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【中小企業診断士】経営情報システム 解答・解説(1/2)【平成29年度1次試験】
【中小企業診断士】企業経営理論 解答・解説(2/2)【平成29年度1次試験】
【中小企業診断士】企業経営理論 解答・解説(1/2)【平成29年度1次試験】

プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京都城北エリア(板橋・練馬・荒川・台東・北)を中心に活動する中小企業診断士(経営コンサルタント、研修・セミナー講師)。2007年8月中小企業診断士登録。主な実績はこちら

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

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マネジメント・フロンティア
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2017年08月10日

【中小企業診断士】経営情報システム 解答・解説(1/2)【平成29年度1次試験】


プログラミング

 中小企業診断士1次試験(経営情報システム)問題
 中小企業診断士1次試験(経営情報システム)解答
 (※)(一社)中小企業診断協会HPより。

 【問1:ア】
 「クロック」=CPUなど、一定の波長を持って動作する回路が、処理の歩調を合わせるために用いる信号のこと。
 「パルス」=極めて短い時間だけ流れる電流や電波のこと。
 「バス」=コンピュータの内外および各回路がデータを交換するための共通の経路を指す。「システムバス(バスライン)」にはデータバス、アドレスバス、コントロールバスの3種類がある。
 「SATA」=コンピュータにHDD、SSDや光学ドライブを接続するためのインタフェース規格。
 「SSD」=記憶装置として半導体素子メモリを用いたストレージ(特に、ディスクドライブ)として扱うことのできるデバイスのことで、HDDの代わりの記憶装置として用いられる。
 「PCI Express」=マザーボードの拡張スロットに使用されている接続規格。現在の主流の接続規格で、市販されているグラフィックボードのほとんどはこの規格になる。
 「mSATA」=SATA規格に分類されるが、通常のSATAよりも小型で、ノートパソコンやUltrabookなどに採用されることが多い。
 「NVMe」=PCI Expressを通じて、不揮発性ストレージメディアを接続するための論理デバイスインターフェースの規格であり、SATAに代わる次世代の接続インターフェース規格である。
 「IEEE 1394」=AV機器やコンピュータを接続する高速シリアルバス規格。
 「PCI Express」がグラフィックボードの装着に使用されることを知っていれば一発で解ける。

 【問2:イ】
 ア:「MIPS」は、1秒間に何百万個の命令が実行できるかを表す。
 イ:正しい。
 ウ:「FLOPS」は、1秒間に実行できる浮動小数点演算の回数を示す。
 エ:「CPI(Cycles Per Instruction)」とは、マイクロプロセッサの性能指標の1つで、1つの命令を実行するのにCPUクロック周期が何サイクル必要かを表したもの。同じクロック周波数なら、この値が小さいプロセッサほど効率よく高速にプログラムを実行することができる。

 【問3:ア】
 ア:正しい。
 イ:ドットインパクトプリンタでも写真や画像の印刷は可能である。
 ウ:熱転写プリンタでもフルカラー印刷は可能である。
 エ:レーザープリンタで使用されるのはブラック、シアン、マゼンダ、イエローである。

 【問4:エ】
 Dは「PCのハードウェアキーボードと同じキー配列」であるため、「QWERTY」が入り、この時点で「エ」と決まる。
 「101配列」=こちらを参照。
 「106配列」=101キーボードをベースに、日本語入力(JIS配列)で必要な「変換」「無変換」「カタカナ/ひらがな」などのキー(言語入力キー)を追加したもの。
 「Godan」=スマートフォンで快適にローマ字入力ができるようにデザインされたキー配列。画面左側に A、I、U、E、O(あいうえお)が縦に並び、中央と右側に K、S、T、N、H、M、Y、R、W(かさたなはまやらわ)が並ぶ。詳しくはこちらを参照。

 【問5:ア】
 ア:「コンパイラ」は、プログラミング言語で書かれたソースコードを事前に機械語へと一括変換し、変換後のプログラムがコンピュータに命令を与える。高速で処理できるのが特徴である。一方「インタプリタ」は、プログラミング言語で書かれたソースコードを逐次解釈しながら実行する。このため、コンパイラに比べて処理時間が長い。
 イ:「タスク管理」と「ジョブ管理」の説明が逆である。
 ウ:新しいデバイスドライバが必要になっても、OSを再インストールする必要はない。
 エ:「ユーティリティ」とは、補助的な機能を提供するソフトウェアの総称である。制御プログラムおよび言語プロセッサを代替する機能を持つわけではない。

 【問6:イ】
 ア:小数点つきデータは、演算誤差を生じることがある(特に浮動小数点)。
 イ:正しい。例えば、浮動小数点型のfloat型とdouble型では、演算速度と精度に差がある。
 ウ:変数の値は随時入れ替わるため、データは主としてメモリ(内部記憶装置)に確保される。
 エ:「変数名索引リスト」というのはgoogleで調べても出てこない。索引は、データベースのテーブルに格納されているデータ量が多い場合に作成する。索引があると検索スピードが上がる。

