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『一橋ビジネスレビュー』2018年SPR.65巻4号『次世代産業としての航空機産業』―「製品・サービスの4分類」修正版(ただし、まだ仮説に穴あり)
ジャック・ビーティ『マネジメントを発明した男 ドラッカー』―右派とも左派ともとれるドラッカー思想の4ポイント
『経営の未来(DHBR2013年3月号)』―自社の経営が優良かどうかを判定するサーベイ

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谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京都城北エリア(板橋・練馬・荒川・台東・北)を中心に活動する中小企業診断士(経営コンサルタント、研修・セミナー講師)。2007年8月中小企業診断士登録。主な実績はこちら

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2018年04月16日

『一橋ビジネスレビュー』2018年SPR.65巻4号『次世代産業としての航空機産業』―「製品・サービスの4分類」修正版(ただし、まだ仮説に穴あり)


一橋ビジネスレビュー 2018年SPR.65巻4号: 次世代産業としての航空機産業一橋ビジネスレビュー 2018年SPR.65巻4号: 次世代産業としての航空機産業
一橋大学イノベーション研究センター

東洋経済新報社 2018-03-19

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 以前の記事「土屋勉男、金山権、原田節雄、高橋義郎『革新的中小企業のグローバル経営―「差別化」と「標準化」の成長戦略』―共著と中小企業研究の悪癖が両方とも出た1冊」で、技術的に突っ込んだ話がなかったことに不満を表明したが、今月号の『一橋ビジネスレビュー』は東京大学航空イノベーション研究会とタッグを組んで、これでもかと技術的な話をつぎ込んできたため、技術音痴の私の頭には論文の内容があまり入ってこなかった(わがまま)。それでも、従来の私のアイデアを修正するヒントが得られたので、今回はそれを記事にしてみたい。

 前々から、「必需品か否か?」、「製品・サービスの欠陥が顧客の生命(BtoCの場合)・事業(BtoBの場合)に与えるリスクが大きいか否か?」(別の言い方をすれば、「製品・サービスに高い品質基準が要求されるか否か?」)という2軸でマトリクスを作って、世の中の製品・サービスを4つのカテゴリに分類できないかと考えてきた。これまでの最新版は、以前の記事「「製品・サービスの4分類」に関するさらなる修正案(大分完成に近づいたと思う)」で示した図①であったが、本号を読んで図②のように修正することとした。

○図①
製品・サービスの4分類(②各象限の具体例)

○図②
【修正版】製品・サービスの4分類(各象限の具体例)

 <象限④>について、2つの修正を行った。1つ目は<象限②>に位置づけていた「航空」を<象限④>に移動させたことである。@niftyニュース「飛行機についてのアンケート・ランキング」によると、2013年4月~2014年3月の間に1回も飛行機に乗ったことがない人の割合が61%であったため、航空は必需品とは言いがたい。2つ目として、「テーマパーク・遊園地」を<象限④>に追加した。これは今まで全く欠落していたのだが、テーマパーク・遊園地というのは必需品ではないものの、設備トラブルがあれば顧客の生命を脅かすため、<象限④>に入れた。ディズニーランドが重視する4つの価値観のうち、最上位に位置しているのは実は「安全」である。

 (※)この修正に伴い、以前の記事「『顧客は何にお金を払うのか(DHBR2017年3月号)』―USJ、Supership(nanapi)、ユニリーバの戦略比較」でUSJを<象限③>としていたが、今後は<象限④>に位置づけることとする。

 まず、<象限①><象限②>と<象限③><象限④>の違いについて、改めて説明したいと思う。<象限①><象限②>は多神教的世界、<象限③><象限④>は一神教的世界であり、<象限①>は新興国が、<象限②>は日本が、<象限③><象限④>はアメリカが強い。<象限③><象限④>は必需品ではなく、ニーズを一から掘り起こす必要があるイノベーションの世界である。ニーズが存在していないないから、伝統的な市場調査は役に立たない。そこで、リーダーは自分自身を最初の顧客に見立てて、「自分はこういう製品・サービスがほしい」と構想する。そして、「自分がこれだけほしがっているのだから、世界中の人も同じようにほしがるはずだ」と考えて、その製品・サービスを世界中に普及させることを唯一絶対の神と契約する。リーダーがエバンジェリスト(伝道者)となって世界中に布教すると言ってもよい。

 以前の記事「『正論』2018年2月号『本誌に突きつけられた朝日新聞”抗議書”に言論で答える/ワシントンを火の海にする狂気』―「朝日新聞に社是はない」で笑ってしまった」で書いたように、イノベーションとはリーダーがこれだと思うルールを世界に適用する演繹的な取り組みである。リーダーはトップダウンでイノベーションを推進する。イノベーションは必需品ではないため、購入・利用しない人は全く見向きもしないが、熱狂的なファンはその製品・サービスを必要以上に購入・利用する。そのため、市場規模が読みづらい。後者の顧客の存在を前提として、リーダーは野心的な目標を設定する。ただし、契約が正しいかを知っているのは神だけである。契約が正しければイノベーションは全世界で成功し、リーダーは巨万の富を得る。契約が間違っていればイノベーションは静かに死を迎える。そして、間違っている契約の方が圧倒的に多い。

