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【2018年反省会(1)】はじめに~資格学校の講師の仕事は止めるべきサインがあった
【中小企業診断士】中小企業経営・中小企業政策 解答・解説(2/2)【平成29年度1次試験】
【中小企業診断士】中小企業経営・中小企業政策 解答・解説(1/2)【平成29年度1次試験】

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谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京都城北エリア(板橋・練馬・荒川・台東・北)を中心に活動する中小企業診断士(コンサルタント・トレーナー)。ほとんど書評ブログ。双極性障害Ⅱ型を抱えながら頑張っています。

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

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2019年01月21日

【2018年反省会(1)】はじめに~資格学校の講師の仕事は止めるべきサインがあった


カフェで勉強

 年明けに水曜どうでしょうの「初めてのアフリカ」(2013年収録)を久しぶりに観てみた。放送された当時は大泉洋や藤村Dによる執拗な宣伝が企画の邪魔だと感じることが多々あった。ところが、このタイミングで観直してみると、もはやエッセイやグッズの賞味期限が切れているため当初の不満はどうでもよくなり、やはりどうでしょうらしい、いい意味でピントが外れた企画だと思うようになった。水曜どうでしょうは、「寝かせると面白くなる」という稀有な番組である。だから、もう20年以上前の企画であっても、未だに面白く見ることができるのだろう。

 「初めてのアフリカ」以降、どうでしょう班は3回ほど新作の旅に出ているはずである。その編集がようやく始まったという告知が年明けのHTBのCMで流れた。「編集が始まった」ということだけでCMを流してしまうHTBは相変わらず寛大な放送局である。藤村Dは編集が面倒くさかったなどと言い訳をしていたが、寝かせると面白くなることを知っていて、意図的に編集を放置していたのかもしれない。ともあれ、どうでしょう藩士としては、今年の新作放送が楽しみでならない。

 さて、私のブログは久しぶりの更新である。11月以降更新がストップしていたのは、2か月半ほど入院していたためである。2018年は3月に1か月間入院し、7月に1か月間自宅療養し、11月から翌年の1月中旬にかけて長期入院した。個人事業主として満足な仕事ができなかったがゆえに、相当焦っていた。焦って色々手を出すものの、何一つものにならなくて余計に焦り、かえって病状を悪化させるという悪循環にはまっていた。年明けに退院して大分気持ちが落ち着いたので、昨年1年間の出来事を自分なりに振り返ってみようというのが今回の【2018年反省会】シリーズである。このシリーズは寝かせるとさすがに時機を逸してしまうため、今から書き始める。ただし、いつまで続くか自分でも解らない。「初めてのアフリカ」並みにだらだら続くと思う。

 途中、私の両親に関する記述が出てくる予定である。読み方によっては、私が単に両親のことを批判しているかのように受け取る方もいらっしゃるかもしれない。だが、私の目的は「ジャーナリング効果」を狙い、書くことによって嫌な思い出を払拭することにある。もちろん、その程度なら私の日記にとどめておけばよいのではないかという意見もあるだろう。ただ、私としてはもはや日記として手元に残っているのも苦痛であり、記録には残すものの、電子空間のどこかに放り投げておきたい。この点をご理解いただいた上で読み進めていただければ幸いである。

 もう1つ読者の皆様にはご了承いただきたいことがある。【2018年反省会】シリーズの構想は昨年末から病院の中であれこれと練っており、その際スマホで色々と調べ物をしていた。私はスマホのSEO対策に関する最近の動向についてはほとんど知らない。どうやら、目次を作って文章を構造化すると検索結果の上位に表示されるようである。そして、その目次も検索結果に表示され、ユーザは自分が読みたい箇所に直接ジャンプすることができる。しかし、無理に構造化することによって、かえって下手で冗長な文章がものすごく増えたと感じた。

 「皆さんは○○について疑問に思ったことはありませんか?私なりに調べてみました。早速見ていきましょう」という導入から始まり、最後のまとめに入る前に「以上の内容をまとめると次のようになります」などと書くのがテンプレート化しているようである。私に言わせれば、著者が調べたければ勝手に調べればいいし、まとめを読めば解る内容なら最初に要約を持ってくればよい。この手の記事の多くは、ランサーズで外部のライターに対し、1文字0.7円などという異常な単価で書かせたものだろう。そんな文章だから誰も真面目に推敲しようとしない。その結果、変な文章が量産されていると感じた。私には、自分のブログをスマホ用に最適化する考えは毛頭ない。私の文章は読者が読みたい箇所をつまみ食いして理解できるものにはなっていない。通読に耐えうる文章を書いているつもりであるから、最後までおつき合いいただければと思う。

