このカテゴリの記事
『知性を問う(DHBR2017年5月号)』―AI(人工知能)にできないことは「意識」/マーケティングとイノベーションの二項混合?
『人材育成(DHBR2017年4月号)』―人事考課は不要かと聞かれれば「それでも必要だ」と私は答える、他
『顧客は何にお金を払うのか(DHBR2017年3月号)』―USJ、Supership(nanapi)、ユニリーバの戦略比較

お問い合わせ
お問い合わせ
アンケート
プロフィール
谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京23区、神奈川県川崎市・横浜市を中心に活動する中小企業診断士・コンサルタント。

 専門領域は、(1)経営ビジョン・事業戦略の策定、(2)ビジョンや戦略とリンクした人材育成計画の立案・人事評価制度の構築、(3)人材育成計画に沿った教育研修プログラムの企画・開発。

 モットーは「日々改善、日々成長」、「実事求是」、「組織のためではなく知識のために働く」、「奇策は定石より先に立たず」、「一貫性(Consistency)」、「(無知の知ならぬ)無知の恥」

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

 ブログタイトルに、oasisの往年の名曲『Whatever』を入れてみた。

◆旧ブログ◆
マネジメント・フロンティア
~終わりなき旅~


◆別館◆
こぼれ落ちたピース
所属組織など
◆個人事務所「シャイン経営研究所」◆ シャイン経営研究所ロゴ


(一社)東京都中小診断士協会一般社団法人東京都中小企業診断士協会
(城北支部執行委員、青年部長、および国際部員を務めています)

NPOビジネスサポート特定非営利活動法人NPOビジネスサポート
(監事を務めています)

企業内診断士フォーラム(KSF)企業内診断士フォーラム
(独立診断士の立場から、企業内診断士の活動を応援しています)

Experian海外企業信用調査 海外企業信用調査(Experian)
(一緒にお仕事をさせていただいている「コンサルビューション株式会社」は、世界最大の信用調査会社Experianの正規代理店です)

中小企業診断士の安い通信講座なら「資格スクエア」資格スクエア
(以下の資格の講師をしています。
 ―ITパスポート
 ―情報セキュリティマネジメント
 ―経営学検定(初級・中級)
 ―中小企業診断士(企業経営理論、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策)
 谷藤友彦と株式会社サイトビジット代表取締役・鬼頭政人氏の対談動画(1)(2)(3)
アクセスカウンター(PV)
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:


Top > DHBR アーカイブ
2017年05月10日

『知性を問う(DHBR2017年5月号)』―AI(人工知能)にできないことは「意識」/マーケティングとイノベーションの二項混合?

このエントリーをはてなブックマークに追加
ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 5 月号 [雑誌] (知性を問う)ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 5 月号 [雑誌] (知性を問う)

ダイヤモンド社 2017-04-10

Amazonで詳しく見る by G-Tools

 ※私が愛してやまないMr.Children、デビュー25周年おめでとうございます。いつも心に沁みる名曲を届けてくれてありがとうございます。これからもミスチルを応援し続けます!

 (1)2015年11月号以来のAI(人工知能)の特集(同号については、以前の記事「『人工知能(DHBR2015年11月号)』―AIは自分で目的を設定できるようになると思う、他」を参照)。AIの急激な発達によって、人間のみが可能でAIには不可能なこととは何かが盛んに議論されるようになった。AIにできないことの1つ目として、「自分で課題を設定すること」が挙げられる。AIはあらかじめ人間が設定した課題について、大量のデータとアルゴリズムを活用して解を導くことはできるが、AI自身が解くべき新しい課題を発見することはできないというわけである。
 あまり語られないことだが、課題解決には大きく言って2通りある。1つが病気を治し健康にするようなタイプの課題解決(タイプA)。もう1つがあるべき姿(ゴールイメージ)から定める必要があるタイプの課題解決(タイプB)である。(中略)

 タイプBの場合の課題解決はまったく異なる。たとえば、芸能人を目指すある若者がマツコ・デラックスさんのようなチャーミングで、他の誰とも異なる味と存在感のある司会者になりたいと思ったとする。この場合、明らかに答えは、マツコさんのような体型になることでもなければ、マツコさんのような立ち居振る舞いをすることでも、ソフトでスパイシーな発言をすればいいわけでもない。そもそも真似をしようとする段階で間違っている。誰とも異なる存在になれないからだ。
(安宅和人「AI×データ時代に人間が生み出す価値とは 知性の核心は知覚にある」)
 ただ、以前の記事でも少し書いたが、この手の課題解決はAIにもできるようになるに違いないと私は考えている。新しい課題を発見するためにはいくつかの手法がある。1つ目は否定である。あるシステム(系)で前提とされていることを全て否定してみて、そこから新しいシステム(系)を構築する。ユークリッド幾何学と非ユークリッド幾何学のような関係である。2つ目は空白を見つけることである。引用文の例で言えば、最近売れている芸能人の属性や特徴を洗い出して、我々がマーケティング戦略を立案する際に作成するポジショニングマップや戦略キャンバスのようなものを構想し、まだ誰も目をつけていないスイートスポットを発見する。