 海外の航空機産業では、国がリーダーとなり、トップダウンで事業を進めているという。
 アメリカにおいては、大統領の決定による、省庁横断の政策文書「国家航空研究開発政策」により、航空研究開発におけるアメリカ政府の役割を明確に定義し、NASA(アメリカ航空宇宙局)は研究開発を実施している。また、欧州においては、「Flightpath 2050」という航空ビジョンに基づいて、戦略研究イノベーション計画が制定され、これにのっとり、DLR(ドイツ航空宇宙センター)、ONERA(フランス国立航空宇宙研究所)ともにトップダウン形式での研究開発を行っている。
(岩宮敏幸、大貫武、白水正男「日本の航空技術と国際競争力」)
 さらに言えば、たとえ成功したとしても、多くのイノベーションは短命である。中には世界中の人々の必需品となって<象限①>や<象限②>に移動するものもあるが、多くは流行が過ぎ去れば急激に市場がしぼんでいく。そうなる前に、リーダーは自社株買いによって株主に利益を還元しながら事業を縮小したり、自社を他の企業に売却してエグジットを図ったりする。いずれにしても、その過程でリーダーは大きな富を手中にし、後は悠々自適な生活を送る(ただし、航空機産業は国家の安全保障とも関連しているから、航空機メーカーが勝手に店じまいすることは国が許さない。航空機メーカーは数十年単位のサイクルで新型機を投入し続ける)。

 イノベーションのプロモーションは、世界中の人々に「この製品・サービスを使え」と迫るような、半ば脅迫的なものである。そしてリーダーは、そのプロモーションに対する市場の反応を数字で追っている。リーダーは、全世界に配置したプロモーション担当から、各種プロモーションに関する情報を報告してもらう。リーダーはそれを分析し、A地域でイノベーションを受け入れてもらうためにはどうすればよいか、B地域で受け入れてもらうにはどうすればよいか、などと考える。つまり、リーダーはインテリジェンスを重視する。A地域やB地域の顧客ニーズの違いを考慮して製品・サービスをカスタマイズしようとはしない。カスタマイズするのはプロモーションの内容の方であり、A地域やB地域の人々の心理的特性に応じて、発信するメッセージを変える。

 リーダーのモチベーションの源泉は、「自分が考案したイノベーションを全世界に広めたい」という「自己実現」の欲求である。そのために自らに高い目標を課す。そして、その目標を達成するのに必要な要件をCSF(Critical Success Factor:重要成功要因)として演繹的に特定し、KPI(Key Performance Indicator:重要業績指標)を紐づける。つまり、成功の条件をごく限られた数の指標に帰結させる(その中には前述のプロモーションに関する指標も含まれる)。イノベーティブな組織の業績管理や人事考課は全て、このCSFやKPIと結びつけられている。

 リーダーは、そのKPIの達成に向けて、世界中から優秀な人材をかき集める。ただし、前述のようにイノベーションは短命であり、リスクが高いので、あまり多くの正社員を抱え込もうとはしない。たいていは外部の優秀なクリエーターたちを集めてプロジェクトを結成する。正社員に関しても、プロジェクトの特性に応じて最高の人員配置を追求するため、上を下への人事異動が頻発する。プロジェクトが終われば外部のクリエーターはその企業を離れて別の企業を探し、正社員はまた乱高下の激しい人事異動を経て別のプロジェクトへと移っていく(航空機に関しては、優秀な開発者は開発が終わるとメーカーを渡り歩くが、メーカーの中には囲い込みのためにそのような渡り歩きを禁止しているところもあるそうだ)。

 競合他社との関係について言えば、最初は市場を創造するという必要性から、協調的であることが多い。普及を妨げる旧来の規制を破壊したり、市場の確立に必要な標準や規格を一緒に構築したりする。ところが、ある程度市場が成長すると、競合他社との関係は敵対的になる。プロモーションでは競合他社のことを公然と攻撃する(日本やEUでは敵対的CMが規制されているため、目にする機会はない)。あるいは、標準や規格に組み込んでもらった自社の標準必須特許をめぐって、法外な使用料を請求したり、差止請求を起こしたりする。

 とはいえ、競合他社がいるからこそ自社が差別化できることを踏まえれば、競合他社は自社のアイデンティティ確立のために必要不可欠な存在だと言える。よって、競合他社を完膚なきまでに叩きのめそうとはしない。その点では、常に敵チームを必要とするスポーツに近い。そう言えば、スポーツもエンタメの一種として<象限③>に位置づけられるものであった。

