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谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京23区、神奈川県川崎市・横浜市を中心に活動する中小企業診断士・コンサルタント。

 専門領域は、(1)経営ビジョン・事業戦略の策定、(2)ビジョンや戦略とリンクした人材育成計画の立案・人事評価制度の構築、(3)人材育成計画に沿った教育研修プログラムの企画・開発。

 モットーは「日々改善、日々成長」、「実事求是」、「組織のためではなく知識のために働く」、「奇策は定石より先に立たず」、「一貫性(Consistency)」、「(無知の知ならぬ)無知の恥」

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

 ブログタイトルに、oasisの往年の名曲『Whatever』を入れてみた。

◆旧ブログ◆
マネジメント・フロンティア
~終わりなき旅~


◆別館◆
こぼれ落ちたピース
所属組織など
◆個人事務所「シャイン経営研究所」◆ シャイン経営研究所ロゴ


(一社)東京都中小診断士協会一般社団法人東京都中小企業診断士協会
(城北支部執行委員、青年部長、および国際部員を務めています)

NPOビジネスサポート特定非営利活動法人NPOビジネスサポート
(監事を務めています)

企業内診断士フォーラム(KSF)企業内診断士フォーラム
(独立診断士の立場から、企業内診断士の活動を応援しています)

Experian海外企業信用調査 海外企業信用調査(Experian)
(一緒にお仕事をさせていただいている「コンサルビューション株式会社」は、世界最大の信用調査会社Experianの正規代理店です)

中小企業診断士の安い通信講座なら「資格スクエア」資格スクエア
(以下の資格の講師をしています。
 ―ITパスポート
 ―情報セキュリティマネジメント
 ―経営学検定(初級・中級)
 ―中小企業診断士(企業経営理論、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策)
 谷藤友彦と株式会社サイトビジット代表取締役・鬼頭政人氏の対談動画(1)(2)(3)
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2017年07月14日

創業補助金の書面審査をして感じたこと(自治体はもっとしっかりせよ)

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 《参考記事》
 「うさんくさい補助金申請書」を見極める7つの審査ポイント(その1~3)(その4~7)
 採点審査に困る創業補助金の事業計画書(その1~5)(その6~10)
 創業補助金の書面審査をして感じた7つのこと

 3年ぶりぐらいに「創業補助金(創業・事業承継補助金)」の書面審査員をやらせていただいた。正直な感想を言うと、3年前に比べて応募者の質が落ちたように思える。まず、「誰に」、「どんな製品・サービスを」、「どのような差別化要因で」提供するのかという戦略の基本的なコンセプトすらはっきりしていない計画書が多すぎる。製品・サービスに関しては、いくら創業前であるとは言っても、文章だけではなく、何かしらビジュアルで説明する資料をつけてほしいものである。

 まさかとは思うが、製品・サービスのプロトタイプが全くないのに創業しようとしているるのだろうか?今回の創業補助金は、補助事業期間中に1人以上社員を採用することが要件となっている。販売する製品・サービスがないのに、創業間もない企業に入社してしまった社員は不幸である。私はそういう社員を前職のベンチャー企業で嫌というほどたくさん見てきた。

 前職は組織・人事コンサルティングと教育研修サービスを提供する企業であったが、私より前に入社したマネジャーは、「一緒にキャリア研修を売っていこう」と社長に誘われて入社した。ところが、入社後に実はそんな研修はないことが判明した。それどころか、社長はそのマネジャーにキャリア研修の開発をやらせたのである。後に、同じような手口で入社してしまった人は他にもいることが解った。しかも、社長が非常に飽きっぽく、「この研修がダメなら次はあの研修だ」とすぐに心変わりするため、いつまで経ってもまともに売れる研修プログラムが完成しなかった。

 差別化要因が明確でないということは、競合他社の分析が不十分ということでもある。ターゲット市場・商圏において、どのような競合他社が存在するのか把握している応募者があまりにも少ない。例えば、飲食店を開業するのであれば、ターゲットとする商圏の中に既にどのような飲食店が存在し、誰をターゲットにどのようなメニューをいくらぐらいの価格帯で提供しているのか、味やサービスの質はどの程度のレベルなのか、といったことを調査する必要がある。競合他社に潜入するのが難しい場合でも、せめてHPの情報を分析したり、知り合いを使って競合他社の評判を聞いたり、帝国データバンクなどで競合他社の情報を入手したりするべきである。