 3つ目は、2つ以上の異質な情報を組み合わせることである。安宅氏は、機械学習の基本を「分ける」ことと「線引きすること」と述べているが、AIには情報をつなぐことも可能である。AIが文章を書く時、登録されている単語を自由自在に組み合わせて、文章の候補を大量に作成する。その中で、文章として成立しているもの、つまり、文法的に誤りのないものと、前後の文の意味が通じるものを選択する。このアルゴリズムを応用すれば、(素人的考えだが、)AIが新しいアイデアを創造することも不可能ではないように思える。しかも、人間が組み合わせることのできる情報の量には限りがあるのに対し、AIは際限なく組み合わせを試すことができる。

 (※)AIの専門家であるマーガレット・ボーデンの考えを借りると、創造性は3つに分類できるという。①知られたもの同士をつなげ知らない組み合わせにする(統合型)、②既存の枠組みの中で試されていない「空白地」を探す(探索型)、③考えの枠組みや定義そのものを変えて本質をとらえ直す(転移型)(『週刊ダイヤモンド』2017年4月22日号より)。

週刊ダイヤモンド 2017年 4/22 号 [雑誌] (「孫家」の教え)週刊ダイヤモンド 2017年 4/22 号 [雑誌] (「孫家」の教え)

ダイヤモンド社 2017-04-17

Amazonで詳しく見る by G-Tools

 AIにできないことの2つ目として、「感情を用いる対人関係の仕事」が挙げられる。2015年11月号の論文には次のような記述があった。
 マカフィー:はい。3つのスキル分野では、人間のほうがまだはるかに優れているからです。(中略)2つ目の領域は、感情、対人関係、思いやり、育成、コーチング、意欲喚起、統率など。何百万年もの進化を通じて、私たちはボディランゲージを読み解くのが得意になりました。
(エリック・ブリニョルフソン、アンドリュー・マカフィー「【インタビュー】「グレート・デカップリング」という現実 機械は我々を幸福にするのか」)
ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2015年 11 月号 [雑誌]ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2015年 11 月号 [雑誌]

ダイヤモンド社 2015-10-10

Amazonで詳しく見る by G-Tools

 サービス業などの顧客接点で働くスタッフの仕事は、感情を活用する仕事であるから、AIでは代替できないと言われる。しかし、私はこの分野にもやがてAIが進出してくると予想している。A・R・ホックシールドは著書『管理される心─感情が商品になるとき』(世界思想社、2000年)の中で、乗客に微笑むキャビンアテンダントの心がいかに管理されているかを指摘した。顧客の気持ちを温めるキャビンアテンダントだけではない。債務者の恐怖を煽る集金人までも、感情をコントロールされているという。心が管理されているということは、心がプログラミングされていることに等しい。ということは、AIがその役割を担っても不思議ではない。

管理される心―感情が商品になるとき管理される心―感情が商品になるとき
A.R. ホックシールド Arlie R. Hochschild

世界思想社 2000-04

Amazonで詳しく見る by G-Tools

 先ほどの引用文を読むと、ホックシールドが感情労働者と名づけた人々だけでなく、マネジャーやリーダーの仕事もAIにはできないと主張しているように読める。ところが、2015年11月号には、「考える機械がツールからチームメイトに変わる あなたの上司がロボットに代わったら」(ウォルター・フリック)という論文がある。ロボットである上司は、アルゴリズムを用いて部下の業績を評価する。その際、部下は評価結果が正確に算定されたものであるにもかかわらず、反発を覚える。これは無理もないことだ。ところが、ロボットを人間に似せる、つまりロボットに声を出させたり、人間の身体に近い構造にしたりすると、人間側の反発が和らぐのだという。

 AIにできない3つ目のことは「意識」である。2017年5月号には次のように書かれている。
 意識とは、モノやコトに注意を向ける働きと、自分は自分であると認識できる自己意識である。自分はいま、見ている、触っている、喜んでいる、記憶を思い出している、自分のことを考えている、といったことを感じる働きだ。意識は、知、情、意、記憶と学習の全体を主観的に感じる働きだと考えられる。
(前野隆司「AIに実現できない心の領域 「心の質感」が創造性の源泉になる」)
 率直に言って、この論文を読んでも意識とは何なのか判然としなかった。私が無知だと言ってしまえばそれまでなのだが、あながち私の無知のせいだけにはできない事情もある。何せ、現代の最新の脳科学をもってしても、意識とは何か全く解明できていないのだという。それに、意識は2000年以上も前から、何十人、何百人もの大哲学者が寄ってたかって洞察を試みたというのに、未だに見解の一致を見ない領域でもある。

