2013年06月14日
【数学Ⅰ】x^2+y^2+z^2=xyz(x、y、zは正の整数、x≦y≦z)を満たす(x, y, z)の組は無数に存在することを示せ(東京大)
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久しぶりに数学ネタ。昨年の数学ⅢC(黄チャート)に続いて、今年は数学ⅠA(青チャート)に取り組んでいるのだが、東大の入試問題を1問解くことができた(嬉しい)。
nを正の整数とする。実数x、y、zに対する方程式方程式の整数解を求める問題。x≦y≦zという条件をうまく利用して、与えられた等式を不等式に持ち込み、値の範囲を絞り込むのがポイントとなる。(2)は背理法で証明する。
xn+yn+zn=xyz ・・・ ①
を考える。
(1)n=1のとき、①を満たす正の実数の組(x,y,z)で、x≦y≦zとなるものをすべて求めよ。
(2)n=3のとき、①を満たす正の実数の組(x,y,z)は存在しないことを示せ。
では、n=2の時はどうなるのか?と気になるのが人間の性というもので、調べてみたら2006年度の入試問題(理系)にちゃんとあった。さすが東大。ぬかりないな。
次の条件を満たす組(x,y,z)を考える。(1)については、y≦3かつx≦yであるから、(x,y)の組が自然と定まる。その1つ1つについて、zの2次方程式を解けば力技で解ける。だが、力技でもよしとする京大の入試問題とは違って(以前の記事「【数学C】行列~京都大学らしい1次変換の入試問題」を参照)、力技を嫌うのが東大の伝統であるから、<別解>のように説くのが望ましいだろう。すなわち、与式をzの2次方程式と見なして、実数解を持つための条件からxとyの値を絞り込む。
条件(A):x、y、zは正の整数で、x2+y2+z2=xyz および x≦y≦zを満たす。
以下の問いに答えよ。
(1)条件(A)を満たす組(x,y,z)で、y≦3となるものをすべて求めよ。
(2)組(a,b,c)が条件(A)を満たすとする。このとき、組(b,c,z)が条件(A)を満たすようなzが存在することを示せ。
(3)条件(A)を見たす組(x,y,z)は無数に存在することを示せ。
実は、<別解>のように解かないと、(2)のz-c>0を示すところで b≧3 という発想が出てこずに行き詰まってしまう((3)も同じ)。よくできた問題だ(感心)。