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補助金の適正利用をチェックするよりも、補助金の投資対効果をモニタリングすることに注力すべきでは?
創業補助金―申請書(事業計画書)の書き方サンプル(記入例)
創業補助金―申請書の書き方ポイント

プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京都城北エリア(板橋・練馬・荒川・台東・北)を中心に活動する中小企業診断士(経営コンサルタント、研修・セミナー講師)。2007年8月中小企業診断士登録。主な実績はこちら

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

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2017年03月13日

補助金の適正利用をチェックするよりも、補助金の投資対効果をモニタリングすることに注力すべきでは?


積み上げられた書類

 中小企業診断士として独立してから、経済産業省や中小企業庁の補助金を受けている中小企業を支援させていただく機会が増えた。経済産業省関連の補助金の多くは事後精算であり、中小企業が購入した物品に関連する伝票類などの書類を揃えて事務局(たいていは、公的機関が経済産業省などから補助金事業の業務遂行を受託している)に提出することとなる。だが、事務局の要求はとにかく厳しい。例えば、機械装置を購入した場合には、

 -見積仕様書
 -見積書
 -注文書
 -注文請書(注文書と注文請書の代わりに契約書でもよい)
 -納品書
 -請求書
 -金融機関への振込依頼
 -会社の預金通帳のコピー

を用意しなければならない。これらの証憑類を、原材料や機械装置などを購入するたびに、また外注先や大学・公的研究機関などの委託先を使うたびに用意する必要がある。これに加えて、現物の写真や、委託先から納品された報告書なども提出を求められる。

 見積依頼書とは、「こういう仕様の製品を貴社に発注したいので、見積書を作成してください」とメーカーなどにお願いをする書類のことである。しかし、中小企業の商習慣上、見積依頼書を作成することはほとんどない。そのため、見積依頼書が抜けてしまうことが多いのだが、それでも事務局は許してくれず、事後的にでも作成してほしいと言われる。そこまで言うのだから、しっかりした書類でなければいけないのかと思いきや、「『見積書をください』というメールのコピーに責任者の印鑑を押したものでよい」と言うのだから、何とも形式的だという印象がぬぐえない。

 納品書も、単にメーカーから送られる納品書を保管するだけでは不十分とされる。余白に「検収済み」と書いて、検収した担当者の印鑑と検収日を添えなければならない。それが抜けていると、事務局から書類を突き返される。メーカーの中には、独自の検収書を用意してくれる親切なところがある。検収書は中小企業が必要事項を記入してメーカーに返却するため、中小企業の手元に残らない。ところが、そういう場合でも、事務局は「メーカーに返した検収書のコピーをメーカーから取り寄せよ」と注文をつけてくる。

 金融機関への振込依頼と会社の預金通帳のコピーを両方用意しなければならないのも厄介だ。なぜこの2つが必要なのかというと、前者は「金融機関に対して『○○社に△△円の振込をお願いします』と依頼した証拠」になり、後者は「その依頼に基づいて、実際に口座から△△円を引き落とし○○社に振り込んだことの証拠」になるのだという。確かにお金を支払ったという証拠なら通帳のコピーで足りると思うのだが、通帳の摘要欄には支払先の名前が印刷されないことがあるため、金融機関への振込依頼で確認する必要がある、というのが事務局の言い分である。

 補助金の財源は国民の税金であるから、そのお金が不正に使われていないかどうかをチェックしたいというのが事務局の思惑なのだろう。個人的には、確かに物品を買ってお金を支払ったことを証明するためであれば、せいぜい見積書、注文書、請求書、通帳のコピーと現物の写真があれば十分であるような気もする。ところが、事務局はそれ以外の書類をあれもこれも提出するよう要求してくる上に、書類に1か所でも不備があると受理してくれない。

 例えば、見積書の有効期限内に注文書を発行していないと、見積書を再度メーカーから取得するように指導が入る。商習慣上は、見積書の有効期限が切れていても大して問題にならないが、事務局は許してくれない。納品書に「検収済み」と書かれていないだけでも、書類の修正を強いられる。「検収済み」と書かれているかどうかと、補助金が適正に使われているかどうかはあまり関係ないと思うのだが、事務局にそういう話は通用しない。複数の物品を購入した場合、消費税の計算がメーカー側と中小企業側で若干異なるために、請求書の金額と中小企業が実際に支払った金額が1円違うことがたまにある。この場合でも、1円の誤差を是正せよと言われる。