 とはいえ、私なりに少し考えてみた。例えば、日中、何も用事がない状態で、ポンと渋谷の駅前に放り出されたとする。人間であれば、渋谷の景色をぐるぐると見回しながら、何かできそうなことを探すだろう。駅前の地図の前でガイドブックを片手に困った顔をしている外国人がいたら、声をかけて道を教えてあげる。渋谷をちょっと歩いて紀伊国屋書店に入り、そういえば前から読みたいと思っていた本を偶然見つけてそれを購入し、近くのスターバックスでゆっくり読む。あるいは、BUNKAMURAに立ち寄って、何か面白そうな公演がないかチェックする。また、仮にその人がラーメン好きであれば、新しいラーメン屋が開店していないか見て回るかもしれない。

 これらの行動は、渋谷という外界から大量に入ってくる情報と、自分自身に関する情報を意識することで可能になる。その大量の情報をどのように意識し、意識した情報から何らかの行動目標を設定するプロセスがまだよく解っていないのである。道案内に特化したAI、書籍情報をくまなく蓄積することに特化したAI、公演やラーメン店の情報を探索することに特化したAIであれば、個別の行動をとることはできる。ところが、何も条件を設定されていない状態でAI搭載ロボットを渋谷の駅前に放り出しても、そのロボットには何もできない(文字通り動かない)に違いない。

 (2)本ブログで何度も書いたように、大国(アメリカ、ドイツ、ロシア、中国)は二項対立的な発想をする。つまり、二者択一の意思決定を下す。本号の論文「矛盾を受け入れる動的均衡のマネジメント リーダーは「二者択一」の発想を捨てよ」(ウェンディ・K・スミス、マリアンヌ・W・ルイス、マイケル・L・タッシュマン)は、論文のタイトル通り、リーダーに対して二者択一的な発想から抜け出すことを勧めている。だが、欧米人(+中国人)が二項対立に直面した時、ヘーゲルが弁証法で説いたアウフヘーベン(止揚)はほとんど起こらないのではないかと私は見ている。どんな場面でも、対立する二項のうちから必ず一方を採用しなければならない。そのどちらも採用しようとすれば、二項の間で小刻みに”反復横跳び”を繰り返すしかない。
 このように二者択一から両立へと思考を変えるには、対立し合う要求を長い目で満たすために、短い期間でフォーカスを切り替えていくことが求められる。相反する要求の間で振れ幅を大きく取るのではなく、成長と持続可能性を実現できるように意図的に小幅なシフトを繰り返さなければならない。
(ウェンディ・K・スミス、マリアンヌ・W・ルイス、マイケル・L・タッシュマン「矛盾を受け入れる動的均衡のマネジメント リーダーは「二者択一」の発想を捨てよ」)
 日本には、二項対立に陥った時に、両者を融合する「二項混合」という文化がある。その最たる例が「神仏習合」だと私は思っている(以前の記事「義江彰夫『神仏習合』―神仏習合は日本的な二項「混合」の象徴」を参照)。と、ここまで書いて、マーケティングとイノベーションという、しばしば組織内で対立するこの2つの活動も、「二項混合」しなければならないのではないかと考えるに至った。以前の記事「戦略を立案する7つの視点(アンゾフの成長ベクトルを拡張して)(1)(2)」で、マーケティングとイノベーションを分けて整理したが、これを混合させるとなると、多分日本中でほとんど誰も考えていないような、なかなかの一大事である。

 本号には、1つのヒントがあった。破壊的なイノベーション(ここで言う「破壊的」とは、クリステンセンの言う「破壊的イノベーション」のそれではなく、もっと単純に、「製品・サービスや業界の構造を抜本的に変更する」といった意味合いである)によって既存製品が取って代わられる時、いきなり既存製品が駆逐されるのではなく、既存製品と破壊的なイノベーションのハイブリッド型製品が生まれるという。トヨタのプリウスがその最たる例だ。ただし、ハイブリッド型製品は、破壊的なイノベーションに移行するまでの”つなぎ”にすぎない点には注意が必要である(ネイサン・ファー、ダニエル・スノウ「破壊的イノベーションに対抗する プリウス式ハイブリッド戦略」)。