 <象限①>や<象限②>は、既に市場ニーズが存在している世界であり、マーケティングやマネジメントが武器となる。過去の経験上、こうすれば成功できるという法則がある程度解っているため、一見すると演繹的に事業を行えばよいように見える。しかし、顧客のニーズは時間の経過とともに微妙に、時には急激に変化するから、顧客に密着したニーズの調査が欠かせない。そして、顧客の直接的な観察を通じて得られた知見から、今回はこうすれば上手くいきそうだという仮説を立てる。よって、<象限①>や<象限②>は帰納的であると言える。ただし、帰納的に導かれたルールが全世界で通用するというわけではなく、あくまでもその企業が活動するフィールドや文脈においてのみ有効であるという点に注意しなければならない。

 <象限①>や<象限②>は多神教的な世界であると書いた。この2つの象限は、<象限③>や<象限④>が全世界をターゲットとするのに対し、市場を細かくセグメンテーションする。<象限①>の場合、「○○地域に住んでおり、年収は○○万円ぐらいで、○○という価値観を重視している、○○歳~○○歳ぐらいの女性」に対して日用品を販売する、といった具合だ。そして、この日用品メーカーは、同じ顧客をターゲットとする他の企業、例えば、アパレルや食品スーパー、飲食店などと連携する。特定の顧客に対してあたかも多角化をしているかのように事業を展開するのが<象限①>であり、これが多神教的であることの意味である。この形態はショッピングセンターや商店街に見られる。新興国の場合は、財閥が力を持っており、同じ財閥が日用品メーカー、アパレル、食品スーパー、飲食店などを傘下に収めていることが多い。

 <象限②>の場合、製品・サービス面での多様な広がりではなく、顧客面での多様な広がりが見られる。<象限②>の企業は細かくセグメンテーションしたその全てに対し、各セグメントの特性に応じて異なる製品・サービスを提供しようとする。古い話になるが、トヨタが「いつかはクラウン」というキャッチコピーで若者からシニアに至るまで異なる車種を展開したのが解りやすい例である。つまり、<象限②>では、特定のジャンルの製品・サービスを全ての顧客に合わせて提供するという意味で多神教的である。<象限③>や<象限④>も同じように全ての顧客をターゲットとするが、前述の通り、この2つの象限に属する企業は、顧客ニーズに合わせて製品・サービスをカスタマイズしようとは考えない。この点で<象限②>とは大きな違いがある。

 顧客志向が強いマネジャーのモチベーションの源泉は、「他者貢献」の欲求である。プロモーションも、<象限③>や<象限④>に比べると抑制的である。<象限③>や<象限④>のプロモーションが強烈なプッシュ型であるのに対し、<象限①>や<象限②>はプル型重視へと移行している。利他に徹することで、自分の目の前にいる顧客に何としてでも満足してもらいたいというのがマネジャーの願いである。「自分が考えたイノベーションを全世界に普及(布教)させたい」と「自己実現」を狙っているイノベーターとは対称的である。

 マネジャーは顧客から「こんな製品・サービスを作ってくれて本当にありがとう」と言われるとモチベーションが上がる。同時に、「こんな製品・サービスを作りやがって」とネガティブなフィードバックを受けても、かえって燃え上がるというマゾヒスティックな一面もある。

 <象限①>や<象限②>のマネジャーは現場を重視する。顧客と直接会って話をする、顧客を観察する、工場に足を運ぶ、といった具合だ。こうして得られた情報に基づき、ボトムアップ的に目標を設定する。ここからが<象限①>や<象限②>の不思議なところだが、ボトムアップでトップに上げた目標をトップから再び現場に展開する際、上位階層と下位階層の目標の因果関係が複雑になるという特徴がある。別の言い方をすると、上位階層の目標の達成に必要な目標以上の目標が下位階層には課される。具体的には5Sや挨拶の重視や能力開発の実践といった細かい目標である。一見すると、上位階層の目標の達成には無関係に見える目標でも、重要な目標とされる。<象限①>や<象限②>の目標管理は往々にして総花的である。

 市場ニーズが読めずリスクが高い<象限③>や<象限④>では、フラットなプロジェクト型組織が見られるのに対し、<象限①>や<象限②>では、市場の成長がある程度計算できることから、伝統的な階層型組織が採用されるのが一般的である。<象限③>や<象限④>では上を下への人事異動が頻発すると書いたが、<象限①>や<象限②>ではそのような人事はレアケースである。多くの場合は、段階的に出世の階段を上がっていくことになる(ただし、市場が成熟している場合は、永遠に階層型組織を拡大することができず、全員を昇進させることは不可能になることは、以前の記事「平井謙一『これからの人事評価と基準―絶対評価・業績成果の重視』―「7割は課長になれない」ことを示す残酷な1枚の絵」で書いた)。

