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石川幸一、清水一史、助川成也『ASEAN経済共同体の創設と日本』―モノ・ヒト・カネの自由化の現状について
ASEAN新著の著者が語る『検証:ASEAN経済共同体の創設―サービス、金融、運輸・交通』(セミナーメモ書き)
シンポジウム「変わるASEAN、変わらないASEAN:2015年ASEAN経済共同体実現を捉えて」に参加してきた

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谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京23区、神奈川県川崎市・横浜市を中心に活動する中小企業診断士・コンサルタント。

 専門領域は、(1)経営ビジョン・事業戦略の策定、(2)ビジョンや戦略とリンクした人材育成計画の立案・人事評価制度の構築、(3)人材育成計画に沿った教育研修プログラムの企画・開発。

 モットーは「日々改善、日々成長」、「実事求是」、「組織のためではなく知識のために働く」、「奇策は定石より先に立たず」、「一貫性(Consistency)」、「(無知の知ならぬ)無知の恥」

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

 ブログタイトルに、oasisの往年の名曲『Whatever』を入れてみた。

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2017年06月25日

石川幸一、清水一史、助川成也『ASEAN経済共同体の創設と日本』―モノ・ヒト・カネの自由化の現状について


ASEAN経済共同体の創設と日本ASEAN経済共同体の創設と日本
石川 幸一 清水 一史 助川 成也

文眞堂 2016-11-20

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 本書の内容をPPTでまとめておいた(いつものスタイルと違う点をご容赦いただきたい)。

①ASEANにおける関税削減スケジュール

②ASEANにおける関税削減状況

③後発4か国の関税削減スケジュール

④ASEANにおける交通

⑤ASEANにおける陸の交通

⑥陸の交通をめぐるprotocolの状況

⑦実現を目指すシングルストップ/ウィンドウ

⑧ASEANの越境貿易に要する時間・コスト

⑨ASEANにおける人の移動

⑩サービスの国際取引に関する4つのモード

⑪ASEANのサービス投資の自由化

⑫ASEANのサービス投資の自由化(国別)

⑬国・分野別に見た自由化の状況

⑭銀行、保険、その他金融の自由化



2016年12月26日

ASEAN新著の著者が語る『検証:ASEAN経済共同体の創設―サービス、金融、運輸・交通』(セミナーメモ書き)


バンコク・カオサンロード

 (※)バックパッカーの聖地、タイのカオサンロード。

 日本アセアンセンター主催のセミナー「ASEAN新著の著者が語る『検証:ASEAN経済共同体の創設―サービス、金融、運輸・交通』」に参加してきた。以下、セミナー内容のメモ書き。

ASEAN経済共同体の創設と日本ASEAN経済共同体の創設と日本
石川 幸一 清水 一史 助川 成也

文眞堂 2016-11-20

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 《Ⅰ.サービス》
 (1)まず、サービス貿易には4形態があることを押さえておく必要がある。
 <第1モード>
 【国境を越える取引】
 いずれかの加盟国の領域から他の加盟国の領域へのサービス提供。
 《例》A大学(日本)がB大学(タイ)に対してオンライン授業を実施し、B大学の学生がタイでそのオンライン授業を受講する。

 <第2モード>
 【海外における消費】
 いずれかの加盟国の領域内におけるサービスの提供であって、他の加盟国のサービス消費者に対して行われるもの。
 《例》A大学(日本)にB大学(タイ)の学生が訪問し、A大学の講義に参加する。

 <第3モード>
 【業務上の拠点を通じてのサービス提供】
 いずれかの加盟国のサービス提供者によるサービスの提供であって、他の加盟国の領域内の業務上の拠点を通じて行われるもの。
 《例》A大学(日本)がタイにA大学分校を設立し、タイの学生に対して講義を実施する。

 <第4モード>
 【自然人の移動によるサービス提供】
 いずれかの加盟国のサービス提供者によるサービスの提供であって、他の加盟国の領域内の加盟国の自然人の存在を通じて行われるもの。
 《例》A大学(日本)がB大学(タイ)に教師を派遣し、B大学で講義を実施する。