 今回の記事では1つの方向性しか示すことができないが、マーケティングが市場を創ること、イノベーションが市場を破壊することであるならば、両者の二項混合は「創りながら壊す」という経営になりそうである。具体的には、主力製品・サービスに注力しながら、同時にその製品・サービスに取って代わる革新的な技術や新しい製品カテゴリを開発することである。前掲の「戦略を立案する7つの視点(アンゾフの成長ベクトルを拡張して)」の記事中の図で言えば、①リピート購入戦略、②市場シェア拡大戦略と⑥代替品開発戦略を同時に追求することを意味する。

 イノベーションのセオリーに従えば、以前の記事「『イノベーションのジレンマ(DHBR2016年9月号)』―イノベーションの組織は既存組織と分けるべきか否か?」でも書いたように、①リピート購入戦略、②市場シェア拡大戦略と⑥代替品開発戦略は利害が正面から対立するため、組織を分けるのがベストである。しかし、日本流の二項混合経営では、敢えて両部門を分けないという選択肢があり得る。そういう日本企業が出てきたら面白いことになりそうな気がする。同じ部門内で、あるチームは主力製品・サービスを一生懸命売ろうとしている。その一方で、別のチームはその主力製品・サービスを陳腐化するイノベーションを生み出そうと躍起になっている。その2つのチームが、同じターゲット顧客をめぐってしのぎを削っているようなイメージである。

2017年03月27日

『人材育成(DHBR2017年4月号)』―人事考課は不要かと聞かれれば「それでも必要だ」と私は答える、他

このエントリーをはてなブックマークに追加
ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 04 月号 [雑誌] (人材育成)ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 04 月号 [雑誌] (人材育成)

ダイヤモンド社 2017-03-10

Amazonで詳しく見る by G-Tools

 CEBが2014年に行った推計によると、米国企業の12%が年次の人事査定を完全に廃止したという。ウィリス・タワーズワトソンの推計値は8%だが、このほかに、廃止を検討ないし計画中の企業が29%に上るとされる。デロイトは2015年に、業績評価制度を再検討する予定のない企業は、全体のわずか12%だとする報告を出している。この傾向は米国以外にも広まっているようだ。
(ピーター・カッペリ、アナ・テイビス「業績評価から人材育成へ 年度末の人事査定はもういらない」)
 アメリカでは人事考課、人事査定が廃止される傾向にあるそうだ。旧ブログで「GEの「9Blocks」というユニークな人事制度」という記事を書いたが、そのGEもCEOがジェフリー・イメルトに交代してから、人事制度を見直しているという。私の前職の企業は、人材・組織関連のコンサルティングと教育研修サービスを提供するベンチャー企業であった。日本の場合、賞与を年2回支給する関係で、人事考課を年2回実施する企業が大半であろう。私は前職の企業に5年半在籍していたから、単純に考えれば11回人事考課の機会があったはずだ。

 ところが、私が実際に人事考課を受けたのはわずか2回だけである。しかも、そのうちの1回は面談で昇給額を告げられただけだった。人材・組織関連のコンサルティングを提供する企業がこのありさまなのだから笑い話にもならない。最近、その企業が「日本企業にはもう人事考課はいらない」といった内容の書籍やコラムを発表しているらしいが、全くバカげている。人事考課をさんざんやってきた結果、その限界に気づいて人事考課はいらないと主張するならいざ知らず、人事考課をさぼってきた企業が人事考課はいらないと言ったところで、何の説得力もない。

 次の点を誤解してはならないのだが、人事考課を廃止する企業は、人材の評価を放棄しているわけでは決してない。上司が部下の仕事に関して、頻繁にフィードバックを行うというやり方に改めているのである。こうすることで、人事考課の際に、直近の業績が過大に評価され、期初の業績が過小評価されるというエラーを回避することができる。

 そもそも、人事考課には4つの目的があると私は考える。その4つとは、①給与の額を決定する、②仕事ぶりについてフィードバックする、③能力開発計画を策定する、④昇進・配置転換を決定する、である。このうち、②については、前述の通り、人事考課を廃止しても、代わりに日常業務の中で頻繁に部下にフィードバックすることで、人事考課と同様、あるいはそれ以上の効果を期待することができる。また、①に関しては、私は今のところ年功制こそが最も公平な給与体系だと信じているため、人事考課を続けようと廃止しようと関係がない(以前の記事「『戦略人事(DHBR2015年12月号)』―アメリカ流人材マネジメントを日本流に修正する試案」を参照)。残った③と④のために、私は依然として人事考課は必要であると考える。