 以前、あるスーパーマーケットの競合分析の話を聞いたことがある。このスーパーマーケットは、ある地域への出店を検討する際、調査員をその地域にへばりつける。調査員に何をさせるのかと言うと、既存の競合スーパーの品揃え調査はもちろんのこと、競合スーパーから出てくる買い物客の買い物袋の中身を観察させる。それを何か月も続けて、商圏内の顧客の大まかな需要をつかむ。その次には、商圏内のゴミ捨て場で、ゴミの調査をさせる。顧客が購入した食材のうち、実際に消費したものは何か、消費せずに捨てられたものは何かを分析する。こうして、1年ぐらいかけて、精度の高い需要情報を獲得していく。さすがに、創業希望者にここまでやれとは言わないが、競合分析とはこのくらい本気でやるものだということは解っていただきたい。

 冒頭の参考記事でも書いたが、異質な製品・サービスを単に組み合わせただけの事業も相変わらず散見される。確かに、イノベーションは異質なものの組み合わせから生じると言われる。だが、単に異質なものをくっつけるだけでは不十分であり、その組み合わせによってどのような相乗効果が期待できるのか、異質なもの同士の組み合わせを全体としてどのようにシステマティックにデザインするのかということまで考えないと、イノベーションとは言えない。また、創業当初から、異質な事業をいくつも同時並行で進めようとする計画も多い。個人的には、中小企業は規模を大きくして多角化した方が、リスクヘッジもできるし、研究開発に対する投資も、社員に支払う給与も増やすことができると考えている(『中小企業白書』のデータにも表れている)。しかし、創業間もない企業がいきなり多角化するのは、いくら何でも無理がある。

 私の前職のベンチャー企業(A社としよう)には、グループ会社に人材紹介会社(B社)と、もう1つのコンサルティング会社(C社)があった。こんな会社を選んでしまった私もはなはだ不勉強だったのだが、ベンチャー企業が3つも事業を同時に進めるのは無謀であった。経営資源が分散してしまい、結局どの事業もものにならなかった。また、経営陣は、C社が戦略コンサルティング、A社が組織・人事コンサルティングを行い、コンサルティングの結果浮き上がってきた課題に対するソリューションの1つとして、A社のキャリア研修を提供する、というシナリオを描いていた。ところが、B社が人材紹介事業を行っていたため、キャリア研修の営業に行くと、「我が社の社員をB社の転職サービスで転職させようとしているのではないか?」という疑念を持たれることが少なくなかった。要するに、事業間シナジーを見誤っていたということである。

 通常の戦略策定プロセスにおいては、まずはターゲット顧客層を明確に設定し、現在の市場規模を推定する。次に、地方自治体や調査会社のデータを活用して、将来の市場規模を見積もる。例えば、30代女性をターゲットとする場合、5年後の30代女性の市場規模は、現在の25~34歳の女性の人口からある程度正確に導くことができる。起業する場合、縮小する市場に参入することは稀であろう(※)。普通は成長している市場に参入するものである。当然のことながら、成長市場には競合他社も参入してくる。よって、例えば5年後の戦略目標を設定する場合には、5年後の推定市場規模と、前述の競合他社分析、さらに将来的な競合他社参入の可能性を踏まえて、目標を設定する。具体的には、何%の市場シェアを獲得するのかという目標を立てる。

 (※)ただし、これからの人口減少社会においては、敢えてパイが縮小する市場で勝負するというパターンもあるのかもしれない。この場合、どのように戦略を立てるのが有効なのか?どうすれば持続的な成長が可能となるのか?これらの点は今後の研究課題としたい。

 ところが、戦略コンセプトが曖昧であるから、戦略目標もぼやけている。それなのに、国が用意した申請書のフォーマットにある6か年の収支計画には具体的な数字が並んでいる。一体この数字はどうやって導かれたのか、まるで解らない。毎年、どのくらいの顧客数を獲得するのか、顧客平均単価はいくらを想定しているのかが書かれていない。だから、毎年の目標売上高の妥当性を判断することができない。本来であれば、5年後の目標売上高と、先ほど書いた5年後の目標市場シェアとの整合性が取れているかも確認したいところだが、それもできない。ただし、この点については応募者に責があるというよりも、中途半端な申請書のフォーマットを用意した国が責められるべきであろう。国も、事業計画書とはどういうものなのか理解が足りていない。

