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【現代アメリカ企業戦略論(3)】アメリカのイノベーションの過程と特徴
『未来を予測する技術(DHBR2017年1月号)』―予測が困難なのにデータ重視のアメリカ、予測が容易なのにデータ軽視の日本、他
『新しい産業革命―デジタルが破壊する経営論理(『一橋ビジネスレビュー』2016年AUT.第64巻2号)』―アメリカのプラットフォーム型企業が世界を席巻する日、他

プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京都城北エリア(板橋・練馬・荒川・台東・北)を中心に活動する中小企業診断士(経営コンサルタント、研修・セミナー講師)。2007年8月中小企業診断士登録。主な実績はこちら

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

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2017年01月23日

【現代アメリカ企業戦略論(3)】アメリカのイノベーションの過程と特徴


アメリカ

 前回の記事「【現代アメリカ企業戦略論(2)】アメリカによる啓蒙主義の修正とイノベーション」の続き。アメリカ企業は下図の<象限③>=必需品でなく、かつ製品・サービスの欠陥が顧客の生命・事業に与えるリスクが小さいものに強いと書いた。必需品ではないがゆえに、アメリカ企業は常に需要を創造しなければならない。これはイノベーションの働きそのものである。今回はアメリカ企業がどのようにイノベーションを起こすのかについて見ていきたいと思う。

製品・サービスの4分類(修正)

製品・サービスの4分類(修正)

 <象限③>においては、まだ顧客のニーズが顕在化していないため、伝統的な市場調査が役に立たない。そこで、リーダーたるイノベーターは、自分自身を第一の顧客とする。「自分はこういう製品・サービスがほしい。自分がこの製品・サービスをこれだけ心の底からほしがっているのだから、世界中の人々も同じようにこの製品・サービスを欲するはずだ」と強く信じる。そして、そのイノベーションを世界中に普及させることを、唯一絶対の神と「契約」する。その契約を誠実に履行することを、アメリカ人は「自己実現」と呼ぶ。ただし、前回の記事でも書いた通り、その契約が本当に正しいかどうかを知っているのは、神だけである。よって、正しい契約を結んだごく一部のイノベーターだけが大成功を収め、その背後には無数の屍が累積する。

 リーダーは、契約=未来の目標を達成するために、今何をすべきかという順番でアクションを検討する。つまりここでは、時間が未来⇒現在へとバックキャスティング的に流れ、現在と未来が強い因果関係で結ばれる。これはアメリカ人の大きな特徴の1つである。逆に、日本人はバックキャスティング的な発想が苦手である。日本人の中では、時間は現在⇒未来へと流れる。現在において、望ましい行動を1つ1つコツコツと積み重ねていけば、自ずと望ましい未来に到達すると信じる。現在と未来の因果関係は、アメリカ人の場合に比べるとはるかに弱い。

 <象限③>は市場規模も顧客ニーズも予測が困難である。一人で同じ製品・サービスをいくつも購入する顧客がいたりする。日本の例になるが、AKB48との握手会に参加したいがために、同じCDを1人で何十枚も購入するコアなファンがいる。こういう人がいると、市場規模の予測は難しくなる。予測困難な状況で成功の確率を上げるには、とにかく次から次へと新しいイノベーション(製品・サービス)を市場に投入して、市場の反応を見るしかない。しかも、<象限③>の製品・サービスは全方位的な競争となる。例えば、金曜日の夜にお金が余っていたら、映画を見に行くか、アーティストのコンサートに参加するか、家でバラエティのDVDを見るか、漫画を大人買いして家で読むかという選択をするだろう。これらの製品・サービスは全て競合関係にあたる。

 <象限③>では、どういうイノベーションが成功するのか、その定石を見定めるのに苦労する。ただ、いくつか基本となるポイントがあるように思える。1つ目は、繰り返しになるが、イノベーターの「好き」という思いを新製品・サービスに余すところなく反映させることである。イノベーションを勧める人がそのイノベーションを気に入っていなかったら、他の人はそのイノベーションを購入しようとは思わない。2つ目は、顧客に敢えて不自由、非効率を味わわせることである。ディズニーランドではアトラクションに乗るのに何時間も待たされる。それでも、長く待つがゆえに楽しみが倍増するという側面がある。音楽も記憶に残るのはたいていの場合サビだけだが、サビだけでは音楽として成立しない。Aメロ、Bメロがあってこそのサビである。