 究極的に理想的な企業とは、外部環境の変化に応じて、あるいは外部環境の変化を先取りして、常に柔軟にビジョンを変化させ、ビジョンとリンクした戦略を短期間で何度も立案する。そして、戦略を変更するたびに自社のビジネスプロセスを再構築し、どのプロセスにどういう能力を持った社員を何人紐づけるのか、どこからどこまでのプロセスをひと塊として組織を分けるのか、それぞれの組織内ではどのようにビジネスプロセスのマネジメントを行うのか、そのマネジメントのために、どのようなマネジメント能力をもったマネジャーを何人必要とするのか、などといったことを決めていく。そして、その構想に合わせて全社員の配置をドラスティックに変える。いわば、ミスミの「ガラガラポン」を常にやり続けているという状態である。

 しかし、この曲芸的な経営ができる企業はまず存在しないであろう。よく、「走りながら考える」と言う人がいるが、そういうことを言う人に限ってろくずっぽ考えないものである。常に走っている企業では、社員の誰もが大量のメールやSNSのメッセージに溺れ、上司や同僚からの度重なる介入によって仕事を中断されている。こういう状態をカル・ニューポートは「シャロー・ワーク」と呼んでいる。シャロー・ワークのせいで、我々は新しい戦略を立てるといった、深い考察によって上手くいく大きな取り組みをバラバラに寸断してしまい、質を低下させている。

 大きな取り組みを行うためには、「ディープ・ワーク」が必要である。それは通常一定のまとまった時間を必要とし、認識能力を限界まで高め、注意散漫のない集中した状態でなされる活動である。最近では、ビル・ゲイツが年に2度、「考える週(Think Weeks)」を設け、その間は湖畔のコテッジに引きこもり、本を読んだり大きな構想を練ったりしているそうだ。つまり、ビジョンや戦略のように高度な知的活動を必要とする場面では、喧騒を離れ、一度立ち止まってじっくりと考える時間が必要なのである(以前の記事「『リーダーシップの神髄(『致知』2016年1月号)』―リーダーはもっと読書をして机上の空論を作ればいい」を参照)。

大事なことに集中する―――気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法大事なことに集中する―――気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法
カル・ニューポート 門田 美鈴

ダイヤモンド社 2016-12-09

Amazonで詳しく見る by G-Tools

 ディープ・ワークで策定されたビジョンや戦略によって、望ましい組織の姿が見えてくる。すると、誰を昇進させ、誰を異動させるべきかが決まる。新しいポジションは、その人が既に有する能力を発揮しさえすれば成果が上げられるというものではない。もちろん、新しいポジションが要求する能力のうち、一定の割合をカバーしているから新しいポジションに移すわけだが、同時に、新しいポジションで新たに身につけてほしい能力もある。その能力をどのように開発するのか、入念に計画を立てなければならない。ビジョンや戦略の構想をディープ・ワークで行う限り、ディープ・ワークのタイミングに合わせて、前述の③と④の目的で人事考課を行う必要がある。

 そもそも、シャロー・ワークによって前述のような曲芸的な経営ができる能力が人間に備わっているのであれば、おそらく1年365日という概念は存在しなくてもよかったであろう。有史以来、朝日が昇る回数を単純にカウントしていけば済む話である。それをわざわざ1年365日と決めたのは、1年単位など、一定のタイムスパンで強制的にディープ・ワークを行った方が、その後の活動で大きな成果を上げられることを知っていたからではないだろうか?
 MEP事業部に新たに着任したゼネラルマネジャーは、この高コストなプログラム(※リーダーシップ研修のこと)の成果を評価することを要求した。そして、それを実行したところ、プログラム自体が啓発的なものだったとはいえ、最終的にほとんど変化を生み出していないと判断した。マネジャーたちは、チームワークやコラボレーションに関する学習を実施したところで、その内容を現場で応用するのは不可能だと悟っていたのだ。それは、社内にマネジメントや組織の面で数々の障壁が存在するためである。
(マイケル・ビア、マグヌス・フィンストローム、デレク・シュレーダー「変化を阻む6つの障壁を乗り越えろ リーダー研修はなぜ現場で活かされないのか」)
 前職でリーダーシップ研修を開発・販売していた身としては、非常に耳が痛い話である。以前の記事「鈴木克明『研修設計マニュアル―人材育成のためのインストラクショナルデザイン』―研修をデザインするのがIDではなく、組織的な学習をデザインするのがID」でも書いたように、研修を現場で機能させるためには、研修で学習する内容を現場の業務プロセスや、プロセスを支えるIT、人事評価制度などの仕組みにも反映させる必要がある。ところが、営業や生産管理などのように、一定の技術的・技能的なプロセスがある分野とは異なり、リーダーシップというのはプロセスを持たない極めて曖昧なものである。これを研修でどう扱えばよいかは難題である。