 導入が長くなってしまった。ここからが本題である。話は2017年11月に遡る。当時、私はある資格学校(以下、X社とする)が提供するe-Learningの講座で、中小企業診断士とその関連資格の講師をしていた。その時の顛末は、以前の記事「『致知』2018年4月号『本気 本腰 本物』―「悪い顧客につかまって900万円の損失を出した」ことを「赦す」という話」で書いた。11月時点で、私が業務委託契約によって収録を約束していた科目については、収録が完了していた(むしろ2科目ほど多く収録した)。この時既に、作成したレジュメ(パワーポイントで作成した講義用資料)が多すぎることは、さすがの私も解っていた。

 11月末にX社から連絡があり、「行政書士の人が収録した『ビジネス実務法務検定』と中小企業診断士の『経営法務』の講義に対して受講者からクレームが多数寄せられており、動画を全て撮り直したい。ついては、私にその仕事をお願いしたい」という話を持ちかけられた。

 前掲の記事で書いた通り、契約書ではX社が毎年1月と7月に過去半年分の売上高を計算し、その一部をレベニューシェアとして私に支払うことになっていた。2017年7月に受講者数を報告してもらったところ、たった50人であった。50人しか受講者がいないのにクレームが多数寄せられているというのも不思議な話である。X社が受講者数を過少申告しているのではないかという疑念もよぎった。だが、受講者数がはるかに多ければ、googleで私の名前を検索した際に、サジェスチョンにX社の名前が表示されてもおかしくない。そのサジェスチョンもなかったから、X社の言うことが本当なのだろうと信じ、再収録の仕事を引き受けた。それに、この仕事を問題なく遂行すれば、レジュメに対する報酬の交渉で優位に立てるだろうという変な下心もあった。

 私は法学部出身だが、別に法律の専門家ではない。行政書士の人の方がよっぽど法律に詳しい。『ビジネス実務法務検定』は初級と中級に分かれており、私がこれまでに収録した他の科目と同じペースで収録をした場合には半年近くかかるという見込みをX社に提示した。ところが、X社からは、受講者を待たせるわけにはいかないため、2か月で収録してほしいという要望を受けた。私が考えていたスケジュールを約3分の1にするのだから、かなり無理がある話であった。それでも、後の交渉で優位に立ちたいという一心で、何とか1月末までに収録を終えた。

 動画の収録は孤独である。機材のセッティングはX社の担当者がしてくれるものの、収録が始まると担当者は部屋から出て行ってしまう。デジカメのRECボタンをリモコンで操作するのは私である。動画の収録であるため、当然のことながら途中でNGを出すこともある。その場合は自分で編集点を作り、「すみません、この部分から前の動画とつないでください」などと、X社の編集担当者向けのコメントを入れて続きを収録していた。最初は丁寧にコメントを入れていたのだが、専門外の法律に関する動画を収録していることと、スケジュールが詰まっていることに対する焦りもあって、だんだんと編集点を作る作業が雑になっていった。途中から若干不機嫌そうに、「ここから撮り直します(棒)」といったコメントに変化していたことは、X社の編集担当者も気づいていたと思う(もちろん、動画本編はこれまでの科目と同じ調子で収録した)。

 ビジネス実務法務検定の初級は1月頭に、中級と中小企業診断士の経営法務は2月頭にリリースされた。私は、受講者からクレームが出ていないかどうかを気にしていた。私の過剰な期待だったのかもしれないが、X社がクレーム対応のために動画の撮り直しを私に依頼したのだから、撮り直した結果どうなったのか、少しぐらい報告があってもよいのではないかと思っていた。1月末になってもX社の担当者から特段何の連絡もなかったため、私の方から初級に関する評判を確認してみた。すると、クレームは収まったとのことだった。2月に入ってからもX社から特に追加の要求はなく、中級と経営法務のクレームもなくなったと理解している。この点も含めて評価してほしいと交渉に臨んだものの、不調に終わったことは前掲の記事の通りである。

 そもそも、2017年7月時点で中小企業診断士講座の受講者が50人しかいないというのが大問題であった。中小企業診断協会が公開しているデータによると、1次試験の受験者数は毎年だいたい1万6,000人である。このうち、何らかの資格学校を利用している人がどの程度存在するのかについてのデータは、残念ながら発見することができなかった。

