなく赤字になる。日本本社は、海外事業が軌道に乗るまでは、その赤字を補填しなければならない。補填可能な金額が撤退基準であると言えるだろう。海外事業の赤字を補填するためには、日本本社の利益を上積みする必要がある。逆説的なことだが、日本の市場が飽和状態であるから海外に進出するのに、海外事業を成功させるには日本の事業を拡大させなければならないのである。ただし、1つ朗報がある。『通商白書2012』によると、海外での売上高が増加している企業のうち、約5割が国内の売上高も増加しており、海外での売上高が減少している企業のうち、約6割が国内の売上高も減少している。つまり、海外売上高と国内売上高はトレードオフの関係というより、同じ方向に動く傾向が高いことが解っている。

 化学薬品商社である「江守グループホールディングス」は、福井市で100年以上続く名門商社であったが、2015年4月に民事再生法を適用した。同社は2000年代に入ってから中国に進出し、中国事業を積極的に拡大していた。中国事業の売上高は、日本事業の売上高をはるかに上回るまでに成長した。ところが、実は中国子会社では架空売上の計上など粉飾決算が日常的に行われており、実態は大幅な赤字であった。中国事業の実際の累積赤字が発覚すると、その額があまりにも大きすぎたため、日本本社でカバーすることができず、最後は倒産してしまった。これは、中国子会社のガバナンスが機能不全に陥っていたことと、撤退基準が明確でなかったことが重なって引き起こされた悲劇であると言えるだろう。

 4つ目のポイントは、一度ある国に進出したら、中長期的にその国にコミットメントするべきだということである。コスト削減を目的に進出する日本の大企業は、現地の賃金が上がると、すぐにもっと労賃の安い国に工場を移す傾向がある。大企業には余剰資源と体力があるから、それも可能である。しかし、中小企業にとっては、工場を頻繁に移動させることは難しい。一度その国に進出したら、10年、20年はその国でビジネスをする腹積もりでいなければならない。

 アジアの新興国では、政治家の人気取り政策によって、最低賃金が毎年10%以上上がるということも珍しくない。それに耐えられない大企業はすぐに他の国に移ってしまう。だが、これは見方を変えると、最低賃金が上がる分だけ、その国の人々の生活水準が上がるということでもある。今、この記事では、中小製造業が現地で売れる最終製品を製造・販売することをテーマとしている。現地の生活水準が上がったら、今度はより高付加価値製品にシフトしていく。今、新興国で何が売れるのか解らないわけだから、将来的にどんな高付加価値製品が売れるようになるのかを予測することは不可能に近い。しかし、新興国に進出する以上は、長い目で見た時に高付加価値製品にシフトすることも視野に入れておくことが肝要である。

 最後のポイントは、4つ目のポイントとも関連するが、進出先の国の発展に貢献するのだという意気込みを持って進出しなければならないということである。本号には、新興国で電気バイク、電気三輪車を製造・販売するテラモーターズの代表取締役社長である徳重徹氏の記事があった(徳重徹「テラモーターズは失敗から学ぶ 新興国で勝ち残る5つの鉄則」)。これによると、新興国企業のリーダーは非常に愛国心が強いという。そして、社会的意義の高い事業を行おうとしている。日本の中小製造業は彼らと競争することになる。国内市場が頭打ちだから、何となく海外の方が稼げそうだからといった生半可な気持ちで進出すると手痛い目に遭う。

 ただ個人的には、「採点審査に困る創業補助金の事業計画書(その6~10)」でも書いたように、事業の社会的価値を強調しすぎるのもいかがなものかと感じる。大言壮語でビジョンを語られると、かえって胡散臭さを感じてしまう。進出先の国の”全国民”を豊かにするといった類のビジョンは、私はかえって邪魔だと思う。それよりも、経営者が直接観察して発見した、先進国なら当然存在する製品・サービスが欠けているために困っている人たちを助けたいという”リアルな”思い、経営者が雇用したローカル社員に少しでも高い給与を払って彼らの生活レベルを上げたいという”リアルな”思いの方がはるかに重要である。そして、以前の記事「『致知』2017年10月号『自反尽己』―上の人間が下の人間に対してどれだけ「ありがとう」と言えるか?、他」でも書いたように、「この国で事業をさせていただいている」という謙虚な姿勢を忘れないことである。