 ここからは、まだ十分にまとまっていないが私見を述べたいと思う。リーダーシップの役割は「アジェンダ(課題)設定」と「ネットワーキング」の2つだと言われる。「アジェンダ設定」はさらに、①ビジョンの策定と②課題解決の技法に、「ネットワーキング」は③プレゼンテーション(リーダーの考えを発信する)、④傾聴(メンバーの考えを聞く)、⑤交渉(利害関係者と調整する)、⑥動機づけ(energize=motivate以上の強烈な動機づけ)に分けることができる。これらはリーダーの基礎作法とでも呼ぶべきものであり、まずはベーシックな研修で押さえておく。

 ただし、リーダーシップ研修がここで止まっている場合、その研修は十中八九失敗する。研修の参加者には、半年ないし1年程度の長い時間をかけて、実際にリーダーシップを発揮して解決したい課題を設定してもらうべきだ。そして、その課題解決のために、前述の①~⑥を活用して、変革プログラムを実行する。さらに、研修の参加者は、1か月に1回、難しい場合は3か月に1回ぐらいのペースで定期的に集まり、変革プログラムの進捗状況を共有する。リーダーシップには定型のプロセスがないから、各人のやり方や進捗度合いがバラバラであっても構わない。リーダーは現場では孤独である。定期的に”同志”が集まることで、違う視点から有益なアドバイスがもらえるかもしれない。あるいは、顔を合わせるだけで癒しの効果が得られるかもしれない。

 引用文にあるように、変革プログラムを実行する途中で組織やマネジメント上の障壁に直面することがある。その場合は、その障壁を取り除くことも変革プログラムに盛り込めばよい。ただし、明らかに研修参加者の権限や責任範囲を超える行動が必要になる場合には、研修参加者の上司や経営陣などがサポートに回れるよう柔軟に調整しておくことが重要である。リーダーシップ研修は、前述の①~⑥の能力の習得をゴールとするのではなく、変革プログラムの完遂そのものをゴールとするべきであるというのが私の考えである。

2017年03月03日

『顧客は何にお金を払うのか(DHBR2017年3月号)』―USJ、Supership(nanapi)、ユニリーバの戦略比較

このエントリーをはてなブックマークに追加
ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 03 月号 [雑誌] (顧客は何にお金を払うのか)ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 03 月号 [雑誌] (顧客は何にお金を払うのか)

ダイヤモンド社 2017-02-10

Amazonで詳しく見る by G-Tools

製品・サービスの4分類(修正)

製品・サービスの4分類(修正)

製品・サービスの4分類(具体的な企業)

 (※)上図の説明については、以前の記事「【シリーズ】現代アメリカ企業戦略論」を参照。

 今回の記事では、DHBR2017年3月号の企業事例を用いて、上図を補足したいと思う。まず、左上の【象限③】はいわゆるイノベーションであり、アメリカ企業が得意とするところである。イノベーションは顧客のニーズを先取りするものであるから、伝統的な市場調査は役に立たない。代わりに、イノベーター自身を最初の顧客に見立て、「自分ならこういう製品・サービスがほしい」と構想する。そして、「自分がこれだけ心の底からほしがっているのだから、きっと世界中の人も同じようにこれをほしがるはずだ」と考えて、イノベーションを世界中に普及させることを決意する。
 正直なところ、ユーザーのニーズはよくわからないですし、わかっている人はほとんどいないというのが私の認識です。成功した人は「わかっていた」と言いますが、それは後付けにすぎないと思います。そもそも、人間のニーズはそれほど簡単に把握できるものではありません。せいぜい自分のニーズを把握するのが関の山で、自分のニーズに合うものをつくること以外はできないと考えています。
(古川健介「【インタビュー】曖昧さと複雑さがサービスのカギ 人の好みはいまも昔も変わらない」)
 nanapiの創業者として知られる古川健介氏のインタビュー記事より引用した。nanapiのようなBtoC向けのインターネットサービスは、上図の【象限③】に該当すると考える。

 宗教的な表現を使えば、アメリカは唯一絶対の神を信奉する国である。人間はこの世でなすべきことを神と「契約」するという考え方が根底にある。イノベーターは、自分が考案したイノベーターを世界中に普及(布教)させることを神と契約する。ただし、神と結ばれた契約の全てが正しいわけではない。どの契約が正しいか、つまり、どのイノベーションが全世界に普及するかを知っているのは神だけである。人間に解ることと言えば、あるイノベーションが全世界に普及した段階で、あのイノベーターは神と正しい契約を結んだのだということだけである。大半の契約は失敗に終わる。よって、アメリカではごく少数の勝者と多数の敗者が生まれる。

 どのイノベーションがヒットするか解らないのであれば、イノベーターは、次から次へと新しいイノベーションを市場に投入して、イノベーションの成功確率を少しでも上げようとする。すると、中には「自分がお金を支払ってもよいから、自分のイノベーションを全世界に広めたい」と考えるイノベーターが現れる。こうしたイノベーターを束ねるのがプラットフォーム型企業である。