 各モードに関する規制緩和は以下の通り。
 ①第1モード、第2モードについては制限を撤廃。ただし、善意に基づく規制理由(公共の安全など)は例外とする。
 ②第3モード(外国(ASEAN)からの資本参加の容認)については次の通り。
 a)4優先サービス分野については、2008年までに51%以上、2010年までに70%の外資参加を容認。b)物流サービス分野については、2008年までに49%、2010年までに51%、2013年までに70%の外資参加を容認。c)その他のサービス分野については、2008年までに49%、2010年までに51%、2015年までに70%の外資参加を容認。その他の第3モード市場への参入制限を2015年までに段階的に撤廃。

 (2)第3モードの外資出資比率緩和スケジュールは、次のように進行した。
 <第7パッケージ(目標終了期限=2008年経済相会議)>
 優先統合分野(29)は51%、ロジスティクス分野(9)は49%、その他サービス(27)は49%(つまり、外資がマジョリティを獲得できるのは優先統合分野のみ)。

 <第8パッケージ(目標終了期限=2012年経済相会議)>
 優先統合分野(29)は70%、ロジスティクス分野(9)は51%、その他サービス(42)は51%(第3モードの全ての分野において、外資のマジョリティ獲得が可能となった)。

 <第9パッケージ(目標終了期限=2013年経済相会議)>
 ロジスティクス分野(9)は70%、その他サービス(66)は51%(ロジスティクス分野の外資出資比率の上限が70%まで引き上げられた。また、その他サービスの対象分野が増加した)。

 <第10パッケージ(目標終了期限=2015年経済相会議)>
 その他サービス(90)は70%(その他サービスの対象分野が増加し、かつ外資出資比率の上限が70%まで引き上げられた)。

 (3)ASEAN各国の第9パッケージの履行状況だが、自由化対象業種のうち、当該業種全てにおいて自由化が進んでいる業種の割合が約半数に及ぶ(=自由化が進んでいる)のはインドネシア、マレーシア、シンガポール、ベトナムである。一方、自由化が当該事業の一部にとどまる業種の割合が高い(=自由化が遅れている)のはタイ、フィリピンである。

 サービス種類別に第3モードの自由化の状況を見ると、比較的自由化が進んでいるのは、実務、通信、建設および関連エンジニアリング、流通、教育、環境、金融、観光・旅行サービスである。一方、健康関連・社会事業、娯楽・文化・スポーツ、運送サービスは自由化が遅れている。

 (4)ASEANのみに出資比率が緩和されている事業がある。例えば、インドネシアでは、「森林地域内でのエコツーリズム施設、活動、サービス事業の形態によるネイチャーツーリズム事業」について、外資の出資比率上限を51%としているが、ASEAN企業に限っては出資比率の上限を70%まで引き上げている。ただし、ASEAN企業の定義は明確になっていない。ASEANの法に基づく、ASEANで実質的にオペレーションをしている、ASEANで5年以上事業を継続しているなどの条件が想定されるが、最終的には各国政府の判断に委ねられると考えられる。

 《Ⅱ.金融》
 (5)ASEANの金融統合の中心分野としては、以下の3つが挙げられる。
 <①金融サービスの自由化>
 銀行、証券、保険など金融機関がASEAN域内での活動を自由にすることを目指す。具体的には「ASEAN銀行統合枠組(ABIF)」により、平等なアクセス、待遇、環境を確保する。ABIFに基づく「適格ASEAN銀行」の認定を進める。また、「ASEAN保険統合枠組(AIIF)」は保険業界の自由化を目指しており、消費者の選択肢の増加に資する。

 <②資本取引の自由化>
 域内各国間での規制緩和による経常取引、海外直接投資、証券投資などの資金フローの自由化を目指す。具体的な取り組みとしては「資本取引自由度ヒートマップ」の作成が挙げられる。証券投資および他項目の流入・流出資本フローや対内および対外の直接投資などの指標に基づいて、各国の目標達成度合いをモニタリングするツールである。