 3つ目は、1つ目とも関連するが、顧客価値にほとんど貢献しない箇所で、イノベーターが異常なこだわりをイノベーションに組み込むことである。Appleのスティーブ・ジョブズがコンピュータの裏側の配線の美しさにこだわったのは有名な話である。また、日本の例になるが、私が好きな「水曜どうでしょう」という北海道のローカルバラエティ番組では、藤村忠寿ディレクターが字幕のつけ方に異常なこだわりを持っている。通常の番組であれば、2~3行の字幕スーパーを一度に表示させるのだが、水曜どうでしょうの場合は1行ずつ縦書きで丁寧に字幕を表示させる。

 イノベーションは誰も見たことがなく、聞いたことがないものであるため、必ず賛否両論が巻き起こる。ここに、イノベーションをめぐる二項対立が発生する。イノベーションに多くの人が賛同する一方で、そのイノベーションに強い嫌悪感を示す人も多数現れる。だが、イノベーションにとっては、二項対立が生じた方が都合がよい。というのも、敵から攻撃されると、イノベーションの味方はより結束力を強め、イノベーションへの忠誠心を高めることになるからだ。ここで重要なのは、二項対立においては、相手を完全に打ち負かそうとはしないという点だ。相手を倒すと他者を否定することになり、自己のアイデンティティを規定するものが失われてしまう。

 興味深いことに、市場における二項対立に加えて、イノベーションを起こす組織内でも賛否両論の二項対立が生じる。マイケル・P・ファレルは、アートや社会の分野に―特に、「優れたアート」の定義に疑問が投げかけられた場合に―2人組によるブレークスルーが存在することを示した。ファレルは、2人組の仕事では「効果のある親密さ」が生まれて、共感を示しつつ建設的に批判し合うことができると説いた(”Collaborative Circles: Friendship Dynamics and Creative Work”)。企業の例で言うと、スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアック、セルゲイ・ブリンとラリー・ペイジ、ビル・ゲイツとポール・アレンといった組合せが二項対立に該当する。

Collaborative Circles: Friendship Dynamics and Creative WorkCollaborative Circles: Friendship Dynamics and Creative Work
Michael P. Farrell

University of Chicago Press 2003-11

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 イノベーションを全世界に普及させるために、多くのアメリカ企業はトップダウンのリーダーシップと分権化を組み合わせる。分権化のメリットは、トップのリーダーシップだけでは到底影響力が及ばない世界各地に対して、現地の組織がトップから移譲された権限を活用してイノベーションを広めることができる点にある。分権化された現地のスタッフは、イノベーションのエバンジェリストとして、イノベーションの普及(布教と言ってもよい)に努める。この方が、トップのリーダーシップだけに頼るよりもずっと早く目標を達成できる。それに、分権化によって、現地スタッフのモチベーションを向上させることができるというもう1つの効果もある。

 日本の組織も、伝統的に現場が強く、また、ミドルマネジャーが「ミドル・アップ・ダウン」という言葉の通り、組織内を自由に動き回る。つまり、トップよりもミドルや現場に権限が委譲されている。そういう意味では分権化が進んでいるとも言える。だが、アメリカの分権化はできるだけフラット型組織との両立を志向するのに対し、日本企業は多重階層構造を志向するという違いがある。アメリカ企業の目的はイノベーションの迅速な普及であるが、日本企業の目的は組織の安定である。多重階層構造によりポジションを多数連鎖させることで、多少愚かな人間が混じっていても、他の人間がそれをカバーし、組織を安定させる。アメリカ企業は採用段階でエバンジェリストたり得る人材を厳しく見定めるが、日本企業は大勢採用してその全員を使いこなそうとする。

 <象限③>のイノベーションの中には必需品化して<象限①>や<象限②>に移行する製品・サービスもあるが、大半のイノベーションは非常に短命である。端的に言えば、顧客がイノベーションに飽きるのである。リーダーがイノベーションを全世界に普及させるという神との契約を達成した後、企業は静かに衰退していくのみである。株主は企業に対し、新しい投資先がないのであれば自社株買いによって株価を引き上げよと注文をつける。企業の経営者も、イノベーションが全世界に普及したという最高のタイミングで、最も高値で企業を売却する。こうして、イノベーターは巨額の富を手に入れ、早々に引退してセカンドライフを送ることになる。

 先ほど、イノベーターは成功確率を上げるためにイノベーションを次から次へと市場に投入しなければならないと書いた。イノベーターの中からは、自分がお金を払ってでもいいから、自分のイノベーションを世界に広めたいと願う人が出てくる。ここで、そのようなイノベーターを束ねるプラットフォーム企業が登場する。Google PlayやApp Storeはその典型である。アプリ開発者は、GoogleやAppleにお金を払ってでも、自分の開発した革新的なアプリを世界中の人に使ってもらいたいと思っている。通常、GoogleやAppleから見てアプリ開発者は仕入先に該当するから、両社がアプリ開発者にお金を支払うはずだ。だが、プラットフォーム企業はお金の流れを逆転させている。通常の小売業なら違法なリベートとされるものが、ここでは合法化されている。