 競合他社との関係を見ると、表向きはもちろん激しく競争するが、裏では協調的な行動を取り、共存共栄を図っている。日本は業界団体の数が多く、競合他社の戦略がある程度共有されている。だから、どの企業も似たような新製品・サービスを同時に発表するし、必要とあれば競合他社と組んで新製品・サービスを開発することもある(自動車業界はメーカー間の協業関係が非常に複雑である)。ただし、共存共栄が行き過ぎると建設業界のような談合が起きるし、斬新なアイデアで市場に切り込もうとする新規参入企業をのけ者扱いするという悪癖が出る。

 <象限①>と<象限②>、<象限③>と<象限④>はいずれも競合他者の存在を必要としているが、どれくらい本気で必要としているかは、競合他社が経営不振に陥った時に見えてくる。<象限①>や<象限②>では、その競合他社がいなくなるとその企業から製品・サービスを買っていた顧客が困るから、あるいは業界の輪が乱れて困るから救済に乗り出すことが多い。これに対し、<象限③>や<象限④>では、競合他社の不振につけ込んで、その企業が持っている技術やノウハウを獲得しようという利己的な動機で救済に乗り出す。

 ここからはそれぞれの象限の違いを述べてみたいと思う。まずは、産業のバリューチェーンについてである。<象限①>は、製造の階層が少なく、流通・サービスの階層が多い。例えば、家電には自動車ほどの多重下請け構造はない。一方、流通に関しては、食料品や日用品において多重流通構造が存在する。<象限②>は、製造の階層も流通・サービスの階層も多い。自動車や建設、IT(BtoB)業界は多重下請け構造となっている。工作機械、機械器具の流通は多段階である。<象限③>は、製造の階層も流通・サービスの階層も少ない。映画には主に制作会社、配給会社、映画館という3種類のプレイヤーが存在するだけである。<象限④>は、製造の階層が多く、流通・サービスの階層が少ない。航空機は100万点の部品を必要とする、裾野が非常に広い製品である。一方、フライトに関しては、航空会社という1レイヤーしか存在しない。

 ただ、この産業のバリューチェーンについての記述は、まだ粗い仮説であることをご了承いただきたい。<象限②>の流通・サービスの階層は、実は短い方が多いのではないかと考えている。自動車や金融は販売チャネルが多段階になっていないと思う。「<象限②>は製造の階層も流通・サービスの階層も多い」と言うことができれば、4象限それぞれの違いがはっきりとするのだが、現時点でそのように断言できないのが私の中でもどかしいところである。

 規制に関しては、<象限①>では雇用を守る規制が多い。参入障壁が比較的低く、雇用の受け皿となっているためである。よって、大規模資本の参入は規制されやすい。日本で言えば、かつての大店法(大規模小売店舗法)がそうであった。新興国は、経済発展のために海外からの直接投資を積極的に受け入れているが、小売業に関しては自国民の雇用を守る目的で参入を規制しているケースが多々見られる(例えば、インドは外資の小売業を受け入れる意向がないことを明言している)。<象限②>は、欠陥が顧客の生命・事業に及ぼすリスクが大きいので、顧客を守る規制が多く策定されている。<象限①>や<象限②>ではこうした規制を前提として事業を行う必要があるが、<象限③>のプレイヤーは規制を破壊する。googleは著作権のルールを変えてしまったし、Airbnbも宿泊業の規制に真っ向から対立した。<象限④>は<象限③>のように敵対的ではなく、規制や規格を官民共同で策定しようとする傾向が強い。

 航空機産業では、この規格作りに参加できるかどうかがカギとなる。
 FARでは、安全上重要な要素に関しては10の9乗時間(約11万年)に1回の故障しか認めていない。これを実際の試験で証明するのは不可能に近いため、高度な解析が要求される。実際には、民間の非営利団体(アメリカのSAEやRTCA)において、業界関係者、研究者などがガイドラインを制定し、それをFAAなどの規制当局が引用する傾向にある。さらに、複雑な大規模システムの認証や、ソフトウェアの認証には、その開発プロセスや検証プロセス自体を規定するガイドラインも策定されている。こうしたガイドライン作りに参加しなければ認証方法を理解することが困難委であり、そのためには、その業界の一員でなければならない。
(鈴木真二「航空機産業を俯瞰する」)
 三菱重工業はMRJを開発するにあたって、このようなルールを策定する会議に参加していなかったため、頻繁な設計変更を余儀なくされたと述べられている。
 どういうデザインが許容されるか、あるいはされないのか、どこにも情報は公開されていないが、後述するように、航空局を含む世界の専門家が集まって、基準のドラフト作成、解釈や運用変更を協議する規則制定(ルールメーキング)の場が分野ごとに多数存在する。継続する旅客機開発からの経験の蓄積に加え、これらの会合に出席していれば、背景にある課題認識や適用範囲などに関する専門家の意見や合意事項を的確に理解し、こうした設計変更を最小限に抑えることも可能だっただろう。しかし、こうした協議の場の重要性は、MRJ開発までは明確には認識されていなかった。
(伊藤一彦、佐倉潔、小林真一、田浦伸一郎「MRJの取り組み 課題と展望」)
 最後に、異業種との関係であるが、これは<象限①>と<象限③>、<象限②>と<象限④>で違いが見られる。<象限①>と<象限③>は異業種に対して比較的開かれている。<象限①>が異業種に対して開かれているのは、前述の通り、特定セグメントの顧客に対し、様々な業種と連携して製品・サービスを提供するからである。日常品や食料品のメーカーは、協力しながら小売店を育てていく。<象限③>については、そもそもイノベーションというものが異質の組み合わせによって生じることが関係している。<象限③>では、異業種連携は大歓迎である。それが如実に表れているのが、昨今のオープン・イノベーションブームである。

