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『人材育成(DHBR2017年4月号)』―人事考課は不要かと聞かれれば「それでも必要だ」と私は答える、他
『顧客は何にお金を払うのか(DHBR2017年3月号)』―USJ、Supership(nanapi)、ユニリーバの戦略比較
『続ける力(DHBR2017年2月号)』―経営者がやるべき100のリスト(ベンチャー企業の失敗を教訓に)

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谷藤友彦(やとうともひこ)

谷藤友彦

 東京23区、神奈川県川崎市・横浜市を中心に活動する中小企業診断士・コンサルタント。

 専門領域は、(1)経営ビジョン・事業戦略の策定、(2)ビジョンや戦略とリンクした人材育成計画の立案・人事評価制度の構築、(3)人材育成計画に沿った教育研修プログラムの企画・開発。

 モットーは「日々改善、日々成長」、「実事求是」、「組織のためではなく知識のために働く」、「奇策は定石より先に立たず」、「一貫性(Consistency)」、「(無知の知ならぬ)無知の恥」

 好きなもの=Mr.Childrenサザンオールスターズoasis阪神タイガース水曜どうでしょう、数学(30歳を過ぎてから数学ⅢCをやり出した)。

 ブログタイトルに、oasisの往年の名曲『Whatever』を入れてみた。

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マネジメント・フロンティア
~終わりなき旅~


◆別館◆
こぼれ落ちたピース
所属組織など
◆個人事務所「シャイン経営研究所」◆ シャイン経営研究所ロゴ


(一社)東京都中小診断士協会一般社団法人東京都中小企業診断士協会
(城北支部執行委員、青年部長、および国際部員を務めています)

NPOビジネスサポート特定非営利活動法人NPOビジネスサポート
(監事を務めています)

企業内診断士フォーラム(KSF)企業内診断士フォーラム
(独立診断士の立場から、企業内診断士の活動を応援しています)

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(一緒にお仕事をさせていただいている「コンサルビューション株式会社」は、世界最大の信用調査会社Experianの正規代理店です)

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(以下の資格の講師をしています。
 ―ITパスポート
 ―情報セキュリティマネジメント
 ―経営学検定(初級・中級)
 ―中小企業診断士(企業経営理論、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策)
 谷藤友彦と株式会社サイトビジット代表取締役・鬼頭政人氏の対談動画(1)(2)(3)
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2017年03月27日

『人材育成(DHBR2017年4月号)』―人事考課は不要かと聞かれれば「それでも必要だ」と私は答える、他

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ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 04 月号 [雑誌] (人材育成)ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 04 月号 [雑誌] (人材育成)

ダイヤモンド社 2017-03-10

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 CEBが2014年に行った推計によると、米国企業の12%が年次の人事査定を完全に廃止したという。ウィリス・タワーズワトソンの推計値は8%だが、このほかに、廃止を検討ないし計画中の企業が29%に上るとされる。デロイトは2015年に、業績評価制度を再検討する予定のない企業は、全体のわずか12%だとする報告を出している。この傾向は米国以外にも広まっているようだ。
(ピーター・カッペリ、アナ・テイビス「業績評価から人材育成へ 年度末の人事査定はもういらない」)
 アメリカでは人事考課、人事査定が廃止される傾向にあるそうだ。旧ブログで「GEの「9Blocks」というユニークな人事制度」という記事を書いたが、そのGEもCEOがジェフリー・イメルトに交代してから、人事制度を見直しているという。私の前職の企業は、人材・組織関連のコンサルティングと教育研修サービスを提供するベンチャー企業であった。日本の場合、賞与を年2回支給する関係で、人事考課を年2回実施する企業が大半であろう。私は前職の企業に5年半在籍していたから、単純に考えれば11回人事考課の機会があったはずだ。

 ところが、私が実際に人事考課を受けたのはわずか2回だけである。しかも、そのうちの1回は面談で昇給額を告げられただけだった。人材・組織関連のコンサルティングを提供する企業がこのありさまなのだから笑い話にもならない。最近、その企業が「日本企業にはもう人事考課はいらない」といった内容の書籍やコラムを発表しているらしいが、全くバカげている。人事考課をさんざんやってきた結果、その限界に気づいて人事考課はいらないと主張するならいざ知らず、人事考課をさぼってきた企業が人事考課はいらないと言ったところで、何の説得力もない。

 次の点を誤解してはならないのだが、人事考課を廃止する企業は、人材の評価を放棄しているわけでは決してない。上司が部下の仕事に関して、頻繁にフィードバックを行うというやり方に改めているのである。こうすることで、人事考課の際に、直近の業績が過大に評価され、期初の業績が過小評価されるというエラーを回避することができる。

 そもそも、人事考課には4つの目的があると私は考える。その4つとは、①給与の額を決定する、②仕事ぶりについてフィードバックする、③能力開発計画を策定する、④昇進・配置転換を決定する、である。このうち、②については、前述の通り、人事考課を廃止しても、代わりに日常業務の中で頻繁に部下にフィードバックすることで、人事考課と同様、あるいはそれ以上の効果を期待することができる。また、①に関しては、私は今のところ年功制こそが最も公平な給与体系だと信じているため、人事考課を続けようと廃止しようと関係がない(以前の記事「『戦略人事(DHBR2015年12月号)』―アメリカ流人材マネジメントを日本流に修正する試案」を参照)。残った③と④のために、私は依然として人事考課は必要であると考える。