 ここからは私の肌感覚で話を進めることをご容赦いただきたい。2次試験まで合格して資格を取得した知り合いの人たちの話を聞いていると、6~7割は資格学校を利用している。一応、中小企業診断士は難易度が高い資格の部類に入るから、何かしらの資格学校を利用するのが合格への近道とされる。1次試験の受験者の大半は試験に合格していないため、資格取得者に比べれば資格学校の利用率は下がるに違いない。とはいえ、不合格者であっても1次試験の受験までは到達しているから、ある程度勉強しているとも言える。また、初めから複数年かけて科目合格を重ねる計画で挑んでいる人も含まれる。これらのことを総合して、1次試験の受験者のうち4割が資格学校を利用していると仮定しよう。つまり、6,400人である(①)。

 1次試験の受験者以外には、受験まで至らないものの試験勉強はしているという人もいる。私の周りにもそういう人は結構いて、1次試験を受験した人と同じぐらい存在するように感じる。ただし、受験しなかった人の中には、勉強の途中で挫折した人も少なくない。そういう人は往々にして、資格学校への先行投資がないがゆえに、受験者に比べて諦めやすいという傾向がある。したがって、試験勉強だけして1次試験を受験しなかった人のうち、資格学校を利用していた人の割合は2割にとどまると仮定する。すると、3,200人となる(②)。

 ①と②を合計すると、資格学校で1次試験の勉強をしている人は約1万人存在する計算になる。私は、収録の過程で、X社が中小企業診断士の講座に対してどのくらい人件費をかけているかある程度知っていた。また、広告宣伝やe-Learningのシステム開発にもそれなりの投資が必要である。これらの点を踏まえ、加えてX社が受講者向けに設定していた価格をベースにすると、少なくとも毎年500人以上の受講者を獲得しなければ、初期投資を回収できないし、安定した利益が出ないと私は見積もっていた。500人と言っても、全体の市場規模に対してわずか5%である。中小企業診断士の資格学校はそれほど数も多くない。いくらX社がベンチャー企業であるとしても、5%ぐらいの目標なら達成できるだろうと見ていた。これが甘かった。

 レベニューシェアとは、私から見ると印税である。書籍やCDの場合は、それがどれだけ売れるかは出版社やレコード会社にも予測できない。よって、リスクを著者やアーティストに転嫁するために印税方式を採用することは理解できる。一方、資格学校の市場は、受講者がいる限り必ず存在する。まして、中小企業診断士は近年人気が上がっており、受講者数はわずかながら増加傾向にある。だから、適切な事業計画を策定し、適切なマーケティングを行えば、確実にとまでは言わないがそれなりにビジネスになる。需要がある程度見えているものに対して、私が講義動画+レジュメというサービスを納品しているのだから、レベニューシェアという奇妙な契約形態ではなく、サービス全体に対する対価を請求できる契約にするべきであった。

 それにしても、私の目論見の10分の1しか集客できていなかったというのだから、X社は一体どういう事業計画を立てていたのか見てみたかったものである。


2017年08月13日

【中小企業診断士】中小企業経営・中小企業政策 解答・解説(2/2)【平成29年度1次試験】


国会議事堂

 試験に出やすい中小企業政策をまとめましたので、こちらもご参照ください。
 中小企業政策などまとめ【中小企業診断士試験対策】
 中小企業診断士1次試験(中小企業経営・中小企業政策)問題
 中小企業診断士1次試験(中小企業経営・中小企業政策)解答
 (※)(一社)中小企業診断協会HPより。

 (前回の続き)

 【問13:ウ】
 中小企業の定義は、
 ①製造業、建設業、運輸業=資本金3億円以下、または従業員数300人以下
 ②卸売業=資本金1億円以下、または従業員数100人以下
 ③サービス業=資本金5,000万円以下、または従業員数100人以下
 ④小売業=資本金5,000万円以下、または従業員数50人以下

 【問14(設問1):ウ】
 「小規模企業振興基本法」第6条に定められた「4つの基本方針」とは、
 ①国内外の多様な需要に応じた商品の販売または役務の提供の促進、および新たな事業の展開の促進を図ること、
 ②小規模企業の経営資源の有効な活用、ならびに小規模企業に必要な人材の育成および確保を図ること、
 ③地域経済の活性化、ならびに地域住民の生活の向上および交流の促進に資する小規模企業の事業活動の推進を図ること、
 ④小規模企業への適切な支援を実施するための支援体制の整備その他必要な措置を図ること、である。