 これに対して、<象限②>と<象限④>は異業種に対して閉鎖的である。要求される品質基準が高く、特定のジャンルの製品・サービスに高度に特化しなければならないことがその理由の1つだと考えられる。ただし、<象限②>に関して言えば、例えば自動車×IT(自動運転)、金融×IT(Fintech)、医療×ITといった具合に、IT業界が旗振り役となって異業種連携を推進する動きが現れている。<象限②>と<象限④>における新製品開発は、どちらも製造段階の多重下請け構造を特徴とすることから、垂直方向の擦り合わせによってなされる場合が多い。

2015年06月08日

ジャック・ビーティ『マネジメントを発明した男 ドラッカー』―右派とも左派ともとれるドラッカー思想の4ポイント


マネジメントを発明した男 ドラッカーマネジメントを発明した男 ドラッカー
ジャック ビーティ Jack Beatty

ダイヤモンド社 1998-04

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 「ドラッカー山脈」とも呼ばれるドラッカーの経営学を一気に紹介した1冊である。しばしば、ドラッカーは右派なのか左派なのかよく解らないと言われる。この点についてドラッカー本人は、自分の思想は古典派経済学が基本であり、明確な右派であると回答している(『マネジメント・フロンティア』所収のインタビューより)。本書を読んで改めてドラッカーの思想を振り返ってみると、確かに右派なのか左派なのか解らなくなる箇所が4点ほどあった。

 (1)分権化とフラット化
 ドラッカーはGMの研究を通じて、分権化の重要性を訴えた。ドラッカーが提唱した数多くのコンセプトの中で、分権化は最も人気の高いものの1つである。1980年代までに、フォーチュン500社の75~80%が、ドラッカーに影響されて分権化を実施したと言われているらしい。分権化は、本社の経営陣にとっては、各部門に対し仕事のやり方を細かく指示しなくてよいというメリットがあった。一方、事業部門の若いエグゼクティブにとっては、キャリアの早い段階でマネジメントに参加し、経験を積むことで、本社のポストに昇進した後の問題を軽減することができた。

 分権化とは、意思決定の権限をより現場に近いところへ移す。究極的には、現場の人間が意思決定をすれば、組織は最も早く行動することができる。よって、分権化を推し進めれば、必然的に組織のフラット化につながる。ところが、ドラッカーは、1990年代に入ってからかつてないほど進行したフラット化に対して、危機感を募らせていた。分権化には、リーダーシップを発揮できる人材の育成という目的も込められていた。しかし、フラット化はその側面を破壊する。エグゼクティブを育てるファーム・2軍がなくなり、組織の全部が1軍になってしまう、というわけだ。

 (2)マネジャー的な存在と経営への参加
 本書のタイトルにもあるように、ドラッカーの最大の功績はマネジメントを発明したことである。別の言い方をすれば、マネジメントを企業のトップだけではなく、あらゆるエグゼクティブのものにしたことである。ドラッカーの言うエグゼクティブの範囲は広い。エグゼクティブについて論じた『経営者の条件』では、時間の使い方について意思決定する者は皆エグゼクティブであると定義されている。この定義に従えば、ほとんど全ての労働者がエグゼクティブと言えよう。

 ドラッカーは、今までマネジメントと無縁であった人々がマネジメントを学ぶにはどうすればよいかを検討した。初期の頃は、例えば工場労働者に社員食堂の運営をさせるとか、企業の福利厚生プログラムの企画・実行に社員を関与させるといった具合に、職場のコミュニティ活動を社員に任せることを提案した。だが、そのような素朴な手法はやがて主張されなくなった。もっと直接的な表現で、社員一人一人が自分の仕事のやり方、作り出した製品・成果物などを、マネジャーが見るような視点から見る態度を習得しなければならない、と述べている。

