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【化学】センター試験(2018年)オリジナル解説

プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京都城北エリア(板橋・練馬・荒川・台東・北)を中心に活動する中小企業診断士(経営コンサルタント、研修・セミナー講師)。2007年8月中小企業診断士登録。主な実績はこちら

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

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2018年01月20日

【数学ⅡB】センター試験(2018年)を解いてみた(7年連続)


数学

 【2018年センター試験シリーズ】
 【世界史B】センター試験(2018年)オリジナル解説
 【日本史B】センター試験(2018年)オリジナル解説
 【化学】センター試験(2018年)オリジナル解説
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 センター試験数学ⅡB(2012年度分)を約12年ぶりに解いてみた(旧ブログ)
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 【数学ⅡB】2014年センター試験を3年連続で解いてみた
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 【数学ⅡB】センター試験(2016年)を解いてみた(5年連続)
 【数学ⅡB】センター試験(2017年)を解いてみた(6年連続)

 問題、解答は「センター試験2018|解答速報2018|予備校の東進」を参照。数学ⅠAに続いて自力で解き、一応全問正解した。繰り返しになるが、おじさんだって頑張ればできるのだ。数学ⅠAとは違って邪道な解き方をしていないから、下図の解き方が適切な解き方だと思う。きちんとした解説を知りたい方は、予備校のHPでご確認ください。全体の難易度はそれほど高くないと感じたのだけれども、予備校のHPを見ると、平均点は数学ⅠAよりも約10点ほど低い50点台になっている。数学ⅡBは計算量が多いため、時間切れになってしまう受験生が多いと推測される。計算力を上げるには、やはりたくさんの問題を集中的に解くしか方法はない。なお、第5問は例によって統計の問題であるため、割愛した(何度も言うが、来年こそは解こう)。

 【第1問】三角関数、指数・対数関数(難易度:★☆☆)←難易度は私の主観。
 〔1〕は、最初に改めてラジアンの定義を尋ねられると、一体何だったかと一瞬迷ってしまった。(3)は三角関数の方程式の問題だが、問題文中で「加法定理を用いると」、「三角関数の合成を用いると」と丁寧に指示されているので、それに従えば解ける。x=θ+π/5、π/2≦θ≦πより、x-π/3の範囲に注意する。〔2〕は指数・対数関数に関する標準的な問題である。一般に、y=logaxにおいて、底の条件よりa>0かつa≠1、真数条件よりx>0、yの閾値は実数全体である。

 【第2問】微分・積分(難易度:★★☆)
 この問題に限らないが、図をできるだけ正確に描いて、設問で何が問われているのかを正確に把握することが重要である。〔1〕の(2)は、「1<v<v0の範囲でUは・・・」とあり、最後に「v>1におけるUの最小値は・・・」とあることから、最初から増減表を書いた方が解きやすい。〔2〕は、f(x)がx≧1の範囲で常にf(x)≦0を満たすことから、下図にあるように面積を求めるべき図形はx軸より下にあるため、マイナスのつけ忘れに注意。W=-F(t)+F(1)であるが、F'(t)=f(t)、またF(1)は定数であるからF'(1)=0であることに気づくと、W'=-f(t)であると解る。

 【第3問】数列(難易度:★★☆)
 (1)(2)は公差数列、公比数列の基本中の基本の問題であるから、絶対に落としてはならない。(1)(2)の結果は(3)で使用するため、(1)(2)を間違えると全滅する。(3)については、数列{cn}の定義がややこしいが、要するに、cnn(a1-b1)+(n-1)(a2-b2)+・・・+2(an-1-bn-1)+1(an-bn)を見ると、下線部はnから1まで順番に減っていき、カッコ内は1からnまで順番に増えていくということである。よって、cn+1は、下線部をn+1から1まで順番に減らしていき、カッコ内を1からn+1まで順番に増やしていけばよい。dnを求めた後は、階差数列を用いた一般項の求め方に従う。Σ2・3k+2については、Σ2・33・3k-1=Σ54・3k-1と変形すると、初項54、公比3の等比数列の和を求めるのと同じ式になる。