 <象限③>は、市場規模や顧客ニーズが予想しづらい領域だと書いた。ということは、普通に考えればデータ分析が難しい領域である。ところが、アメリカ企業は<象限③>にデータ分析を持ち込む。例えば、どういう映画がヒットするかを真面目にモデル化する。そして、映画がヒットするかどうかは、台本の内容や配役によってではなく、単に映画のタイトルで決まるという結論を得たりする(イアン・エアーズ『その数学が戦略を決める』〔文藝春秋、2007年〕より)。

その数学が戦略を決めるその数学が戦略を決める
イアン・エアーズ 山形 浩生

文藝春秋 2007-11-29

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 アメリカ企業は、イノベーションを全世界に普及させる段階でもデータを活用する。イノベーターのマーケティングは、これだけOne to OneマーケティングやCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)の重要性が説かれているにもかかわらず、世界を単一市場と見なして、単一の製品・サービスを提供するマス・マーケティングである。その過程で、まだ自社のイノベーションを受け入れていない顧客層は誰か、彼らがイノベーションを受け入れるためにはどのようなプロモーションを実施すればよいかなどをめぐり、詳細なデータ分析を行う。これは、イギリスが植民地支配に際して、イギリスが正義と考える自由、平等、人権、民主主義などを根づかせるために植民地の情報を緻密に収集・分析したインテリジェンスの名残であろう。

 プラットフォーム企業は、自らのプラットフォームの価値を高めるためにデータ分析を行う。消費者は、他人と同じものを使いたいという欲求と、自分だけのオリジナルのものを使いたいという相反する欲求を持っている。プラットフォーム企業はこの両方のニーズにデータ分析で応える。他人と同じものを使いたいという欲求に対しては、ランキングを作成して人気の高い製品・サービスの購入を促す。一方、自分だけのオリジナルのものを使いたいという欲求に対しては、プラットフォームに登録された膨大な製品・サービスの中からレコメンデーション機能を活用して、その人の好みに合わせたものを勧める。こうして、消費者を完全にプラットフォームの虜にする。

 ちなみに、日本は<象限②>に強い。この象限の製品・サービスは生活必需品であるから、反復購入される可能性が高く、顧客ニーズも予想しやすい。この場合、データ分析と経験を組み合わせることで予測の精度を上げることができる。ところが、日本企業はあまりデータを活用しないように感じる。売上高や利益と因果関係の深い要因を追究して、その要因に資源を集中投入するということをやらない。むしろ、「会社として善いこと」、さらには「人として善いこと」を重ねれば、自ずとよい結果が得られると信じている。1つ1つの行為は小さくても、それが何百、何千と積もれば、成功の確率は上がると考える。日本企業の5S重視はその最たる例であろう。

 不思議なことに、<象限③>で戦うアメリカ企業がデータを重視し、<象限②>で戦う日本企業がデータを軽視するという、パラドキシカルな現象が起きているのである。

2017年01月06日

『未来を予測する技術(DHBR2017年1月号)』―予測が困難なのにデータ重視のアメリカ、予測が容易なのにデータ軽視の日本、他


ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 01 月号 [雑誌] (未来を予測する技術)ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 01 月号 [雑誌] (未来を予測する技術)

ダイヤモンド社 2016-12-10

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 (1)
 考えられる道のひとつとしては、富裕層のお客様にフォーカスするということです。消費の落ち込みによって小売業界そのものは厳しい状況ですが、富裕層のお客様からは、モノからコトのニーズにシフトしたさまざまなご要望が寄せられることから、活発な需要があるこの層をメインターゲットとする小売業の形はどのようなものか。そう考えると、いまのような「場所」はほとんど必要なくなるかもしれません。形態が変わった「拠点」としての百貨店が残っていくと思っています。
(大西洋「【インタビュー】「攻め」の姿勢で未来を模索する 10年先を考えて、やるべきことをやる」)
製品・サービスの4分類(修正)

製品・サービスの4分類(各象限の具体例)

 (※上図の説明については以前の記事「森本あんり『反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体』―私のアメリカ企業戦略論は反知性主義で大体説明がついた、他」や、ブログ別館の記事「『プラットフォームの覇者は誰か(DHBR2016年10月号)』」などを参照)

 最近、百貨店の経営コンサルティングをしているという中小企業診断士の方とお話しする機会があった。百貨店はGMSと並んで現在最も苦しい小売業態だと言われているが、その方がおっしゃるには、百貨店が苦境に陥っているのは、地方や郊外に手を広げすぎたためだという。つまり、中間層の需要をターゲットにしたのがよくなかった。本来、百貨店が強いのは富裕層市場である。百貨店の縮小は、百貨店の本来機能への回帰ととらえなければならない。