 新興国は国策として外国からの投資を呼び込んでいる。よって、新興国に進出する中小製造業は、政府や行政と良好な関係を構築することが必要になる。『コークの味は国ごとに違うべきか』の著者であるパンカジュ・ゲマワットは、本号の論文で、現在各国で問題になっている収入格差を解消するために、政府は保護主義ではなく、セーフティーネットの整備、最低賃金の引き上げ、税制改革、職業訓練などを施すべきであり、企業がこれらの政策の支持を表明すれば大きなメッセージになると述べている(パンカジュ・ゲマワット「多国籍企業は混乱の中でどこに向かうべきか トランプ時代のグローバル戦略」より)。

 ただ、これはどちらかというと大企業向けの提言であり、中小製造業が実施するには困難が伴う。中小製造業は身の丈に合った形で政府の政策に協力し、社会的責任を果たせばよい。例えば、繰り返しになるが、最低賃金すれすれの賃金ではなく、社員にとって魅力的な賃金を支払うこと、また、社員に対して十分なトレーニングを実施し、能力の向上に貢献することなどである。これらの取り組み1つ1つは小さなものかもしれないが、日本の多くの中小製造業が新興国に進出するようになれば、確実にその国の発展に貢献する。


2017年09月19日

DHBR2017年9月号『燃え尽きない働き方』―バーンアウトでうつになったら日記をつけてみよう


ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 09 月号 [雑誌] (燃え尽きない働き方)ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 09 月号 [雑誌] (燃え尽きない働き方)

ダイヤモンド社 2017-08-10

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 『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』2017年9月号の特集は「燃え尽き症候群」。私は医学的なことは詳しく解らないのだが、燃え尽き症候群には大きく分けて2つのタイプがあると思う。1つは、「野心的な目標を掲げてそれを達成した後、次の目標が見えなくてモチベーションを失ってしまう」というタイプであり、スポーツ選手や企業経営者に多い。もう1つは、「自分では精一杯努力しているつもりなのに、一向に小さな成果さえも出せず、ついには何をやっても無駄だという無力感に襲われる」というタイプである。社会が成熟し、かつてのような高い成長が見込めなくなった現代では、後者のタイプの方が多いのではないかと思う。

 後者の燃え尽き症候群は、「心のエネルギーが枯れ果てて、ガス欠車のようにアクセルを踏んでも動かない状態」であり、うつ病との共通点が多い。燃え尽き症候群もうつ病も、「献身的な人、使命感の強い人、頑固で意思が強く思考や感情の切り替えが柔軟でない人、対人関係に不調和がある人、上昇志向が強く能力が高い人」、あるいは「感受性が強く周囲に気を遣いすぎる人、物事の受け止め方の柔軟性に乏しく、几帳面で神経質な人、責任感は強く何事も完璧にこなそうとするが、不器用で一つの物事に過剰にこだわりやすい人」がかかりやすいと言われる。ただし、うつ病の人は、昔のことをくよくよと思い出しては悔んだり、自分1人が犠牲になっていると感じたりする自責的な傾向が強いのに対し、燃え尽き症候群の場合は、他責感が強く表れ、怒りや嫌悪などの攻撃的な感情が他者に対して表れる。

 以前の記事「双極性障害で入院したところ40日の予定が1週間で退院してしまった事の顛末」でも書いたように、私自身もうつ病⇒非定型うつ病(後で知ったことだが、非定型うつ病という病名は医学的に確立されていない)⇒双極性障害Ⅱ型とコロコロと病名が変わってもう9年も治療を続けている。私の場合、双極性障害と言っても、自責的なうつ病の症状が現れるというよりも、前職のベンチャー企業で経験したひどい事柄を思い出しては「あの会社のせいでこうなった」と思うことが多々あり、他責的になりやすいという燃え尽き症候群の方に合致する。

 ただ、病気が発症した時は確かに長時間労働だったものの、燃え尽きるほどの長時間労働ではなかったから、燃え尽き症候群と言うには無理があると自分でも思っている。最近では、先ほどの記事でも書いたように、自分がどういう病気なのかはどうでもよくなっていて、これは私の性格の一部なのだと受け止めて、上手くつき合っていくしかないのだろうと腹を括っている。