 【問14(設問2):ウ】
 「小規模企業振興基本法」に基づく「10の重点施策」とは、①ビジネスプランなどに基づく経営の促進、②需要開拓に向けた支援、③新事業展開や高付加価値化の支援、④起業・創業支援、⑤事業承継・円滑な事業廃止、⑥人材の確保・育成、⑦地域経済に波及効果のある事業の推進、⑧地域のコミュニティを支える事業の推進、⑨支援体制の整備(支援機関など/国・地方公共団体)、⑩手続きの簡素化・施策情報の提供、である。

 【問15(設問1):イ】、【問15(設問2):ア】
 「経営力向上計画」とは、経営力向上のための人材育成や財務管理、設備投資などの取り組みを記載した計画のことであり、事業所管大臣から認定されると固定資産税の軽減措置や各種金融支援が受けられる。なお、「経営革新計画」とは、中小企業が「新事業活動」に取り組み、「経営の相当程度の向上」を図ることを目的に策定する中期的な経営計画書のことである。 国や都道府県に計画が承認されると、様々な支援策の対象となる。

 【問15(設問3):エ】
 「経営力向上計画」には、「経営力向上の目標および経営力向上による経営の向上の程度を示す指標」を記入する欄があるが、基本方針に従って計画を策定する場合は、「労働生産性」を記載する。労働生産性は「(営業利益+人件費+減価償却費)÷労働投入量(労働者数または労働者数×1人あたり年間就業時間)」で計算する。計画期間が3年の場合は1%以上、4年の場合は1.5%以上、5年の場合は2%以上の向上が必要である。なお、「事業分野別指針」に基づいて計画を策定する場合は、指針に記載された労働生産性以外の指標を用いてもよい。

 ちなみに、「経常利益」と「付加価値額」を用いるのは「経営革新計画」である。経営革新計画では、付加価値額を年率3%以上、経常利益を年率1%以上増加させることが要件である。

 【問16(設問1):ウ】
 「下請中小企業振興法第3条第1項の規定に基づく振興基準」を参照。p11に「親事業者は、下請代金の支払は、発注に係る物品等の受領後、できるり速やかに、これを行うものとする。また、下請代金はできる限り現金で支払うものとし、少なくとも賃金に相当する金額については、全額を現金で支払うものとする」とある。

 【問16(設問2):エ】、【問16(設問3):エ】
 前掲の「振興基準」のp12に、「下請代金の支払に係る手形等のサイトについては、繊維業90日以内、その他の業種120日以内とすることは当然として、段階的に短縮に努めることとし、将来的には60日以内とするよう努めるものとする」とある。

 【問17(設問1):エ】、【問17(設問2):イ】
 「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」では、サービス生産性向上の取り組みを「付加価値の向上」と「効率の向上」の2つに大別している。
 ○付加価値の向上はさらに、①新規顧客層への展開、②商圏の拡大、③独自性・独創性の発揮、④ブランド力の強化、⑤顧客満足度の向上、⑥価値や品質の見える化、⑦機能分化・連携、⑧IT利活用、の8つから構成される。
 ○効率の向上は、①サービス提供プロセスの改善、②IT利活用、の2つから構成される。

 【問18:ア】
 「事業承継ガイドライン」は、事業承継のステップを次のように定めている。
 <親族内・従業員承継の場合>
 ①事業承継に向けた準備の必要性の認識、②経営状況・経営課題等の把握、③事業承継に向けた経営改善、④事業承継計画策定、⑤事業承継の実行
 <社外への引継ぎの場合>
 ①事業承継に向けた準備の必要性の認識、②経営状況・経営課題等の把握、③事業承継に向けた経営改善、④マッチング実施、⑤M&Aなどの実行
 事業承継をスムーズに行うためには、できるだけ経営課題が残っていない状態で次世代経営者にバトンタッチすることが重要である。

 【問19(設問1):ウ】
 【問15(設問3)】で書いた通り。

 【問19(設問2):エ】
 「経常利益」については、【問15(設問3)】で書いた通り。製造業の場合は、「中小ものづくり高度化法」に基づく12の「特定ものづくり基盤技術」に関連する試作品開発が補助金の対象となる。なお、「中小企業等経営強化法」とは、経営力向上計画の根拠となっている法律である。