 <③資本市場の発展>
 ASEANの様々な資本市場間でのクロスボーダーの協力実現を目的とする。金融機関に関する監視の能力を含む能力開発とインフラ整備に主眼が置かれており、相互認証、ルール・規制の調和を目指している。具体的な取り組みとしては、「ACMF(ASEAN Capital Market Forum)」が挙げられる。③については、マレーシア、タイ、シンガポールの3か国が先行して進めている項目が多く、①②に比べると具体的な成果が多い。

 (6)(5)の取り組みに対して、外部機関は概ね肯定的な評価をしている。ERIA(東アジア・ASEAN研究センター)は、域内金融の安定化と2020年までの銀行セクターの多国間の自由化はゆっくりだが着実に進展していると述べている。しかし、ASEAN各国の金融市場の発展段階、経済構造、優先度は多様であり、金融・資本分野統合の前提条件を整えるのはチャレンジングであるとも指摘している(2014年)。また、IMFは、「物事をゆっくり、着実に進める」という「ASEAN WAY」にも理解を示しており、一連の取り組みはASEANの経済成長、1人あたりの所得増に寄与していると評価している(2015年)。

 (7)ASEANの今後の課題としては大きく2つある。1つ目は、「資本取引自由度ヒートマップ」の精緻化である。ASEAN各国が自己評価した結果によると、ラオス、ミャンマーを除き自由化が相応に進捗している印象を受ける。ところが、この結果は、ERIAやIMFの評価と差がある。ASEAN各国の自己評価に頼っていることが影響していると考えられる。ASEAN共通の評価基準を明示し、客観的なスコアリングを行う必要がある。

 2つ目の課題は、域内国通貨間の為替レートの安定化である。各国の独立した金融政策の維持を前提とする場合、域内通貨間の為替レートのより柔軟な変動を許容しなければならない。ここで、ASEAN各国の現状の経済発展段階の違いを踏まえると、現時点でEUのような共通通貨を想定するのは困難である。しかし、域内通貨間の為替レートの安定に向けた取り組みの整理・検討が将来的には必ず必要となる(必ずしも共通通貨である必要はない)。

 《Ⅲ.運輸・交通》
 (8)AEC2025ブループリントでは、交通・運輸に関して連結性を実現するとある。「物理的連結性」(=ハード。陸上、海上、航空運輸。内陸水運、島嶼間リンク、インターモーダル輸送)は比較的進んでいるが、「制度的連結性」(=ソフト。交通、運輸の円滑化。物品貿易の自由化。国境手続きの円滑化)はやや遅れている。ASEANの交通プロジェクトは、越境交通に注力しているという特徴がある。他方、日本からの支援は都市交通の整備を主眼としている。しかし、越境交通の需要はまだ比較的小さく、長距離鉄道はBtoBでほとんど使われていないことから、整備が長期間に渡って停滞している。

 (9)陸上交通のフラッグシッププロジェクトは、①ASEANハイウェイ(AHW)の完成と②シンガポール―昆明鉄道(SKRL)主線の建設と支線の建設完了の2つである。①に関しては、ミャンマーにミッシングリンクが存在しており(=ミャンマーに悪路が多い)、その解消が課題となっている。②に関しては、既存の鉄道をどのようにアップグレードするかが1990年代から続く課題である。ASEAN各国は、GMS越境交通協定(CBTA)には2007年に加盟しているが、交通円滑化協定(AFAFGIT・AFAMT・AFAFIST)の批准は進んでいない

 (10)海上交通の主なテーマは、①ASEAN海運単一市場(ASSM)と②RoRo船の優先航行ルートの実現である。ただし、①は難航しており、AEC2015ブループリント、AEC2025ブループリントともに記載がない。一方、RoRo船は短距離輸送に向いており、需要も高いことから、整備が進んでいる。航空交通は例外的に進捗している領域であり、航空協定(MAFLAPS、MAAS)は全てのASEAN加盟国が批准している。いわゆる「9つの自由」のうち、5つまでが実現している。