 創業補助金では、資金調達の現実性も審査の対象となっている。申請書には、補助事業期間(今回の創業補助金では8月上旬~12月末)の必要資金(設備資金、運転資金)を書き、その資金をどのように調達するのかを記入する。補助金がカバーするのはあくまでも必要資金の一部(上限200万円)にすぎないため、必要資金の大半は自己資金や金融機関からの借入などに頼る必要がある。多くの応募者は自己資金と金融機関からの借入を組み合わせているが、自己資金が極端に少ないケースが見られる。この場合、仮に補助事業者に採択されても、金融機関の審査を通らない恐れがある。一般的に、自己資金は開業資金(開業準備金+開業してから3~6か月の間に発生する費用)の3分の1以上用意する必要があるとされている。

 金融機関からの借入については、申請書に「既に調達済み/補助事業期間内に調達の見込みがある」のいずれに該当するかを記入する欄がある。この「補助事業期間内に調達の見込みがある」というのが曲者である。あくまで「見込み」であるから、金融機関とのリレーション構築がなされていない場合でも、適当な金融機関の名前を書いて提出することができてしまう。

 私はものづくり補助金の事務局に親しい診断士が何人かいるのだが、ものづくり補助金の申請書にも似たような記入欄がある。補助金が支払われるまでの間のつなぎ融資(詳しくは以前の記事「【補助金の現実(1)】補助金は事後精算であって、採択後すぐにお金がもらえるわけではない」を参照)の目途が立っているかを確認するのが目的である。つなぎ融資であるから、普通に考えれば、金融機関から補助金相当額を借り入れ、補助金が振り込まれたらそのまま金融機関に返済すればよい。ところが、中には、決算資金や給与資金が必要だからという理由で、補助金を早く振り込んでほしいと事務局に懇願してくる中小企業があるという。これは、金融機関からつなぎ融資が受けられていなかったことを意味する。その企業が、仮に申請時に「補助事業期間内に調達の見込みがある」と書いていたならば、これは虚偽記載をしたことになる。

 こういう事態を防ぐためにも、「補助事業期間内に調達の見込みがある」と書く場合には、金融機関と覚書を交わし、そのコピーを提出させるべきではないかと思う。具体的には、「応募者が補助事業者として採択された場合には、融資を検討する(融資を確約する必要は全くない)」といった趣旨の文章を金融機関に書かせるのである。そうすれば、安易に「補助事業期間内に調達の見込みがある」と書く向こう見ずな応募者は減るであろう。

 資金調達の方法として「本事業の売上高」を書いてくる応募者もいる。私は、必要資金全体に占める「本事業の売上高」の割合が高い計画書は低く採点した。創業時には、開業後一定期間全く売上がなくても企業が持ちこたえるだけの資金を準備する必要がある。その一定期間は、一般的には3か月という意見が多いようだが、個人的にはリスクを高く見積もって6か月と考えている。申請書の資金計画は、補助事業期間=8月上旬~12月末が対象である。つまり、5か月弱であり、私の考える一定期間より短い。よって、この5か月間の資金需要を満たすために、「本事業の売上高」に相当程度を依存している資金計画は、破綻していると言わざるを得ない。

 現在の創業補助金は、産業競争力強化法における認定市区町村または認定連携創業支援事業者による特定創業支援事業を受けていることが要件となっている。特定創業支援事業とは、創業セミナーや窓口相談のことである。つまり、創業セミナーや窓口相談を受けた人しか、この創業補助金には応募することができない。それにもかかわらず、申請書の質にははっきり言って失望させられた。市区町村や認定連携創業支援事業者は、一体どのような支援をしたのだろうか?その支援の質も問われかねない事態であると個人的には思う。

2017年07月10日

東京都の中小企業向け補助金・助成金など一覧【平成29年度】

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商売繁盛

 (一社)東京都中小企業診断士協会の理論政策更新研修に参加してきた。この研修は2コマ構成なのだが、1コマ目は必ずその年度の中小企業政策を学習する時間となっている。今回は、東京都が平成29年度に実施する中小企業振興施策について、東京都産業労働局商工部の担当者から説明があった。東京都が中小企業振興施策のために持っている予算は約4,600億円だという。ただし、そのうち約700億円は観光、雇用・就労支援、農業のための予算であり、残り約3,900億円のうち約8割は制度融資のために都内の金融機関に貸し付けているものであるから、純粋に中小企業支援のために使われる予算は約600億円となる。それでも、中小企業庁の予算がだいたい1,500億円程度であるから、いかに東京都がお金を持っているかが解る。