 これを私が頻繁に用いている上図を用いて説明すると次のようになる。百貨店は、富裕層向けに左上の象限に該当する製品・サービスを提供していた。左上の象限に該当するのは、富裕層が生活のためではなく、享楽のために使用・消費する製品・サービスである。ところが、いつの頃からか経営拡大を目指して左下の象限=生活必需品に手を出すようになった。左下の象限には食品スーパーやGMS、ディスカウントストア、コンビニなどが存在しているが、百貨店は彼らとの競争を通じて強みを構築することができなかった。その上、本来の強みである左上の象限もおざなりになり、総合的に百貨店の体力が落ちてしまった。これが私の見立てである。

 だから、百貨店がもう一度原点である富裕層市場にフォーカスするというのは、妥当な選択肢だと思う。それに、百貨店が富裕層市場に集中すると、百貨店だけでなく、小売業界全体にとってプラスが生まれる。というのも、左下の象限に該当する生活必需品はしばしば、左上の象限から発生するからだ。つまり、富裕層が享楽のために使用・消費している製品・サービスを中間層が見て、「私もあんなものがほしい」と、富裕層への憧れを抱く。その憧れが中間層全体に強く広まると、その製品・サービスは左上の象限から左下の象限へと移行してくる。そうすれば、小売業界全体が盛り上がるようになる。百貨店が量的な成長を追うことはもう難しいかもしれない。しかし、百貨店は常に消費の先頭に立ち、明日の必需品を創る重要な位置にいる。

 (2)
未来を予測する技術

 本号で紹介されていた「未来を予測する技術」を無理やり図にすると上のようになる。まず、左下の<象限①>は、反復性が高い事象であり、結果の予測可能性も高いという象限である。健康リスクと生命保険料の関係、返済余力と融資可能額の関係などはこの象限に該当する。<象限①>においては、変数と結果の関係をアルゴリズムを用いて「モデル化」することが可能である。次に、右下の<象限②>は、反復性が低い事象であるが結果の予測可能性は高いという象限である。しかし、反復性が低いということはデータの数がそれだけ少ないわけだから、予測可能性を高めることは困難である。よって、<象限②>に該当する手法は存在しないと考える。

 左上の<象限③>は、反復可能性は高い事象だが結果の予測可能性は低いという象限である。コンビニで明日何が売れるのか、野球においてどうすればこの場面でこの打者を抑えられるのか、などといったことはこの象限に該当する。反復可能性が高くデータが大量に入手できるため、一定のモデル化は可能である。しかし、あるパラメータが予測通りに結果に影響しなかったり、あるいは全く予想していなかったパラメータが現れて結果に影響したりする。そのため、最後は予測する本人の経験と直観が精度を左右する。
 企業が焦点を当てるべきスイートスポットとは、データやロジック、分析を活用できると同時に、経験を踏まえた判断や綿密な問いかけも重要な役割を果たす事柄の予測である。臨床試験中の新薬の商業化を予測するには、科学的な専門知識だけでなくビジネス上の判断も必要だ。買収候補先の評価者は正規のスコアリングモデルを活用するが、企業文化の適合性や経営幹部同士の相性、見込まれる相乗効果が実現する可能性といった漠然とした要素も評価しなければならない。
(ポール・J・H・シューメーカー、フィリップ・E・テトロック「不確実な時代における競争優位の源泉 超予測力:未来が見える組織」)
 右上の<象限④>は、事象の反復可能性も低く、予測も困難であるという領域である。次にヒットする新製品を予測するというのはその代表例である。前述のポール・J・H・シューメーカーとフィリップ・E・テトロックがこの象限を捨ててもよいと述べる一方で、「計画的な日和見主義」によってこの象限に対応できるという論者もいる。
 この(※計画的日和見主義という)概念は、未来は予測不能であり、非線形の変化や偶然の出来事によって形づくられると認識するところから始まる。これが「日和見主義」の部分だ。そして、リーダーとしてどう対応するかが「計画的」な部分である。計画的な日和見主義は弱いシグナルに敏感でなくてはならない。弱いシグナルとは、購買層、技術、顧客の好みやニーズ、経済面、環境面、規制面、政治面の影響力で重要な変化が想定される新たな傾向を示した早期の兆候を指す。弱いシグナルに注意を払うことで新しい展望や非線形思考が生まれ、妥当と思われる未来をあれこれと想像し計画を立てるのに役立つ。
(ビジャイ・ゴビンダラジャン「弱いシグナルから非線形変化をつかむ 「計画的な日和見主義」のすすめ」)
 (1)で示した図で言うと、アメリカは左上の象限に強い。この象限はまさに反復可能性も低く、予測が困難な領域である(<象限④>)。ところが、アメリカはこの象限にデータ分析を持ち込もうとする。例えば、どういう映画がヒットするかを真面目にモデル化する。そして、映画がヒットするかどうかは、台本の内容や配役によってではなく、単に映画のタイトルで決まるという結論を得たりする(イアン・エアーズ『その数学が戦略を決める』〔文藝春秋、2007年〕より)。