2015年12月23日

シンポジウム「変わるASEAN、変わらないASEAN:2015年ASEAN経済共同体実現を捉えて」に参加してきた


singapore_night_view

 (※写真はシンガポールの夜景)

 日本アセアンセンターが主催するシンポジウム「変わるASEAN、変わらないASEAN:2015年ASEAN経済共同体実現を捉えて」に参加してきた。2015年末には、ASEAN経済共同体(AEC:ASEAN Economic Community)が発足する(以前の記事「「ASEAN社会文化共同体:2015年とその後の展望セミナー」に行ってきた」を参照)。

 (1)1985年9月のプラザ合意以降、日本企業はASEANへの直接投資を増加し、ASEAN各国の輸出指向の工業化を支援してきた。1988年には「BBCスキーム」(ブランド別自動車部品保管流通計画)が始まり、さらに1996年からは「AICO」(ASEAN産業協力)が展開されている。

 BBCスキームとは、自動車産業を対象とした制度である。ASEAN域内における企業の部品相互補完流通計画がASEAN上級経済関係者会議で認可されることを条件に、自動車部品がASEAN国内で生産されたものであると認定され、さらに認定部品をASEANの他国へ輸出する際の関税が減免されるといった恩典が受けられる。BBCスキームは、三菱、トヨタ、日産など日本の自動車メーカーが主導し、部品の域内調達や生産拠点の展開・強化へとつながった。また、AICOは、BBCスキームを製造業全般に拡張した制度である。

 近年、中国・インドが高い経済成長を背景に、直接投資受け入れ先として急激に台頭している。危機感を抱くASEANは、AECを外国投資を呼び込むための基盤としたい考えである。

 (2)ASEANはAECの発足に先立ち、1993年からAFTAによって域内関税の引き下げを行ってきた。2010年1月には、先行6か国で関税が全撤廃された。新規加盟4か国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)でも全品目の98.96%の関税が5%以下となった。2015年1月1日時点で、全加盟国の関税撤廃割合は95.99%となっている(新規加盟4か国は、品目の7%までは2018年1月1日まで撤廃が猶予される)。日本が諸外国と締結しているFTA/EPAでは、関税撤廃率が80~90%台にとどまることから、AFTAの水準がいかに高いかが解る。

 2015年末にAECが発足することになっているが、実は発足に伴って何かが変わるわけではない。前述の通り、先行6か国の関税は2010年1月に撤廃されている。2016年1月1日以降、関税撤廃が猶予されている新規加盟4か国の7%の品目について、段階的に関税が引き下げられる見込みである(ちなみに、ベトナムが猶予されているのは、鉄鋼、紙、医療用織布、自動車および二輪車、自動車および二輪車部品、設備機械、建設資材などである)。

 (3)AFTAは他のFTAに比べて利用率が低いと言われる。確かに、2014年のASEAN域内貿易比率は24.2%であり、EUの60.8%よりもはるかに低く、ASEAN域内貿易が不活性であるようにも映る(なお、ASEAN+3(日中韓)で見ると38.7%で、NAFTA(41.4%)とほぼ同じになる)。

 だが、例えばタイのASEAN向け輸出のうち、AFTAを利用している割合(シンガポールを除く)は、2000年には約10%だったのが、2003年には約20%、2010年には38.4%となっており、AFTAの利用率は着実に伸びている。特に、2010年のタイのインドネシア向け輸出では61.3%、フィリピン向け輸出では55.9%がAFTAを利用している。

 ただし、AFTA利用には課題もある。AFTAに限らず、FTAを利用するには各国の指定機関から「原産地証明」を取得する必要がある。その手続きが煩雑でコストがかかるため、企業が自ら証明書を作成する「自己証明制度」の導入を検討していることがある。ASEANの場合は、ASEAN物品貿易協定(ATIGA)が自己証明制度を定めている。

 ASEANでは「第1認定輸出者自己証明制度」(輸入事業者全般)と「第2PP認定輸出者自己証明制度」(製造業者のみ)という2つのパイロットプロジェクトが実施されている。当初、2015年末に双方を比較して優れた方を選択する予定だったが、一部の国が参加していないこと、十分な実施事例が収集できていないことなどから、全面実施は2016年以降に先延ばしとなった。