 【問7:イ】
 「ガーベージ」=ごみ、がらくた、不正確で役に立たないデータのこと。
 「クローラ」=ウェブ上の文書や画像などを周期的に取得し、自動的にデータベース化するプログラムのこと。
 「アルゴリズム」=問題を解決するための方法や手順のこと。問題解決の手続きを一般化するもので、プログラミングを作成する基礎となる。
 「ハッシュ」=ハッシュ関数 (要約関数)から得られた値のこと。ハッシュ関数とは、あるデータが与えられた場合に、そのデータを代表する数値を得る操作、またはそのような数値を得るための関数のことである。
 「メトリクス」=様々な活動を定量化し、その定量化したデータを管理に使えるように加工した指標のこと。何かしらデータを収集した後、そのままの形ではなくて、計算や分析を加えて解りやすいデータ(数値)に変換したものがメトリクスである。
 「SERP」=検索エンジンの検索結果を表示するページのこと(Search Engine Result Pageの略)。
 「SEO」=Search Engine Optimizationの略であり、検索エンジン最適化を意味する。検索結果でWebサイトがより多く露出されるために行う一連の取り組みのこと。
 「KGI」=Key Goal Indicatorの略で、重要目標達成指標のこと。
 「SEM」=SEM(Search Engine Marketing)とは、検索エンジンから、あるWEBサイトやランディングページに対して、訪問者を増やすためのマーケティング手法のことである。SEMの手段として、SEOやリスティング広告がある。
 「ブラックハット」、「ホワイトハット」=Google検索エンジンが推奨する検索ルールに従って行うSEOを「ホワイトハット」、スパムに該当する不正な手法で行うSEOを「ブラックハット」と言う。

 【問8:エ】
 ア:AR(拡張現実)とAI(人工知能)は別物である。
 イ:顧客が自社製品をどのように使っているかをリアルタイムに把握するためには、製品にセンサーを組み込み、センサーから無線などを通じて製品の使用状況に関する情報を送信し、インターネットを活用してそれらの情報を収集・分析するといったシステム開発が必要になる。
 ウ:MCN(マルチチャンネルネットワーク)とは、YouTubeに動画を投稿するクリエイターのマネジメントを行う会社の総称である。
 エ:正しい。

 【問9:ウ】
 ア:REBUILD命令はインデックスの再構築に用いられる。表に新たなデータ項目を追加する場合はALTER TABLE命令、表を新たに追加する場合はCREATE TABEL命令を用いる。
 イ:ロック粒度が大きい(排他制御の範囲が広い)と、同時実行の競合が発生する確率は高くなるものの、システムのオーバーヘッドは減少する。
 ウ:正しい。ロールフォワードはトランザクション完了時の状態に、ロールバックは開始前の状態に復帰するものである。
 エ:「2相のコミットメント(2相コミットメント)」とは、分散データベースで、複数のデータベースを同時に更新する場合に、一方のデータベースに障害が発生してもデータベース間の整合性を保つための制御方法のことである。

 【問10:ア】
 ア:東京支店と大阪支店の売上がともに3500以上、または名古屋支店と九州支店の売上がともに3500以上の商品は菓子C、菓子D、菓子Eである。
 イ:東京支店の売上が2500より上、かつ大阪支店の売上が2500より上、かつ名古屋支店の売上が2500以上、かつ九州支店の売上が2500より上の商品は菓子Cと菓子Dである。
 ウ:東京支店の売上が3500より上、かつ大阪支店または名古屋支店の売上が3500より上、かつ九州支店の売上が3500より上の商品は存在しない。
 エ:東京支店+大阪支店+名古屋支店+九州支店の売上の合計が14000以上となる商品は菓子Bと菓子Dである。

 【問11:ウ】
 「サブネットマスク」=IPアドレスのうちネットワークアドレスとホストアドレスを識別する数値。
 「NAPT」=1つのグローバルIPアドレスを複数の端末で共有するためのネットワークアドレス変換技術の1つである。TCP/UDPのポート番号も含めて変換することで、複数の端末を同時に接続させることができる。
 「DNS」=Domain Name Systemの略で、インターネット上でドメイン名を管理・運用するために開発されたシステムのこと。
 「PPPoE」=イーサネットフレーム上にPPPフレームをカプセル化するための通信プロトコルである。主にDSLやCATV、FTTHなどでのブリッジ接続に利用される。
 「DMZ」=DeMilitarized Zoneの略で、直訳すると「非武装地帯」。インターネットなどの外部ネットワークと社内ネットワークの中間に作られるネットワーク上のセグメント(区域)のこと。
 「DHCP」=インターネットに接続しようとするコンピュータに対して、インターネットの住所とも言えるIPアドレスなどの情報を自動的に割り当てる仕組みのこと。
 「IPルーティング」=TCP/IPで通信する場合、送信するパケットにはIP層レベルで宛先アドレス(IPアドレス)が付与されているが、これを元にして順次パケットを目的のノードまで届けること。
 「ルーティングテーブル」=ルーターやネットワーク接続されたコンピュータが持つ、個々のネットワークの宛先への経路の一覧を保持しているテーブル状のデータ構造のこと。
 「MACアドレス」=ネットワーク上で、各ノードを識別するために設定されているLANカードなどのネットワーク機器のハードウェアに(原則として)一意に割り当てられる物理アドレスである。

