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【中小企業診断士】中小企業経営・中小企業政策 解答・解説(2/2)【平成29年度1次試験】
【中小企業診断士】中小企業経営・中小企業政策 解答・解説(1/2)【平成29年度1次試験】
【中小企業診断士】経営情報システム 解答・解説(2/2)【平成29年度1次試験】

プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京都城北エリア(板橋・練馬・荒川・台東・北)を中心に活動する中小企業診断士(経営コンサルタント、研修・セミナー講師)。2007年8月中小企業診断士登録。主な実績はこちら

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

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2017年08月13日

【中小企業診断士】中小企業経営・中小企業政策 解答・解説(2/2)【平成29年度1次試験】


国会議事堂

 試験に出やすい中小企業政策をまとめましたので、こちらもご参照ください。
 中小企業政策などまとめ【中小企業診断士試験対策】
 中小企業診断士1次試験(中小企業経営・中小企業政策)問題
 中小企業診断士1次試験(中小企業経営・中小企業政策)解答
 (※)(一社)中小企業診断協会HPより。

 (前回の続き)

 【問13:ウ】
 中小企業の定義は、
 ①製造業、建設業、運輸業=資本金3億円以下、または従業員数300人以下
 ②卸売業=資本金1億円以下、または従業員数100人以下
 ③サービス業=資本金5,000万円以下、または従業員数100人以下
 ④小売業=資本金5,000万円以下、または従業員数50人以下

 【問14(設問1):ウ】
 「小規模企業振興基本法」第6条に定められた「4つの基本方針」とは、
 ①国内外の多様な需要に応じた商品の販売または役務の提供の促進、および新たな事業の展開の促進を図ること、
 ②小規模企業の経営資源の有効な活用、ならびに小規模企業に必要な人材の育成および確保を図ること、
 ③地域経済の活性化、ならびに地域住民の生活の向上および交流の促進に資する小規模企業の事業活動の推進を図ること、
 ④小規模企業への適切な支援を実施するための支援体制の整備その他必要な措置を図ること、である。

 【問14(設問2):ウ】
 「小規模企業振興基本法」に基づく「10の重点施策」とは、①ビジネスプランなどに基づく経営の促進、②需要開拓に向けた支援、③新事業展開や高付加価値化の支援、④起業・創業支援、⑤事業承継・円滑な事業廃止、⑥人材の確保・育成、⑦地域経済に波及効果のある事業の推進、⑧地域のコミュニティを支える事業の推進、⑨支援体制の整備(支援機関など/国・地方公共団体)、⑩手続きの簡素化・施策情報の提供、である。

 【問15(設問1):イ】、【問15(設問2):ア】
 「経営力向上計画」とは、経営力向上のための人材育成や財務管理、設備投資などの取り組みを記載した計画のことであり、事業所管大臣から認定されると固定資産税の軽減措置や各種金融支援が受けられる。なお、「経営革新計画」とは、中小企業が「新事業活動」に取り組み、「経営の相当程度の向上」を図ることを目的に策定する中期的な経営計画書のことである。 国や都道府県に計画が承認されると、様々な支援策の対象となる。

 【問15(設問3):エ】
 「経営力向上計画」には、「経営力向上の目標および経営力向上による経営の向上の程度を示す指標」を記入する欄があるが、基本方針に従って計画を策定する場合は、「労働生産性」を記載する。労働生産性は「(営業利益+人件費+減価償却費)÷労働投入量(労働者数または労働者数×1人あたり年間就業時間)」で計算する。計画期間が3年の場合は1%以上、4年の場合は1.5%以上、5年の場合は2%以上の向上が必要である。なお、「事業分野別指針」に基づいて計画を策定する場合は、指針に記載された労働生産性以外の指標を用いてもよい。

 ちなみに、「経常利益」と「付加価値額」を用いるのは「経営革新計画」である。経営革新計画では、付加価値額を年率3%以上、経常利益を年率1%以上増加させることが要件である。

 【問16(設問1):ウ】
 「下請中小企業振興法第3条第1項の規定に基づく振興基準」を参照。p11に「親事業者は、下請代金の支払は、発注に係る物品等の受領後、できるり速やかに、これを行うものとする。また、下請代金はできる限り現金で支払うものとし、少なくとも賃金に相当する金額については、全額を現金で支払うものとする」とある。