 究極的に理想的な企業とは、外部環境の変化に応じて、あるいは外部環境の変化を先取りして、常に柔軟にビジョンを変化させ、ビジョンとリンクした戦略を短期間で何度も立案する。そして、戦略を変更するたびに自社のビジネスプロセスを再構築し、どのプロセスにどういう能力を持った社員を何人紐づけるのか、どこからどこまでのプロセスをひと塊として組織を分けるのか、それぞれの組織内ではどのようにビジネスプロセスのマネジメントを行うのか、そのマネジメントのために、どのようなマネジメント能力をもったマネジャーを何人必要とするのか、などといったことを決めていく。そして、その構想に合わせて全社員の配置をドラスティックに変える。いわば、ミスミの「ガラガラポン」を常にやり続けているという状態である。

 しかし、この曲芸的な経営ができる企業はまず存在しないであろう。よく、「走りながら考える」と言う人がいるが、そういうことを言う人に限ってろくずっぽ考えないものである。常に走っている企業では、社員の誰もが大量のメールやSNSのメッセージに溺れ、上司や同僚からの度重なる介入によって仕事を中断されている。こういう状態をカル・ニューポートは「シャロー・ワーク」と呼んでいる。シャロー・ワークのせいで、我々は新しい戦略を立てるといった、深い考察によって上手くいく大きな取り組みをバラバラに寸断してしまい、質を低下させている。

 大きな取り組みを行うためには、「ディープ・ワーク」が必要である。それは通常一定のまとまった時間を必要とし、認識能力を限界まで高め、注意散漫のない集中した状態でなされる活動である。最近では、ビル・ゲイツが年に2度、「考える週(Think Weeks)」を設け、その間は湖畔のコテッジに引きこもり、本を読んだり大きな構想を練ったりしているそうだ。つまり、ビジョンや戦略のように高度な知的活動を必要とする場面では、喧騒を離れ、一度立ち止まってじっくりと考える時間が必要なのである(以前の記事「『リーダーシップの神髄(『致知』2016年1月号)』―リーダーはもっと読書をして机上の空論を作ればいい」を参照)。

大事なことに集中する―――気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法大事なことに集中する―――気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法
カル・ニューポート 門田 美鈴

ダイヤモンド社 2016-12-09

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 ディープ・ワークで策定されたビジョンや戦略によって、望ましい組織の姿が見えてくる。すると、誰を昇進させ、誰を異動させるべきかが決まる。新しいポジションは、その人が既に有する能力を発揮しさえすれば成果が上げられるというものではない。もちろん、新しいポジションが要求する能力のうち、一定の割合をカバーしているから新しいポジションに移すわけだが、同時に、新しいポジションで新たに身につけてほしい能力もある。その能力をどのように開発するのか、入念に計画を立てなければならない。ビジョンや戦略の構想をディープ・ワークで行う限り、ディープ・ワークのタイミングに合わせて、前述の③と④の目的で人事考課を行う必要がある。

 そもそも、シャロー・ワークによって前述のような曲芸的な経営ができる能力が人間に備わっているのであれば、おそらく1年365日という概念は存在しなくてもよかったであろう。有史以来、朝日が昇る回数を単純にカウントしていけば済む話である。それをわざわざ1年365日と決めたのは、1年単位など、一定のタイムスパンで強制的にディープ・ワークを行った方が、その後の活動で大きな成果を上げられることを知っていたからではないだろうか?
 MEP事業部に新たに着任したゼネラルマネジャーは、この高コストなプログラム(※リーダーシップ研修のこと)の成果を評価することを要求した。そして、それを実行したところ、プログラム自体が啓発的なものだったとはいえ、最終的にほとんど変化を生み出していないと判断した。マネジャーたちは、チームワークやコラボレーションに関する学習を実施したところで、その内容を現場で応用するのは不可能だと悟っていたのだ。それは、社内にマネジメントや組織の面で数々の障壁が存在するためである。
(マイケル・ビア、マグヌス・フィンストローム、デレク・シュレーダー「変化を阻む6つの障壁を乗り越えろ リーダー研修はなぜ現場で活かされないのか」)
 前職でリーダーシップ研修を開発・販売していた身としては、非常に耳が痛い話である。以前の記事「鈴木克明『研修設計マニュアル―人材育成のためのインストラクショナルデザイン』―研修をデザインするのがIDではなく、組織的な学習をデザインするのがID」でも書いたように、研修を現場で機能させるためには、研修で学習する内容を現場の業務プロセスや、プロセスを支えるIT、人事評価制度などの仕組みにも反映させる必要がある。ところが、営業や生産管理などのように、一定の技術的・技能的なプロセスがある分野とは異なり、リーダーシップというのはプロセスを持たない極めて曖昧なものである。これを研修でどう扱えばよいかは難題である。