 私は医療の専門家ではないので、燃え尽き症候群に関して何かを書くことはできない。しかし、まがりなりにも9年間、うつ病に関連する治療を受けてきたから、ここからはうつ病に関して私の思うところを書いてみたい(本号の特集からは外れるが・・・)。うつ病は一般的に、「脳のエネルギーが欠乏した状態であり、憂うつな気分や様々な意欲(食欲、睡眠欲、性欲など)の低下といった心理的症状が続くだけでなく、身体的な自覚症状(全身倦怠感、頭痛など)を伴う病気」とされるが、一義的な定義は学術的にも確立されていない。つまり、うつ病の症状は患者によってバラバラである。そのため、製薬会社はありとあらゆる抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬を販売している。うつ病の患者の中には、複数種類の薬を服用している方も少なくないだろう。

 しかし、これらの薬には問題もある。通常、新薬販売の認可を得るためには、被験者を2つのグループに分け、一方のグループには新薬を、もう一方のグループにはプラセボ(偽薬)を投与し、新薬を投与したグループのみに効果があったことを証明しなければならない。だが、一部の薬については、この試験に問題があったことが告発されている。
 2002年には複数の厳密な調査によって、製薬会社が薬の認可を得るためにFDAに提出したのと同じデータが再検討され、パキシル、プロザック、ゾロフト(※いずれも、現在主流の抗うつ薬)を初めとするSSRIにはプラセボ〔偽薬〕と比べてほんのわずかな効果しかないということがわかった。
(クリストファー・レーン『乱造される心の病』〔河出書房新社、2009年〕)
乱造される心の病乱造される心の病
クリストファー・レーン 寺西 のぶ子

河出書房新社 2009-08-22

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 私は今年に入ってから「光トポグラフィー検査」というものを受けた。これは、脳活動に伴う大脳皮質の血中ヘモグロビン濃度変化を計測することで、うつ病かどうかを判定する検査である。その結果、私は「典型的な双極性障害である」と言われたのだが、それ以上に衝撃を受けたのは、「抗うつ薬の効果があるのは、うつ病患者のうち全体の3割ほどにしかすぎない」という医師の言葉であった。前述の通り、抗うつ薬の中には効果が怪しいものがある。「薬が効かないのだが・・・」という患者の訴えを聞いた精神科医は、患者を放っておくわけにもいかず、何か手を打たねばとの思いから、新たな薬を次々と追加する。こうして、患者は薬漬けになっていく。

 さらに困ったことに、抗うつ薬などの効果は限定的なのに、服用を止める時には「離脱症状」と呼ばれる副作用を伴う。詳しい説明はこちらに譲るが、具体的には頭痛、倦怠感、眠気、めまい、吐き気、ふらつき、ふるえ、冷や汗、血圧低下などの症状が出る。私も今年8月の入院中に、それまで服用していた抗うつ薬を医師から一度に止めさせられた結果、ひどい離脱症状に苦しんだ。以上のことから言える1つ目の教訓は、「薬に頼りすぎてはならない」ということである。

 抗うつ薬などの薬の効果が限定的である場合、次に選択されるのは認知療法である。人は成長するにつれて固定的なスキーマが形成され、それに基づいて歪んだ思考方法や考えが自然に浮かぶ自動思考が起こる。これがうつ病などの精神病の引き金となる。そこで、そうした認知の歪みに焦点を当て、認知を修正することで症状の改善を目指すのが認知療法である。しかし、この認知療法は、薬による治療よりも難しい。というのも、回復プロセスが患者によって実に多様であるからだ。間違った薬を投与しても効果が出なかったで済まされるが、間違った認知療法を施すと、患者の認知の歪みをさらに強化してしまうことになりかねない。患者の多様性に対応できる医師が日本にどれだけいるのか、私には解らない。このことから言えるもう1つの教訓は、残念なことだが「医師に頼りすぎてもいけない」ということである。
 うつ病の治療に当たってきた臨床医は長い間、認知療法(心理学の一般的な治療法)を受けている患者は、回復に至るまで標準的な経路をたどると想定していた。その経路は、多くの患者が回復した経験を平均して確認されたものだ。ところが2013年、平均ではなく個人が回復する結果に注目した研究者チームは、回復までの標準的な経路が患者の30%にしか当てはまらない事実を発見したのだ。
(トッド・ローズ『平均思考は捨てなさい―出る杭を伸ばす個の科学』〔早川書房、2017年〕)
平均思考は捨てなさい──出る杭を伸ばす個の科学 (早川書房)平均思考は捨てなさい──出る杭を伸ばす個の科学 (早川書房)
トッド ローズ 小坂 恵理