その数学が戦略を決めるその数学が戦略を決める
イアン・エアーズ 山形 浩生

文藝春秋 2007-11-29

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 アメリカ企業は、自社が「これこそ世界が求めるイノベーションだ」と強く信じる新製品・サービスを全世界に普及させる段階でもデータを活用する。アメリカのマーケティングは、世界を単一市場と見なして、単一の製品・サービスを提供するマス・マーケティングである。その過程で、まだ自社のイノベーションを受け入れていない顧客層は誰か、彼らが自社のイノベーションを受け入れるためにはどのようなプロモーションを実施すればよいかなどをめぐり、詳細なデータ分析を行う。これは、イギリスが植民地支配に際して、イギリスが正義と考える自由、平等、人権、民主主義などを根づかせるために植民地の情報を緻密に収集・分析したことの名残であろう。

 (1)の左上の象限では、何がヒットするのかを事前に予測することが困難である。そのため、イノベーターは次々とイノベーションを市場に投入して成功確率を高めるしかない。イノベーターの中からは、自分がお金を払ってでもいいから、自分のイノベーションを世界に広めたいと願う人が出てくる。ここで、そのようなイノベーターを束ねるプラットフォーム企業が登場する。Google PlayやApp Storeは非常に解りやすい例である。アプリ開発者は、GoogleやAppleにお金を払ってでも、自分の開発した革新的なアプリを世界中の人に使ってもらいたいと思っている。通常、GoogleやAppleから見てアプリ開発者は仕入先に該当するから、両社がアプリ開発者にお金を支払わなければならない。ところが、プラットフォーム企業はお金の流れを逆転させている。

 プラットフォーム企業は、自らのプラットフォームの価値を高めるためにデータ分析を行う。消費者は、他人と同じものを使いたいという欲求と、自分だけのオリジナルのものを使いたいという相反する欲求を持っている。プラットフォーム企業はこの両方のニーズにデータ分析で応える。他人と同じものを使いたいという欲求に対しては、ランキングを作成して人気の高い製品・サービスの購入を促す。一方、自分だけのオリジナルのものを使いたいという欲求に対しては、プラットフォームに登録された膨大な製品・サービスの中からレコメンデーション機能を活用して、その人の好みに合わせたものを勧める。こうして、消費者を完全にプラットフォームの虜にする。

 ここまではアメリカの話であったが、日本は(1)の図で言うと右下の象限に強い。この象限の製品・サービスは生活必需品であるから、反復購入される可能性が高く、顧客ニーズも予想しやすい。よって、<象限③>に該当する。前述の通り、<象限③>はデータ分析と経験を組み合わせることで予測の精度を上げることができる。ところが、日本企業はあまりデータを活用しないように感じる。売上高や利益と因果関係の深い要因を追究して、その要因に資源を集中投入するということをやらない。むしろ、「会社として善いこと」、さらには「人として善いこと」を重ねれば、自ずとよい結果が得られると信じている。1つ1つの行為は小さくても、それが何百、何千と積もれば、成功の確率は上がると考える。日本企業が5Sを重視するのはその典型であろう。

 不思議なことに、<象限④>で戦うアメリカ企業がデータを重視し、<象限③>で戦う日本企業がデータを軽視するという、パラドキシカルな現象が起きているのである。

 (3)
 数多くの(※歌謡曲の)リクエストに答えて、仲よくなった後で、初めてオリジナル曲を披露します。ずっと苦しかったけれど、頑張れば最後にはいことがあるという内容のオリジナル曲を披露すると、お客さんが想像した私の境遇と曲のイメージが重なります。お客さんはそこでノックアウトです(笑)。オリジナル曲を聴いて、あふれる共感を形にしなければ収まりがつかなくなったお客さんは、投げ銭という形で対価をくださいます。少なくとも1,000円、多い人では1万円という金額をいただきました。そのおかげで、生活は劇的に改善されました。
(前田裕二「誰もがチャンスを得らえれる社会をつくる」)
 1987年生まれの前田裕二氏はSHOWROOMの代表取締役社長である。SHOWROOMは、歌やダンスなどで身を立てたい演者がバーチャルライブ空間でパフォーマンスを配信し、それをユーザーがリアルタイムで視聴できるライブ配信プラットフォームである。前田氏は小学生の頃からお金を稼ぐことを考えており、その手段の1つとして選んだのが「ギターの弾き語り」であった。当初は北千住で弾き語りをしていたが、港区白金に場所を変え、引用文にあるように皆が知っている歌謡曲を歌い始めると、投げ銭が増え出したという。