 ここからは、まだ十分にまとまっていないが私見を述べたいと思う。リーダーシップの役割は「アジェンダ(課題)設定」と「ネットワーキング」の2つだと言われる。「アジェンダ設定」はさらに、①ビジョンの策定と②課題解決の技法に、「ネットワーキング」は③プレゼンテーション(リーダーの考えを発信する)、④傾聴(メンバーの考えを聞く)、⑤交渉(利害関係者と調整する)、⑥動機づけ(energize=motivate以上の強烈な動機づけ)に分けることができる。これらはリーダーの基礎作法とでも呼ぶべきものであり、まずはベーシックな研修で押さえておく。

 ただし、リーダーシップ研修がここで止まっている場合、その研修は十中八九失敗する。研修の参加者には、半年ないし1年程度の長い時間をかけて、実際にリーダーシップを発揮して解決したい課題を設定してもらうべきだ。そして、その課題解決のために、前述の①~⑥を活用して、変革プログラムを実行する。さらに、研修の参加者は、1か月に1回、難しい場合は3か月に1回ぐらいのペースで定期的に集まり、変革プログラムの進捗状況を共有する。リーダーシップには定型のプロセスがないから、各人のやり方や進捗度合いがバラバラであっても構わない。リーダーは現場では孤独である。定期的に”同志”が集まることで、違う視点から有益なアドバイスがもらえるかもしれない。あるいは、顔を合わせるだけで癒しの効果が得られるかもしれない。

 引用文にあるように、変革プログラムを実行する途中で組織やマネジメント上の障壁に直面することがある。その場合は、その障壁を取り除くことも変革プログラムに盛り込めばよい。ただし、明らかに研修参加者の権限や責任範囲を超える行動が必要になる場合には、研修参加者の上司や経営陣などがサポートに回れるよう柔軟に調整しておくことが重要である。リーダーシップ研修は、前述の①~⑥の能力の習得をゴールとするのではなく、変革プログラムの完遂そのものをゴールとするべきであるというのが私の考えである。

2017年03月03日

『顧客は何にお金を払うのか(DHBR2017年3月号)』―USJ、Supership(nanapi)、ユニリーバの戦略比較

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ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 03 月号 [雑誌] (顧客は何にお金を払うのか)ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 03 月号 [雑誌] (顧客は何にお金を払うのか)

ダイヤモンド社 2017-02-10

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製品・サービスの4分類(修正)

製品・サービスの4分類(修正)

製品・サービスの4分類(具体的な企業)

 (※)上図の説明については、以前の記事「【シリーズ】現代アメリカ企業戦略論」を参照。

 今回の記事では、DHBR2017年3月号の企業事例を用いて、上図を補足したいと思う。まず、左上の【象限③】はいわゆるイノベーションであり、アメリカ企業が得意とするところである。イノベーションは顧客のニーズを先取りするものであるから、伝統的な市場調査は役に立たない。代わりに、イノベーター自身を最初の顧客に見立て、「自分ならこういう製品・サービスがほしい」と構想する。そして、「自分がこれだけ心の底からほしがっているのだから、きっと世界中の人も同じようにこれをほしがるはずだ」と考えて、イノベーションを世界中に普及させることを決意する。
 正直なところ、ユーザーのニーズはよくわからないですし、わかっている人はほとんどいないというのが私の認識です。成功した人は「わかっていた」と言いますが、それは後付けにすぎないと思います。そもそも、人間のニーズはそれほど簡単に把握できるものではありません。せいぜい自分のニーズを把握するのが関の山で、自分のニーズに合うものをつくること以外はできないと考えています。
(古川健介「【インタビュー】曖昧さと複雑さがサービスのカギ 人の好みはいまも昔も変わらない」)
 nanapiの創業者として知られる古川健介氏のインタビュー記事より引用した。nanapiのようなBtoC向けのインターネットサービスは、上図の【象限③】に該当すると考える。

 宗教的な表現を使えば、アメリカは唯一絶対の神を信奉する国である。人間はこの世でなすべきことを神と「契約」するという考え方が根底にある。イノベーターは、自分が考案したイノベーターを世界中に普及(布教)させることを神と契約する。ただし、神と結ばれた契約の全てが正しいわけではない。どの契約が正しいか、つまり、どのイノベーションが全世界に普及するかを知っているのは神だけである。人間に解ることと言えば、あるイノベーションが全世界に普及した段階で、あのイノベーターは神と正しい契約を結んだのだということだけである。大半の契約は失敗に終わる。よって、アメリカではごく少数の勝者と多数の敗者が生まれる。

 どのイノベーションがヒットするか解らないのであれば、イノベーターは、次から次へと新しいイノベーションを市場に投入して、イノベーションの成功確率を少しでも上げようとする。すると、中には「自分がお金を支払ってもよいから、自分のイノベーションを全世界に広めたい」と考えるイノベーターが現れる。こうしたイノベーターを束ねるのがプラットフォーム型企業である。