 【問12:ウ】
 ア:「LTE」の周波数帯については、やや情報が古いがこちらを参照。一方、「プラチナバンド」は700M~900MHz帯という電波がつながりやすい回線が割り当てられている。
 イ:「SIMフリー端末」とは、通信キャリアに縛られることがない端末のことであるが、SIMカードは必要である。
 ウ:「データローミング」とは、例えば海外旅行で日本の携帯会社の電波が届かない場所に行った時に、提携している現地の携帯会社の電波で通信を行う機能のことである。
 エ:「モバイルネットワークオペレータ(MNO)」とは、移動体通信を行う回線網を自社で持ち、通信サービスを提供する通信事業者のことである。これに対して、MNOの回線網を借りて通信サービスを提供する事業者のことを「モバイルバーチャルネットワークオペレーター(MVNO、仮想移動体通信事業者)」と呼ぶ。

 【問13:ア】
 「MTBF」=Mean Time Between Failure(平均故障間隔)。信頼性の指標である。
 「MTTR」=Mean Time To Repair(平均復旧時間)。保守性の指標である。
 「MTBF/(MTBF+MTTR)」=稼働率を算出する式である。
 「信頼性(Reliability)」=システムが故障しないこと。
 「可用性(Availability)」=高い稼働率を維持できること
 「保守性(Serviceability)」=障害が発生した場合に迅速に復旧できること。
 「保全性(Integrity)」=データが矛盾を起こさずに一貫性を保っていること。
 「安全性(Security)」=機密性が高く、不正アクセスがなされにくいこと。
 信頼性、可用性、保守性、保全性、安全性の頭文字を取って「RASIS」と呼ぶ。

 (続く)

2017年08月09日

【中小企業診断士】企業経営理論 解答・解説(2/2)【平成29年度1次試験】


中小企業の社長

 中小企業診断士1次試験(企業経営理論)問題
 中小企業診断士1次試験(企業経営理論)解答
 (※)(一社)中小企業診断協会HPより。

 (前回の続き)

 【問22:イ】
 「解凍―変化―再凍結モデル」とは以下のモデルである。
 (1)解凍
 従来からの日常行動、システム、伝統などに慣れた組織の構成員に対して新たな変化の必要性を理解させる。つまり均衡状態を崩し、従来からのやり方から決別させ、新たな変化に向けての準備をさせる段階のこと。解凍は、推進力(現状から離れた方向に行動をさせる力)が増強された場合、抑止力(現状の均衡を維持しようとする力)が減圧された場合に起こり得る。
 (2)変革
 組織の構成員に対して、新しい行動基準や考え方を学習させる段階のこと。
 (3)再凍結
 導入した新しい変革を組織構成員に定着化・慣習化する段階のこと。再凍結においては、新しい行動基準や考え方を定着させるために、絶えず新しい行動や考え方を強化、奨励する環境を作ることなどが重要である。
 イ:解凍の段階では、過去の失敗と真摯に向き合い、変わらなければならないという危機意識を持たせることが重要となる。

 【問23:オ】
 ア:ベネッセコーポレーションの個人情報漏洩事件など、非正社員が機密事項を漏洩させる事件が発生している。
 イ:非正社員は正社員とほぼ同等の仕事をしているにもかかわらず待遇の面で差があるため、組織に対するロイヤルティを感じにくくなっている。
 ウ:イで述べた通り。
 エ:企業が正社員を育成せずに、必要に応じて非正社員を利用すればよいと考えると、正社員の育成に対するインセンティブが弱まる。
 オ:非正社員が正社員に期待されている役割を遂行できるようになったというよりも、非正社員が正社員と同等の役割を担わされていると言った方が正しい。

 【問24:ア】
 ア:正しい。
 イ:「所定労働時間を超える労働の有無」及び「所定労働時間を超えて労働させる程度」については、労使間で36協定を締結する必要がある。
 ウ:「表彰に関する事項」は就業規則における相対的必要記載事項であり、定めを設ける場合には明文化する必要がある。
 エ:使用者は、仮に雇用契約書を締結しなくても、労働者に適用される労働条件が規定された部分を明らかにした就業規則を交付すれば、当該事項の明示義務を果たしたことになる。

 【問25:エ】
 ア:試用期間中の労働者であっても、雇い入れ時から14日を超えれば、労働基準法第20条に定める解雇予告に関する規定は適用される。
 イ:任意退職の場合、就業規則その他に別段の定めがなければ、民法第627条2項の規定により少なくとも2週間前に予告すればよい。
 ウ:「日々雇い入れられる者」は、継続勤務期間が1か月超の時点で解雇予告が必要となる。
 エ:正しい。