 【問20:エ】
 ア:「新連携計画」は、「異分野連携新事業分野開拓計画」という正式名称からも解るように、異業種との連携でなければならない。
 イ:創業年数、会社設立年数は要件とはなっていない。
 ウ:中小企業者2者の連携でも可である。
 エ:正しい。「新連携計画(異分野連携新事業分野開拓計画)」は「中小企業等経営強化法」に基づいて認定される。


 【問21(設問1):ウ】
 「JAPANブランド育成支援事業」の支援対象は、商工会、商工会議所、組合、NPO法人、中小企業者など4者以上である。

 【問21(設問2):ウ】
 「JAPANブランド育成支援事業」の公募要領p3によれば、①市場調査(ブランド戦略策定のための場調査など)と②海外市場開拓(ブランド確立、海外販路開拓のための専門家の招聘、新商品開発、展示会出展など)の2つのメニューがある。①市場調査は定額補助(上限200万円)で、1年に限り支援を受けられる。②海外市場開拓は最大3年間補助を受けることができ、補助率は3分の2(各年とも2,000万円が上限)となっている。

 【問22(設問1):エ】
 「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」は、引き続き1年以上事業を行っている中小企業者が利用することができる。共済金は無担保・無保証人である点に特徴がある。

 【問22(設問2):ア】
 掛金は800万円まで積み立てることが可能である(「⑤掛金の掛止め」を参照)。また、貸付けを受けた場合は、共済金の貸付額の10分の1に相当する額が払い込んだ掛金から控除される(「③貸付条件(4)貸付利率」を参照)。

 【問23(設問1):ア】、【問23(設問2):イ】
 「中小企業者等の法人税率の軽減特例、2年延長へ~平成29年度税制改正大綱~」(Professional Journal、2017年1月6日)を参照。中小企業者については、各事業年度の所得金額のうち年800万円以下の金額については、19%の軽減税率が適用される。

 また、15%の軽減税率の対象となる法人は、①普通法人のうち期末資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下であるもの(資本金の額等が5億円以上である法人などによる完全支配関係があるものを除く)、または資本金の額もしくは出資金の額を有しないもの、②公益法人、③協同組合、④人格のない社団、である。


2017年08月12日

【中小企業診断士】中小企業経営・中小企業政策 解答・解説(1/2)【平成29年度1次試験】


国会議事堂

 試験に出やすい中小企業政策をまとめましたので、こちらもご参照ください。
 中小企業政策などまとめ【中小企業診断士試験対策】
 中小企業診断士1次試験(中小企業経営・中小企業政策)問題
 中小企業診断士1次試験(中小企業経営・中小企業政策)解答
 (※)(一社)中小企業診断協会HPより。

 『中小企業白書』の問題については、『中小企業白書(2016年版)』(2017年4月)を、『小規模企業白書』の問題については、『小規模企業白書(2016年版)』(2017年4月)を参照。解説文内のカッコ書きのページ数は該当ページを示す。

 【問1(設問1):イ】
 中小企業数は2009年に420.1万者であったが、2012年には385.3万者(▲34.8万者)に減少し、さらに2014年には380.9万者(▲4.4万者)に減少している(中p24)。

 【問1(設問2):エ】
 2012年から2014年にかけて中規模企業者は4.7万者増加している(中p25)。

 【問2:オ】
 製造業は中規模企業、小規模企業ともに減少している。建設業と小売業では、小規模企業のみが減少している(中p29)。

 【問3(設問1):イ】
 大企業、中小企業とも、リーマン・ショック以降経常利益は増加傾向にある。ただし、増加幅は大企業の方が大きい(中p37)。

 【問3(設問2):イ】
 大企業では、売上高要因、変動費要因、人件費要因、減価償却費要因、営業外損益要因が全てプラスに働いている。一方、中小企業では、売上高要因がマイナスに働いている。中小企業は売上高が減少しているものの、コスト削減によって経常利益を拡大させている(中p38)。

 【問4:ウ】
 大企業は積極的に設備投資をしているため一貫して総資産が増加しているが、中小企業は事業の拡大と縮小を繰り返しているので、総資産額に増減が見られる。

 【問5(設問1):イ】
 自己資本比率は、製造業の場合、中小企業では30%台、大企業では40~50%台となっている。製造業では設備投資が必要であるが、あまり借入金に頼らず、内部留保を活用して堅実な投資を行うケースが多い。卸・小売業の場合、中小企業では20%台、大企業では30%台となっている。卸・小売業は買掛金の割合が高いため、どうしても自己資本比率が低くなる。サービス業の場合、中小企業では30~40%台、大企業では40%台となっている(中p604~605)。