 中小企業向けの補助金は、儲かる見込みがある優れたアイデアがあるのに、資金不足が理由で尻込みしている企業を支援して、補助金を上回る税収をリターンとして獲得するのが目的であろう。それならば国は、(1)補助金を交付しようとしている事業は収益化の見込みがあるか?という点と、(2)補助金支払い後に実際に事業が軌道に乗ったか?という点を厳しく見るべきではないかと思う。ところが、(1)(2)のチェックに割かれている工数は、補助金の事務局員が書類のチェックに費やしている工数よりもはるかに少ないと推測される。

 補助金を希望する企業は、補助金を使ってどういう新規事業をしたいのかという事業計画書を提出する。中小企業向けの補助金は、だいたい数百万円~1,000万円程度であることが多い。中小企業は、補助金によって数千万円~億単位の売上増を狙い、その実現シナリオを事業計画書の中に落とし込んで応募してくる。これを国側から見ると、数多くある1,000万円前後の投資案件の中から、有望なものを選択することに等しい。よって、国は中小企業に対して綿密な事業計画書を要求し、それを入念に審査しなければならないはずだ。

 ところが、補助金の審査に関与した知り合いの中小企業診断士によると、1件あたりの審査時間はわずか20分~30分であるという。国からの委託報酬を考えれば、1件1件をじっくり見ている時間はないらしい。しかも、近年は経産省の方針で、補助金に応募するハードルを下げるために、事業計画書のフォーマットが簡素化され、2~3枚で済むようになっている。もちろん、事業計画書の枚数が多ければよいというわけではないのだが、審査の効率化ばかりに気を取られ、事業の収益性を適正に評価するという肝心の目的がおざなりになっている気がしてならない。

 補助金事業が終了した後のフォローも不十分である。経産省関連の補助金では、補助金事業終了後3~5年間は、毎年事業の収支実績を国に報告する義務がある。ところが、肝心の事務局は補助金事業が終了すると解散してしまい、収支報告書を中小企業から回収する部隊はいないという。さすがに国が定める義務だから、誰かはトレースを行っているのだろうが、補助金事業中の事務局の手厚い(?)対応に比べると、比較にならないほど軽い扱いである。

 前述の通り、補助金は将来的に税金という形でリターンを得ることが目的である。よって、単に収支実績を報告させるだけでなく、補助金事業終了後も中小企業に密着して、事業が軌道に乗るようにアドバイスを送り、収益化の道筋を立てるぐらいのことはやってもいいのではないかと思う。事務局が補助金の期間中だけ書類チェックのために相当の人員を抱えるよりも、いっそのこと書類チェックは簡素化し、補助金終了後のフォローアップを手厚くしてはどうだろうか?そういう経営支援の分野にこそ、中小企業診断士の活躍の場があるように思える。


 《補記1》
 ここからは余談。補助金と言うと返済不要であるかのように思われがちだが、経産省関連の補助金の多くは「収益納付」の義務を定めている。これは、補助金を受けて行った事業がその後収益を上げた場合には、補助金支払い額を限度として、利益の一部を国に返還しなければならない、というものである。法的には、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」に根拠がある(第7条2項)(簡易なケースについては、以前の記事「【補助金の現実(4)】《収益納付》補助金を使って利益が出たら、補助金を返納する必要がある」を参照)。

 ところが、現実問題として、この収益納付が行われるケースは非常に少ないようである。過去に補助金事務局員を経験されたことがある方から聞いた話によると、その補助金事業で収益納付が行われたのは、全体の約0.5%だったという。新規事業の成功率が0.5%ということはいくら何でも考えにくい。収益が上がっているのに、収益納付を行っていない企業が相当数あると考えられる。収益納付の詰めが甘いのも、補助金事業終了後に事務局が解散してしまい、各企業の収益を継続的にウォッチする人がいないためであろう。

 《補記2》
 こういう話を周りの診断士にすると非常に驚かれる。ある診断士は、「大企業向けの億単位の補助金であれば厳しくする理由も理解できる。だが、中小企業向けの数百万円~1,000万円程度の補助金でそこまでするのはやりすぎだ。経済産業省は、大企業向けの補助金と同じ運用レベルを中小企業向けの補助金にも適用しているのではないか?」と分析していた。一方で、別の診断士は、東京都中小企業振興公社の補助金は、私が書いた話以上に厳しいと教えてくれた。どうやら、振興公社の補助金には収益納付の規定がないらしい。誤解を恐れずに言えば、「あげっぱなし」のお金になるため、あげるための要件を厳しくしているのかもしれない。