 私より若い人が頑張っているところに冷や水を浴びせるのもよくないと思うのだが、この話はかなりグレーだと思う。というのも、投げ銭がオリジナル曲に対する対価なのか、歌謡曲を含む一連のパフォーマンスに対する対価なのか、という問題が生じるからだ。前者であれば問題ないものの、後者であれば著作権法に違反する。有名歌手の曲を勝手にカバーして金銭を得ると、JASRACが黙っていない。友人のミュージシャンから聞いた話によれば、ライブハウスで出演者が観衆から対価を得た上でカバー曲を披露すると、JASRACから目をつけられる。JASRACは出演者だけでなく、ライブハウスの経営者に対しても楽曲の使用料を請求する。時にその金額が何百万円に上るため、倒産するライブハウスも少なくないという。
 演者がファンを増やすために必要なことは、配信の回数やコメントでの交流を増やすなど、基本的には努力すればできることばかりです。エンターテインメントを生業としたい人たちに、みずからの才能、そして努力を対価にして生計を立てられる場を提供する、そんなプラットフォームを目指しています。(同上)
 前田氏のビジネスは、(1)で示した図で言うと左上の象限に該当する。左上の象限は、(2)でも述べた通り、必需品ではないがゆえに市場規模が読めず、何がヒットするのか予測することが極めて難しいという点に特徴がある。だから、左上の象限で戦うプレイヤーは、次から次へと製品・サービスを投入して、市場の反応を見るしかない。つまり、努力で何とかなる象限ではない。左上の象限に強いアメリカがベンチャー企業の輩出に躍起になっているのは、こういう背景があるからだ。アメリカはベンチャー企業を何千、何万と立ち上げて、99%が失敗しても残り1%が大成功すれば十分に投資を回収できると考えている。

 努力で何とかなるのは、左下や右下の象限である。これらの象限の製品・サービスは生活必需品であるから、市場規模の予測も容易であり、顧客ニーズも把握しやすい。左上の象限ではイノベーターによるリーダーシップが必要である一方で、左下や右下の象限で必要なのはマーケターによるマネジメントである。とりわけ、日本は右下の象限に強い。この世界は、努力すれば成果がある程度ついてくる。それに対して、前田氏は日本らしい努力観を左上の象限に適用しようとしていると言える。その結果が果たしてどうなるのか、しばらくウォッチしてみたいと思う。

2016年11月14日

『新しい産業革命―デジタルが破壊する経営論理(『一橋ビジネスレビュー』2016年AUT.第64巻2号)』―アメリカのプラットフォーム型企業が世界を席巻する日、他


一橋ビジネスレビュー 2016 Autumn(64巻2号) [雑誌]一橋ビジネスレビュー 2016 Autumn(64巻2号) [雑誌]
一橋大学イノベーション研究センター

東洋経済新報社 2016-09-09

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 (1)澤谷由里子、西山浩平「クラウドソーシング オンライン分散型資源を生かす価値共創マネジメント」では、クラウドソーシングの仕組みを活用してプラットフォームを構築した企業の例が紹介されている。LEGOは「LEGO CUUSOO」を立ち上げて、世界中のユーザーから製品化のアイデアを収集し、LEGO CUUSOOにおいて製品企画を行った(現在、LEGO CUUSOOはLEGO IDEASと名前を変え、LEGOの一事業として吸収されている)。イーライリリーは「イノセンティブ」というプラットフォームを用い、イーライリリーが抱える研究課題をイノセンティブ上で公開して、その課題を解決できる研究者などを世界中から募集した。

 ただ、個人的に、これはプラットフォームではなくて、単なる「外注化」ではないかと思う。LEGOは製品開発機能をLEGO CUUSOOに、イーライリリーは研究開発機能をイノセンティブに外注したということだ。通常の外注と異なるのは、外注先が世界中に散らばっているという点である。

製品・サービスの4分類(修正)

製品・サービスの4分類(各象限の具体例)

 上図については、以前の記事「森本あんり『反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体』―私のアメリカ企業戦略論は反知性主義で大体説明がついた、他」や、ブログ別館の記事「『プラットフォームの覇者は誰か(DHBR2016年10月号)』」などを参照していただきたい。プラットフォームは、【象限③】に多く見られるパターンである。Amazon、Google、Appleは典型的なプラットフォーム型企業だ。元々【象限③】とは、必需品ではない製品・サービスを新たに創造するイノベーションである。アメリカ企業がこれを得意とするわけだが、アメリカ企業とて、一体どんなイノベーションがヒットするのかは解らない。一部のイノベーターが世界中の顧客の心をとらえて莫大な利益を獲得する一方で、何百、何千という死体が転がっているのが【象限③】である。