 代表例は、AppStoreやGoogle Playである。AppleやGoogleは、アプリのユーザーだけでなく開発者からもお金を取る。伝統的な商慣習に従えば、AppleやGoogleから見たアプリ開発者は製品・サービスの仕入先であり、AppleやGoogleが彼らに対してお金を支払わなければならない。彼らからお金をもらうことはリベートにあたり、場合によっては法律に抵触する。だが、AppleやGoogleは堂々とアプリ開発者からお金を取っている。他には、芸能事務所もプラットフォーム型企業に該当する。芸能事務所はテレビ局からお金をもらうと同時に、「何としても売れたい」と考えるタレントからもレッスン代などと称してお金を取る(吉本興業のNSCが解りやすい)。
 「こんなものをつくってみましたけどどうですか」と提示した瞬間、ユーザーはそれが自分のニーズにマッチしたものかどうか判断します。「こんなものがほしかったんだよ」と思えば興味を持つ。つまりユーザーの動きがあったものはニーズがあって、動きがないものはニーズがない。それだけです。こちらとしてはいろいろなものを出していくしかありません。(同上)
 最後の一文がイノベーターのニーズであり、プラットフォーム型企業はそこに目をつける。

 【象限③】は必需品ではないから、イノベーターは顧客に対して、必要性を超えた経験価値を訴求しなければならない。経験価値とは極めて主観的なものである。より簡単に言えば、そのイノベーションを使うと楽しい、面白い、ワクワクする、感動する、癒される、気持ちいい、安心する、などと顧客に思わせる必要がある。【象限③】のイノベーションは情緒面が重視され、本来はデータとの相性が悪い。ところが、最近のアメリカ企業は、この象限にデータ分析を持ち込もうとしている(以前の記事「『未来を予測する技術(DHBR2017年1月号)』―予測が困難なのにデータ重視のアメリカ、予測が容易なのにデータ軽視の日本、他」を参照)。

 例えば、映画がヒットするかどうかは、脚本の中身やキャスティングなどではなく、映画のタイトルにどんな文言を盛り込むかで決まる、といったモデルを統計学的に構築する。また、イノベーターが世界中にイノベーションを普及する段階では、国や地域ごとにイノベーションの受け入れ度合いが異なるのが普通である。この場合、日本企業ならば、顧客セグメントごとのニーズの違いに応じて製品・サービスをカスタマイズするだろう。しかし、アメリカ企業の場合は、どうすれば多様なセグメントが単一のイノベーションを受け入れるか、セグメント別に作戦を練るためにデータを活用する。これはちょうど、アメリカが自由、平等、人権、資本主義、民主主義といった普遍的価値観を全世界に広めるために、各国の情報を徹底的に集めて分析するのと似ている。

 【象限③】に該当するUSJは、「数学マーケティング」を導入している。USJはここ数年、段階的に何度も値上げを行っているが、値上げの根拠を数学的に算出しているという。
 ①消費者にとってのブランド価値(X)に対し、値上げにより総売上げがプラスとなる上げ幅(Y)を求める。
 ②ブランド価値(Y)(※Xの誤りではないかと考える)を向上させるドライバー(変数A、B、C、Dなど)を特定する。
 ③これらをもとに値上げにより最大集客リスク(Z)を求める。

 この中で、Y(※Xの誤りではないかと考える)に影響を与えるドライバー、A、B、C、Dを規定するのは、戦略家として実務家としての主観から生まれることになり、これらはマーケターとしての豊かな経験と深いノウハウに基づいてのものである。これを客観的に戦略化していくのが、言わば数学マーケティングである。
(森岡毅、今西聖貴「なぜ値上げをしても来場者が増えるのか USJで実践した数学マーケティング」)
 ただ、USJは日本企業であるから、【象限③】のアメリカ企業的な発想と、【象限②】に強い日本企業の発想のハイブリッド型経営を行っていると感じる。仮にアメリカ企業がUSJを経営していれば、その企業は「我々の考えるエンターテイメントとはこういうものだ」という理想像を顧客に押しつけたに違いない。ところが、USJはそうしなかった。USJはまず、「映画の専門店」から「世界最高のセレクトショップ」というコンセプトに転換した。次に、統計学を用いて顧客セグメントを分類し、購買金額の”伸び代”を特定した。そして、顧客セグメント別に、その伸び代を埋めるために、どのようなカスタマイズサービスを提供すべきかを検討した。

 ファミリー層に対しては、ファミリーエリア「ユニバーサル・ワンダーランド」を作った。最大の集客月である10月には、ゾンビがパークを埋め尽くす「ハロウィン・ホラー・ナイト」を開催した。また、アニメのワンピースなどとのタイアップを進め、アニメファンを取り込んだ。さらに、スリルを求める若者が意外と多いことに気づき、2013年にはジェットコースターを逆向きに走らせる「バックドロップ」を導入した。アメリカのディズニーランドも分析的経営に力を入れているらしいが、USJほど細かくカスタマイズされたサービスを提供しているのか、私にはやや疑問である。