 以下、研修の中で紹介があった主要な中小企業振興施策を列記する。70の施策があるが、実際にはこの倍ぐらいの施策があるそうだ。可能な限り、関連リンクをつけておいた。ただし、古い情報のページも混じっているため、随時最新情報をチェックしていただきたい。補助金・助成金は「●」、専門家派遣が中心のものは「◇」、相談窓口サービスが中心のものは「▽」で示した。

 【経営革新支援】
 ○経営革新計画
 ●団体向け課題解決プロジェクト支援事業

 【経営安定支援】
 ▽小規模企業対策(地域持続化支援事業)
 平成27年度から都内6か所に支援拠点を整備し、小規模事業者が抱える事業承継などの課題解決を支援するとともに、商工会や商工会議所が取り組む地域ブランド開発などの事業を促進し、地域全体の活性化を実現する。平成29年度は多摩・島しょにおける支援を充実。
 ◇中小企業活力向上プロジェクト
 ▽取引改善指導(ADR)
 ●受注型中小企業競争力強化支援事業
 ●新・目指せ!中小企業経営力強化事業
 ◇東京都BCP策定支援事業
 ○団体向けリスクマネジメント普及啓発事業【新規】
 ▽事業承継・再生支援事業
 ●技術・技能承継事業
 ▽中小企業サイバーセキュリティ対策の普及促進
 中小企業をサイバー空間の脅威から守るため、警視庁や各中小企業支援機関と連携し、平成28年度から相談窓口を設置するなどサイバーセキュリティ対策の普及促進を実施。東京五輪を控え、中小企業自らがサイバーセキュリティの重要性を実感し、早急な対策に取り組むことができるよう、企業1社1社への働きかけを強化する。
 ●中小企業における危機管理対策促進事業【新規】

 【販路開拓支援】
 ○東京ビッグサイトの拡張整備
 ○中小企業グローバル連携促進事業
 ▽海外販路開拓支援事業
 ▽都内中小企業の海外への魅力発信事業
 平成27年12月、東京都中小企業振興公社タイ事務所が業務を開始し、現地において経営相談やマッチングなどを実施。引き続き、都立産技研バンコク支所、タイ工業省、カシコン銀行などと連携し、都内中小企業の海外展開を現地できめ細かくサポート。
 ○海外展開人材育成事業
 企業の現状や発展段階に合わせて、貿易実務者養成講習会、国際化対応リーダー養成講座を開催し、中小企業の海外展開に資する人材の育成を総合的に支援。
 ○アジア特別商談会
 ○医療関連機器等の海外展開支援【新規】
 海外市場におけるPR(世界最大級の医療機器展示会「COMPAMED」への出展など)やビジネススキル・ノウハウの取得支援を実施する他、現地政府機関や企業、産業クラスター、研究機関などとの連携によるネットワークの構築を図る。
 ○産業交流展
 ○地域連携型商談機会創出事業

 【ネットワークづくり支援】
 ○広域多摩イノベーションプラットフォーム
 ○広域産業交流・連携の促進
 埼玉県、千葉県、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市の近隣8県市と共同で、年1回、中小企業と大企業による商談会を実施する。
 ○被災地等中小企業ビジネス革新支援事業
 都内および被災県等中小企業と、東日本を中心とした大企業開発試作部門との連携を促進することで、被災県の産業を立て直すとともに、都内産業の活性化を図る。
 ●新事業分野創出プロジェクト

 【技術支援】
 ●新製品・新技術開発助成事業
 ●製品開発着手支援助成事業
 ○ものづくりイノベーション企業創出道場
 ▽知的財産総合センターの運営
 ●知財戦略導入支援事業(ニッチトップ育成支援事業)
 ○知的財産活用製品化支援事業
 ○デザイン活用への支援
 ●次世代イノベーション創出プロジェクト2020
 ●成長産業分野の海外展開支援
 ●先進的防災技術実用化支援事業
 ●海外展開技術支援事業
 ○生産性向上のための中核人材育成事業
 ●革新的事業展開設備投資支援事業【新規】
 ○未来を拓くイノベーションTOKYOプロジェクト【新規】
 東京には世界屈指の大企業が拠点を有しているが、現状では大企業と中小・ベンチャー企業の連携は低調である。今後、広く中小企業全体に波及効果をもたらすイノベーションを創出するため、リーディング企業、ベンチャー・中小企業を巻き込んだオープンイノベーションを活用して、新製品・新技術開発や新事業への展開を促す仕組みの構築に向けた調査・検討を実施(平成30年度から採択プロジェクトへの支援を予定)。