 【問26:ア】
 ア:給与は現金払いが原則である。労働者の銀行口座への振込みによって支払うためには、当該労働者の同意が必要となる。
 イ:年俸に賞与が含まれているケースでは、毎月50万円とはならない。例えば、年俸に4か月分の賞与が含まれている場合、毎月の給与は600万円÷(12か月+4か月)=37.5万円となる。
 ウ:未成年者の親権者または後見人は、その賃金を代わって受け取ることができない(労働基準法第58条、第59条)。
 エ:給与は毎月一定の日に支払う必要があり、毎月の第4金曜日というような特定された曜日に定期賃金を支払うことはできない。

 【問27:ウ】
 ア:労働基準監督署に届け出た労働日、ならびに始業および終業の時刻と異なる日時に労働させた場合には残業代が発生する。なお、1か月単位の変形労働時間制の場合、労働基準監督署に届け出る必要はなく、就業規則に定めれば十分である。
 イ:アと同じ。1年単位の変形労働時間制は、労働基準監督署への届出が必要である。
 ウ:正しい。専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制の違いはこちらを参照。
 エ:フレックスタイム制は、始業および終業の時刻の両方を労働者の決定に委ねる制度である。ただし、企業側が定めるコアタイムには出社する必要がある。

 【問28:イ】
 ア:威光価格の場合、顧客は価格が高いことで高い価値を感じるものであるから、価格を下げるとかえって製品が売れなくなることがある。
 イ:需要曲線が上方に移動すると、販売数量と価格が上昇する。
 ウ:選択肢に記載されている行為はカルテルであり、独占禁止法で禁じられている。
 エ:スキミングプライス(上澄吸収価格)戦略のように、市場導入期に早期に利益を上げて投資を回収するという戦略もある。

 【問29(設問1):エ】
 ア:「クロスバイイング」とは、関連する製品を同時に購入することである。
 イ:「ダンピング」とは、廉価販売のことである。
 ウ:「ブラウジング」とは、インターネットに接続して情報を探し出すことである。
 エ:「フリーライディング」とは、ただ乗りのことである。Y社は、販売員が顧客に対して製品の説明をするのに要するコストをX社に転嫁していると言える。

 【問29(設問2):エ】
 エ:家電量販店の業界で起きたことである。

 【問30(設問1):エ】
 ア:「選択的専門化」とは、複数のセグメントを選択することであり、異なるセグメントの間では市場や製品が共通しない。選択肢にある製品群は剣道用具という点で共通しており、誤り。
 イ:「製品専門化」とは、ある1つの製品を複数のセグメントにまたがって販売することである。選択肢では、豆腐を特定の顧客に販売しているため、誤り。
 ウ:「市場専門化」とは、製品専門化とは逆に、1つの市場に複数の製品を販売することである。選択肢では、タオルを様々な市場(顧客)に販売しているため、誤り。
 エ:正しい。

 【問30(設問2):ウ】
 A:既存の市場に既存の製品を提供するのは、アンゾフの成長ベクトルで言えば「市場浸透戦略」であり、具体的には「顧客内シェアの向上」である。
 B:既存の市場に新規の製品を提供するのは、アンゾフの成長ベクトルで言えば「新製品開発戦略」であり、具体的には「新製品で顧客深耕」である。
 C:既存の製品を新規の市場に提供するのは、アンゾフの成長ベクトルで言えば「新市場開拓戦略」であり、具体的には「既存製品の新用途開発(を通じた新市場の発見)」である。
 D:新規の市場に新規の製品を提供するのは、アンゾフの成長ベクトルで言えば「多角化戦略」であり、具体的には「新製品で市場開拓」である。

 【問31(設問1):ウ】
 ア:「レッドオーシャン戦略」とは、「ブルーオーシャン戦略」の対義語であり、競争が非常に激しい業界における戦略のことを指す。
 イ:「クロスセル」とは、顧客にある製品と関連する製品を一緒に購入してもらうことを指す。
 ウ:正しい。製品のバラエティが豊富であることが価値となり、流通業者から有利な条件を引き出すことができる。
 エ:マーケティング志向の企業は基本的にニーズを出発点とするが、絶対にシーズを出発点としないとは限らない。仮にシーズから出発しても、最終的に顧客のニーズを的確にとらえた製品ができ上がれば、マーケティング志向であると言える。

 【問31(設問2):ウ】
 ア:新製品のコンセプト開発においては、既存顧客や顕在顧客だけでなく、新規顧客や潜在顧客も念頭に置く必要がある。
 イ:新製品のコンセプトは、顧客を含む、企業の外部に対する解りやすさが第一である。
 ウ:正しい。
 エ:「観察法」とは、マーケターが持っている一切の先入観や仮説を排して顧客の購買行動や消費行動を直接観察し、潜在的なニーズを拾い上げる手法であり、製品コンセプトの開発においては極めて重要である。近年では、文化人類学の手法を活用したエスノグラフィー・マーケティングを実践する企業が増えている。