 《参考》森岡毅、今西聖貴『確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力』(角川書店、2016年)

確率思考の戦略論  USJでも実証された数学マーケティングの力確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力
森岡 毅 今西 聖貴

KADOKAWA/角川書店 2016-06-02

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 【象限③】が情緒面を重視するのに対し、【象限②】は機能面を重視する。自動車であれば燃費が、産業機械であれば加工精度が、BtoBのITシステムであれば信頼性が重視される。機能は数字で表しやすく、顧客のニーズも把握しやすい。よって、分析的なマーケティングの手法が現在でも十分に通用する領域である。他方、【象限①】は、機能面も情緒面も重視されるというやや複雑な領域である。我々はのどの渇きを潤すためにジュースを飲むが、同時においしさも求めている。そして、おいしさとは主観的なものであり、人によってバラバラである。【象限①】は、必需品であるがゆえに市場全体の規模は予想しやすいものの、顧客の好みが多様であるため、数多くの企業が参入し、様々な製品・サービスを供給する。

 【象限①】は参入障壁がそれほど高くない。しかし、国や地域によって生活習慣や嗜好、価値観や文化が異なることから、他の象限に比べるとグローバル規模で事業を展開する巨大企業が生まれにくい。世界の時価総額ランキング・トップ20の企業を各象限にマッピングした冒頭の図でも、【象限①】に該当する企業が少ないことが解る。【象限①】は、各国(特に新興国)において雇用の受け皿となっている業種が多いことから、外資規制が導入されていることも影響している。【象限①】の中心を占めているのは、地場の中小企業である。

 顧客ニーズの機能面を充足するには分析的マーケティングが、情緒面を充足するには主観や直観が重要になる。しかし、中小企業には分析的マーケティングに投資するほどの余裕はない。とはいえ、敢えて肯定的に考えれば、主観や直観だけでもある程度は事業をやっていけるとも言える。だから、【象限①】には中小企業が多くなる。

 世界の時価総額ランキング・トップ20の企業の中で、【象限①】に該当するグローバル企業はネスレ、ウォルマート、P&Gである。ネスレは経営の現地化を進めており、各国の市場にフィットした製品を開発している。P&Gは分析的マーケティングに強いことで有名だが、各国の市場をデータで解析すると同時に、社員が小売店や消費者のニーズを直接体験することに多大な時間を投資しており、ネスレと同様に製品を各国の事情に合わせている。機能面と情緒面の両方を重視する企業の中から、例外的にグローバル企業が生まれると言えるだろう(なお、ウォルマートは全世界共通のオペレーションで成長したが、近年はローカリゼーションを進めている)。

 本号では、ユニリーバの事例が紹介されている。ユニリーバは【象限①】に該当する企業である。事例を読むと、ネスレやP&Gの取り組みと共通点が多いことに気づく。
 CFOのグレイム・ピトケスリーはアナリストに向けて、世界中の現地市場に経営資源を移転するという、大規模な新規施策を発表した。文化の独自性やライフスタイルに合ったブランドや製品を、消費者が求めるようになっており、その結果、特に新興国市場において現地企業が急成長し、競争力を高めている、という。
(フランク・ファンデンドリースト、スタン・スタヌナサン、キース・ウィード「新たな競争優位の源泉 インサイトエンジン:データから顧客を知る力」)
 CMI(※消費者・市場インサイト部門)は、自社製品が暮らしの中で果たす役割や顧客ニーズに関する知見を得るために、顧客と接するよう全社員に奨励し、役立つツールも提供している。

 一例として、ピープルボイスという施策によって、アジアの工員、グローバルブランドチームの一員、さらにはCEOに至るまで、社内のあらゆる人材が、「持続可能性」「買い物客の経験」などのテーマを掲げたイベントで、顧客とじかに意見を交わす機会を得る。あるいはDiscuss IOという新興企業が開発した「いつでも使える」プラットフォームを利用して、あらゆる地域の消費者とバーチャル会議を開く方法もある。(同上)
 今回の記事で、【象限①】と【象限③】は情緒面を、【象限①】と【象限②】は機能面を重視すると書いたが、それを図示すると以下のようになる。

製品・サービスの4分類(修正)


2017年02月08日

『続ける力(DHBR2017年2月号)』―経営者がやるべき100のリスト(ベンチャー企業の失敗を教訓に)

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ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 02 月号 [雑誌] (続ける力)ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 02 月号 [雑誌] (続ける力)

ダイヤモンド社 2017-01-10

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 以前の記事「『青雲の志(『致知』2017年1月号)』―人間は利己的であるべきか、利他的であるべきか?、他」、「【現代アメリカ企業戦略論(補論)】日本とアメリカの企業戦略比較」で書いたことの繰り返しになるが、アメリカ人は将来的に実現したい大きな目的を明確に設定し、その目的と因果関係の強い少数のCSF(Critical Success Factor:重要成功要因)やKPI(Key Performance Indicator:重要業績指標)を特定して、CSFの達成度合いやKPIの数値の推移をモニタリングする。一方の日本人は、大胆で明快な目的を立てるということをそもそもしない。ただし、目標管理はしっかりとやる方で、アメリカ人よりもはるかにたくさんの目標を設定する。その1つ1つは小さいものだが、目標が束になると将来的に望ましい状態に至ると信じている。