 下位のマネジャーは、上位のマネジャーのために仕事をしている。ということは、下位のマネジャーの視点を持つ人がもっといい仕事をするためには、上位のマネジャーの仕事も理解する必要がある。この考え方を突き詰めていくと、視点は組織階層をどんどんと上に上って行き、現場社員はトップの仕事を理解しなければならない、ということになる。もっと急進的な人は、現場社員をトップの意思決定に「参加」させようとするだろう。しかし、ドラッカーは参加という言葉をひどく嫌った。企業経営に社員が参加することはあり得ないと断言している。企業経営は、相応の訓練を受けたエグゼクティブにしか遂行できないと言う。

 ドラッカーは、自分が与えられた職務の中でマネジメントを実行せよと言いたかったのではないだろうか?端的に言えば、「しゃしゃり出るな」ということである。その代わり、自分の守備範囲内の仕事は、周りからあれこれ言われなくとも確実に貫徹しなければならない。自分に求められている成果を明確にし、成果を実現するための手段・プロセスを確立し、そのプロセスに投入する資源を自ら調達・コントロールし、得られた成果を厳しく評価することを要求したわけである。

 (3)賃金・雇用の保障
 古典派経済学に素直に従えば、賃金や雇用は労働の需給バランスによって自由に決まる。もっとも、この考え方をそのまま実現している社会・経済システムはまず存在しない。何らかの賃金・雇用保障を組み合わせることで、労働者の生活を保護しているものだ。ドラッカーの主張はもっとストレートである。GMの研究をまとめた『企業とは何か』では、賃金保障について言及している部分がある。賃金保障を行えば、景気が悪くなってレイオフ(一時解雇)されても、社員の家族は標準的な生活水準を確保することができる、としている。

 ドラッカーは、大恐慌の時代に雇用を維持したIBMを絶賛している。IBMは、大恐慌の期間中にもかかわらず成長を遂げた。それは、IBMの戦略が功を奏したからである。まず、既存製品の新しいユーザーや新しい利用法を発見することに注力した。次に、まだ満たされていない需要を掘り起し、それを満たす新製品を開発した。さらに、外国市場の開拓や輸出の促進にも取り組んだ。企業はIBMのような雇用維持に努めなければ、社員に対して前述したマネジャー的な態度という厳しい責任を要求する正当性がないというわけだ。

 ドラッカーは『現代の経営』の中で、「事業の目的は『顧客の創造』というただ1つである」という有名な言葉を残した。ドラッカーのこれまでの主張を踏まえれば、単に顧客を創造するだけでは不十分ということになるだろう。自社の社員という経営資源を維持・活用しながら、という条件つきの下で、顧客を創造しなければならない。しかし、事業の目的とこの条件は、独立した箇所で論じられており、相互の関係については、実はあまり深く論じられていないように感じる。

 また、企業は賃金や雇用を維持すべきだと主張している一方で、政府がそのような社会保障策を積極的に展開することには否定的である。製造業の国際競争力強化によってブルーカラーの雇用削減を行うよりも、ブルーカラーの雇用確保の方を優先させる国や産業は、生産も雇用も失う。製造業におけるブルーカラーの職を早く減らせば減らすほど、国全体の失業は少なくて済む、と指摘している。この点も含めて、全体の論理的整合性をどう考えるかも難しいところだ。

 (4)小さな政府か大きな政府か?
 ドラッカーは『断絶の時代』の中で、政府に対する幻滅を吐露している。1918~60年までに成人した成人は、政府と相思相愛だったらしい。ところが、国民が政府に奇跡を期待した結果、その反動として幻滅しか感じなくなった。こうした政府批判に奮起し、政府には通貨の印刷や戦争の遂行以上の役割があると息巻いていたのがニクソン大統領であった。しかし、彼は結局、通貨を増発してインフレを進行させ、ベトナム戦争とウォーターゲート事件を起こしただけであった。

 だからといって、ドラッカーは、政府を解体して適者だけが生き残るダーウィン的な資本主義を説くわけではない。また、それより多少穏便に、政府の弱体化を進め、小さな政府を実現させようとするわけでもない。国民が政府に幻滅していても、政府には政府にしかできない役割があると主張する。その1つが、子どもの長期学校教育ばかりに偏っていた教育の方向性を転換し、大人の継続的学習に注力する、というものである。知識労働者(これもドラッカーの発明品だ)が知識を更新し続けるために、政府は成人学習の機会をもっと整備しなければならない。

 ドラッカーは、「右派だからこういう風に論じなければならない」、「左派の立場に立てば必然的にこういう結論になる」という機械的な論理構成を嫌ったに違いない。ドラッカーは、「機能する社会」というものを常々目指していた。機能する社会とは、全ての構成員が何らかの地位や役割を持つ社会である。ドラッカーは、人が社会の中で地位・機能を失うことは、その人の尊厳を失うことであると考えた。ドラッカーは、右派や左派というカテゴリーを超えて、人間が尊厳を保つためにはどうすればよいのか?という観点から自らの思想を構築したのであろう。