 【第4問】ベクトル(難易度:★★☆)
 第3問、第4問とも、問題文が長くて一瞬戸惑うが、問題文が長いということは、それだけヒントもたくさん隠されているということである。特に数学ⅡBの場合は、設問文の中で解き方を誘導している箇所があるため、問題文をよく読み込むことが大切である。個人的には、s=-a/(1-a)、t=-3(1-a)と答えさせるのがいやらしいと感じた(下線部が解答部分)。普通はs=a/(a-1)、t=3(a-1)と書きたくなるものである。ただ、0<a<1より、a-1<0となるから、マイナスの値にある値をかけるという形で答えさせるのを出題者が嫌ったのかもしれない。

センター試験(2018年)数学ⅡB①
センター試験(2018年)数学ⅡB②
センター試験(2018年)数学ⅡB③
センター試験(2018年)数学ⅡB④
センター試験(2018年)数学ⅡB⑤
センター試験(2018年)数学ⅡB⑥


2018年01月18日

【数学ⅠA】センター試験(2018年)を解いてみた(7年連続)


数学

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 【数学ⅠA】センター試験(2017年)を解いてみた(6年連続)

 問題、解答は「センター試験2018|解答速報2018|予備校の東進」を参照。日本史、世界史、化学は参考書を使いながら解説を書いたが、数学だけは例年と同様自力で解いた。今年から統計が選択問題から必須問題になった。私の受験生時代(18年前)には学習の範囲外だったため、統計の問題だけは今回もパスした(ビジネスで統計を使う場面もあるのだから、いい加減勉強して解けるようになれよと言われそうだが・・・)。代わりに、選択問題になっている第3問~第5問を全て解いたので、それで勘弁していただきたい。一応、自力で解いた問題は全て正解した。おじさんだって頑張ればできるのだ。以下に私の解答を示すが、一部邪道な解き方をしている箇所がある。ちゃんとした解説は予備校のHPでご確認ください。

 【第1問】式と計算、集合、二次関数(難易度:★☆☆)←難易度は私の主観。
 〔1〕は式を入れ替えてx(5-x)が出現するように工夫する。〔2〕は、集合A、B、Cの要素を丁寧に拾い上げていけば解ける。必要条件、十分条件の問題はここ数年の定番問題となっている。〔3〕は、y=f(x)の軸のx座標p=1+3/a>1であるため、0≦x≦4において関数f(x)の最小値がf(0)となるケースは考えなくてよい。

 【第2問】三角比(難易度:★★☆)
 〔1〕台形ABCDは、辺ADと辺BCが平行か、辺ABと辺CDが平行のどちらかである。まずは辺ADと辺BCが平行であると仮定してみた。この時、AB・sin∠ABCは台形の高さを表すが、台形の高さが辺CDよりも長くなってしまうため、仮定が誤りであると判明する。〔2〕の統計の問題は省略。来年までには解けるようになろう。

 【第3問】確率(難易度:★★☆)
 条件付き確率も定番の問題である。(4)の「(2回の施行で)三つの事象A、B、Cがいずれもちょうど1回ずつ起こる確率」は最初意味が解らなかったが、その前段で「1回目に事象A∧Bが起こり、2回目に事象Aの否定∧Cが起こる確率」を求めている部分がヒントになった。2回の施行でA、B、Cがいずれも1回ずつ起こるためには、(1回目, 2回目)=(A∧B, Cのみ)、(Cのみ, A∧B)、(A∧C, Bのみ)、(Bのみ, A∧C)であればよい(BとCは同時には起きない)。

 【第4問】整数(難易度:★★☆)
 個人的に整数の問題は苦手である。(2)、(3)は適当に整数をあてはめるという強引な解き方をしているので、正しい解説は予備校のHPをご参照いただきたい。

 【第5問】三角比(難易度:★★☆)
 方べきの定理、メネラウスの定理もセンター試験では頻出。チェバの定理も合わせて押さえておきたい。角の二等分線の定理を活用するのもポイントである。

