2016年06月30日
【観光?】「山形県小国町」視察旅行まとめ(2/2)【写真大量】






















今回の視察旅行では、単なる視察だけではなく、非常に簡単な形ではあるが、3社の経営診断も実施させていただいた。町の駅、道の駅、それから、町の中心地にある食品スーパー兼米卸売業の企業である。小国町は人口減少と高齢化が急速に進行しており、町民の多くが町外へ買い物に出てしまうという、地方自治体として典型的な課題を抱えている。こういう状況下で経営を改善するのは非常に難しいことだと実感した。
地域活性化と言うと、すぐに何かイベントをやって、周辺地域から人を呼び込もうと提案する人(診断士)がいるが、個人的にはあまり賛同できない。イベントをやりましょうという提案は、売上高を上げるためにブログやfacebookなどのソーシャルメディアを活用しましょうという提案に通じる一種の”気持ち悪さ”がある。ソーシャルメディアで本当に効果を出すには、更新頻度を上げて露出度を高める必要がある。コンサルタントは、ソーシャルメディアは手軽だから毎日更新できるだろうと思って提案する。しかし、それでもだんだんと運用が滞るのがよくある現実である。
イベントも同じで、1回こっきりのイベントでは意味がない。イベントの記憶は、顧客の中ですぐに薄れていく。それに、そのイベントの時だけ企業の売上高が跳ね上がると、かえって経営が不安定になるというリスクもある。よって、顧客の記憶を保ち、業績を平準化させるには、様々なイベントを仕掛ける必要がある。極端なことを言えば、毎週末何か違うイベントをやるぐらいでなければ意味がない。ソーシャルメディアの更新でさえ面倒になるような人たちに、それよりもはるかに大きな負荷がかかるイベントの企画・運営をさせるのは酷な話であり、非現実的である。
だから、私自身はイベントのような打ち上げ花火に頼るのではなく、地元の人が日常的にほしがっている製品やサービスを丁寧に揃えていく地道な努力の方が大切であると考える。域外に買い物に行ってしまうのは、域内にほしいものが売られていないのが理由である。決して、需要そのものがないわけではない。この点をはき違えてはいけないと思う。