 【創業支援】
 ○次世代アントレプレナー育成プログラム
 ○インキュベーション施設の運営
 東京コンテンツインキュベーションセンター(中野区)、ベンチャーKANDA(千代田区)、白鬚西R&Dセンター(荒川区)、ソーシャルインキュベーションオフィス・SUMIDA(墨田区)、タイム24ビル内創業支援施設(江東区)、青山創業促進センター(通称:青山スタートアップアクセラレーションセンター、渋谷区)、インキュベーショオフィス・TAMA(昭島市)の運営。
 ●インキュベーションHUB推進プロジェクト
 ○青山創業促進センターの設置・運営
 ●ライフサイエンス系ベンチャー支援
 ●創業活性化特別支援事業
 ▽創業支援拠点の運営
 ○東京都ベンチャー技術大賞
 ○多摩ものづくり創業の促進【新規】
 ○グローバル・ベンチャー創出プラットフォーム【新規】
 海外で成功するベンチャー企業を育成するために、海外のベンチャーキャピタルや大企業とのビジネスマッチングを重視する。
 ○女性ベンチャー成長促進事業【新規】
 国内外でトップベンチャーとして活躍する女性ベンチャーのモデルケースを輩出することを目的に、社会課題の解決やグローバル市場への進出など、スケールアップする可能性の高い事業ビジョンを持つ女性起業家を支援する。

 【地域工業の活性化】
 ○産業立地情報収集・提供事業
 ●産業集積活性支援事業
 ●都内ものづくり企業立地継続支援事業
 ●ものづくり企業グループ高度化支援事業
 ●地域の魅力を活かした新ビジネス創出事業【新規】
 ▽東京都企業立地相談センター業務委託事業【新規】
 今後、都内へ立地を希望する企業に対し、立地に関するよりきめ細やかな情報や適切なアドバイスをワンストップで提供できるよう、相談センターを設置する。

 【地域商業の活性化】
 ●商店街への支援
  -商店街補助事業
  -政策課題対応型商店街事業
  -商店街グランプリ
  -広域支援型商店街事業
  -進め!若手商人育成事業
 ◇商店街ステップアップ応援事業
 ●商店街空き店舗活用モデル事業
 ●商店街起業・承継支援事業
 ●若手・女性リーダー応援プログラム

 【総合的支援】
 ▽中小企業ニューマーケット開拓支援事業
 ○新事業分野開拓者認定・支援事業
 ●航空機産業への参入支援
 ●医療機器産業への参入支援
 ○東京発「クールジャパン」の推進
 東京の「クールジャパン」を世界へ発信・浸透させ、東京の産業力とブランド力の強化を図る。
 ○中小企業世界発信プロジェクト
 ○中小企業新サービス創出事業
 ●障害者スポーツ用具開発の促進【新規】
 東京2020パラリンピック競技大会に向けて、中小企業や地域が取り組む障害者スポーツ用具などの開発を支援。障害者スポーツ用具の開発が活性化され、中小企業の同用具市場さらには福祉機器市場への参入にもつなげていく。

 【試験研究機関】
 ●ロボット産業活性化事業
 ●中小企業へのIoT化支援事業【新規】

 ここからは余談。理論政策講師研修の2コマ目は「中小企業の海外展開支援」であったが、これが最悪であった。私の知り合いに海外経験が豊富な診断士の先生がいて、一部の「国際派」診断士なる人たちを非常に毛嫌いしている(まず、「国際派」の意味が解らないと言う)。彼らが勉強会や会合を開くと、何十年も前に海外で自分が経験したことを、「私が○○にいた頃の話『では』・・・」などと言って、永遠と自慢話を続けるそうだ。「国際派」診断士に対して否定的なその先生は、彼らのことを「出羽山地の神々」をもじって「ではの神」と揶揄している。

 研修の前日にその先生に会う機会があって、「明日、理論政策更新研修で、○○先生の『中小企業の海外展開支援』を聞くことになっている」と話したら、その先生は「それは一番最悪な講師だ。絶対にFOBとかL/C(信用状)とかの話をするに決まっている」とおっしゃった。案の定、蓋を開けてみたら、2時間半の研修のうち、大半はFOBやCIF、L/C、NEXIなど貿易実務の話であった。この程度の知識なら、貿易実務をやったことがない私でも知っている。それに、我々はそもそも診断士であって、貿易業務のプロを目指しているわけではない。