 「あげっぱなし」という点に関連してもう1つ書くと、補助金の中には「前払いであげっぱなし」というものもあるそうだ(冒頭で書いたように、一般的な補助金は事後精算である)。つまり、最初に一定の額を支払ってしまい、仮にお金が余っても返却を求めないのだという。何というズブズブな補助金なのだろう。補助金は奥が深いと言うべきか、闇が深いと言うべきか・・・。

2013年09月06日

創業補助金―申請書(事業計画書)の書き方サンプル(記入例)


《2014年6月22日追記》
 私が所属する特定非営利活動法人NPOビジネスサポートが荒川区と共同で「創業支援事業」を実施し、その一環として無料の創業セミナーを開催することになったのでご参考までに。
 【無料・2014年7月5日(土)スタート】創業・起業セミナー(荒川区創業支援事業)


http://www.sogyo-tokyo.jp/ 前回の記事「創業補助金―申請書の書き方ポイント」の続き。創業補助金東京事務局のHPにある「申請の手引き」には記入例が一応載っているものの、実際の事業を想定した例にはなっていない。具体的な事業を書いてしまうと、国が特定の事業を推奨しているかのような誤解を与えてしまうため、そうなるのを避けているものと思われる。もしくは、国が提示したサンプルを上手に加工して、補助金をせしめようとする悪い輩が出てくるのを防ぐためなのかもしれない。

 ただ、やはり何らかの事業に沿ったサンプルがあった方が解りやすいだろうということで、昨日の記事で述べた論点に従って、記入例を作成してみた。あらかじめ断っておくが、以下に示すサンプルは、敢えてビジネスモデルとしては穴があるものにしてある。私としても、サンプルをそのまま使って補助金を受けようとする人が出てくるのはあまりうれしいことではない(苦笑)。あくまでも、前回の記事で示したポイントを、どのように「申請の手引き」p16~17の「事業計画説明書」に散りばめていけばよいのか、その参考にしていただくための事例とお考えいただきたい。

 以下のサンプルは、「地域需要創造型起業・創業」のケースで、「千葉県柏市を拠点とし、地域内の高齢者向けにスマートフォン、タブレット用のゲームアプリを提供する事業」を想定している(スマートフォン、タブレット向けアプリという時点で地域密着型のビジネスではないため、このサンプルをそのまま提出しても、政策目的に合致しないという理由で不採択になる可能性が高い)。

(1)事業の内容
 身体的・認知能力に課題を抱える高齢者をターゲットに(※誰をターゲットとするのか?)、「手足を動かす」、「考える」、「大勢で楽しむ」という要素を取り入れたスマートフォン、タブレット向け娯楽アプリ(※何を〔product〕)を開発・提供し、高齢者の身体的・認知能力の維持・向上を図る事業です。アプリの販売は、App Storeならびにgoogle play(※どのチャネルを使って〔place〕)を通じて行います。App Store、google playともに、アプリ販売のプラットフォームとしては高い知名度を誇るため、販促費用を安く抑えることが可能です。また、市内の診療所、介護福祉施設などにチラシを配布し、アプリの認知度アップを狙います(※どんな販促を通じて〔promotion〕)。アプリの価格は、他の類似アプリを参考に、315円(税込)(※いくらで〔price〕)とします。

(2)製品・サービスの独創性
 現時点では、高齢者向けに特化したアプリはほとんど存在しません(App Store、google playのアプリランキングを参照)。若年層に比べると、高齢者層はスマートフォン、タブレットの利用割合が低いことが、高齢者向けアプリの少なさの要因であると考えられます。ただし、利用率の伸びを見れば、高齢者層は他の年齢層よりも高い伸び率を示していることから、早期にこの市場に参入すれば、競合のアプリ開発会社を排してシェアを確保できると考えます。申請者は、高齢者の身体的・認知能力に関する研究に詳しい○○大学の△△教授と連携し(※競合優位性は自社のどのような活動・経営資源によって達成されるのか?)科学的に効果があると立証された動作をゲームに組み込む(※競合他社の製品・サービスに対する自社の優位性は何か?)ことで、競合他社であるアプリ開発会社(※競合他社はどこか?)との差別化を図ります。