 【問16(設問2):エ】、【問16(設問3):エ】
 前掲の「振興基準」のp12に、「下請代金の支払に係る手形等のサイトについては、繊維業90日以内、その他の業種120日以内とすることは当然として、段階的に短縮に努めることとし、将来的には60日以内とするよう努めるものとする」とある。

 【問17(設問1):エ】、【問17(設問2):イ】
 「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」では、サービス生産性向上の取り組みを「付加価値の向上」と「効率の向上」の2つに大別している。
 ○付加価値の向上はさらに、①新規顧客層への展開、②商圏の拡大、③独自性・独創性の発揮、④ブランド力の強化、⑤顧客満足度の向上、⑥価値や品質の見える化、⑦機能分化・連携、⑧IT利活用、の8つから構成される。
 ○効率の向上は、①サービス提供プロセスの改善、②IT利活用、の2つから構成される。

 【問18:ア】
 「事業承継ガイドライン」は、事業承継のステップを次のように定めている。
 <親族内・従業員承継の場合>
 ①事業承継に向けた準備の必要性の認識、②経営状況・経営課題等の把握、③事業承継に向けた経営改善、④事業承継計画策定、⑤事業承継の実行
 <社外への引継ぎの場合>
 ①事業承継に向けた準備の必要性の認識、②経営状況・経営課題等の把握、③事業承継に向けた経営改善、④マッチング実施、⑤M&Aなどの実行
 事業承継をスムーズに行うためには、できるだけ経営課題が残っていない状態で次世代経営者にバトンタッチすることが重要である。

 【問19(設問1):ウ】
 【問15(設問3)】で書いた通り。

 【問19(設問2):エ】
 「経常利益」については、【問15(設問3)】で書いた通り。製造業の場合は、「中小ものづくり高度化法」に基づく12の「特定ものづくり基盤技術」に関連する試作品開発が補助金の対象となる。なお、「中小企業等経営強化法」とは、経営力向上計画の根拠となっている法律である。

 【問20:エ】
 ア:「新連携計画」は、「異分野連携新事業分野開拓計画」という正式名称からも解るように、異業種との連携でなければならない。
 イ:創業年数、会社設立年数は要件とはなっていない。
 ウ:中小企業者2者の連携でも可である。
 エ:正しい。「新連携計画(異分野連携新事業分野開拓計画)」は「中小企業等経営強化法」に基づいて認定される。


 【問21(設問1):ウ】
 「JAPANブランド育成支援事業」の支援対象は、商工会、商工会議所、組合、NPO法人、中小企業者など4者以上である。

 【問21(設問2):ウ】
 「JAPANブランド育成支援事業」の公募要領p3によれば、①市場調査(ブランド戦略策定のための場調査など)と②海外市場開拓(ブランド確立、海外販路開拓のための専門家の招聘、新商品開発、展示会出展など)の2つのメニューがある。①市場調査は定額補助(上限200万円)で、1年に限り支援を受けられる。②海外市場開拓は最大3年間補助を受けることができ、補助率は3分の2(各年とも2,000万円が上限)となっている。

 【問22(設問1):エ】
 「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」は、引き続き1年以上事業を行っている中小企業者が利用することができる。共済金は無担保・無保証人である点に特徴がある。

 【問22(設問2):ア】
 掛金は800万円まで積み立てることが可能である(「⑤掛金の掛止め」を参照)。また、貸付けを受けた場合は、共済金の貸付額の10分の1に相当する額が払い込んだ掛金から控除される(「③貸付条件(4)貸付利率」を参照)。

 【問23(設問1):ア】、【問23(設問2):イ】
 「中小企業者等の法人税率の軽減特例、2年延長へ~平成29年度税制改正大綱~」(Professional Journal、2017年1月6日)を参照。中小企業者については、各事業年度の所得金額のうち年800万円以下の金額については、19%の軽減税率が適用される。

 また、15%の軽減税率の対象となる法人は、①普通法人のうち期末資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下であるもの(資本金の額等が5億円以上である法人などによる完全支配関係があるものを除く)、または資本金の額もしくは出資金の額を有しないもの、②公益法人、③協同組合、④人格のない社団、である。