センター試験数学(2018)ⅠA①
センター試験数学(2018)ⅠA②
センター試験数学(2018)ⅠA③
センター試験数学(2018)ⅠA④
センター試験数学(2018)ⅠA⑤
センター試験数学(2018)ⅠA⑥


2018年01月17日

【化学】センター試験(2018年)オリジナル解説


化学

 【2018年センター試験シリーズ】
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 【日本史B】センター試験(2018年)オリジナル解説
 【化学】センター試験(2018年)オリジナル解説
 【数学ⅠA】センター試験(2018年)を解いてみた(7年連続)
 【数学ⅡB】センター試験(2018年)を解いてみた(7年連続)
 問題、解答は「センター試験2018|解答速報2018|予備校の東進」を参照。

 《第1問》
 【1=②】
 ア=S2-、イ=Cl、ウ=Cl、エ=K、オ=K、カ=Ca2+であるから、陰イオンのうち質量数が最も大きいのはイである。

 【2=①】
 ①アルカリ土類金属(2族)は遷移元素ではなく典型元素である。誤り。
 ②典型元素(1、2族、12~18族)の中には、Znのように酸とも強塩基の水溶液とも反応して塩を作るような両性元素が含まれる。
 ③遷移元素の単体は全て金属なので、遷移元素はしばしば遷移金属とも言われる。
 ④原子が陽イオンになる性質を陽性と言い、陽性を持つ元素を陽性元素と言う。周期表の左下、つまり1族で周期が大きくなるほど、陽性は強くなる。
 ⑤Mnを例にとると、過マンガン酸カリウムKMnO4では酸化数が+Ⅶだが、マンガン酸カリウムK2MnO4では酸化数が+Ⅵとなる。

 【3=②】
 層Aにおける原子数=(1/2×120/360×2+1/2×60/360×2)×2=1(個)。層Bにおける原子数=1個であるから、合計2個となる。

 【4=③】
 飽和蒸気圧が外圧と等しい時に沸騰する。外圧が1.0×105Paよりも小さい時は沸点は100度よりも低くなり、1.0×105Paよりも大きい時は沸点は100度よりも大きくなるため、③か⑥に絞られる。水の温度と蒸気圧の関係を表したグラフを見ると、80度における蒸気圧は0.5×105Paであるから、(0.5×105Pa, 80度)の点を通る③が正解。

 【5=⑤】
 溶液1ℓの重さは1000d(g)、溶液1ℓに含まれる溶質はCM(g)であるから、1000d-CM(g)が溶媒の重さである。溶液1ℓに溶けている溶質はCであるため、求める質量モル濃度はC/(1000d-CM)/1000となり、整理すると1000C/(1000d-CM)となる。

 【6=⑤】
 ⑤過冷却が起きた時、液体の状態で凝固点より低い温度になることがある。

 《第2問》
 【1=②】
 C(黒鉛)+O2(気)=CO2(気)+394kj・・・①
 O2(気)=2O(気)-498kj・・・②
 CO2=C(気)+2O(気)-1608kj・・・③
 ①-②+③より、C(黒鉛)=C(気)-716kjとなる。

 【2=③】
 反応速度は、v=k[A][B]で表されるから、Aのモル濃度[A]が2倍になると反応速度は増加する。また、与件文より、A+B→Cの反応に係数をつけると、2A+2B→Cとなる。ここで、Aの濃度を2倍の0.080mol/ℓにしても、Bと反応するのは0.040mol/ℓであり、結果的に生成されるCの濃度は0.020mol/ℓで変わりがない。

 【3=④】
 希硫酸の滴下量が0mLから25mLまでの間、水溶液中のイオン数は減少するため、電気伝導度は減少する。滴下量が25mLの時、イオン数はゼロであるから電気を通さない。滴下量が25mLより多くなると、今度は水溶液中のイオン数が増加するため、電気伝導度は増加する。

 【4=②】
 水酸化バリウムBa(OH)2のモル濃度をx(mol/ℓ)とすると、Ba(OH)2のOHの濃度と希硫酸H2SO4のHの濃度が等しくなるから、x×2×50/1000=0.10×2×25/1000が成立する。これを解くと、x=0.050。