 【問31(設問3):エ】
 ア:PEST分析の「S:Society」は企業文化的環境ではなく、広い意味での文化を指している。
 イ:SWOT分析は、外部環境と内部環境の両方を分析するものである。
 ウ:最大の競争相手の市場シェアで自社の市場シェアを割った値が1を超えていれば、自社はその市場のリーダー企業である。
 エ:正しい。市場全体の経済的なサイズを「PAM(潜在市場)」、自社が提供可能かつアクセス可能な市場のサイズ(長期的に追求すべき市場)を「TAM(有効市場)」、有効市場のうちの特定の顧客セグメント(当面追求すべき市場)を「SAM(対象市場)」、対象市場のうち当面獲得を目指すべき顧客数(市場シェア)を「SOM(獲得市場)」と呼ぶ。

 【問32:オ】
 マーケティングにおける4つの競争次元についての問題である。「ブランド競争」とは類似商品による競争、「産業競争」とは同じ産業間の製品競争、「形態競争」とは同じベネフィット(便益)を得られる製品間の競争、「一般競争」とは財布の中身をめぐる競争を指す。

 【問33:エ】
 ア:ドレッシングは商品間の差を理解しにくく、顧客は慣習的な購買行動をとる。
 イ:「連結型」においては、顧客は各属性について最低限許容できる水準を設定し、全ての属性の最低基準を満たす選択肢を選ぶ。
 ウ:宝石のようによしあしを容易に判断できない高額な製品の場合は、価格やブランドなどを手がかりに、比較的単純な情報処理で購買意思決定を下す。
 エ:正しい。「辞書編纂型」とは、知覚される最も重要な属性から順番に評価し、重要度の高い属性で最高のブランドを選択する。
 オ:「EBA法(参入障壁評価法)」とは、知的資産による参入障壁の高さを評価する方法である。選択肢の記述は「加算型」の説明になっている。

 【問34(設問1):イ】
 ア:顧客は様々な価値観を持っており、それに基づいて情報を解釈するため、説得的情報がそのまま記憶に追加されるとは限らない。
 イ:自分が好きなもの、信じていること、慣れ親しんでいる価値観(世界観)などに合致する情報を選択する心理的傾向を「確証バイアス」と呼ぶ。
 ウ:ポジティブな外部要因によって消費者の好ましいムードを醸成すると、説得的情報が受け入れられやすくなる。
 エ:消費者による評価や選択確率を高めるにはある程度の接触回数が必要であるが、度を越えた接触はかえって消費者の反感を買うことがある。

 【問34(設問2):イ】
 ア:消費者生成型の映像コンテンツを消費者に制作してもらうために消費者の協力を仰ぐ必要があるため、時間的な負担は発生する。また、消費者が制作した映像を企業が編集して使用する場合には金銭的な負担も生じる。
 イ:「統合型マーケティングコミュニケーション」とは、企業が発信する広告、PR、セールス・プロモーション、ダイレクト・マーケティング、製品パッケージといったあらゆるマーケティング・コミュニケーション活動を、受け手である消費者の視点で再構築し、戦略的に統合することである。
 ウ:テレビ広告と新聞の折り込みチラシを連動させることで、コミュニケーションの影響力を強化することができる。
 エ:統合型マーケティングコミュニケーションにおいては、発信されるメッセージは、企業視点ではなく顧客視点で練り上げられる。

 【問35:イ】
 ア:「準拠集団」とは、人の価値観、信念、態度、行動などに強い影響を与える集団(家族、地域、学校、職場など)を意味する。構成員に対して、「かくあるべき」との規範を科すのが特徴である。ただし、準拠集団となるのは、必ずしも当人が所属する集団とは限らない。
 イ:Twitterなど弱いつながりのネットワークが、マーケティング情報の広範で迅速な伝達をもたらすことを想起するとよい。
 ウ:エベレット・M・ロジャースが提唱したイノベーター理論によると、顧客はイノベーター、アーリー・アダプター、アーリー・マジョリティ、レイト・マジョリティ、ラガードに分類される。このうち、オピニオンリーダーとなるのはアーリー・アダプターである。
 エ:人の目に触れる場で使用される製品の方が、顧客は他者の評価を気にするため、ブランド選択における他者集団の影響が大きくなる。

 【問36:ア】
 ア:正しい。製品やサービス自体には価値の一部しか埋め込まれていない。顧客がその製品やサービスを使って何を実現することができるかが顧客にとっての価値となる。
 イ:アで述べた通り、顧客にとっては、製品やサービスそのものではなく、その製品やサービスを使って何を実現できるかの方が大切であるため、デザイン、品質、特徴といった部分的な要素よりも、製品やサービス全体としての提供価値を重視するべきである。
 ウ:ホテル業や鉄道業は接客サービスを伴うので、サービス業である。
 エ:マーケティング視点での製品開発においては、コスト低減のみが最優先課題となるわけではない。多少コストが高くても、そのコストを上回る価値を提供することができれば、マーケティング視点に立った製品開発が実践できていると言える。