 『致知』や『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』などで日本企業の様々な経営者のインタビュー記事を読んで感じるのは、高業績企業の経営者は「当たり前のことを1つ1つ当たり前にやる」ということを愚直に実践しているということである。本号にも、創業500年を誇る老舗の和菓子屋である虎屋の代表取締役・黒川光博氏の次の言葉がある。
 変えてほしくないのは、働いている社員の「芯」にあるものです。(中略)全力を尽くして、誠実に事に当たってほしい。そういう人が集まる会社でありたい。
(黒川光博「【インタビュー】誠実さがあってこそ事業は続く 伝統より「いま」と向き合う」)
 私は、ここ10年ほど「革新」という言葉をみずからは使っていません。「革新」と言えるほど思い切ったことは、はたしてどれくらいあるかと考えると、そうたくさんはないと思ったからです。そんな大層なことの前に、いまのお客様のために何をするのかを考え、即座に実行していく。それは必然であって革新ではないと思うからです。(同上)
 言い換えれば、目標を細分化して達成しやすくし、それらの積み重ねていけば自ずとよい成果が自らの方に引き寄せられる。目標と成果の因果関係はアメリカほど明確ではない(むしろ非常に曖昧である)が、日本の場合はそれでもよしとされる。この「目標の細分化」は、本号の特集テーマである「続ける力」=習慣化にとって非常に重要である。
 「社内で営業成績が一番になる」という報酬は大きすぎる例である。そこで、もう一度勝利条件を変更し、「大きな報酬」を「小さな報酬」に変換することが大切となる。

 たとえば「毎日、顧客の訪問件数を1件増やす」という小さな報酬で十分である。その場合、「訪問件数を1件増やすにはどうすればいいのか」という「小さな問い」が生まれやすい。「小さな問い」ができれば、好奇心に導かれて「行動」に至り、想定していた結果が得られること―求めていた「報酬」につながれば、また次の「小さな問い」が生まれる。このきっかけ→行動→報酬→きっかけというループが回ることで、継続と成長の習慣が生まれる。
(石川善樹「アスリートに学ぶ「勝利の習慣」 継続とは「小さな問い」を立てること」)
 もちろん、たくさんの小さな目標を設定することには、リスクもある。一番解りやすいのは、目標が多すぎるがゆえに、一部の目標が達成できないというリスクである。これに対して石川氏は、必ずしも完璧主義者になる必要はないとアドバイスする。「雨が降ったら運動しなくてよい」、「飲み会が入ったら勉強しなくてよい」といったように、ルールを見直すことが重要であるという。それから、目標を設定したという事実に満足してしまい、その後のアクションに結びつかないという問題もある。心理学ではこれを「偽りの希望症候群」と呼ぶそうだ。例えば、「英語を話せるようになりたい」という目標を持つと、脳がそれだけで気持ちよくなって、満足感を覚えてしまう。そういう場合には、続ける理由を発見することがポイントとなる。

 以前の記事「ケリー・マクゴニガル『スタンフォードの自分を変える教室』―経営に活かせそうな6つの気づき(その1~3)(その4~6)」でも書いたが、目標を達成すると、別の目標で手抜きをしたくなる誘惑にかられることがある。手抜き程度ならまだましなのだが、目標達成の反動で、反倫理的、反社会的な行動に手を染めることがある。簡単な例で言うと、「今日はいつもよりもたくさん顧客企業を訪問したから、道に落ちている千円札を拾って自分のものにしても構わないだろう(その千円札は、目標を達成したご褒美だ)」などと考えることである。

 こうした倫理・道徳からの逸脱を厳しく諫めているのが、「破壊的イノベーション」で知られるクレイトン・クリステンセンである。彼の「「人生のジレンマ」を克服するために プロフェッショナル人生論」という論文は、クリステンセンがハーバード・ビジネス・スクールの卒業生に贈った言葉である。この論文を読むのは実は今回で3回目なのだが、ようやくその内容が腑に落ちるようになってきた。クリステンセンは、人生における重要な3つの質問について、経営学・経済学の知見を活かしながら答えている。その3つの質問とは、①どうしたら幸せなキャリアをしっかりと歩めるか、②どうしたら伴侶や家族との関係を揺るぎない幸福の源にできるか、③犯罪者にならないためにはどうしたらよいか、というものである。

 ③に関して、クリステンセンは経済学の「限界費用」という概念を持ち出す。企業が投資の選択肢を評価する際、埋没費用や固定費は無視して、個々の投資に伴う限界費用と限界収益に基づいて意思決定する。人が悪事の誘惑にかられる際、頭の中では、「いけないことだと解っているけれども、今回1回だけなら許されるだろう」と考える。つまり、限界費用は小さいと見積もる。ところが、その道が最終的にどこに至るのか、その1回の選択から生じる総費用について思いをめぐらすことがない。これが犯罪者へと転落するパターンである。