(3)市場の特性、市場規模
 最近はゲームセンターに通う高齢者が増えており、シニア時間を設定しているところもあるなど、ゲームに対する高齢者の抵抗感がなくなってきています(※ターゲット市場の顕在的・潜在的ニーズは何か?〔定性的〕)。加えて、前述のように、高齢者のスマートフォン、タブレットの利用割合が将来的に伸びることを踏まえると、高齢者向けのゲームアプリの市場が広がると予測されます。柏市の65歳以上人口約8万人に、1人あたり教養娯楽支出23,787円/月(統計局による)をかけると、教養娯楽市場は約228億円となります。このうち、1%がアプリへの支出だと仮定すれば、アプリの市場は2.2億円と推測されます(※市場規模はどのくらいか?〔定量的〕)柏市の高齢化率は、2011年の20.0%から2015年には23.6%、さらに2025年には25.2%にまで上昇するため、それに伴ってアプリの市場も拡大する(※市場の成長スピードはどのくらいか?〔定量的〕)ものと思われます。

(4)創業する動機・きっかけ及び将来の展望
 申請者の家では数年前にWiiを購入していました。当初は申請者と申請者の子どもが一緒にゲームをしていましたが、申請者の家を時々訪れる申請者の両親(=高齢者)もWiiを楽しむようになりました(※きっかけとなった個人的な体験は何か?)。特に、頭を使うクイズ、パズルゲームや、簡単な手足の動作でスポーツを疑似体験できるゲームが好みのようでした。Wiiのような体感型ゲームが、最近ではスマートフォン、タブレットのアプリに取って代わられていることから、将来的に高齢者向けのゲームアプリ市場が登場する可能性を感じました。ゆくゆくは、市内の介護施設などで、入所者がスマートフォンやタブレットを囲んで脳内活性化などのゲームを行い、楽しみながら生きがいを感じてもらえるようになればと思います(※将来的にどのようにして地域に貢献していきたいのか?)

(5)スケジュール(採択後3年間に取り組む事業内容と実施時期)
(※事業を拡大し、初期投資を回収するためにどのような施策を打つか?〔人員増、HP開設、展示会出展、製品の新バージョンリリース、新店舗出店、代理店拡大など〕)
○1年目
 ・アプリ第1弾を導入(柏市を中心に千葉県全体にプロモーションを行い、年間3万ダウンロードを目指す。柏市のみで3万DLを達成した場合、シェアは3万DL÷8万人=37.5%。千葉県全体で3万DLを達成した場合、シェアは3万DL÷143万人〔千葉県の高齢者人口〕=約2.1%)。
 ・毎年新しいアプリを1つずつ発表することとし、次年度にリリースするアプリ第2弾の開発のために開発者を1名採用。
○2年目
 ・アプリ第2弾を導入(第1弾よりも速く普及すると仮定し、年間4万DLを目指す)。
 ・次年度にリリースするアプリ第3弾の開発のために開発者を1名採用。
 ・アプリ第1弾についても継続的に販促を行い、累計6万DL(2年目に3万DL上乗せ)を目指す。
○3年目
 ・アプリ第3弾を導入(第2弾よりも速く普及すると仮定し、年間年間5万DLを目指す)。
 ・アプリ第1弾、第2弾についても継続的に販促を行い、それぞれ累計9万(3年目に3万DL上乗せ)、8万DL(3年目に4万DL上乗せ)を目指す。

(6)売上・利益等の計画
創業補助金_損益計画サンプル

(※毎年、各製品・サービスはどれくらいの販売数を見込んでいるのか?販売増に伴ってコストはどのように変動するか?⇒数的根拠を書く欄はないが、表の下に計算式を書いておくとよい)
○1年目
 ・売上高=315円×3万DL=945万円
 ・売上原価=代表者・新規採用開発者の人件費+外部教授への委託費
       =700万円+500万円+105万円=1,305万円
 ・販売管理費=Apple、googleに支払う手数料(売上高の3割)+販促費+採用関連費
         =945万円×30%+105万円+105万円=493.5万円
○2年目
 ・売上高=アプリ第2弾の売上高+第1弾の売上高
      =315円×4万DL+315円×3万DL=2,205万円
 ・売上原価=代表者・既存開発者・新規採用開発者の人件費+外部教授への委託費
        =700万円+500万円+500万円+105万円=1,805万円
 ・販売管理費=Apple、googleに支払う手数料+販促費+採用関連費
         =2,205万円×30%+105万円+105万円=871.5万円
○3年目
 ・売上高=アプリ第3弾の売上高+第2弾の売上高+第1弾の売上高
      =315万円×5万DL+315円×4万DL+315円×3万DL=3,780万円
 ・売上原価=代表者・開発者2名の人件費+外部教授への委託費
        =700万円+500万円+500万円+105万円=1,805万円
 ・販売管理費=Apple、googleに支払う手数料+販促費
         =3,780万円×30%+105万円=1,239万円