2017年08月12日

【中小企業診断士】中小企業経営・中小企業政策 解答・解説(1/2)【平成29年度1次試験】


国会議事堂

 試験に出やすい中小企業政策をまとめましたので、こちらもご参照ください。
 中小企業政策などまとめ【中小企業診断士試験対策】
 中小企業診断士1次試験(中小企業経営・中小企業政策)問題
 中小企業診断士1次試験(中小企業経営・中小企業政策)解答
 (※)(一社)中小企業診断協会HPより。

 『中小企業白書』の問題については、『中小企業白書(2016年版)』(2017年4月)を、『小規模企業白書』の問題については、『小規模企業白書(2016年版)』(2017年4月)を参照。解説文内のカッコ書きのページ数は該当ページを示す。

 【問1(設問1):イ】
 中小企業数は2009年に420.1万者であったが、2012年には385.3万者(▲34.8万者)に減少し、さらに2014年には380.9万者(▲4.4万者)に減少している(中p24)。

 【問1(設問2):エ】
 2012年から2014年にかけて中規模企業者は4.7万者増加している(中p25)。

 【問2:オ】
 製造業は中規模企業、小規模企業ともに減少している。建設業と小売業では、小規模企業のみが減少している(中p29)。

 【問3(設問1):イ】
 大企業、中小企業とも、リーマン・ショック以降経常利益は増加傾向にある。ただし、増加幅は大企業の方が大きい(中p37)。

 【問3(設問2):イ】
 大企業では、売上高要因、変動費要因、人件費要因、減価償却費要因、営業外損益要因が全てプラスに働いている。一方、中小企業では、売上高要因がマイナスに働いている。中小企業は売上高が減少しているものの、コスト削減によって経常利益を拡大させている(中p38)。

 【問4:ウ】
 大企業は積極的に設備投資をしているため一貫して総資産が増加しているが、中小企業は事業の拡大と縮小を繰り返しているので、総資産額に増減が見られる。

 【問5(設問1):イ】
 自己資本比率は、製造業の場合、中小企業では30%台、大企業では40~50%台となっている。製造業では設備投資が必要であるが、あまり借入金に頼らず、内部留保を活用して堅実な投資を行うケースが多い。卸・小売業の場合、中小企業では20%台、大企業では30%台となっている。卸・小売業は買掛金の割合が高いため、どうしても自己資本比率が低くなる。サービス業の場合、中小企業では30~40%台、大企業では40%台となっている(中p604~605)。

 【問5(設問2):ア】
 卸・小売業では大量の製品を仕入れて高い回転率でさばくため、1人あたり売上高が高くなる(代わりに、粗利率は低くなる)。一方、サービス業は労働集約型であり、原価がほとんど発生しないので、原価にマージンを乗せた売上高は小さくなる(代わりに、粗利率は高い)。

 【問6(設問1):ウ】
 全企業数382万者(2014年)のうち、小規模企業は325万者であるから、その割合は85.1%である(小p13)。小規模企業のうち、60.7%にあたる197.3万者が個人事業者である。これに対して、中規模企業55.7万者のうち、20.8%にあたる11.6万者が個人事業者である(小p24)。

 【問6(設問2):ウ】
 小規模企業のうち、常用雇用者がいない企業割合は44.2%である。法人化していない小規模企業(=個人事業者)のうち、常用雇用者がいない企業割合は57.3%である。ちなみに、法人化している小規模企業のうち、常用雇用者がいない企業割合は24.1%である(小25)。

 【問7(設問1):エ】
 中小企業数は全体の約99%、中小企業の従業者数は全体の約69%、中小企業の売上高は全体の約44%、中小製造業の付加価値額は製造業全体の約53%であることを知っていれば解くことができる(中p63~64)。
 
 【問7(設問2):エ】
 労働生産性が高い順に並べると製造業⇒卸・小売業⇒宿泊業、飲食サービス業となる(中p64)。日本の製造業は依然として国際競争力があり、生産性も高くなっている。卸・小売業は近年中規模企業が増加しており、その関係で労働生産性が高い。一方、宿泊業、飲食サービス業は小規模企業が中心であり、労働生産性が低い。

 【問7(設問3):ウ】
 大企業の労働生産性の平均値を上回る中小企業の構成比率は、飲食サービス業で21.4%、卸売業で13.6%、小売業で34.5%、製造業で10.1%である(中p79)。