2017年08月08日

【中小企業診断士】企業経営理論 解答・解説(1/2)【平成29年度1次試験】


事業戦略

 中小企業診断士1次試験(企業経営理論)問題
 中小企業診断士1次試験(企業経営理論)解答
 (※)(一社)中小企業診断協会HPより。

 【問1:オ】
 ア:「事業ドメイン」とは、それぞれの事業が戦うフィールドを指し、「企業ドメイン」とは、複数の事業を束ねて全社的にどのフィールドで戦うのかを示す。「企業の基本的性格を決めてアイデンティティを確立する」のは事業ドメインではなく、企業ドメインである。
 イ:「現在の活動領域や製品分野との関連性を示し、将来の企業のあるべき姿や方向性を明示」するのは事業ドメインではなく、企業ドメインである。
 ウ:「個別事業の競争力」を決めるのは企業ドメインではなく、事業ドメインである。
 エ:「全社戦略の策定と企業アイデンティティ確立のための指針として、外部の多様な利害関係者との間のさまざまな相互作用を規定する」のは事業ドメインではなく、企業ドメインである。
 オ:正しい。範囲の経済とは、共通の生産能力や顧客に基づいて製品の種類を増やすことによって収益を増大させることを言う。

 【問2:イ】
 ア:「金のなる木」は市場成長率が低く(=キャッシュアウトが小さく)、相対的市場シェアが大きい(=キャッシュインが大きい)ため「Cash Cow」であり、撤退するべきではない。
 イ:「問題児」は市場成長率が高いにもかかわらず相対的市場シェアが小さい領域であり、「金のなる木」から資金を回せば競争優位を実現できる可能性がある。一方、「負け犬」は市場成長率も相対的シェアも低い領域であり、撤退が最善策である。
 ウ:資金の流入は相対的市場シェア、資金の流出は市場の成長率で決まる。
 エ:PPMは事業間のマーケティングや技術に関するシナジーを考慮せず、あくまでも財務面のシナジーのみを追求している。
 オ:PPMは事業の選択と集中が目的であり、範囲の経済の実現が目的ではない。

 【問3:オ】
 ア:業界内で希少な経営資源が企業の競争優位の源泉となる。
 イ:他の企業がその経営資源を別の経営資源で代替するコストが大きい場合、持続的な競争優位を確立することができる。
 ウ:業界内で希少な経営資源が企業の競争優位の源泉となる。
 エ:業界内で希少な経営資源が企業の競争優位の源泉となる。また、資源を活かす組織の方針や体制が整わなければ、競争優位性を発揮できない。
 オ:希少で(Rarity)価値があり(Value)模倣が難しい(Imitability)経営資源は競争優位の源泉となる。なお、VRIOのOはOrganization(組織)であり、企業の経営資源を有効に活用できる組織体制になっているかどうかを指す。

 【問4:エ】
 ア:デューデリジェンスは統合段階で実施するのではなく、統合の前に実施する。
 イ:異業種のM&Aでも業績不振の立て直しはできる。一方、異業種のM&Aの場合は、自社の事業と関連性の薄い経営資源を取り込んでしまうリスクがある。
 ウ:相手企業を裏切ることでその企業の評判に悪影響が起こる可能性があることは、戦略的提携における裏切りのインセンティブを抑制する。
 エ:戦略的提携はM&Aに比べて統合の深度が低いため競争優位性の確立が難しいが、低コストで新規分野に参入できるというメリットがある。
 オ:同業種のM&Aの場合は、範囲の経済ではなく規模の経済が期待できる。また、統合後も生産体制や販売チャネルの調整など一定のコストがかかる。

 【問5:ア】
 ア:同一業界で複数のカンパニーを設立すると、カニバリゼーション(共食い)が発生する。
 イ:ブランドマネジャーの説明になっている。
 ウ:「不確実性の高い新事業を切り離して法人格を持つ別会社として制度的に独立させ、本業や既存事業におよぼすリスクを軽減する」やり方は、イノベーションを立ち上げる時に採用される方法である。
 エ:純粋持ち株会社では、傘下の企業の経営戦略を標準化して集中的に管理するようなことはせず、傘下の企業の自主性が尊重される。
 オ:純粋持ち株会社では、雇用形態や労働条件を傘下の企業ごとに個別に設定する。

 【問6:エ】
 ア:MBOは「経営陣による買収」である。役員を刷新して経営を引き継がせることではない。
 イ:「役員ではない企画部長と営業課長に株式を売却」することではない。
 ウ:「役員ではない従業員に経営を引き継がせる」ではない。
 エ:正しい。
 オ:「役員ではない企画部長と営業課長」が株式を取得することではない。