(7)創業する事業の知識、経験、人脈、熱意
 申請者はゲーム業界での経験が長く、ヒット作「□□シリーズ」の開発に携わるなど、ユーザを飽きさせないゲーム、長期間楽しんでもらうゲームの開発に長けている(※創業者はなぜ今回の事業に向いていると言えるのか?〔知識・経験〕)。これに、申請者の大学時代の先輩にあたる○○大学の△△教授(※創業者はなぜ今回の事業に向いていると言えるのか?〔人脈〕)の知見を組み合わせれば、高齢者が楽しみながら身体的・認知能力を維持・向上できるゲームの開発が期待できる。また、申請者の親戚には介護施設の経営者がおり(※創業者はなぜ今回の事業に向いていると言えるのか?〔人脈〕)、入所者向けに今回のアプリを先行導入して、アプリの評価をしてもらうことも可能である。

(8)価格設定、販売促進活動
 価格は315円(税込)とする。類似アプリより若干高いが、○○大学の△△教授による研究をベースにしているという付加価値があるため(※なぜその価格に設定したのか?その価格はターゲット顧客に受け入れられるか?)、この価格でも高齢者には受け入れられると考える。販促活動に関しては、アプリ販売における典型であるWeb広告の他、市内の医療機関にチラシを配布することで、患者らへの認知を図る。Web広告は不特定多数への配信となるが、医療機関に配布するチラシは、今回のアプリのターゲット層にダイレクトにリーチすることが可能である(※どのような販促活動でターゲット顧客にリーチするのか?)

http://npo-bs.org/《追記》
 サンプルを書いてよく解りましたが、アプリビジネスは売り切り型では絶対に儲かりませんね・・・。アイテム課金システムがないとかなり厳しいです。あと、最後に宣伝になりますが(苦笑)、創業補助金の申請方法について何か解らないこと、相談したいことがありましたら、私が所属している認定支援機関「NPOビジネスサポート」(一般社団法人東京都中小企業診断士協会 城北支部の関連団体)までお気軽にご連絡ください。

2013年09月05日

創業補助金―申請書の書き方ポイント


http://www.sogyo-tokyo.jp/ 創業補助金とは、若者・女性の地域での起業や、後継者の新分野への挑戦を応援する補助金であり、平成25年度は約200億円の予算がついている。第2次募集は6月末に終了してしまったが、既に中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)のHPでは第3回の募集が予告されており、9月中に詳細が発表されるとのことなので、HPを要チェックだ。

 補助金の対象者、ならびに補助金の上限額は以下の通り。

《補助金対象事業の3タイプ》
(1)地域需要創造型起業・創業(補助上限額:200万円)
 地域の需要や雇用を支える事業を興す起業・創業を行う者。
 ※単なる起業ではなく、地域貢献度の高い事業、地域密着型の事業でなければならない。
 《例》肩凝りなど、自らが子育て中に感じた悩みを解決してくれた「抱っこひも」を、同じような悩みを抱える多くのママたちに教えてあげたい。将来は、日本人の体型に合わせ改良したオリジナルの抱っこ・おんぶひもを企画・販売したい。

(2)第二創業(補助上限額:500万円)
 既に事業を営んでいる中小企業・小規模事業者において後継者が先代から事業を引き継いだ場合などに業態転換や新事業・新分野に進出するを行う者。
 ※単なる事業承継は対象外。必ず業態転換や新事業・新分野への進出を伴う必要がある。
 《例》生家の金箔製造業の市場が縮小傾向にあるため、製造過程で不要となる和紙を再利用した化粧品雑貨の販売をしたい。また、ゆくゆくは、化粧品の企画・販売もやってみたい。

(3)海外需要獲得型創業・起業(補助上限額:700万円)
 海外市場の獲得を念頭とした事業を興す起業・創業を行う者。
 《例》現在アジアで最も活気があり、政治、経済両面からアジアのハブとして活況を極めているシンガポールに新たな日本食を展開したい。

 募集要項、申請の手引き、ならびに応募申請書(事業計画書)は、創業補助金東京事務局のページからダウンロードできる(ただし、現在掲載されているものは第2回募集用であり、第3回募集には使えないため要注意)。審査基準は募集要項のp9で公開されているので、この基準をクリアするようにp14~18にある応募申請書を完成させることが、合否を決めるポイントとなる。