早川書房 2017-05-25

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 それでも私は一応、7年ほど同じかかりつけの医師にお世話になっている。ただし、これはあくまでも気休めであって、結局のところ、「自分の精神病に責任を持つのは自分しかいない」というのが私の正直な実感である。うつ病と向き合うということは、自分の感情と向き合うということである。そのための有効なツールとして、私は「日記」をお勧めしたい。もちろん、繰り返しになるがうつ病の症状は多様であるから、日記が万能な解決策になるとは私も思っていない。私の場合は日記が役に立ったというだけにすぎない。

 日記には、「自分が何で苦しんだか、悲しんだか、腹が立ったか」ということをつらつらと書いていく。とりとめのない文章でも構わない。うつ病の人は几帳面なのできちんとした文章を書かなければならないと思いがちだが、そういうことは全く気にする必要はない。日記を書くと、自分の中に溜め込んでいた負の感情を外部化することができる。それだけでも、心理的な負担は随分と軽くなる。ちなみに、私が「【シリーズ】ベンチャー失敗の教訓」という記事をわざわざ1年かけて書いたのも同じ理由である。一部の人からは、「前職の企業から訴えられるかもしれない」と批判も受けたものの、私はあくまでも自分の治療の一環として行ったまでである。前職の企業の名誉を守るのと自分の健康を守るのとを比べれば、後者の方がはるかに重要である。

 また、日記をつけるという習慣を持つことにも意義がある。定年退職した人が認知症にならないようにするためには「きょういく」と「きょうよう」を持つことが効果的であると言われる。これは、「今日行くところ」と「今日の用事」を持つことが大切であるという意味である。同じようなことはうつ病の人にもあてはまる。さすがに、うつ病の人は外出するのもおっくうになりがちであるから「きょういく」までは要求できない。しかし、「きょうよう」の一環として日記をつけることは、とかく乱れがちな日常生活にリズムをもたらす効果があると考える。

 私は2012年夏に入院した際、治療期間がまだ長引きそうだと感じたため、途中から「5年日記」に切り替えた。これは、中小企業診断士の大先輩から教えてもらったものである。5年日記では、1ページに5年分の日記をつけることができる。この日記の利点は、例えば2017年9月19日の日記を書く時には、2016年、2015年、2014年、2013年の9月19日の日記を読み返すことができ、そこから新たな気づきが得られるということである。そこには、過去の自分が何で苦しんだか、悲しんだか、腹が立ったかが書かれている。それを読み返すと、意外とちっぽけなことで悩んでいたのだと思うことが多い。つまり、自分の感情を客観的に直視できる。すると、少しずつだが自分の心理的な成長が感じられ、うつ病の改善に効果がある。参考までに、私の5年日記の写真を掲載しておく。赤線が、私が過去の日記を読み返した時に気づきを得た箇所である。

5年日記
 (※)画像はモザイク処理してある点をご了承いただきたい。

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 なお、今回の記事を書き始めた時、本当は「バーンアウトでうつになった人には、他者からのフィードバックが効果的である」という内容を書くつもりであった。冒頭で述べた通り、燃え尽き症候群の人々の大半は、自分では精一杯努力しているのに、一向に成果が出ず、ついには何をやっても無駄だという無力感に襲われている。彼らは、何をしても周囲から認めてもらえないと感じている。そこで、周囲の人が積極的なフィードバックを与えることが重要ではないかと考えた。

 しかし、以前の記事「【議論】人材マネジメントをめぐる10の論点」で、企業内の人、特に上司は基本的に部下を動機づける理由がないと書いた。というのも、上司は部下に対して給料を支払う立場である。お金を払う立場の人がお金をもらう人を動機づけることが不自然であることは、企業に対して代金を払う顧客がわざわざ企業のことを動機づけようとはしないことを考えれば自明である。読者の皆さんも、企業で何か製品・サービスを購入した時、形式的に「ありがとうございました」と言うだけでなく、「いやぁ、この製品・サービスは本当に役に立ったよ。特にこの点がとてもよかったね」と踏み込んだフィードバックをする機会が何度あるだろうか?もちろん、こういう評価が企業内でも盛んに行われることに越したことはない。しかし、そういう機運が期待できない以上、うつ病には結局のところ本人が責任を持つしかないという見解に至ったわけである。



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