 【問7:ア】
 ア:製品市場における規模の経済を実現していても、代替品の脅威は競争優位性を脅かす。
 イ:経路依存性は、「あらゆる状況において、人や組織がとる決断は、(過去の状況と現在の状況は全く無関係であったとしても)過去のにその人や組織が選択した決断によって制約を受ける」という理論である。別の言い方をすれば、「経路依存性のある経営資源」とは、その企業に固有の歴史によって蓄積された特別な経営資源であり、競合他社による模倣は難しい。
 ウ:明確な差別化がされていれば、独自のポジショニングを確立することが可能であり、競合他社との競争を回避できる。
 エ:通常、差別化された製品は特定の顧客セグメントを対象としているのに対し、標準化された製品は幅広い顧客セグメントを対象とするため、矛盾をきたす。
 オ:スイッチング・コストとは、ある企業の製品から別の企業の製品に乗り換える際に発生する費用のことである。スイッチング・コストが高い場合、顧客は製品の乗り換えに後ろ向きになる。

 【問8:エ】
 ア:規模の経済では、同一の製品を大量に生産する。
 イ:規模の経済とは生産体制の拡大のことで、マーケティング組織の規模の維持ではない。
 ウ:VA/VEの説明になっている。
 エ:正しい。
 オ:経験曲線の説明になっている。

 【問9:イ】
 イ:投資事業有限責任組合では、組合の業務を執行する者は無限責任組合員である。
 ア、ウ、エ、オの記述は正しい。

 【問10:ウ】
 ア:基礎研究を応用研究につなぐ際の課題は「魔の川」である。応用研究を事業化する際の課題が「死の谷」、事業化した製品が収益を上げるまでの課題が「ダーウィンの海」である。
 イ:「技術や市場が新規の製品」の場合、「現場で培った経験や知識」は革新的な製品を生み出す上で足かせとなることがある。
 ウ:正しい。製品開発の早い段階で顧客を巻き込むことで、問題が小さいうちにその問題を発見することができ、手戻りが発生したとしても、全体で見れば開発リードタイムを短縮できる。
 エ:ステージゲート管理では、移行可否の判断基準の設定や移行可否の権限が各段階に与えられる。各ステージゲートでGOサインが出なければ、次のフェーズに移ることができない。
 オ:コンカレントエンジニアリングの説明であるが、コンカレントエンジニアリングによって開発リードタイムを短縮することが可能である。

 【問11:ア】
 ア:アーキテクチャの構成要素を改善する場合には、他の構成要素にも影響を及ぶすので、システムの複雑性に対処するための専門横断的に共有される知識が必要となる。
 イ:アーキテクチャの構成要素の組み合わせやつながり方を変える場合には、専門領域に固有な知識だけでなく、専門横断的に共有される知識が必要となる。
 ウ:ユーザーの価値の変化に適応した製品コンセプトを生み出す場合には、知識ドリブンではなく、アイデアドリブンの開発が重要となる。
 エ:モジュラー・イノベーションでは、その構成要素をめぐって培われた学習や経験などの暗黙知的な知識ではなく、技術的・専門的な形式知が重要である。
 オ:製品コンセプトを変えるようなラディカルなイノベーションでは、既存の知識が役に立たないことから、専門的な技術知識を持たないユーザーからの製品価値評価を用いるべきである。

 【問12:エ】
 ア:カフェテリア・プランは自然災害や大事故などの突発的な不測の事態とは無関係である。
 イ:クライシス・マネジメントは、クライシス=自然災害や大事故などが発生した後に危機への対応を図るマネジメントのことである。
 ウ:「事業インパクト分析」とは、事業の中断が事業に与える影響を明らかにすることにより「事業継続のために必要なものは何か」を特定する分析手法のことであり、コンティンジェンシー・プランではなく、事業継続計画(BCP)で用いられる。
 エ:正しい。
 オ:事業継続計画において、「災害時のロジスティクスの確保を重視した企業間ネットワークの構築」は一部にすぎない。BCPの目的は、災害時に必要最低限の稼働を確保することにある。

 【問13:ウ】
 ア:規模の経済が作用し、現地市場への適応の必要性が低い製品を提供する企業では、本社主導の下、グローバルで標準的な製品を生産・販売する。
 イ:グローバルな統合の必要性は低く、現地市場への適応の必要性は高い製品を提供する企業では、現地子会社に対する分権化、権限移譲が行われる。
 ウ:正しい。
 エ:各国の認可と文化的理解の必要性が高い製品の場合は個別対応が必要であるため、全社方針の下、集中的に生産拠点と販売拠点を整備することはできない。
 オ:製品開発の固定費が大きく、現地の習慣や文化への配慮の必要性が低い製品を取り扱う企業では、本社主導の下、グローバルで標準的な製品を生産・販売する。