《審査基準(※募集要項より抜粋)》
(1)事業の独創性
 技術やノウハウ、アイディアに基づき、ターゲットとする顧客や市場にとって新たな価値を生み出す商品、サービス、又はそれらの提供方法を有する事業を自ら編み出していること。

(2)事業の実現可能性
 商品・サービスのコンセプト及びその具体化までの手法やプロセスがより明確となっていること。
 事業実施に必要な人員の確保に目途が立っていること。販売先等の事業パートナーが明確になっていること。

(3)事業の収益性
 ターゲットとする顧客や市場が明確で、商品、サービス、又はそれらの提供方法に対するニーズを的確に捉えており、事業全体の収益性の見通しについて、より妥当性と信頼性があること。

(4)事業の継続性
 予定していた販売先が確保できないなど計画どおり進まない場合も事業が継続されるよう対応が考えられていること。
 事業実施内容と実施スケジュールが明確になっていること。また、売上・利益計画が妥当性・信頼性があること。

(5)資金調達の見込み
 金融機関等の外部資金による調達が十分見込めること。

 では、これらの基準を満たすためには、どのようなことを応募申請書に書けばよいのだろうか?とりわけ重要なのがp16~17「事業計画説明書」にある1~8の項目になるわけだが、ここに書くべき内容を私なりに整理してみた(なお、以下は、3つの補助対象事業の中で最も申請数・採択数が多い「地域需要創造型起業・創業」を念頭に置いている)。

(1)事業の内容
 ・誰をターゲットとするのか?
 ・何を(Product)、いくらで(Price)、どのチャネルを使って(Place)、どんな販促を通じて(Promotion)売るのか?(=いわゆるマーケティング・ミックス)
 (※ここは事業の要約にあたるので、ターゲットとマーケティング・ミックスを端的に述べる)

(2)製品・サービスの独創性
 ・競合他社はどこか?
 ・競合他社の製品・サービスに対する自社の優位性は何か?
 ・その優位性は自社のどのような活動・経営資源によって達成されるのか?
 (※自社のポジショニングを明確にするとともに、優位性の源泉にも触れるとよい)

(3)市場の特性、市場規模
 ・ターゲット市場の顕在的・潜在的ニーズは何か?
 ・市場規模はどのくらいか?市場の成長スピードはどのくらいか?
 (※定性・定量データを組み合わせると説得力が増す)

(4)創業する動機・きっかけ及び将来の展望
 ・きっかけとなった個人的な体験は何か?
 (※単に市場が拡大しそうだから、という理由で参入するよりも、自分あるいは身近な人がこういうニーズを抱えていた、こういうことで困っていた、というストーリーを語る方が、審査員にとってインパクトがある)
 ・将来的にどのようにして地域に貢献していきたいのか?
 (※「地域需要創造型起業・創業」という趣旨からして、将来的にどのような形で地域の発展に寄与していくのかをアピールするとよい)

(5)スケジュール(採択後3年間に取り組む事業内容と実施時期)
 ・事業を拡大し、初期投資を回収するためにどのような施策を打つか?(人員増、HP開設、展示会出展、製品の新バージョンリリース、新店舗出店、代理店拡大など)
 (※(6)売上・利益等の計画の表の内容と整合性を取ること)

(6)売上・利益等の計画
 ・毎年、各製品・サービスはどれくらいの販売数を見込んでいるのか?
 ・販売増に伴ってコストはどのように変動するか?
 (※応募申請書では収支計画のおおまかな表のみを書くことになっているが、売上、コストの細かい算出根拠を表の下に補足することを強くお勧めする。金融機関から融資を受ける際に提示する収支計画書レベルの内容を書くのが望ましい)

(7)創業する事業の知識、経験、人脈、熱意
 ・創業者はなぜ今回の事業に向いていると言えるのか?
 (※熱意よりも知識、経験、人脈を強調した方がよい。いくらやる気があってもノウハウや人脈がなければ、審査基準にある「事業の実現可能性」に疑問符がついてしまう)

(8)価格設定、販売促進活動
 ・なぜその価格に設定したのか?その価格はターゲット顧客に受け入れられるか?
 ・どのような販促活動でターゲット顧客にリーチするのか?
 (※マーケティング・ミックスのPriceとPromotionについて、もう少し掘り下げた記述を行う)

 以上、応募申請書を書く上での論点を列挙してみた。ただ、これだけではなかなかイメージが湧かないと思われるので、次回の記事では事業計画のサンプルを提示したいと思う。




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