 【問8(設問1):エ】
 企業規模別にクラウド・コンピューティングの利用割合を見た場合、各年とも中小企業の利用割合は大企業に比べ低いが、利用割合は増加基調で推移している(中p126)。

 【問8(設問2):ア】
 「技術的な専門知識がなくても導入できる(37.2%)」、「サービス・プラットフォームの定期的な機能拡充ができる(15.0%)」、「ソフトウェア利用の停止・解除が容易(19.2%)」、「ユーザーアカウントの追加等サービス拡張が容易(27.7%)」となっている(中p128)。

 【問9:ア】
 2013年の直接輸出中小製造業企業数は6,397社であり、中小製造業全体に占める割合は3.5%である。直接輸出企業の業種構成を見ると、「生産用機械器具製造業」が20.4%でトップであり、次いで「電気機械器具製造業(7.9%)」、「化学工業(7.8%)」、「金属製品製造業(7.6%)」、「業務用機械器具製造業(6.6%)」となっている(中p168~169)。

 【問10(設問1):エ】
 2001年から2006年にかけては、主に中国への進出が進んだため、直接投資額は増加している。一方、2006年から2009年にかけては、リーマン・ショックの影響により直接投資額が減少した。その後、2009年から2014年にかけては、チャイナ・プラスワン戦略の一環として、中国に加えてASEAN諸国への直接投資が増加している。

 【問10(設問2):オ】
 2001年~2014年の期間において、直接投資企業数全体に占める中小企業の割合は概ね70%前後である。2014年に直接投資を行った中小企業6,346社のうち、製造業は3,221社で約半数を占める。ただし、近年は製造業以外の業種による直接投資も増加している(中p174)。

 【問11(設問1):ア】
 国内銀行の法人向け貸出に占める中小企業向け貸出の割合の推移を見ると、2000年代半ばから好景気に支えられて増加したが、2007年頃から減少に転じ、リーマン・ショック時には大きく落ち込んだ。その後若干持ち直したものの、2013年頃からは、日本銀行の異次元金融緩和政策にもかかわらず、貸出の割合は微減で推移している。(中p273)。

 【問11(設問2):イ】
 大企業向け融資は増加傾向にあるが、中小企業向け融資は横ばいである(中p273)。

 【問12:イ】
 「ABL(Asset Based Lending:動産・債権担保融資)」とは、製品や在庫、農家が保有する農畜産物、運送業者のトラックなど、動産や売掛債権を担保に資金を貸し出す仕組みのこと。

 (続く)

2017年08月11日

【中小企業診断士】経営情報システム 解答・解説(2/2)【平成29年度1次試験】


プログラミング

 中小企業診断士1次試験(経営情報システム)問題
 中小企業診断士1次試験(経営情報システム)解答
 (※)(一社)中小企業診断協会HPより。

 (前回の続き)

 【問14:エ】
 ア:「電子コンパス」とは、自分が現在向いている方角が解るようにする機能や、その機能を実現する装置のことである。アウトドア用の腕時計やカーナビ、スマートフォンなどに搭載されている。GPSと組み合わせることによって、自分の位置と向いている方角を地図上に表示したり、進行方向に合わせて地図の向きを変えたりするなどの機能を実現できる。
 イ:「ストリームデータ処理」とは、無限かつ流動的に発生するデータをリアルタイムで処理・破棄を繰り返す処理のことである。リアルタイムな処理を実現することで、データの鮮度を保ったまま有用な情報を引き出し、意思決定の迅速化を促進する。
 ウ:「複合イベント処理」とは、ストリームデータ処理において、「センサーから流れてくるデータが閾値を超えている」、「間隔を空けずに数回数値の情報が見られる」といった条件を満たした場合にアラートを発するといった具合に、条件を設定して処理を行う技術のこと。
 エ:「形態素」とは言語学の用語で、意味を持つ最小の単位。ある言語においてそれ以上分解したら意味をなさなくなるところまで分割して抽出された、音素のまとまりの1つ1つを指す。

 【問15:エ】
 ア:「M2M」とは、Machine to Machine略で、機器間の通信の意。SNSの基本ではない。
 イ:インダストリー4.0を提唱したのはアメリカではなくドイツである。
 ウ:「オープンソース」とは、プログラムのソースコードを広く一般に公開し、誰でも自由に扱ってよいとする考え方。また、そのような考えに基づいて公開されたソフトウェアのこと。
 エ:正しい。