 イノベーターは、イノベーションの成功確率を少しでも上げるために、次々と新しい製品・サービスを市場に投入する。他のイノベーターも同じように行動するため、市場には、ありとあらゆる製品・サービスが乱立する。すると、成功確率を上げるために次々と製品・サービスを投入したのに、それがゆえにかえって自分のイノベーションが顧客に選ばれる確率が下がるという状況が生じる。そこで、イノベーターの中には、自分が最初にお金を払ってでもいいから(それも先行投資と見なす)、世界中に自分のイノベーションを広めたいと考える人が出てくる。

 ここで、プラットフォーム型企業の登場である。プラットフォーム型企業は、自社の莫大な顧客基盤を武器として、その顧客基盤にアクセスできる権限をイノベーターに与える。その代わりに、イノベーターからは登録料などの名目でお金を徴収する。これを、通常の卸・小売のビジネスモデルと比較すると下図のようになる。卸・小売の場合は、卸・小売業者が売り手から製品を購入し、代金を支払う。卸・小売業者はマージンを乗せてその製品を顧客に販売し、代金を回収する。あくまでも、売り手はお金をもらう人、買い手はお金を払う人という構図になる。

卸・小売とプラットフォームの違い

 他方、プラットフォーム型企業は、イノベーターが自社のプラットフォームにイノベーションを登録する際に手数料を徴収する。プラットフォーム型企業は顧客にイノベーションを販売し、代金を回収する。その後、プラットフォーム型企業のマージンを抜いた残金をイノベーターに支払う。つまり、プラットフォーム型企業は、売り手と買い手の双方からお金をもらう。もちろん、卸・小売業においても、売り手から卸・小売業者に対するリベートは存在するが、過度なリベートは違法扱いされる。しかし、プラットフォーム型企業がイノベーターから徴収する手数料は合法である。

 もう1つ、図には描き切れなかったが、卸・小売業とプラットフォーム型企業には重要な違いがある。卸・小売業者は顧客のニーズを先読みして、顧客がほしがるであろう製品を仕入れる。見込みが外れれば卸・小売業者が在庫リスクを被らなければならない(もっとも、契約によっては売り手が在庫リスクを負うケースもある)。これに対して、プラットフォーム型企業は顧客のニーズを聞かなくてよい。とにかくたくさんのイノベーターに自社のプラットフォームに登録してもらい、どれかが大ヒットすれば御の字である。仮に大部分のイノベーションが失敗に終わっても、プラットフォーム型企業は登録手数料で一定の収益を上げているから問題ない。

 先ほど、Amazonはプラットフォーム型企業だと書いた。Amazonは顧客主義を自負している。なるほど、Amazonで買い物をするたびに、他の製品を勧めてくるアルゴリズムは天下一品かもしれない。しかし、私はAmazonから自分のニーズを直接聞かれたことはない。私が最近共産主義や全体主義に関する本を購入しているのは、ファシズムと神の関係を整理したいと考えているためなのだが、Amazonのアルゴリズムではそこまでは予測できない。全体主義の本を買えば、全体主義に関連する書籍しかレコメンドされず、神学関連の書籍は出てこない。

 プラットフォーム企業は【象限③】に特有の形態であった。ところが、近年は日本企業が主戦場とする【象限②】や、多くの国で雇用の受け皿となっている【象限①】にも進出しつつある。【象限②】ではIoTを活用したプラットフォームが、【象限①】ではP2Pを活用したプラットフォームが生まれている(ブログ別館の記事「『プラットフォームの覇者は誰か(DHBR2016年10月号)』」を参照)。最近、AIが人間の仕事を奪うと話題になっている。しかし個人的には、アメリカのプラットフォーム型企業が、【象限②】や【象限①】の従来型企業を自社のプラットフォームに組み込み、従来型企業から利益を収奪する未来の方が恐ろしいと感じる。