2013年03月14日

『経営の未来(DHBR2013年3月号)』―自社の経営が優良かどうかを判定するサーベイ


Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2013年 03月号 [雑誌]Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2013年 03月号 [雑誌]

ダイヤモンド社 2013-02-09

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 DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2013年3月号で興味深かったのが、ニコラス・ブルームらの「経営の基本はいまだ通用するか」という論文。以下に示す経営の基本的な原則を実践している企業は本当に高い成果を上げているかをグローバル規模で調査したものだ。
(1)目標:長期的目標を定め、短期的成果について厳しく実現可能なベンチマークを設けているか。
(2)インセンティブ:成績優秀者に昇進とボーナスで報い、成績不振者の再教育や異動を行っているか。
(3)モニタリング(監視):改善の機会を見つけるため、成果に関するデータを徹底的に収集、分析しているか。
 論文の著者によると、調査における経営スコアが1点増えると、生産性が23%向上し、株式時価総額が14%増加し、売上高の年間成長率が1.4ポイント増加するという。

 実際のサーベイは、World Management Surveyで受けることができる。製造業、小売業、病院、学校の4業種のうち、日本企業のベンチマーキングが可能な製造業の質問項目を以下に挙げる(私の超訳なので、間違っている箇所があったらご指摘ください)。なお、各設問につき1点~5点のスコアをつけるのだが、いずれの設問も2点は「1点と3点の間」、4点は「3点と5点の間」と記述されているため、以下では説明を割愛する。

Q1.あなたの企業では、現代的なリーン生産方式の手法のうち、どのような種類のものが導入されているか?
 1.サプライヤの納期遵守以外に、リーン生産方式はほとんど導入されていない(導入されているとしても、場当たり的である)。
 3.いくつかのリーン生産方式の手法が導入されている。ただし、非公式かバラバラの変革プログラムによる。
 5.主要なリーン生産方式の手法(ジャスト・イン・タイム、自働化、多能工化など)が公式に全て導入されている。

Q2.どのような目的でリーン生産方式が導入されたか?
 1.他社が導入しているから。
 3.コスト削減のため。
 5.(コスト削減を含め、)ビジネス上の目標を達成するため。

Q3.通常、問題の発見と解決はどのように行われているか?
 1.問題が起こってもプロセス改善は行われない。
 3.パフォーマンス改善のために、問題が起きた場所で働く全社員を巻き込んだ1週間のワークショップが開かれる。
 5.問題を構造化することは各社員の責任であり、問題の解決は特別なチームや資源を投入せず、通常業務の一部として行われる。

Q4.業績評価のために、どのような指標を使っているか?
 1.測定されている指標は、ビジネス上の目標とは無関係である。また、測定は場当たり的である(全く測定されていないプロセスも存在する)。
 3.大部分のKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)が公式に測定されている。測定は上位マネジメント層が行っている。
 5.業績は継続的に測定されており、全社員に対して、公式・非公式を問わず、視覚的なマネジメントツールを用いて指標の中身が伝えられている。

Q5.社員はどのようにして業績の評価を受けているか?
 1.業績の評価はほとんどない。また、あったとしてもあまり意味のある方法ではない。例えば、達成できたか失敗したかを知らされるだけである。
 3.定期的に成功と失敗の両方について、評価を受ける。評価の結果は、上位マネジメント層に伝えられる。ただし、明確なフォローアップ計画は採用されていない。
 5.成果は、業績評価指標に基づいて継続的に評価される。継続的な改善を行うために、あらゆるフォローアップを受ける。また、評価の結果は全社員に伝えられる。

Q6.業績評価の会議は、どのように実施されるか?
 1.建設的な議論のための情報やデータはほとんど存在しない。あるいは、意味のないデータに議論が集中する。明確なアジェンダも会議の目的も知らされない。
 3.評価会議は、適切な情報やデータを使って行われる。会議の目的もアジェンダも明確である。しかし、問題の本質的な原因は議論されない。
 5.定期的な評価会議は、原因の特定と問題の解決にフォーカスが絞られている。会議の目的、アジェンダ、フォローアップのステップも全員に明示されている。会議は建設的なフィードバックとコーチングの場となっている。

Q7.評価会議中に合意された目標が達成されなかったらどうなるか?
 1.合意した目標を達成できなくても何も起こらない。
 3.合意した目標が達成できなくても、しばらくの間は大目に見てもらえる。
 5.合意した目標が達成できなかった場合は、その人の弱みを克服するためのトレーニングが行われるか、その人の能力に合った職場へ異動となる。

Q8.企業レベルの目標としては、どのようなものが設定されているか?
 1.目標は財務的なもの、またはオペレーション面のものである。
 3.非財務的な目標も設定されているが、トップマネジメントの評価に関係するものに限られる(それらの目標に、組織の他の社員が関与することはない)。
 5.財務面、非財務面の目標のバランスが取れている。上位マネジメント層は、財務的な目標だけの場合よりも、非財務的な目標もあった方が、しばしば刺激的で挑戦的だと考えている(例えば、2003年までにシェア60%を達成する、など)。