 【問16:ウ】
 ア:「BI(Business Intelligence)」とは、企業に蓄積された大量のデータを収集・蓄積・分析・報告することで、経営上などの意思決定に役立てる手法や技術のこと。人工知能(AI)のアルゴリズムを開発するソフトウェアではない。
 イ:「ETL」とは、企業の基幹系システムなどに蓄積されたデータを抽出(extract)し、データウェアハウスなどで利用しやすい形に加工(transform)して、対象となるデータベースに書き出す(load)ことである。ETL自体が将来の販売動向予測などを行うわけではない。
 ウ:正しい。「NoSQL」は高性能の非リレーショナルデータベースを指す。
 エ:「データマイニング」とは、統計学、パターン認識、人工知能などのデータ解析の技法を大量のデータに網羅的に適用することで知識を取り出す技術のこと。平たく言えば、企業が収集するビッグデータを分析し、有用なパターンやルールを発見することである。

 【問17:ア】
 ア:正しい。ウォーターフォール型では、「要件定義」、「外部設計(基本設計、概要設計)」、「内部設計(機能設計)」、「開発(プログラミング)」、「テスト」、「運用」の順で開発が進む。
 イ:「運用」と「テスト」の順番が逆である。
 ウ:「スパイラルモデル」は、トップダウン設計とボトムアップ設計の長所を生かしたソフトウェア開発工程のモデルであり、設計とプロトタイピングを繰り返して開発していく手法である。最初に全体の概要を構築するのではなく、着手可能な部分から構築する。
 エ:「プロトタイプモデル」とは、システム開発の初期段階において、機能を制限したり簡易化したりした試作機(プロトタイプ)を作成し、ユーザーに評価してもらう工程を設けて、トータルの開発工数を減らすための開発手法のことである。

 【問18:ア】
 「パラメトリック法」=ユーザーが操作する要件や設計が必要な箇所を点数化して、そのシステムの規模を計測する手法。LOC(Lines of Code)法、ファンクションポイント法、COCOMO/COCOMOⅡが該当する。
 「ボトムアップ法」=主に小中規模のシステムで多く利用されている見積手法で、機能別に見積を積み上げていく。WBS法、標準タスク法が該当する。
 「類推法」=過去の類似システムを参考に工数を見積もる。デルファイ法が該当する。

 【問19:ア】
 ア:正しい。「ビッグバンテスト」とは、複数のモジュールを結合させたプログラムを、全てのモジュールを組み合わせてから一気に動作検証するテスト方法である。
 イ: 上位モジュールと下位モジュールを結合してテストを実施したいが上位モジュールが完成していない場合は、「ドライバ」を用いる。下位モジュールが完成していない場合に用いるダミーモジュールが「スタブ」である。
 ウ:「ブラックボックステスト」では、内部ロジックの正しさは問わない(内部はブラックボックスのままにしておく)。
 エ:まずはモジュールの単体テストを行い、その次にモジュールの結合テストを行う。

 【問20:イ】
 ア:「EA(Enterprise Architecture)」とは、大企業や政府機関などといった巨大な組織の業務手順や情報システムの標準化、組織の最適化を進め、効率よい組織の運営を図るための方法論を指す。「戦略的計画」、「マネジメント・コントロール」、「オペレーショナル・コントロール」とは、アンソニーが計画・統制の理論の中で命名した、組織の計画・統制活動のことである。
 イ:正しい。「ITポートフォリオ」の一例として、システムを①戦略系、②情報系、③業務系、④IT基盤の4つに分け、IT投資配分の最適化を図ることが挙げられる。
 ウ:「SLA(Service Level Agreement)」とは、サービスを提供事業者とその利用者の間で結ばれる、サービスのレベル(定義、範囲、内容、達成目標等)に関する合意のことであり、秘密保持契約に限られない。
 エ:「WBS(Work Breakdown Structure)」とは、プロジェクトのスケジュール管理に使われるツールの1つで、作業工程を分解して示したもののこと。 分解された作業に担当と期限を設定し、スケジュールが解るようにした工程図のことをガントチャートと言う。