 【5=②】
 流れた電気量は0.30×19300=5790(C)。ファラデー定数9.65×104C/molより、流れた電気量をモル換算すると、5790/9.65×104=0.060。化学式より、メタノールの物質量はモル換算した電気量の1/6であるから、0.060/6=0.010。

 【6=⑤】
 Kb=[NH4][OH]/[NH3][H2O]・・・①
 Kw=[H][OH]/[H2O]より、[H2O]=[H][OH]/Kw・・・②
 Ka=[H][NH3]/[NH4]より、[NH4]=[H][NH3]/Ka・・・③
 ②③を①に代入して整理すると、Kb=Kw/Ka

  《第3問》
 【1=①】
 ①ルビーやサファイアは、コランダム(鋼玉、Al2O3〔酸化アルミニウム〕)の変種である。

 【2=④】
 次亜塩素酸HClOのClの酸化数は-Ⅲ。塩化水素HClのClの酸化数は-ⅠでHClOの塩素の酸化数より大きい。よって、HClOのClの酸化数はClが取りうる最大の酸化数ではない。

 【3=②】
 塩化ナトリウムと濃硫酸の反応は、NaCl+H2SO4→2HCl+Na2SO4、硫化鉄(Ⅱ)と希硫酸の反応は、FeS+H2SO4→H2S+FeSO4であるから、気体AはHCl、気体BはH2S。
 ①HClは無色で刺激臭がする。H2Sは無色で腐乱臭がする。
 ②気体をPb2+を含む水溶液に通すと、PbCl2、PbSが沈殿する。正しい。
 ③HClは水に溶けやすいが、H2Sは水に少ししか溶けない。
 ④鉄を濃硝酸に浸すと、その強力な酸化力によって表面には緻密な 酸化鉄(III) 層が生じ、腐食速度が低い不動態になる。HCl、H2Sとは無関係である。

 【4=④】
 「同素体(※同じ元素の単体で、性質が異なる物質が2種類以上存在する時、これらを互いに同素体と呼ぶ)をもつ個体であり、その中には空気中で自然発火するものがある」に着目する。これはリン(P)のことである。リンには黄リンと赤リンという同素体があり、黄リンは空気中で自然発火する。周期表でPの1つ上に位置する同族元素の単体はN(窒素)である。

 【5=③】
 硫酸塩と水酸化物を生じることから、Ca、Mg、Naのいずれかである。Naの水酸化物NaOHは水によく溶けるのでNaは除外される。Mgの硫酸塩MgSO4は水によく溶けるが、水酸化物Mg(OH)2は水に溶けにくい。一方、Caはアルカリ土類金属であるため、硫酸塩CaSO4は水に溶けにくいが、水酸化物Ca(OH)2は水に少し溶ける。

 【6=⑤】
 (MSO4・nH2OとMSO4の質量の差):(MSO4・mH2OとMSO4の質量の差)=1.80:0.36=5:1である。nとmは7以下の整数であるから、n=5、m=1と解る。
 Mの質量をxとすると、MSO4の質量は96+x、MSO4・5H2Oの質量は96+x+5×18=186+xである。(96+x):(186+x)=3.02:4.82より、x=55。よって、MはMnである。

 《第4問》
 【1=④】
センター試験(2018)化学

 【2=②】
シス-トランス異性体

 【3=③】
 ①アセトンCH3COCH3は常温・常圧で液体である(沸点56度)。
 ②アセトンは水とよく混じり合う。
 ③2プロパノールCH3CH(OH)CH3の酸化によって得られる。
 ④ケトン基-C=Oには還元性がないため、フェーリング反応は起きない。アルデヒド基-CHOには還元性があり、フェーリング反応が起きる。
 ⑤この時の反応は、CH3COCH3+4NaOH+3I2→CHI3+CH3COONa+3NaI+3H2Oであり、ヨードホルムCHI3の黄色沈殿を生じる(ヨードホルム反応)。