Q9.企業の目標は何に基づいているか?また、企業の目標はどの程度個々の社員のレベルにまでブレイクダウンされているか?
 1.企業の目標は(株主価値と何の関係もない)会計上の数値に基づいている。
 3.企業の目標は株主価値に基づいて設定されているが、個々の社員に明確にはブレイクダウンされていない。
 5.企業の目標は株主価値に基づいて設定されている。企業の業績は、企業の目標がビジネスユニットを通じて個々の社員にまで明確にブレイクダウンされた時、飛躍的に伸びる。

Q10.どのくらいの時間軸で企業の目標をとらえているか?それらの目標はお互いに関連しているか?
 1.トップマネジメントの主たる関心は、短期的な目標に当てられている。
 3.組織の全階層において、短期・長期両方の目標がある。それらの目標は独立して設定されているため、必ずしも相互に関係がない。
 5.長期的な目標が短期的な目標に翻訳されている。そのため、短期的な目標が、長期的な目標に到達するための”階段”となっている。

Q11.企業の目標は野心的か?あなたはその目標に突き動かされていると感じるか?
 1.企業の目標は容易に達成可能である。マネジャーは意図的に目標を低く見積もっている。
 3.大部分の地域で、トップマネジメントは、明確な経済的・論理的根拠に基づく野心的な目標を掲げている。一方で、そのような厳格な基準に耐えられない”聖域”(=甘い目標)がいくつか存在する。
 5.企業の目標は全ての部門の力を結集させなければ達成できない。また、それらの目標は非常に厳格な経済的・論理的根拠に基づいて設定されている。

Q12.社員が個人の目標について尋ねられたら、何と答えるだろうか?
 1.成果を測定する方法は複雑でしっかりと理解できない。個人の成果は公にされていない。
 3.成果を測定する方法が確立されており、情報も行き渡っている。成果は組織のあらゆる階層で公にされているが、お互いに比較することは推奨されていない。
 5.成果を測定する方法がしっかりと確立されており、情報も十分に行き渡っている。また、あらゆる評価面談の場を通じて、個人の成果の情報は補足される。成果とランキングは、競争を活性化させるために公にされている。

Q13.企業において優秀な人材を惹きつけ、能力開発することは最重要課題であることを、上位マネジメント層はどのように示しているか?
 1.上位マネジメント層は、優秀な人材を惹きつけ、能力開発することは最重要課題であると認識していない。
 3.上位マネジメント層は、組織のあらゆる階層で優秀な人材を獲得することが勝利のカギであると信じており、またそのように話している。
 5.上位マネジメント層は、人材開発によって評価され、人材開発に責任を負っている。

Q14.どのような報酬システムを導入しているか?
 1.成果の大小にかかわらず、均等に報酬を受ける。
 3.成果と連動した報酬システムを導入している。
 5.野心的な目標と、成果と連動した報酬システムによって、競合他社よりも高い成果を上げようと努力している。

Q15.仕事ができない社員がいた場合、企業としてはどう対処するか?
 1.仕事ができない社員でも、めったにそのポジションから異動とはならない。
 3.仕事ができないと考えられる社員は、数年の間同じポジションにとどまる。
 5.弱みが見つかったらすぐに解雇するか、あまり重要ではないポジションに異動させる。

Q16.花形社員の特定や能力開発は行われているか?
 1.社員は在職期間に応じて昇進する。
 3.社員は成果に応じて昇進する。
 5.積極的に花形社員を特定し、能力開発を行い、昇進させている。

Q17.あなたの企業で働くことは、競合他社で働くことと比べて魅力的か?
 1.競合他社の方が、優秀な人材を惹きつけるだけの価値を持っている。
 3.社員に対して我が社が提供する価値は、競合他社が提供する価値に匹敵する。
 5.我が社は、競合他社よりもユニークな価値を優秀な人材に提供できる。

Q18.退職を考えている花形社員がいた場合どうするか?
 1.花形社員を引きとめるためにほとんど何もしない。
 3.花形社員を引きとめるために努力する。
 5.花形社員を引きとめるために必要なことは何でもする。

 試しに、前職の会社を製造業に見立ててサーベイを受けてみた。【ベンチャー失敗の教訓】シリーズをご覧いただければ結果は言わずもがなの低評価だが、参考例として掲載しておく。日本の製造業の平均("Overall Management")は3.2である。その内訳を見ると、日本の製造業は、"Operations Management"、"Performance Monitoring"、"Target Setting"、"Talent Management"の中で、"Talent Management"のスコアが低いことが解る。

Overall Management
Overall Management

Operations Management
Operation Management

Performance Monitoring
Performance Monitoring

Target Setting
Target Setting

Talent Management
talent Management





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