 クリステンセンは、埋没費用の話をする際に、オックスフォード大学でバスケットボール部に所属していた時代のことを引き合いに出す。クリステンセンは敬虔なクリスチャンであり、毎週日曜日には必ず教会に通っていた。ところが、ある重要なバスケットボールの試合が日曜日と重なってしまった。しかも、クリステンセンはセンターとして先発出場することになっていた。バスケットボールの試合を取るのか、教会を取るのか?クリステンセンが出した答えは後者であった。
 しかし振り返ってみると、「この状況なら一度くらい許されるだろう」というこの誘惑に打ち勝ったことが、私の人生で最も重要な判断の1つであったことは間違いない。なぜかというと、人生は「例外が許されてもいい特別な状況」が果てしなく続くものだからである。私がその一度だけ足を踏み外していたら、その後の人生で繰り返し同じことをしていたに違いない。
 クリステンセンの選択は、社会的、道徳的な問題ではないから、この例はやや極端であるという印象は否めない(もちろん、敬虔なクリスチャンであったクリステンセンにとっては、この問題が非常に道徳的な問題だったのかもしれない)。しかし、反倫理的、反社会的な誘惑を断ち切るには、このぐらいの厳しさが必要であることを教えてくれる。一般論としては、一部の目標を達成できなくても、我々は完璧主義者ではないから悲観する必要はないだろう。だが、こと倫理や道徳に関連する問題に限っては、潔癖で完璧主義を貫かなければならない。

 ここまで、「小さな目標をたくさん積み重ねることが重要である」と書いてきた。では、その「小さな目標」とは具体的に何なのかについて、ある程度私の見解を述べておく必要があるだろう。体系的に考え出すとおそらくキリがないに違いないが、私は4年前に「【シリーズ】ベンチャー失敗の教訓(全50回)」という記事を書いた。この記事の内容を裏返せば、経営者がなすべきことが見えてくるだろう。以下、思いつくままに列挙してみる。