 代表例は、AppStoreやGoogle Playである。AppleやGoogleは、アプリのユーザーだけでなく開発者からもお金を取る。伝統的な商慣習に従えば、AppleやGoogleから見たアプリ開発者は製品・サービスの仕入先であり、AppleやGoogleが彼らに対してお金を支払わなければならない。彼らからお金をもらうことはリベートにあたり、場合によっては法律に抵触する。だが、AppleやGoogleは堂々とアプリ開発者からお金を取っている。他には、芸能事務所もプラットフォーム型企業に該当する。芸能事務所はテレビ局からお金をもらうと同時に、「何としても売れたい」と考えるタレントからもレッスン代などと称してお金を取る(吉本興業のNSCが解りやすい)。
 「こんなものをつくってみましたけどどうですか」と提示した瞬間、ユーザーはそれが自分のニーズにマッチしたものかどうか判断します。「こんなものがほしかったんだよ」と思えば興味を持つ。つまりユーザーの動きがあったものはニーズがあって、動きがないものはニーズがない。それだけです。こちらとしてはいろいろなものを出していくしかありません。(同上)
 最後の一文がイノベーターのニーズであり、プラットフォーム型企業はそこに目をつける。

 【象限③】は必需品ではないから、イノベーターは顧客に対して、必要性を超えた経験価値を訴求しなければならない。経験価値とは極めて主観的なものである。より簡単に言えば、そのイノベーションを使うと楽しい、面白い、ワクワクする、感動する、癒される、気持ちいい、安心する、などと顧客に思わせる必要がある。【象限③】のイノベーションは情緒面が重視され、本来はデータとの相性が悪い。ところが、最近のアメリカ企業は、この象限にデータ分析を持ち込もうとしている(以前の記事「『未来を予測する技術(DHBR2017年1月号)』―予測が困難なのにデータ重視のアメリカ、予測が容易なのにデータ軽視の日本、他」を参照)。

 例えば、映画がヒットするかどうかは、脚本の中身やキャスティングなどではなく、映画のタイトルにどんな文言を盛り込むかで決まる、といったモデルを統計学的に構築する。また、イノベーターが世界中にイノベーションを普及する段階では、国や地域ごとにイノベーションの受け入れ度合いが異なるのが普通である。この場合、日本企業ならば、顧客セグメントごとのニーズの違いに応じて製品・サービスをカスタマイズするだろう。しかし、アメリカ企業の場合は、どうすれば多様なセグメントが単一のイノベーションを受け入れるか、セグメント別に作戦を練るためにデータを活用する。これはちょうど、アメリカが自由、平等、人権、資本主義、民主主義といった普遍的価値観を全世界に広めるために、各国の情報を徹底的に集めて分析するのと似ている。

 【象限③】に該当するUSJは、「数学マーケティング」を導入している。USJはここ数年、段階的に何度も値上げを行っているが、値上げの根拠を数学的に算出しているという。
 ①消費者にとってのブランド価値(X)に対し、値上げにより総売上げがプラスとなる上げ幅(Y)を求める。
 ②ブランド価値(Y)(※Xの誤りではないかと考える)を向上させるドライバー(変数A、B、C、Dなど)を特定する。
 ③これらをもとに値上げにより最大集客リスク(Z)を求める。

 この中で、Y(※Xの誤りではないかと考える)に影響を与えるドライバー、A、B、C、Dを規定するのは、戦略家として実務家としての主観から生まれることになり、これらはマーケターとしての豊かな経験と深いノウハウに基づいてのものである。これを客観的に戦略化していくのが、言わば数学マーケティングである。
(森岡毅、今西聖貴「なぜ値上げをしても来場者が増えるのか USJで実践した数学マーケティング」)
 ただ、USJは日本企業であるから、【象限③】のアメリカ企業的な発想と、【象限②】に強い日本企業の発想のハイブリッド型経営を行っていると感じる。仮にアメリカ企業がUSJを経営していれば、その企業は「我々の考えるエンターテイメントとはこういうものだ」という理想像を顧客に押しつけたに違いない。ところが、USJはそうしなかった。USJはまず、「映画の専門店」から「世界最高のセレクトショップ」というコンセプトに転換した。次に、統計学を用いて顧客セグメントを分類し、購買金額の”伸び代”を特定した。そして、顧客セグメント別に、その伸び代を埋めるために、どのようなカスタマイズサービスを提供すべきかを検討した。