 【問5(設問2):ア】
 卸・小売業では大量の製品を仕入れて高い回転率でさばくため、1人あたり売上高が高くなる(代わりに、粗利率は低くなる)。一方、サービス業は労働集約型であり、原価がほとんど発生しないので、原価にマージンを乗せた売上高は小さくなる(代わりに、粗利率は高い)。

 【問6(設問1):ウ】
 全企業数382万者(2014年)のうち、小規模企業は325万者であるから、その割合は85.1%である(小p13)。小規模企業のうち、60.7%にあたる197.3万者が個人事業者である。これに対して、中規模企業55.7万者のうち、20.8%にあたる11.6万者が個人事業者である(小p24)。

 【問6(設問2):ウ】
 小規模企業のうち、常用雇用者がいない企業割合は44.2%である。法人化していない小規模企業(=個人事業者)のうち、常用雇用者がいない企業割合は57.3%である。ちなみに、法人化している小規模企業のうち、常用雇用者がいない企業割合は24.1%である(小25)。

 【問7(設問1):エ】
 中小企業数は全体の約99%、中小企業の従業者数は全体の約69%、中小企業の売上高は全体の約44%、中小製造業の付加価値額は製造業全体の約53%であることを知っていれば解くことができる(中p63~64)。
 
 【問7(設問2):エ】
 労働生産性が高い順に並べると製造業⇒卸・小売業⇒宿泊業、飲食サービス業となる(中p64)。日本の製造業は依然として国際競争力があり、生産性も高くなっている。卸・小売業は近年中規模企業が増加しており、その関係で労働生産性が高い。一方、宿泊業、飲食サービス業は小規模企業が中心であり、労働生産性が低い。

 【問7(設問3):ウ】
 大企業の労働生産性の平均値を上回る中小企業の構成比率は、飲食サービス業で21.4%、卸売業で13.6%、小売業で34.5%、製造業で10.1%である(中p79)。

 【問8(設問1):エ】
 企業規模別にクラウド・コンピューティングの利用割合を見た場合、各年とも中小企業の利用割合は大企業に比べ低いが、利用割合は増加基調で推移している(中p126)。

 【問8(設問2):ア】
 「技術的な専門知識がなくても導入できる(37.2%)」、「サービス・プラットフォームの定期的な機能拡充ができる(15.0%)」、「ソフトウェア利用の停止・解除が容易(19.2%)」、「ユーザーアカウントの追加等サービス拡張が容易(27.7%)」となっている(中p128)。

 【問9:ア】
 2013年の直接輸出中小製造業企業数は6,397社であり、中小製造業全体に占める割合は3.5%である。直接輸出企業の業種構成を見ると、「生産用機械器具製造業」が20.4%でトップであり、次いで「電気機械器具製造業(7.9%)」、「化学工業(7.8%)」、「金属製品製造業(7.6%)」、「業務用機械器具製造業(6.6%)」となっている(中p168~169)。

 【問10(設問1):エ】
 2001年から2006年にかけては、主に中国への進出が進んだため、直接投資額は増加している。一方、2006年から2009年にかけては、リーマン・ショックの影響により直接投資額が減少した。その後、2009年から2014年にかけては、チャイナ・プラスワン戦略の一環として、中国に加えてASEAN諸国への直接投資が増加している。

 【問10(設問2):オ】
 2001年~2014年の期間において、直接投資企業数全体に占める中小企業の割合は概ね70%前後である。2014年に直接投資を行った中小企業6,346社のうち、製造業は3,221社で約半数を占める。ただし、近年は製造業以外の業種による直接投資も増加している(中p174)。

 【問11(設問1):ア】
 国内銀行の法人向け貸出に占める中小企業向け貸出の割合の推移を見ると、2000年代半ばから好景気に支えられて増加したが、2007年頃から減少に転じ、リーマン・ショック時には大きく落ち込んだ。その後若干持ち直したものの、2013年頃からは、日本銀行の異次元金融緩和政策にもかかわらず、貸出の割合は微減で推移している。(中p273)。

 【問11(設問2):イ】
 大企業向け融資は増加傾向にあるが、中小企業向け融資は横ばいである(中p273)。

 【問12:イ】
 「ABL(Asset Based Lending:動産・債権担保融資)」とは、製品や在庫、農家が保有する農畜産物、運送業者のトラックなど、動産や売掛債権を担保に資金を貸し出す仕組みのこと。

 (続く)





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