 診断士が関心を持っているのは、あくまでも経営の話である。例えば、輸出をする際には、どういう視点でターゲット市場を評価すればよいのか、展示会で効果的に見込み客のリストを集めるにはどうすればよいのか、販売店・代理店はどうやって見つけるのか、販売店・代理店の信用評価はどのようにして進めるのか、販売・代理店の育成、モニタリングはどうやって実施するのか、代理店とトラブルになったらどう対処すればよいのか、といったことを聞きたかった。もしも講師がこれらの論点に答えられないなら、「海外展開支援を専門としている」などと言ってほしくない。

 それに、輸出というのは、中小企業の海外展開の一面でしかない。神奈川県が実施した「海外展開している又は計画がある県内中小企業の動向調査」によると、最も割合が高い進出形態は「現地生産」である。「輸出」が2位、3位にあるが、4位には「販売拠点の設置」がランクインしている。これは、中国、ASEANなど、従来はコスト削減のための生産拠点として見てきた国が経済成長し、有望な市場としても評価できるようになったという事情を反映している。

海外展開している(した)進出形態

 ややデータが古いが、中小企業庁『中小企業白書(平成22年版)』によると、直接投資企業は、輸出企業と比較して、「人材確保・労務管理」や「投資費用の調達・資金繰り」といった人材面や資金面の課題を挙げる割合が高くなる傾向が見られる。

国際化における課題

 さらに、日本政策金融公庫『中小企業の海外進出に関する調査結果』(2012年5月)を見ると、海外直接投資先の経営課題(複数回答)として「外国人従業員の教育や労務管理が難しい」が製造業で1位、非製造業で2位になっている。とどのつまり、直接投資の場合は、人材マネジメントが中小企業にとって最大の経営課題となっていると言える。

海外直接投資先での経営課題

 人材マネジメントに関する経営課題を細分化すると、様々な問題が出てくると思う。現地の労働法が複雑で対応に苦労する、当局とのやり取りが煩雑である、政府の裁量で最低賃金がどんどん上昇し収益が圧迫される、ワーカーやスタッフの育成が難しい、仕事に対する意識が日本人と違いすぎて、日本人の指示通りに仕事をしてくれない、せっかく育成しても給与が高い企業にすぐに転職してしまう、ちょっとでも労働条件が悪いと感じるとストライキをちらつかせてくる、労働組合との対立が深刻である、ローカル社員の不正に悩まされている、リーダー・マネジャークラスの人材が育たない、ハイクラスの人材を外部から採用しようとしても適材がいない、経営の現地化が進まず、いつまでも日本人駐在員を引き上げられないなど、挙げればきりがない。

 進出国の最新事情を考慮に入れつつ、かつこれらの課題に対応しながら、現地企業が持続可能な成長を遂げるためにどうすればよいかアドバイスするのが診断士の仕事というものではないだろうか?そういう仕事ができるようになるために、我々は研修を受けているのである。そうでなければ、理論政策「更新」研修は、「知識の更新」にならない。

2017年06月01日

中小企業政策などまとめ【中小企業診断士試験対策】

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中小企業の景気

 中小企業診断士の1次試験が近づいており、受験生の皆様はラストスパートに入っていることだと思う。1次試験の科目のうち、覚えるべきことが覚えにくくて苦労するのが「中小企業経営・中小企業政策」であろう。私も受験時代には非常に苦労した(そして、本番では足切りに合いそうになった)。主な法律、支援施策、融資制度を横断的に比較できる表を作成したので、勉強のお役に立てば幸いである。DropboxからPDFをダウンロードできるようにしておいた。
 https://www.dropbox.com/s/gngyr4zf8peai3n/20170601_Chushokigyo_Seisaku.pdf

 <主な法律>
 中小企業基本法
 小規模企業活性化法(通称)(改正中小企業基本法)
 小規模企業基本法(小規模企業振興基本法)
 中小企業憲章

 <各種支援策>
 中小企業等経営強化法(経営革新計画、新連携計画(異分野連携新事業分野開拓計画)、経営力向上計画)
 中小企業地域資源活用促進法(地域産業資源活用事業計画)
 農商工等連携促進法(農商工等連携事業計画)
 中小ものづくり高度化法(特定研究開発等計画)
 中心市街地活性化法(特定民間中心市街地活性化事業計画)
 地域商店街活性化法(商店街活性化事業計画)

 <主な融資制度>
 セーフティネット貸付制度(経営環境変化対応資金、金融環境変化対応資金、取引企業倒産対応資金)
 新創業融資制度
 女性、若者/シニア起業家支援資金
 中小企業経営力強化資金融資事業
 小規模事業者経営発達支援融資制度
 小規模事業者経営改善資金融資制度(マル経融資)
 高度化事業


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