 【4=③】
 アルコールAの質量をxとする。
 アルコールAとナトリウムを反応させる反応は以下の通り。
 2C10Hn-1OH+2Na→2C10Hn-1ONa+H2・・・①
 アルコールA1molに対して水素がmmol付着するとすると、
 C10Hn-1OH+mH2→C10Hn-1+2mOH・・・②
 ここで、①について、アルコールAと水素の物質量の関係から、
 x/{12×10+(n-1)+16+1}×1/2=0.125  ∴ x/(136+n)=0.25・・・③
 また、②について、アルコールAと水素の物質量の関係から、
 1:m=x/{12×10+(n-1)+16+1}:0.5  ∴ x/(136+n)=0.5/m・・・④
 ③④より、0.25=0.5/mとなり、m=2
 アルコールA1molに対し水素が2mol付着することから、Aには二重結合が2つ存在する。一般に、CpHqにおいて、二重結合が全くない場合、p=2q+2が成立し、二重結合がr個存在すると、p=(2p+2)-2rが成立する。よって、求めるnの値は、(10×2+2)-2×2=18。

 【5=⑤】
 サリチル酸にメタノールを加えるとアセチル酸メチルが、無水酢酸を加えるとアセチルサリチル酸が生じる(みくあす化学館「サリチル酸」より)。
サリチル酸+メタノール
サリチル酸+無水酢酸

 【6=①】
 ①サリチル酸に塩化鉄(Ⅲ)FeCl3を加えると紫色に発色する。しかし、アセチルサリチル酸はサリチル酸のヒドロキシ基-OHがアセチル基CH3CO- に置換された構造を持つため呈色しない。このことを利用して、反応後にサリチル酸の有無を確認し、アセチルサリチル酸が精製されたかどうかを調べることができる。
 ②フェノールフタレイン溶液は中和滴定で用いる溶液である。
 ③炭酸水素ナトリウム水溶液NaHCO3を加えると、サリチル酸がサリチル酸ナトリウムになると同時に、アセチルサリチル酸がアセチルサリチル酸ナトリウムになるため不適。
 ④水酸化ナトリウム水溶液NaOHを加えると、サリチル酸がサリチル酸二ナトリウムになると同時に、アセチルサリチル酸がアセチルサリチル酸ナトリウムになるため不適。
 ⑤サリチル酸に酢酸を加えると副生成物として水が生じる。すると、アセチル化の逆反応であるエステルの加水分解が起こるため、正反応と逆反応の平衡状態が生じてしまう。

 《第5問》
 【1=②】
 ②ポリ酢酸ビニルは、エチレンC2H4と酢酸CH3COOHから生成される酢酸ビニルを付加重合して生成する。ポリ酢酸ビニルは下図のように表され、カルボキシ基-COOHを持たない。
ポリ酢酸ビニル

 【2=③】
 ③アミロースはでんぷん粒を構成する主成分の1つである。グルコースが長い鎖状に連なったもので、水に溶ける。ヨウ素を加えると青藍色になる。

 《第6問》
 【1=①】
 熱硬化性樹脂には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂(ユリア樹脂)、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミドなどがある。熱可塑性樹脂には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、テフロン — (ポリテトラフルオロエチレン)、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂、アクリル樹脂などがある。

 【2=③】
 図中の各元素の数を数えると、C:8+x、H:14+2x、O:2、N:2であるから、物質量は12×(8+x)+(14+2x)+16×2+14×2=170+14xである。ここで、(170+14x)×100=2.82×104が成り立つから、これを解くとx=8。

 《第7問》
 【1=⑤】
 ⑤例えば「生卵」の白身の部分は透明だが、加熱して「ゆで卵」にすると白身の部分は白く固まる。 これをタンパク質の熱変性と言う。 通常ではタンパク質の熱変性は不可逆的で、一度熱変性したタンパク質は元に戻らない。

 【2=④】
 スクロースは還元性を示さないが、加水分解の生成物であるグルコースとフルクトースは還元性を示す。加水分解して得られるグルコースとフルクトースの物質量は等しいので、それぞれ3.6/2=1.8(mol)である。元のスクロース水溶液に含まれていたスクロースの物質量をx(mol)とすると、未反応のスクロースはx-1.8=4.0となる。よって、x=5.8。




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