 (1)毎日、経営ビジョンの内容を自分なりに解釈する。
 (2)毎日、経営ビジョンの内容を社員に語りかける。
 (3)経営ビジョンに関する社員の解釈を経営ビジョンの内容に反映させる。
 (4)重要顧客とは定期的に会い、潜在ニーズを把握する。
 (5)最重要顧客との商談では、経営者自らがクロージングを行う。
 (6)製造現場を直接目で確認し、問題点を指摘する。
 (7)品質に関する重要な指標をモニタリングし、問題の早期解決を図る。
 (8)新製品・新規事業開発の際には、事前に十分なフィージビリティスタディを行う。
 (9)外注・パートナー頼みのビジネスモデル、事業計画を立案しない。
 (10)事業・組織規模、身の丈に合ったオフィスを選択する。
 (11)秘書、顧問、間接部門は最小限にとどめる。
 (12)お酒で失敗しないよう、お酒の量を控える。
 (13)顧客に対して、製品・サービスなどに関する情報を密に発信する。
 (14)顧客から、製品・サービスに関するフィードバックを受ける。
 (15)一般常識に従って、社会人として恥ずかしくない行動をする。
 (16)毎日、自社の行動規範の内容を社員に語りかける。
 (17)社員の行動が行動規範に則っているかチェックする。
 (18)行動規範に合致した行動は褒め、合致しない行動はすぐさま是正する。
 (19)自社が買いたいと思う製品・サービスを開発する。
 (20)事業間・製品間のシナジー目標を設定する。
 (21)事業間・製品間シナジー目標の責任者を任命する。
 (22)事業間・製品間シナジー目標をモニタリングし、問題の早期解決を図る。
 (23)野心的・非現実的すぎる事業目標を設定しない。
 (24)事業目標を達成するシナリオを社員に提示する。
 (25)競合他社を特定し、その強みやビジネスモデルを把握する。
 (26)競合他社との差別化ポイントを簡潔に示す(3つ程度)。
 (27)資金調達の目的を明確にする。
 (28)目的に合致した最適な資金調達手段を検討する。
 (29)顧客からの面倒な要望を嫌がらない。
 (30)多品種、少量、異形、不定期、低頻度に対応する。
 (31)新製品・新規事業開発の際には、投資対効果を算出する。
 (32)新製品・新規事業開発の際には、前提を変えて数パターンの投資対効果を見積もる。
 (33)新製品・新規事業開発の際には、撤退基準を設定する。
 (34)新製品・新規事業の開発にずるずると追加投資しない。
 (35)顧客のポートフォリオ管理を行い、ランク分けする。
 (36)それぞれの顧客からの期待売上を基に次年度の予算を立案する。
 (37)(23)の目標と(36)の予算とのギャップを埋める現実的な施策を立案する。
 (38)リストラ(人員削減)をする際には一発で終わらせる。
 (39)リストラによるコスト削減だけでなく、その後の売上回復シナリオも描く。
 (40)社員に企業の重要な業績指標を公開する。
 (41)業績指標や財務諸表の読み方について社員にトレーニングを行う。
 (42)製品ごとの原価と利益を見える化する。
 (43)目に見えないサービスの場合、サービスの効果を可視化する。
 (44)外注先とはコミュニケーションを密にして基本的な価値観を共有する。
 (45)外注先と価値観が対立したら、その解消に乗り出す。
 (46)製品・サービスのコアを見極め、コアだけは必ず自社で製造・提供する。
 (47)アウトソーシングした場合は、将来的に価格競争に突入することを覚悟する。
 (48)新製品を開発する際には、見込み顧客の具体的なニーズから出発する。
 (49)新製品を開発する際には、ターゲット顧客層を明確にする。
 (50)ターゲット顧客層は一定のボリュームが存在することを確認する。
 (51)見込み顧客が声に出さない潜在的なニーズを拾い上げる。
 (52)顕在ニーズと潜在ニーズを合わせて、トータルの顧客価値をデザインする。
 (53)顧客価値に見合う適切な価格を設定する(安易な安売りは悪)。
 (54)顧客を100%満足させるためには、120%の力を出し切る。
 (55)顧客から無理難題を突きつけられても、顧客の悪口は絶対に言わない。
 (56)マネジャーの役割と責任を明確にする。
 (57)マネジャーには、部下が迅速に仕事をできるよう、権限委譲する。
 (58)会議は予定時刻通りに開始する。
 (59)会議は予定時刻通りに終了する。
 (60)会議の主催者が責任を持ってアジェンダと討議用資料を準備する。
 (61)会議では参加者全員に発言させる。
 (62)会議終了時には、終了後のアクションとその責任者を特定する。
 (63)営業で失注したら、敗因分析を行う。
 (64)失注は学習の機会であり、失敗ではないという組織風土を醸成する。
 (65)標準営業プロセスを確立し、属人化を防ぐ。
 (66)営業プロセスの進捗度合いをモニタリングする指標を開発する。
 (67)自社や製品の認知度を維持・向上するためのメディアミックスを検討する。
 (68)値下げを営業担当者任せにしない。自社としての値引き率の上限を決める。
 (69)社員が多様なスキルを身につけられるようなトレーニングを実施する。
 (70)人事評価はこまめに行う。
 (71)社員を採用する際には、求める人材要件を明確に定義する。
 (72)社員の採用にはできるだけ多くの人を関与させ、直観で判断しない。
 (73)新卒採用では、基本的な性格(素直さ、責任感、コミュニケーション)を重視する。
 (74)中途採用では、前職と自社の価値観の対立をマネジメントできる人材を重視する。
 (75)相性のよさではなく、能力の補完関係を考慮してチームを結成する。
 (76)タスクフォース、委員会、分科会、分社化など、組織の細分化は極力避ける。
 (77)部門横断型組織を兼任メンバーだけにしない。必ず専任メンバーを入れる。
 (78)社員の遅刻に対して厳重に注意する。
 (79)社員には仕事の納期を守らせる。
 (80)経営者が自ら率先して雑用をする(掃除など)。
 (81)進んで雑用をする「縁の下の力持ち」的な社員を褒め称える。
 (82)経営者が自ら進んで社員に挨拶をする。
 (83)社員同士のコミュニケーションが生まれるようなオフィスレイアウトを工夫する。
 (84)社員同士のコミュニケーションが生まれるような親睦会などを実行する。
 (85)仕事を割り当てる際には、最低限要求される能力を満たしていることを確認する。
 (86)仕事を割り当てる際には、その仕事を通じてどのように成長してほしいか伝える。
 (87)社員の能力を定期的に棚卸し、強みと弱みを把握する。
 (88)自社の要求と、社員のキャリア意識を定期的に擦り合わせる。
 (89)顧客から理不尽な要求を受けたくなかったら、仕入先に理不尽な要求をしない。
 (90)自分の仕事を定期的に棚卸し、捨てるべき仕事、効率化すべき仕事を見極める。
 (91)社員に日報・週報を記録させ、仕事の生産性をチェックする。
 (92)社員に業務の効率化につながるアイデアを提案させる。
 (93)社員からの提案をどのように検討し、どんな結論になったかフィードバックする。
 (94)新しい改革に取り組ませる時には、まずは既存業務を効率化し現場の負担を減らす。
 (95)他社・大学と協業する場合には、共通の価値観を設定する。
 (96)他社・大学と協業する場合、お互いに異なる目的を追求していることを尊重する。
 (97)他社・大学と協業する場合、メリットを受けるだけでなく、相手にメリットを与える。
 (98)毎日の資金繰りを管理する。
 (99)会社としての撤退条件を定める(債務超過が3年続いたら解散するなど)。
 (100)会社全体の業績に対する最終的な責任は経営者が負う。

 この中には必ずしも「小さな目標」ではなく、考え出すとなかなか奥深い目標も含まれているのだが、まずは第1版として提示した。余裕があれば、経営者が追求すべき「小さな目標」集なるものを体系化したい。さらには、目標の達成度合いと企業の業績との関係を分析できるようなツールを開発することができれば面白いのではないかと考えている。


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