 (2)
 第3世代のフィンテックは、B2CをB2F(Business to Family)へと変革させる引き金となる可能性を秘めている。先の挿話でいうならば、それまではA博士個人が自律的に購買意思決定をして済まされていた多くの商取引について、リアルタイム連結会計システムの導入によって、家族であるB博士との合意形成プロセスを経なければならなくなる蓋然性が高まったのである。これはつまり、個人的消費ではなく、家庭的消費の視点の協調を意味する。これまでは個人の好みと満足度に焦点をあわせていればよかったが、これからは家族の好みと満足度をも考慮した経営が求められる可能性がある。
(土岐大介、岡田幸彦「フィンテック 「私だけの金融サービス」時代の到来と意思決定プロセスの変革」)
 個人的には、B2CからB2Fへの転換は、フィンテックが引き金となるとは思わない。優れた営業担当者は、お金を出す人と、お金を出す意思決定を下す人が異なる場合があることをよく知っている。10年以上前の話になるが、日産は自動車の購買意思決定を分析した結果、お店に来るのは夫であるが、実際に購買意思決定をするのは妻であることを発見した。そこで、製品開発チームの女性メンバーの数を増やし、女性目線での新車開発を行ったという。

 B2CのビジネスにおいてB2Fへの転換が見られるとすれば、B2Bのビジネスにおいては、言わばB2I(Business to Industry)への転換が必要になる。従来のベンダーの営業担当者は、単に顧客企業のニーズを聞いていればよかった。だが、顧客企業が何らかの製品・サービス・ソリューションを導入するのは、顧客企業にとっての顧客に対する価値を高めるためである。優れたB2Iビジネスの営業担当者は、顧客企業のニーズをくみ取るだけでなく、顧客企業の先にいる顧客のニーズを推定し、そのニーズを満たすために顧客企業にとって必要な製品・サービス・ソリューションを提案する。そのためには、顧客企業が相手にしている市場への洞察と、顧客企業の事業に対する深い理解が欠かせない。これが本当の意味での「ソリューション営業」であろう。

 (3)『一橋ビジネスレビュー』では、5回に渡って「無印良品の経営学」という連載が掲載され、本号がその最終回であった。近年、無印良品は海外展開を積極的に行っているが、現地よりも本社の権限が強いという印象を受けた。
 松崎は海外事業の成長のため、海外事業部にあった商品供給機能を、衣服・雑貨部、生活雑貨部に移管し、各部に海外商品担当を設置するよう話していた。良品計画の社員が海外事業に関心を持ち、ダイレクトコミュニケーションを持つ必要性を、松崎はアジア・業務担当部長のときから実感していた。
 2009年2月に現地の対応を実施していた店舗設計が全社の店舗開発部に海外担当として統合された。同じく2月に、ロンドンにあった商品開発機能を日本に移管した。無印良品らしくない商品が生まれていたためと、会長となった松井は言う。
 無印良品は元々、西友のプライベートブランドとして誕生した。その西友がウォルマートと提携したことによって、ウォルマートから学ぶところも多かったようだ。
 松崎は、西友時代にウォルマートから、現地での個別フォーマットの対応ではなく、標準化された得意なフォーマットで戦う意義を学んだという。
 おそらく、現時点ではこれで問題ないのだろう。だが、無印良品は(1)で示したマトリクス図で言うと【象限①】に該当する。【象限①】は、各国・地域の生活習慣の違いがニーズに反映されるため、製品・サービスの標準化が難しい領域である。ある程度までは標準化路線で行けるものの、その先さらに成長するためにはどうしても現地化が欠かせない。そのことは、他ならぬウォルマートが示している。ウォルマートでさえ、最近は国・地域ごとの店舗の違いを許容している。

 現在の無印良品は、「無印良品らしさ」を確立することに集中しているのだと思う。「無印良品らしさ」がないままに現地化をすれば空中分解する。「無印良品らしさ」という核を守りつつも、現地のニーズに合わせた製品・サービスのカスタマイズが要求される時期が必ず訪れる。それはおそらく、5~10年後ぐらいであろう。その際に無印良品が学ぶべきは、ウォルマートではなく、現地化経営を徹底しているネスレではないかと思う(ネスレについては、ブログ別館の記事「『凄いネスレ 世界を牛耳る食の帝国/【2017年新卒就職戦線総括】今年も「超売り手市場」が継続 選考解禁前倒しも競争は激化(『週刊ダイヤモンド』2016年10月1日号)』」を参照)。

 現地化経営にはもう1つのメリットがある。それは、現地に権限が分権化されることで、現地の組織の階層が増え、キャリアパスができることである。現在の無印良品は、本社に権限が集中しているため、現地の組織構造はかなりフラットであると推測される。一方で、海外事業の急成長に伴って、多くの現地社員を抱えるようになっている。現地の無印良品に勤めていてもキャリアの先が見えていると現地社員が悟った瞬間に、現地社員が集団で離職する恐れがある。それを防ぐためにも、現地に製品開発や店舗開発などの機能を移管する。すると、現地組織のポストが増える。現地社員は、頑張って仕事をすれば新しいポストに就けると思えるようになる。




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