 【問14:エ】
 ア:機能部門化とは、マーケティング、設計、生産、購買、営業、アフターサービスなどのように、機能特化した組織を作ることである。
 イ:情報ネットワーク技術の発展が発達しても、指揮命令系統は依然として組織デザインの要素としては重要である。むしろ、コミュニケーションが複雑化しているからこそ、指揮命令系統をはっきりさせなければならない。
 ウ:仕事を細かく分割された作業ルーティンとしてではなく、トータルなプロセスとして任せるように割り当てることは、「職務拡大」である。
 エ:正しい。業務に関する細かいマニュアルが整備されると、社員の自由裁量の余地が少なくなるのがその例である。
 オ:集権化と分権化の説明が逆である。集権化すると迅速な組織的な行動が可能となり、分権化すると環境変化への対応力を高めることができる。

 【問15:イ】
 ア:「フィードフォワード」とはフィードバックの逆。サプライヤーから原材料や設備を入手する際に、様々な性能やスペックを事前にテストしても、最終的なアウトプットの性能をあらかじめ保証できるとは限らない。
 イ:「オープンループ・システム」とは、制御理論において、現在の状態と制御システムのモデルのみを使って入力に対して計算を行う制御を指す。フィードバックを使わずに、入力が所定の目標値に達したかを判断することを特徴とする。つまり、オープンループ・システムは制御しているプロセスの出力を観測しない。したがって、管理者は組織構造のプログラム化された側面を評価しなければならない。
 ウ:イで述べたように、「オープンループ・システム」では活動プロセスの成果を評価しない。
 エ、オ:「フィードバック・システム」は、下流にある活動の制御にも有効である。

 【問16:エ】
 ア:マズローの欲求5段階説では、下位の欲求が満たされないと上位の欲求に移行しない。
 イ:マグレガーのX理論とY理論は、端的に言えばX理論が性悪説、Y理論が性善説に立脚しており、Y理論に基づいて動機づけを行うべきだというものである。状況に応じてモチベーションを刺激する組み合わせを変化させる必要性があることを説いた理論ではない。
 ウ:マクレランドは、人間には「達成欲求」、「親和欲求」、「権力欲求」の3つの欲求があることを発見した。達成欲求が強い人は必ずしも親和欲求が高いとは限らない。
 エ:ハーズバーグの言う「衛生要因」とは不満足をもたらす要因、「動機づけ要因」とは満足をもたらす要因である。ハーズバーグは、「衛生要因」を改善しても不満足は減るが満足度は上がらないことを発見した。満足度を上げるには「動機づけ要因」の改善が効果的である。
 オ:ブルームの期待理論によれば、モチベーションは期待できる成果とその成果が実現できる可能性の積によって表される。

 【問17:イ】
 イ:「自分の専門分野や職業に対して強い心理的愛着を持っている」人は、必ずしも組織に対して愛着(ロイヤルティ)を抱いているとは限らない。自分の能力や経験がより活かせる職場が見つかると容易に転職する傾向が見られる。

 【問18:イ】
 イ:職業的自己概念は、私生活の満足やパーソナリティと密接に関連している。キャリアはパーソナリティ(性格、価値観)を軸として、職業生活だけでなく私生活をもスコープとしながら、トータルでデザインする必要がある。

 【問19:イ】
 ア:官僚制組織を思い浮かべると解りやすい。
 イ:クラン文化の場合、経営理念を組織内部に浸透させ、従業員に共有された強い価値観を作り出すことが重要であるが、リーダーは社員の自発的活動の促進者、メンター的温かい支援者、チームワークの開発者に徹する。
 ウ:「マーケット文化」は結果主義の組織文化である。リーダーは厳しい要求で社員を鼓舞し、生産的で競争を好む傾向がある。
 エ:「アドホクラシー」とはアドホック(ad hoc)=特にこのための、この問題に限るといった意味を持つラテン語の名詞形である。日常的なものに対して、臨時的・専門的なものに用いる。1つ1つのプロジェクトがいわば企業のようなものであり、企業家的なリーダーシップが要求される。

 【問20:イ】
 ア:「社会化(Socialization)」とは、ある人の暗黙知を別の人と共有することを指す。新入社員の研修活動を通じて組織文化に適応させることではない。
 イ:表出化(Externalization)とは、暗黙知を形式知に転換することである。
 ウ:内面化(Internalization)とは、共有された形式知を組織のそれぞれのメンバーが自分の暗黙知に落とし込むことである。
 エ:連結化(Combination)とは、形式知を別の形式知と結合して知識を創造することである。

 【問21:エ】
 ア:利害関係者とのコンフリクトが生じる場合、我々の組織は何者なのかという組織アイデンティティを明確にしなければ、交渉の席で自己の主張をはっきりと表現することができない。
 イ:組織アイデンティティとは、トップマネジメントが経営理念や組織文化に反映していく自社のイメージを意味すると同時に、自社が周囲からどう見られているかというイメージも意味する。
 ウ:組織アイデンティティは、外部環境からの影響を受けて変化することがある。具体的には、顧客ニーズの変化に対応すると、我が社にできることは何かというイメージも変わる。
 エ:正しい。組織アイデンティティには、自己認識と他者からの認識という両側面がある。
 オ:複数の組織アイデンティティを持つと、外部環境の複雑性に適応できる可能性が高まる(過剰適応ではない)。

 (続く)




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