 【問21:イ】
 「CPI(Cost Performance Index、コスト効率指数)」=ある時点までに投入した実際のコスト(AC:Actual Cost)に対する、その時点に完了した作業の予算コストの合計(EV:Earned Value)の比率のこと。EVをACで割ったもので、1を上回っていれば予定よりコストが少なく、下回っていればコストが超過していることが解る。
 「SPI(Schedule Performance Index、スケジュール効率指数」=計画時に見積もられた、ある時点までに達成すべき作業の予算コストの合計(PV:Planned Value)に対する、その時点で完了した作業の予算コストの合計(EV:Earned Value)の比率のこと。EVをPVで割った値で、1を上回っていれば予定より早く、下回っていれば予定より遅れていることが解る。

 【問22:ア】
 A:安全性を重視するということは、他人が利用できないようにすることであるから、他人受入率(FAR:False Acceptance Rate)を低くすればよい。
 B:利用者の利便性を重視するということは、セキュリティを多少犠牲にすることであるから、本人拒否率(FRR:False Rejection Rate)を低くすればよい。
 C、D:ATMの生体認証やなりすまし防止は、他人が利用するのを防ぐことが目的であるから、他人受入率(FAR:False Acceptance Rate)を低く設定する。

 【問23:エ】
 ア:「PaaS」では、ミドルウェア、OS、ネットワーク、ハードウェアが提供される。
 イ:「SaaS」事業者はアプリケーション、ミドルウェア、OS、ネットワーク、ハードウェアを、「PaaS」事業者はミドルウェア、OS、ネットワーク、ハードウェアを提供するため、事業者を組み合わせる必要はない。
 ウ:SaaSの課金体系は月額固定制が多いが、法的に義務づけられているわけではない。
 エ:正しい。基本的に、SaaS事業者が提供するアプリケーションは最小限のカスタマイズしか許容されていないため、時にはアプリケーションに自社業務を合わせることが必要になる。

 【問24:イ】
 ア:「因子分析」とは、ある観測された変数(質問項目への回答など)が、どのような潜在的な変数(観測されない、仮定された変数)から影響を受けているかを探る手法。 多変量解析の手法の1つ。 複数の変数の関係性を基にした構造を探る際に用いられる。
 イ:「回帰分析」とは、独立変数と従属変数の間の関係を表す式を統計的手法によって推計する方法である。 従属変数(目的変数)とは、説明したい変数(注目している変数)を指す。 独立変数(説明変数)とは、これを説明するために用いられる変数のことである。本問の場合、販売促進費をX、売上高をYとすると、Y=aX+bという式が得られる。
 ウ:「クラスター分析」とは、異なる性質のものが混ざり合った集団から、互いに似た性質を持つものを集め、クラスターを作る方法である。 対象となるサンプル(人、行)や変数(項目、列)をいくつかのグループに分けるもので、簡単に言えば「似たもの集めの手法」である。
 エ:「コンジョイント分析」とは、最適な製品コンセプトを決定するために代表的な多変量解析を用いる分析方法で、個別の要素を評価するのではなく、製品全体の評価(全体効用値)することで、個々の要素の購買に影響する度合い(部分効用値)を算出する手法である。

 【問25:ウ】
 A:「比(比例)尺度」とは、0が原点であり、間隔と比率に意味があるものである。例えば、身長が150cmから30cm伸びると180cmになったと言えるし、1.2倍になったとも言える。
 B:「間隔尺度」とは、目盛が等間隔になっているもので、その間隔に意味があるものである。例えば、気温が19℃から1℃上昇すると20℃になったとは言えるが、10℃から20℃に上昇したとき、2倍になったとは言えない。
 (※)変数の尺度には、他に「名義尺度」(他と区別し分類するための名称のようなもの。例:男女、血液型、郵便番号)、「順序尺度」(順序や大小には意味があるが間隔には意味がないもの。例えば、1位+2位≠3位のように、足し算や引き算ができないもの)がある。
 C:「コーホート」とは同年(または同期間)に出生した集団のことをいい、コーホート要因法とは、その集団ごとの時間変化(出生、死亡、移動)を軸に人口の変化をとらえる方法である。
 D:「パネル調査」とは、任意に抽出した調査対象となる集団の、消費・購買行動を一定期間にわたって定期的に調査することで、その際の調査対象となる集団(名簿)を「パネル」と呼ぶ。




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