 ファミリー層に対しては、ファミリーエリア「ユニバーサル・ワンダーランド」を作った。最大の集客月である10月には、ゾンビがパークを埋め尽くす「ハロウィン・ホラー・ナイト」を開催した。また、アニメのワンピースなどとのタイアップを進め、アニメファンを取り込んだ。さらに、スリルを求める若者が意外と多いことに気づき、2013年にはジェットコースターを逆向きに走らせる「バックドロップ」を導入した。アメリカのディズニーランドも分析的経営に力を入れているらしいが、USJほど細かくカスタマイズされたサービスを提供しているのか、私にはやや疑問である。

 《参考》森岡毅、今西聖貴『確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力』(角川書店、2016年)

確率思考の戦略論  USJでも実証された数学マーケティングの力確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力
森岡 毅 今西 聖貴

KADOKAWA/角川書店 2016-06-02

Amazonで詳しく見る by G-Tools

 【象限③】が情緒面を重視するのに対し、【象限②】は機能面を重視する。自動車であれば燃費が、産業機械であれば加工精度が、BtoBのITシステムであれば信頼性が重視される。機能は数字で表しやすく、顧客のニーズも把握しやすい。よって、分析的なマーケティングの手法が現在でも十分に通用する領域である。他方、【象限①】は、機能面も情緒面も重視されるというやや複雑な領域である。我々はのどの渇きを潤すためにジュースを飲むが、同時においしさも求めている。そして、おいしさとは主観的なものであり、人によってバラバラである。【象限①】は、必需品であるがゆえに市場全体の規模は予想しやすいものの、顧客の好みが多様であるため、数多くの企業が参入し、様々な製品・サービスを供給する。

 【象限①】は参入障壁がそれほど高くない。しかし、国や地域によって生活習慣や嗜好、価値観や文化が異なることから、他の象限に比べるとグローバル規模で事業を展開する巨大企業が生まれにくい。世界の時価総額ランキング・トップ20の企業を各象限にマッピングした冒頭の図でも、【象限①】に該当する企業が少ないことが解る。【象限①】は、各国(特に新興国)において雇用の受け皿となっている業種が多いことから、外資規制が導入されていることも影響している。【象限①】の中心を占めているのは、地場の中小企業である。

 顧客ニーズの機能面を充足するには分析的マーケティングが、情緒面を充足するには主観や直観が重要になる。しかし、中小企業には分析的マーケティングに投資するほどの余裕はない。とはいえ、敢えて肯定的に考えれば、主観や直観だけでもある程度は事業をやっていけるとも言える。だから、【象限①】には中小企業が多くなる。

 世界の時価総額ランキング・トップ20の企業の中で、【象限①】に該当するグローバル企業はネスレ、ウォルマート、P&Gである。ネスレは経営の現地化を進めており、各国の市場にフィットした製品を開発している。P&Gは分析的マーケティングに強いことで有名だが、各国の市場をデータで解析すると同時に、社員が小売店や消費者のニーズを直接体験することに多大な時間を投資しており、ネスレと同様に製品を各国の事情に合わせている。機能面と情緒面の両方を重視する企業の中から、例外的にグローバル企業が生まれると言えるだろう(なお、ウォルマートは全世界共通のオペレーションで成長したが、近年はローカリゼーションを進めている)。

 本号では、ユニリーバの事例が紹介されている。ユニリーバは【象限①】に該当する企業である。事例を読むと、ネスレやP&Gの取り組みと共通点が多いことに気づく。
 CFOのグレイム・ピトケスリーはアナリストに向けて、世界中の現地市場に経営資源を移転するという、大規模な新規施策を発表した。文化の独自性やライフスタイルに合ったブランドや製品を、消費者が求めるようになっており、その結果、特に新興国市場において現地企業が急成長し、競争力を高めている、という。
(フランク・ファンデンドリースト、スタン・スタヌナサン、キース・ウィード「新たな競争優位の源泉 インサイトエンジン:データから顧客を知る力」)
 CMI(※消費者・市場インサイト部門)は、自社製品が暮らしの中で果たす役割や顧客ニーズに関する知見を得るために、顧客と接するよう全社員に奨励し、役立つツールも提供している。

 一例として、ピープルボイスという施策によって、アジアの工員、グローバルブランドチームの一員、さらにはCEOに至るまで、社内のあらゆる人材が、「持続可能性」「買い物客の経験」などのテーマを掲げたイベントで、顧客とじかに意見を交わす機会を得る。あるいはDiscuss IOという新興企業が開発した「いつでも使える」プラットフォームを利用して、あらゆる地域の消費者とバーチャル会議を開く方法もある。(同上)
 今回の記事で、【象限①】と【象限③】は情緒面を、【象限①】と【象限②】は機能面を重視すると書いたが、それを図示すると以下のようになる。

製品・サービスの4分類(修正)



  • ライブドアブログ
©2012-2017 free to write WHATEVER I like