 (4)2015年10月にTPPが大筋合意に至ったことを受けて、ASEAN諸国もTPP参加を検討し始めている。インドネシアのジョコ大統領は、10月下旬にTPP参加を表明した。タイは、今後2年間でTPPに参加するか否かを判断することを発表した。フィリピンもTPPへの参加意欲を持っている。ただし、フィリピンがTPPに参加する場合には、サービスの自由化を実現するために、外資上限などを定めた憲法を改正する必要がある。アキノ大統領の任期は2016年6月までであり、憲法改正は絶望的である。また、次期大統領が憲法を改正するかどうかも不透明な状況だ。

 フィリピンは同様の理由で、ASEANのサービス貿易自由化、外資出資比率緩和を定めたAFAS(ASEAN Framework Agreement on Services)にも合意できていない。AFASは、金融、航空輸送、農水鉱製造関連サービスを除く128のサブセクターについて、2015年までに外資容認比率を70%まで引き上げることを目指している。だが、これにもからくりがある。タイとベトナムは、ともに現時点で81のサブセクターを自由化している。ところが、ベトナムは62のサブセクター全体で自由化を実現しているのに対し、タイはサブセクター全体の自由化が12にとどまり、残りは一部しか自由化していない

 (5)ASEANではシンガポール、マレーシアを筆頭に多国籍企業が生まれており、日本企業もそれらの企業への投資を進めている。従来は現地企業に出資してその国の市場を攻めるのが主流であったが、昨今は出資した現地企業を拠点として第三国に進出する動きが見られる。
 -三井物産・・・マレーシアのIHH Healthcare(12か国に39病院を展開。社員数2万5,000人超。上場している病院経営会社の中では時価総額世界2位。1位はアメリカ企業だが国内病院のみが対象であるため、グローバル規模の病院経営会社としては世界1位)に約900億円を出資、アジア地域を中心に病院経営を拡大。
 -サンヨー食品・・・シンガポールのOlam International(世界有数の農産物商社。65か国に事業拠点。社員数2万3,000人)と合弁会社を新設、アフリカ市場開拓を強化。
 -三菱商事・・・シンガポールのOlam Internationalの発行済株式20%を取得(出資額1,300億円)。タイのIchitan Group(飲料大手)と合弁会社を新設、インドネシア市場に進出。
 -伊藤忠商事・・・タイの最大財閥Charoen Pokphand(CP)Groupと資本・業務提携。中国を中心にアジア全域で競争力強化を狙う。

 (6)ASEAN域内の経済的結びつきが強まるにつれて、人の移動も活発になっている。人の移動が増えているのは、
 -インドネシア⇒マレーシア、タイ
 -マレーシア⇒シンガポール
 -ラオス⇒タイ
 -カンボジア⇒タイ
 -ミャンマー⇒マレーシア、タイ
である。インドネシア、ラオス、カンボジア、ミャンマーは送出国、タイは受入国、マレーシアは受入国であると同時に送出国である、という構図が浮かび上がってくる。タイが周辺3か国(カンボジア、ラオス、ミャンマー)から正式な手続きに従って受け入れた労働者の数は約25万人であるが、実際にはその10倍以上の約280万人の労働者がタイに流れ込んでいると推計される。

 送出国と受入国は対立が続いている。送出国は、国内の雇用不足の解消や、海外送金による国際収支の改善を期待する。一方で、受入国は、低賃金労働者の流入による国内労働市場の逼迫、不法労働者・不法滞在者の増加による社会的不安に頭を悩ませている。

 2007年には「移民労働者の権利の保護と促進に関するASEAN宣言」が採択され、2009年には同宣言がASEAN社会文化共同体(ASSC)のブループリントに明記された。しかし、2007年宣言には法的拘束力がない。送出国であるインドネシア、フィリピンは法的拘束力を求めているのに対し、受入国であるシンガポール、マレーシアが難色を示している。



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